佐藤になんて言い返すか、言葉が出てこなかった。
修学旅行のあの夜から、佐藤は友達と言うにはあまりにも近くなりすぎていた
近くなったことで異性としての魅力も少しずつ見つかっていて、正直に言えば、佐藤が俺のチンコを見たいと言ってくれたことにすごく興奮していた。
俺は、さんざん迷ったあげく、場所、ないだろ。と言った、オーケーって言ったも同然だった。
佐藤は、来週の月曜日、学校休める?と言った。私の家、その日は誰もいないから。と
俺は佐藤の大胆さに心底ビビった。佐藤は普段大人しいというか、そう目立つほうではなかったから、そんないやらしいこと言うなんて想像もしてなかった
俺はまた迷って、粗チンを人にみせることが堪らなく不安なくせに、でも中学生特有の性欲に勝てなくて、わかった。と言ってしまった
佐藤は真っ赤になったまま、じっと俺を見つめていた。二人とも黙って、そしてお互いに気まずさに耐えられなくなって、曖昧に笑った。
そして、次の月曜日
学校を休むことは出来なかった。あの場の勢いで言ってしまったけれど、親がそんなことを許すはずがなかった
代わりに俺は気分が悪いと言って学校を早退した。保険の先生は不審がっていたと思う。でももうそんなこと気にならないくらいだった
学校を早退したあと、俺は佐藤の家に向かった、
早く行きたいような、もう帰ってしまいたいような気分だった。
佐藤の家はまだ新築だった。
ドキドキしながらインターホンを押すと、中から佐藤が出てきた。待ってたよ、と少しふくれたように言う姿がとてもかわいかった。
俺は、どうぞ。と佐藤に促されて家のなかに入った。真新しい木のにおいがした。
佐藤は、階段をあがって二階の自分の部屋に案内してくれた。
後をついていく俺は、死ぬほど緊張していた。
学校では気がつかなかった、ほんのり甘い佐藤のにおいがした。
佐藤の部屋は女の子らしいかわいい部屋だった。
緊張している俺を見て、佐藤は、大丈夫?と聞いてきた
大丈夫な訳なかったけれど、俺はほとんど意地を張って、大丈夫、と言った。
それから、佐藤と俺は少しの間、世間話をしたような気がする、あの越智君のことを好きな女子がいるとか、西くんは小学校のとき超背が小さかったとか
そして、ふと、会話がとまって、俺は佐藤を見て、佐藤も俺をじっと見つめ返した。
佐藤が、いい?と聞いた。頬が赤かった。
俺は頷いた。俺もたぶん真っ赤だった。