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ショットバーの客
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296 :名無しさん@ピンキー :2005/12/08(木) 05:28:46
初めてだけど書き込みたくなった。
私→ショットバー店員
旦那→客
一人で飲み来た旦那が、店で流れてる音楽や、ライブを観てやけに感動して私に話し掛けてきた。
旦那『いつもこんな音楽聴きながら仕事してるの?いいねぇ~♪うらやましいよ。』
私『そうですか?』(かなり愛想がなかったハズ…って今もないけど)
それから毎日のように顔を出すようになって、ある日携帯の番号を聞かれた。
旦那『携番教えてよ』
私『友達でもない知らない人には教えないことにしてるんです。ごめんなさい(ニッコリ)』
旦那『友達になりたいから俺と遊んで』
無邪気に言われて渋々アド交換。
その日の夜にメールが来ました。内容は至って普通。あの音楽が良かったとか、あのバンドはどうだったとか。
297 :名無しさん@ピンキー :2005/12/08(木) 05:44:11
そんな感じでたまにメールをしたりしましたが、私自身あまりマメな方じゃないので返したり返さなかったりしてました。
そんなある日、私が一人で本屋で雑誌を読んでいると電話が鳴りました。旦那からでした。
旦那『今仕事終わったとこだよ。今何してんの?』
私『本屋にいる。』
旦那『本買ってんの?何の?』
私『いや…本じゃなくて、家計簿つけようと思って買いに来ただけ。』
旦那『そんなのつけてんの?みかけによらず、マメなんだね。』
私『そう?…で?何?用事は。』
旦那『いやさぁ、今日友達と飯食う約束してたんだけど、友達に用事出来ちゃって暇になっちゃったんだよね。良かったら一緒どう?』
私『…何で私誘うの?』
旦那『好きだからなんじゃない?』
私『…は?意味わかんない。』
旦那『とにかく暇ならどっかご飯食べに行こうよ。俺、お腹減っちゃった。』
私『そ。んじゃ一人で行きなよ。私パス。』
旦那『んじゃ〇〇(地元では結構有名な居酒屋)にいるからね♪』
こうして強引に電話を切られ、仕方なく行きました。
この時点で、私的には結構好きになりかけてたんですが、根が負けず嫌いの上、素直ではないので、うまくそれが出せませんでした。
298 :名無しさん@ピンキー :2005/12/08(木) 06:26:38
実は私がこんなひねくれた性格になったのは、難病指定の病気になったからで、いずれ体が動かなくなって死に至る病気であることが発覚したからです。
前の彼氏もそれが原因で別れられたので、付き合うとかましてや結婚なんて考えられませんでした。
居酒屋での彼は面白くて優しくて、本当にいい人でした。
セクスの話になったので、私が『付き合った人としかやらないよ、私は。』と言うと、彼は『じゃ俺と付き合って♪』と屈託のない笑顔で握手を求めて来ました。
私はこの人なら例え一晩だけでもいいかな、と思い、握手に応じました。
当時 私は一人で生活出来る間は、一人で暮らしたいと両親に頼み込んで一人暮らしをしていた為、私の部屋で彼と過ごした後、彼は朝早く仕事に出かけました。
その後 何日か連絡がなかったので、あぁやっぱりか、と私は諦めていました。
299 :名無しさん@ピンキー :2005/12/08(木) 06:44:07
何日かして携帯に連絡がありました。
いつものように彼は優しくて、どんどん惹かれていきました。
でも深入りしたら自分も相手も傷付くだけだから…と一生懸命自分の気持ちに歯止めをかけていました。
でも、もう少し付き合ったら別れよう。そう思っていたのに、なかなか自分から踏ん切りをつけることが出来ずにいました。
ただ、自分から連絡しないようにするだけで精一杯でした。
300 :名無しさん@ピンキー :2005/12/08(木) 06:49:10
お互い何も連絡しないまま何日か経って、ある日私が風邪を引いて店を休んだ時のこと。
夜遅くにインターフォンが鳴ったので、熱にふらつきながら出ると、彼が大量の食糧をもって心配そうな顔をして立っていました。
『アイちゃん(私の名前)いるかなぁと思って…
久しぶりに店に行ったら熱出して休んでるって聞いて…
今の時間まで気が付かなくて本当にごめんね。
大丈夫?ご飯食べた?
何が好きかわからなかったから色々買って来ちゃったけど、他に食べたいものある?
あぁ、いいから寝てなよ、悪化しちゃう。』
そう言って、私を部屋に押し戻しました。
彼の優しさが嬉しくて、嬉しすぎて涙が止まりませんでした。
『何で優しくすんの。』
それが泣きながらやっと絞り出た言葉でした。
301 :名無しさん@ピンキー :2005/12/08(木) 07:18:32
彼は泣いてる私を子供をあやすように頭を撫でながら、手を握って少しずつゆっくり語ってくれました。
彼の家系は遺伝性の難病になる傾向が高いこと。
彼の父親もまた、その病気であったこと。
彼の兄もその病気で現在寝たきり状態であること。
そんな家族が嫌で現実から逃げたくて家を飛び出して、東京に出て自分の好きなことをしている間に父親が亡くなってしまい、死に目に会えなかったこと…。
『アイちゃん。
俺、アイちゃんがして欲しいこと、全部はしてあげられないかも知れない。
だけど苦しいことや、悲しいことがあったら、我慢しなくていいから、でも無理にじゃなくていいから、言って欲しいな。
アイちゃん、今悩んでることがきっとあるんだよね?
本当は言いたいけど言えないんだよね?
少しずつでいいから、いつか言ってね。』
そうやって優しく笑ってくれました。
それからしばらくいろんな話をしてくれました。
その後…
旦那『風邪が治ったらどっか行こうか。バイクでさ。ね?』
私『…』(頷く)
旦那『どこ行きたい?』
私『ディズ〇ーシー…』
旦那『よしっ!じゃあ行こう!約束な♪』
そう言って、また優しく握手してくれました。
この時、私は彼に病気のことを話そうと決心しました。
302 :名無しさん@ピンキー :2005/12/08(木) 07:33:17
私の風邪が治って、お互いの休みが取れた日に、バイクにタンデムして出かけました。
バイクに乗っている間も彼はずっと私を気遣ってくれました。
その優しさが痛くて…私は彼に話し始めてしまいました。
本当はね…帰りに話そうと思ったんだけど…
彼は黙って聞いていました。
私『私、こんな体だから、きっとこれから一生男の人と付き合えないと思ってた。
自殺しちゃおうかとも思ったこともあった。
でもシンちゃんと一緒にいて楽しかったし…生きてて良かったって本当に思った。
だけど、シンちゃんにだけは迷惑かけたくない。
だからこのデートが終わったらさ…別れよう。
こんなこと話して…楽しめないかも知れないけど…
今日は一緒に楽しんでよ。』
彼は ただずっと黙ってました。
途中何かを言おうとするのがわかりましたが、バイクなので風でわかりませんでした。
ただ聞こえたのは、どうして俺の大切なものは、どんどんなくなってっちまうんだ…
それだけでした。
>>次のページへ続く
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