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「娘さん下さい!」って言いに行くww
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459 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 17:58:59.56 ID:VneAmMgQ0
そろそろ定時

>>1よ、今以上に幸せに


460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 17:59:25.82 ID:n3f0eTj7O
もう俺は目から汁が出てしまっている・・・



467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:00:37.74 ID:4QDc0c6v0
次の日には もう帰ることにした。

まだ大学生のユウを連泊させることに気が引けた。

昼には出て観光をして帰った。

帰りの退屈な東北道。

隣にユウがいれば飽きなんてのはないがな。

「せんせ、しあわせものたね」

俺は運転しているので前も向かなくてはいけない。

だから なるべく大きき口を開けて話した。


480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:03:41.08 ID:4QDc0c6v0
「どうして?」

「すてきなかぞく」

「そうかな?」

「うん」

「ユウのおかあさんもいいひとだろ?」

「うん」

ちょっと無神経だった。

父親のいないユウ。兄弟のいないユウ。

『家族』が羨ましかったんだろう。

「ユウと出会えことも幸せの一つだ」

わざと見えないように喋った。

「なに?」

答えずに俺はユウの頭を撫でた。

片手運転だったけど構わない。混雑もしていなかったし。

何も言わずに撫でた。

ユウもそれ以上何も言わなかった。

しばらくするとユウの頭がすっと落ちる。

寝てしまったようだ。

俺は手をどけて前を見据える。


俺はこの子を幸せにする。

絶対にだ。


499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:09:17.27 ID:4QDc0c6v0
仕事は見事に内定を頂き今のところ落ち着いた。

そして今年の三月の末。

ユウは就職せずに翻訳家の道を目指すことになった。

ちょっと現実の冷たさを感じていて落ち込み気味だったユウを連れて散歩しがてら花見をしていた。

よく晴れた日だったな。

そしてユウの作ってきたサンドウィッチを食べるためにベンチで。

ヒラヒラと舞う桜が綺麗なところだった。

「せんせ、おいしい?」

「うまい」

無言で食べる。

「はい」

おお、お決まりのリンツw

「ありがとう」

包みを開け口に入れる。


521 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:14:28.44 ID:4QDc0c6v0
「せんせ、さくらきれいね」

「だね」

「せんせ、さくらすき?」

「すきだよ」

「わたしも」

まじまじと桜を見るユウの横顔。

小学校の頃となんら変わりがないその愛くるしい笑顔。

見た目は本当に健聴者と変わらない。

でも耳が聞こえないと言うだけで この子なりに苦労はしてきたんだろう。

小さな一人の生徒だった子がこんなにまで大人に成長した。

歳なのかなw

彼女の横顔を見ているだけで涙腺が緩んだ。




528 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:15:48.09 ID:4QDc0c6v0
「せんせ?」

ユウが背中を擦ってきた。

「せんせ、たいじょぶ?」

「ごめん、ごめん」

ユウがハンカチを手渡してきた。

涙を拭きそれを返す。

ハンカチを受け取る小さな手、その手を握った。

「せんせ?」

「けっこんしよう」

「え?」

「けっこんしよう」

驚いた顔をしたと思ったのもつかの間、ユウが急に泣き出した。

初めて見るユウの涙。

「ユウ?」

もしかしてフラグ折れた?と思った。

うわー、まだ早かったかなって。

でもハンカチで涙を拭いたユウの顔は笑っていた。


534 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:16:50.73 ID:wLSPypbd0
なんかこんなスレ見てると、将来俺の娘がだれか彼氏連れてきたときどんな顔すればいいかわかんねぇよwwww


536 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:17:19.41 ID:4QDc0c6v0
「せんせ、わたしみみがきこえないのよ?」

馬鹿かと思った。

今更なんだよと。

「かんけいない」

「せんせにめいわくかける」

過去を思い返すってのは突然なんだな。

塾で最後の授業の日。

「迷惑だったでしょ?」と言われたのを思い出した。

「かけない。かけられたことなんて、ない!!」

俺は語尾を強くして言った。

「せんせ、いいの?」

俺はリンツの包みを取り出して小さく丸めた。

そしてユウの指にくるくると巻く。

「ゆびわ」

ユウの目からまた涙が零れる。

「けっこんしてください」

「うん・・、あっ」

ユウは首を振った。

「はい」

律儀な奴めw

桜の木の下で俺は彼女にプロポーズをした。


540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 18:19:03.66 ID:wGkCOI0p0
>>536
その指輪のとこで俺の涙腺は崩壊した

そこから始まったんだもんな



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:感動・泣ける話, 結婚, すっきりした話, 純愛, 胸キュン,
 


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