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机の上に予言が書いてあった。
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17 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:31:15.53 ID:7wm2QxL+0.net
毎日の楽しみであったその玩具は、相良さんの手によってあっけなく粉砕されてしまった。

考えてみれば当然の事だったのだ。未来を変えられるのは僕だけじゃない。

未来を知っているからこそ、僕は僕自身の手で未来を変えているように感じていただけで、今も何処かで知らない誰かが、来るはずの未来を変えているのかもしれない。


こうも簡単に、至極柔軟に未来は変わるのだ。もしかすると僕が今右手を動かすだけで、未来が変わるのかもしれないな。

変わる前の未来と変わった後の未来を知らない僕にそれを測る術など無いのだが。まさにシュレーディンガーの猫だ。

そういえば昨日は予言を見ていないな。今日はどんな事が起こる予定なのだろう。また何かを失ったり、壊したりするのだろう。


それから僕は、簡単に変わる未来予知に意味を見出せず、日課であった予言の確認をしなくなった。



18 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:31:38.04 ID:7wm2QxL+0.net
異変に気付く。

予言を初めて見た時から既に一ヶ月近くは経った。あの日から何かを失くしたり壊したりしなかった日はない。



19 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:33:29.72 ID:7wm2QxL+0.net
だが、あの相良さんに未来を変えられてから一週間、僕は何も失っていない。

何かを失いそうになったり、壊しそうになると決まって彼女が僕の前に現れるようになった。


もしかして、あの子は僕の予言を見ているのだろうか。

それを見て、僕を不憫に思って助けてくれているのだろうか。


その日 僕は確信を得るために、一週間ぶりに予言を見ることにした。




20 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:34:44.03 ID:7wm2QxL+0.net
放課後、図書室に来た。

残暑と同時に冷房は消えて機械音はなく、聞こえてくる音は運動部の掛け声と吹奏楽の管楽器の音色だけ。

うるさすぎることもなく、静かすぎることもないその空間は、本を読むには絶好の場所だった。


元々僕は静かな場所が好きだった。静かな場所といっても閉店後の駅ビルだとか複合商業施設のような相対的に強化された静寂ではなく、こういった自然的な静かが好きなのだ。

心が落ち着いて、少しばかりノスタルジックな気分になる。


この空間だけ、まるで時が止まっているようだった。

創設時から置かれているであろう古本の匂いが鼻を燻った。目に付いた本を棚から引き抜いて、顔に近づけて少しだけ匂いを嗅ぐ。人差し指で本の背を撫でて、がらがらの長机に座って本を開いた。



21 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:38:00.02 ID:7wm2QxL+0.net
半分ほど読み進めた頃、校内に下校時刻の放送が流れた。

すっかり本の中の世界に夢中になっていた僕は、意識を現実世界へと引き戻した。司書さんからメモ帳を一枚もらって、本に挟んで棚に戻す。


僕は早足で教室に向かった。

僕のクラスはBクラスだ。図書室がある西棟の二階の奥から二番目にある。



22 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:39:36.80 ID:7wm2QxL+0.net
慣れない早足に息を切らす間もないほど すぐに教室が見えてきた。

入り口前に人影がある。相良さんだ。


やはり僕の予言を見たのだろうか? 何やら嬉しそうな、恥ずかしそうな顔で下を向きながらこちらへ歩いてくる。

僕が近づくと、彼女は足を止め、顔をあげて僕の方を見た。

そのまま二秒間くらい見つめ合っていた。

どちらから話しかけることもなく、ただ相良さんは困ったような照れたような、そんな顔をしていた。


先に口を開いたのは僕の方だった。



23 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:41:10.70 ID:7wm2QxL+0.net
「予知、見たの?」

至極単純な質問だった。ただ、力がこもってしまった。


目の前にいるこの子が、僕の楽しみを奪った本人だと思うと、腹が立ってしまったのだ。

こうなることは予想できていた。

だから身構えていたつもりだった。彼女に会っても、怒らずに ただ感謝しようと。


だけど、そうはいかなかった。



24 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:41:43.42 ID:7wm2QxL+0.net
もちろん本人は人助けのつもりだろう。助けられる人がいるなら助けたい、そんな人なのだろう。

僕だって逆の立場ならきっと同じ事をしたと思う。でもこの時の僕にはそんな冷静な頭はなかったんだ。

僕の玩具を、非日常を奪ったこいつがただただ憎いと思った。

子供だったんだな。フィクションやノンフィクションの物語をたくさん読んで肥えた頭は、現実に、非現実が起きて舞い上がってしまい、正常な判断がつかなかったんだ。

一度、僕の非日常を元の日常に変えた彼女を前にして喋り出してしまった僕は、止まらなかった。

余計な事をした、とか、邪魔だ、とか。覚えていないだけで、もっと酷い事も言ったと思う。


沸騰しきった頭の血が冷めた頃には、目の前に泣いている彼女がいた。

嗚咽を漏らし、両の手の平で目元を擦りながら、彼女はただ「ごめんなさい」と一言口にして、その場を小走りで去っていった。



25 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:44:48.05 ID:7wm2QxL+0.net
怒りを吐き出して冷静さを取り戻した僕は、罪悪感に包まれた。

今、君が想像しているような罪悪感よりもっと、何十倍も。

親が病気になった後に反抗期の頃を思い出したような気分じゃないかな。

とにかく、謝りたかった。すぐにでも後を追って彼女の前で頭を地面につけて、誠意を見せたかった。


駆け出しそうになった足を既の所で止めた。今追って、謝ってどうなるというのだろう。

相良さんはまだ頭の整理ができていないはずだ。突然目の前に現れた僕に、助けていたはずの相手に言われもない暴言を吐かれたのだ。




26 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:45:15.02 ID:7wm2QxL+0.net
仮に謝ったとしても、何故暴言を吐かれたのか、何故謝られたのか、理解できるはずもない。

謝るなら明日、そう、明日にしよう。


そう自分に言い聞かせながら、目的である予言の書いてある机に向かって歩く。

誰もいない薄暗い教室の電気をつけて、ホワイトアウト現象に少し目を眩ませながら自分の机を見てみると、そこには『ともだちをなくす』と書いてあった。


外から部活動を終えた集団が帰宅する声が聞こえてくる。

いやにベタついた汗が頬を撫でた。



27 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:46:57.78 ID:7wm2QxL+0.net
足早に帰宅した僕は母に晩御飯はいらないとだけ伝えて、自室に籠もった。


大きく深呼吸をして、心を落ち着かせる。

今抱えている問題は二つ。



28 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:47:24.97 ID:7wm2QxL+0.net
一つ目は、相良さん。

一方的に感情をぶつけてしまった事による罪悪感が大きい。肝心の聞きたい事も聞く事ができずに、ただ泣かせてしまった。まずはこちらを優先すべきだろう。


二つ目は、予言だ。

今までの予言で一番タチが悪い。友達を失くすだって?ただでさえ二人程しか友達のいない僕が?


確かに最近僕は予言に夢中になって一人でいる時間が増えていたが、そんな事で友達をやめるほど脆い関係ではない。中学からの同級生なのだ。

受験の時は三人で同じ高校を選択し、三人で勉強をして、三人で合格したかけがえのない友達。失う訳にはいかない。


学校を休むのは得策ではないだろう。休んでいる間に二人が喧嘩をしてそのまま……という可能性も考えられる。

万が一学校で僕が何かをやらかしても、それを弁解するだけの頭は持っているし、ちょっとやそっとの事であいつらが縁を切るまで怒るとは思えない。



29 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:50:16.68 ID:7wm2QxL+0.net
とにかく、何かが起きてみないことには分からない。念には念を入れたいのが本音ではあるのだが。

ふと思い立った。相良さんだ。


今まで何度も僕の予言を覆してきたその人のことを思い出した。

何とか力を貸してもらえないだろうか。あんな事をしてしまった後に都合がいいと思われてしまいそうだが、何振りかまってもいられない。


もしかすると相良さんには、予言を覆す決定的な何かを持っているのかもしれない。

朝一番に学校へ行って相良さんを待とう。そしてすぐにでも謝って、相良さんの知っている事を聞いて、僕の知っている事も話す。そして協力してもらえるように頼もう。


一通り明日のスケジュールを決めた後、頭をフル回転させて疲れた僕の脳はすぐに睡眠を欲しがり、制服を脱いで寝間着に着替えてそのまま倒れるように眠った。



30 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/07/16(木) 04:50:42.59 ID:7wm2QxL+0.net
次の日、相良さんは思ったよりも早く登校してきた。

いつもよりも一時間は早く教室にいた僕は、相良さんがくるまでの間ずっと本を読んでいた。


普段僕は物を借りるという事をしない。何かを借りるというのは、なんだか居心地が悪くて好きじゃなかった。

しかし どうしようもなく暇だったので、仕方なく図書室から昨日の本を借りてきたのだ。

程なくして、廊下から足音が聞こえてきた。


相良さんの教室は僕の教室よりもう一つ奥にある。その教室に向かうには、僕の教室の前を通らないといけない具合だ。

教室のドアの小窓から姿を確認して足音の正体が相良さんだと分かると、僕はすぐに教室を出て声をかけた。




>>次のページへ続く
 
カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, すっきりした話, 胸キュン,
 


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