イケメン同期に振り回された俺の人生について語る
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43 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:22:01.45 ID:SHhZ1Aus.net
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意識が戻ったときに聞こえたのは、遠くで川が流れる音と、耳鳴りの音だけだった。
重い目を開くと、月明かりに照らされた和室の天井が見えた。
どうやら部屋に戻って、布団に寝ているらしい。
そうか、潰れてしまったのか・・・。
頭が痛い。喉もカラカラだ。
うめきながら身体を起こそうとすると、「大丈夫?」という声が聞こえた。
月明かりの中にぼんやりと見えたのは、白石の姿だった。
44 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:23:08.96 ID:SHhZ1Aus.net
部屋の明かりは付けず、デスクライトで本を読んでいたらしい。
何も言わず、コップに水を汲んできて、俺に手渡してくれた。
「サンキュ・・・。あー久しぶりに潰れた・・・。」
「みんなから飲まされてたもんね。お疲れさま。」
「もう一杯水くれ・・・。」
「ちょっと待ってて。」
45 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:24:25.46 ID:SHhZ1Aus.net
白石がもってきてくれた水を一気に飲んで、俺はまた倒れこむように横になった。
「いま何時・・・?」
「1時だよ。」
1時か・・・。よかったまだ眠れる。
それだけ聞いて、俺は再び眠りについた。
ああ、そういえば、白石の秘密暴露できなかったなぁ・・・。
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意識が戻ったときに聞こえたのは、遠くで川が流れる音と、耳鳴りの音だけだった。
重い目を開くと、月明かりに照らされた和室の天井が見えた。
どうやら部屋に戻って、布団に寝ているらしい。
そうか、潰れてしまったのか・・・。
頭が痛い。喉もカラカラだ。
うめきながら身体を起こそうとすると、「大丈夫?」という声が聞こえた。
月明かりの中にぼんやりと見えたのは、白石の姿だった。
44 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:23:08.96 ID:SHhZ1Aus.net
部屋の明かりは付けず、デスクライトで本を読んでいたらしい。
何も言わず、コップに水を汲んできて、俺に手渡してくれた。
「サンキュ・・・。あー久しぶりに潰れた・・・。」
「みんなから飲まされてたもんね。お疲れさま。」
「もう一杯水くれ・・・。」
「ちょっと待ってて。」
45 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:24:25.46 ID:SHhZ1Aus.net
白石がもってきてくれた水を一気に飲んで、俺はまた倒れこむように横になった。
「いま何時・・・?」
「1時だよ。」
1時か・・・。よかったまだ眠れる。
それだけ聞いて、俺は再び眠りについた。
ああ、そういえば、白石の秘密暴露できなかったなぁ・・・。
47 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:25:30.09 ID:SHhZ1Aus.net
次に意識が戻ったときには、遠くの川の音だけが聞こえた。
耳鳴りが治っている。
頭の痛みもほとんど取れていた。
光景はさっきと変わらず月明かりの天井。
まだ朝にはなっていないらしい。
横を見ると、隣の布団で白石が眠っていた。
「ふう・・・。」
頭の痛みは取れたが、身体がだるい。
トイレに行こうと身体を起こしたら、「水飲む?」と横になったまま白石が聞いてきた。
48 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:26:56.31 ID:SHhZ1Aus.net
「うおびっくりした。まだ起きてたのかよ。」
「なんか眠れなくて。」
眠れなくてって、時間見たら3時半じゃねーか・・・。
トイレから帰ってきて話をきいたら、俺以外も全員潰れて、飲んでなかった先輩方が部屋まで連れてきてくれたらしい。
「みんな、ここまで潰れたことないんだって。石黒くんがいて、相当楽しかったんだろうって言ってたよ。」
俺としては女の子と飲みたかったが、悪い気はしなかった。
49 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:28:56.46 ID:SHhZ1Aus.net
「石黒くんは、みんなから愛されてて、いいね。」
「女の子に囲まれてる白石のほうがよっぽどいいだろ。」
「そんなことないよ。僕は石黒くんのほうが羨ましいと思うな。」
そう言って白石は いつものような笑顔を見せたが、月明かりに照らされているせいか、少し寂しそうな顔に見えた。
白石がこんな顔をしているのは初めて見た。
(そういえば俺、なんで白石に敵意もってたんだっけ・・・)
50 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:30:21.50 ID:SHhZ1Aus.net
布団の上で胡坐をかいて向かい合って座っている、透き通った白石の顔をまじまじと見て、ふと思った。
こいつから何かイヤなことをされたわけでもないのに、秘密を暴こうと躍起になったり、それを暴露しようとしたり。
自分よりイケメンでチヤホヤされてるからって、すげー女々しくないか。
白石の寂しそうな顔にやられたのか、急に自分の汚さが恥ずかしくなった。
51 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:31:46.25 ID:SHhZ1Aus.net
「俺、お前の秘密知ってるよ。」
あまりに突然だった。
その言葉を発したのは自分なんだが。
なぜこのタイミングで、この言葉が出てきたのか、いまでもわからない。
でも、言ってしまったのだ。なんの脈絡もない、この場面で。
52 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:33:47.96 ID:SHhZ1Aus.net
空気は、完全におかしくなった。
突然変なことを言われた白石はフリーズしていまい、突然変なことを口走ってしまった俺もフリーズしてしまい、二人とも間抜けな顔で向かい合いながら、何も言えないでいた。
「どうして・・・?」
「えっ・・・。」
微妙な空気の中、最初に口を開いたのは白石だった。
53 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:34:54.43 ID:SHhZ1Aus.net
急に理由について聞かれた俺は焦ってしまい、「どうして」と言った白石も焦ってしまったのか、また二人とも「えっ」「あっ」などと言葉しか言えず、微妙な空気に戻ってしまった。
「・・・・・・あ、えーと・・・。」
俺はこの空気を何とかせねばと言葉を続けようとするが、何も出てこない。
54 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:35:34.44 ID:SHhZ1Aus.net
「あ、ご、ごめん。ど、どうしよう。」
白石も戸惑っていた。そりゃそうだ。
「ど、どうしようっていうか、え、ど、どうしよう。」
「ごめん、あの、気づかれたことなかったから・・・。」
白石はついに目を伏せてしまった。
俺の暴露で白石がこんなに動揺すると思わなくて、逆に俺が動揺してしまった。
55 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:36:35.85 ID:SHhZ1Aus.net
たしかに白石は いままでプリキュア好きな素振りを微塵も出してないし、なぜ気づいたのか、もし突っ込んで聞かれたら明確に答えることができない。
さすがにカンで気づけるものじゃないし、カバンを漁ったことがバレたら俺のほうがピンチだ。
どうしてこんな簡単なことに気づかなかったのか。みんなの前で言わなくてよかった。
てか、もしかして こいつすでに気づいてるんじゃないか?やばい。やばいぞ。
「僕、外で寝ます。」
俺が脳内でパニック劇場を繰り広げている間、白石は急に立ち上がって部屋を出て行こうとした。
56 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:38:12.93 ID:SHhZ1Aus.net
「え、いや、いやいや、なんでだよ。」
「同じ部屋で寝るの、嫌じゃないですか?」
「いや、なんでだよ。」
俺はとんでもない罪悪感に襲われていた。
プリキュア好きって言っただけで そんなにショック受けるか!?よかった、ほんとよかった!みんなの前で言わなくて!
そのときの俺は、そういう気持ちでいっぱいだった。
「気にしなくて大丈夫なので・・・。」
白石は、そのまま俺に背を向けた。
57 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:39:32.23 ID:SHhZ1Aus.net
「いや気にするから!いいから、いいから座れって。別に、誰が何を好きになっても そんなの個人の勝手だろ。」
完全に自分の行動を棚に上げた発言だったが、いまは白石を引き止めなければ、そう思って必死だった。
「そんなんで気持ち悪いとか思わないから。とにかく座れって。あ、てか俺が気持ち悪い、やばい吐きそう、アル中で死ぬかも、看病してくれよ。」
酒に潰れた後遺症は完全にすっ飛んでいたが、その言葉を聞いて、白石は布団の上に戻ってくれた。
相変わらず、視線は落としたままだったが・・・。
58 :石黒@\(^o^)/:2016/02/18(木) 00:40:40.73 ID:SHhZ1Aus.net
「俺さー、白石とプリキュア好きって話しようと思ってたんだよ。ほら、いまやってるハートキャッチの、サンシャインの変身シーンやばかったよな、子どものアニメに気合入りすぎだろっていうか、すげーっていうか・・・すげーっていうか。」
すでに自分自身なにを言ってるかわからない状態になっていたが、俺の取り繕った話を聞いて、白石は心底驚いた顔で、俺を見上げた。
「石黒くん、プリキュア好きなんですか?」
あ、あれ・・・?いまそういう話になっちゃってる・・・?
>>次のページへ続く
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