イケメン同期に振り回された俺の人生について語る
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22 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:47:22.62 ID:GrNcWqV6.net
「じゃあ、本当にいい人なんじゃないの?」
「でも彼女いないんだってさ。先輩から聞いた話だけど。」
「面倒だから、いないってことにしてるだけじゃない?」
「モテようと思って、いないってことにしてんのかな・・・。」
「ねぇ、この話のために呼び出したの?」
話の途中で、早苗は呆れたように割り込んできた。
「どうしても聞いて欲しい話があるっていうから、もっと深刻な話かと思ったじゃない。」
「俺にとっては深刻なんだよ。」
そう言うも、早苗は(どこが深刻なんだか)という顔をしていた。
23 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:50:25.42 ID:GrNcWqV6.net
俺は諦めずに話を続けた。
「なんか怪しいビジネスやってるとか、怪しい宗教やってるとか、あると思うんだよな。」
「ビジネスも宗教も人の自由でしょ。人の弱み探すくらいなら仕事で見返そうとか考えなよ。
っていうか、新しい仕事はじめたばっかなんだから、余計なこと考えてる余裕なんてないでしょ。
とにかくメールで済むことは、いちいち呼び出さないでよ。」
が、だめだった。
付き合ってる頃からサバサバしている性格だったが、こうストレートに正論を言われると堪えるものがある。
もちろん話の内容が重要というわけじゃないんだが・・・。
24 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:54:30.82 ID:GrNcWqV6.net
「だって、お前しか話聞いてくれるヤツいないんだもん・・・。」
東京で、こうして会って話せるような人は早苗しかいなかった。
地元の友達は東京に出てきてないし、前の会社の同期は音信不通状態だった。
みんな病んで去っていったから、しょうがないのかもしれないけど・・・。
これでも早苗と会うのは四ヶ月ぶりくらいだった。
振った男と会いたくない気持ちもわからなくもないけど、たまに付き合ってくれてもいいじゃないかと思っていた。
俺は、まだ吹っ切れてないんだし・・・。
26 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:57:21.82 ID:GrNcWqV6.net
さっさと切り上げられて早苗と別れたファミレスの帰り道、手を繋いで幸せそうに歩いているカップルを見て心底腹が立った。
どうせ俺は帰ってオナニーするぐらいしかない人生ですよ。
あ〜彼女欲しい・・・。モテたい・・・。モテる男が憎い。
「白石の弱み、なんか握れねぇかなぁ。」
じめじめした夜空に向けて、一人つぶやいた。
「じゃあ、本当にいい人なんじゃないの?」
「でも彼女いないんだってさ。先輩から聞いた話だけど。」
「面倒だから、いないってことにしてるだけじゃない?」
「モテようと思って、いないってことにしてんのかな・・・。」
「ねぇ、この話のために呼び出したの?」
話の途中で、早苗は呆れたように割り込んできた。
「どうしても聞いて欲しい話があるっていうから、もっと深刻な話かと思ったじゃない。」
「俺にとっては深刻なんだよ。」
そう言うも、早苗は(どこが深刻なんだか)という顔をしていた。
23 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:50:25.42 ID:GrNcWqV6.net
俺は諦めずに話を続けた。
「なんか怪しいビジネスやってるとか、怪しい宗教やってるとか、あると思うんだよな。」
「ビジネスも宗教も人の自由でしょ。人の弱み探すくらいなら仕事で見返そうとか考えなよ。
っていうか、新しい仕事はじめたばっかなんだから、余計なこと考えてる余裕なんてないでしょ。
とにかくメールで済むことは、いちいち呼び出さないでよ。」
が、だめだった。
付き合ってる頃からサバサバしている性格だったが、こうストレートに正論を言われると堪えるものがある。
もちろん話の内容が重要というわけじゃないんだが・・・。
24 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:54:30.82 ID:GrNcWqV6.net
「だって、お前しか話聞いてくれるヤツいないんだもん・・・。」
東京で、こうして会って話せるような人は早苗しかいなかった。
地元の友達は東京に出てきてないし、前の会社の同期は音信不通状態だった。
みんな病んで去っていったから、しょうがないのかもしれないけど・・・。
これでも早苗と会うのは四ヶ月ぶりくらいだった。
振った男と会いたくない気持ちもわからなくもないけど、たまに付き合ってくれてもいいじゃないかと思っていた。
俺は、まだ吹っ切れてないんだし・・・。
26 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:57:21.82 ID:GrNcWqV6.net
さっさと切り上げられて早苗と別れたファミレスの帰り道、手を繋いで幸せそうに歩いているカップルを見て心底腹が立った。
どうせ俺は帰ってオナニーするぐらいしかない人生ですよ。
あ〜彼女欲しい・・・。モテたい・・・。モテる男が憎い。
「白石の弱み、なんか握れねぇかなぁ。」
じめじめした夜空に向けて、一人つぶやいた。
28 :石黒@\(^o^)/:2016/02/17(水) 23:59:28.49 ID:GrNcWqV6.net
そんなある日、虎視眈々と狙っていたチャンスがついに来た。
俺たちが入社したころは事務所全体が忙しくて、歓迎会という歓迎会ができなかったから ということで、改めていろんな部署の人が集まって飲み会を開いてくれた。
歓迎される側ということで酔っ払った上司に散々連れまわされ、終電を逃した白石が、会社から近い俺の家に泊まりにくることになったのだ。
30 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:01:09.57 ID:SHhZ1Aus.net
いままで、白石と二人でプライベートな話をしたことがない。
酒も入ってるし、何かしら弱みを握れるかもしれない。
そう思ったのだが、二人ともヘトヘトになっていたのもあり、出身はどこだとか、家族は何人で兄弟はいるのかとか、大学時代何やってたかとか、いつも休日なにしてるだとか、差し障りのない話ばっかりで時間が過ぎていった。
31 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:03:20.15 ID:SHhZ1Aus.net
結局、有益な情報は何も得られず、シャワーを浴びて寝ようということになった。
適当なジャージとバスタオルを用意してやって、白石はカバンの中からハブラシセットを取り出して、風呂場に向かった。
東京にきてから早苗にしか使われなかった来客用布団を複雑な思いで敷きながら、視線の隅に、開けっ放しで置かれている白石のカバンが目に入った。
そのカバンを見て、悪魔の自分が囁いたのだ。
「中、気にならない?」と。
32 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:05:18.59 ID:SHhZ1Aus.net
天使の自分が「人のカバン覗くなんてサイテー!」と言ったのだが、悪魔に魂を売った俺は、ソロソロと白石のカバンに近づいていった。
もしかしたら、怪しいビジネスの書類が入ってるとか、あるかも。
ちょっと覗くだけ、ほんとちょっと覗くだけだから、悪く思うなよ。
シャワーの音が聞こえるのを念入りに確認し、そっとカバンの中をのぞいた。
33 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:07:33.71 ID:SHhZ1Aus.net
あまり おおっぴらに中身を取り出すわけにはいかなかったが、いたって普通の、仕事に必要なものしか入っていなさそうだった。
「なんだ、つまんねーの。」
何も見つからないことを残念に思いながらカバンから離れようとしたそのとき、ファスナー付きの内ポケットが不自然な形で少し膨らんでいるのに気づいた。
覗くだけと決めていた俺だったが、その膨らみが異様に気になって、さらに悪魔に魂を売り払い、おそるおそるファスナーをあけた。
中に入っていたのは、ペンケースぐらいの大きさの、やたら可愛いピンクの袋だった。
「こ、これって・・・。」
34 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:11:02.66 ID:SHhZ1Aus.net
普通であれば その正体が何かわからなかっただろうが、俺は、たまたま「これ」が何なのか知っていた。
(これ、プリキュアじゃないか。)
おジャ魔女どれみの人がプリキュアに携わるということと、水樹奈々がプリキュアの声優に初挑戦ということをニュースで見て、春から放映されていたハートキャッチプリキュア!を5話くらいまで見ていた。
記憶が正しければ、これはハートキャッチプリキュアの変身アイテムを入れる袋だ。
37 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:12:59.86 ID:SHhZ1Aus.net
紐を緩めてちらっと中を見たが、やはり間違いないようだ。
(まじかよ。プリキュアかよ。)
そのとき、俺の中で点と点がつながって線となり、新技をひらめいたときのように電球が頭から飛び出した。
(わかった!!こいつ、二次元にしか興味ないんだ!!)
だって、24歳の男がプリキュアの変身アイテムを会社のカバンに入れて持ち歩いてるとかやばくね?
やばいよ。絶対やばい。てか購入してる時点でやばいし。
俺は、ついに白石の弱みを握って最高にボルテージが上がった。
38 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:14:17.82 ID:SHhZ1Aus.net
その夜は、何事もなく過ごした。
せっかく入手した白石の秘密なのだ。
暴露するなら、なるべくみんながいるところがいい。
狙いは、定めていた。
2ヶ月後に企画されていた、社員旅行の夜、その日に。
39 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:15:34.38 ID:SHhZ1Aus.net
うだるような暑さに見舞われていた夏の日、待ちに待った社員旅行、一泊二日の温泉旅行の日がついに訪れた。
参加者が多いのが、この会社の風土の良さを一層感じさせた。
みんなで適当に観光しつつ旅館に到着し、温泉に入ったらあとは宴会だ。
上司が気を使ってなのか、部屋は俺と白石の二人部屋。
何も知らない白石は旅行を楽しんでホクホクした顔をしているが、宴会のその瞬間に、お前の天下はおしまいだからなぁ!!
わっはっは!!
40 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:16:49.31 ID:SHhZ1Aus.net
俺の考えは甘かったのだ。
みんなが少し酒が入った頃に暴露してやろうと思っていたが、宴会中盤ぐらいから、会場は、ほぼ真っ二つに分かれていた。
女性陣に囲まれて楽しそうに話している白石組と、酔っ払ったおっさん達に絡まれている俺、石黒組と、だ。
41 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:18:27.22 ID:SHhZ1Aus.net
右から「大地おめーはなぁ、お調子ものだから駄目なんだよ!いいから飲め!」
「それ長所っすよ長所wあざーすww」
左から「大地くん、俺もう腹いっぱいだからこれも食って。」
「勘弁してくださいw俺も腹いっぱいっすw」
前から「おい大地ー!お酌くらいしろよぉ!」
「それだめっすよwパワハラ、パワハラw」
後ろから「あぁんパワハラだぁ!?おーじゃあセクハラもしてろうかオラァ!!」
「あーだめーww感じちゃうーーww」
俺なにやってんの!!女の子どこ!!
42 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:20:25.78 ID:SHhZ1Aus.net
おっさんに囲まれつつ、遠くに見える白石組を羨ましい妬ましい気持ちで見ていた。
宴会場には一段あがったミニステージがあって、カラオケ好きの音痴な部長がずっと騒音係をしていて、白石組が楽しそうに何をしゃべってるのか全然聞こえないし。
こんなはずじゃなかったのにーー!!
ちくしょー!!俺も女の子と話してーーよーー!!!
>>次のページへ続く
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