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「娘さん下さい!」って言いに行くww
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79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:46:50.65 ID:4QDc0c6v0
大学二年生になると やたらサークルが忙しくなった。

バイト代も貯まってたし、その頃から始めたスロットも調子が良くバイトに入らなくなっていた。

んで久しぶりに塾に行くと教室長が

「この前○○ちゃん(彼女)が君に会いにきてたよ」

5月の中旬だったね。

「そうなんすか?なんか用でした?」

「これ置いていった」

封筒みたいなものを手渡された。

中身を見ると最後の日に撮った写真の焼き増しだった。

俺の顔キモw今でもスキャンして撮ってあるがマジできもいw


そして一枚の紙。

『携帯買ったのでメールしましょう』

ってアドレスを添えて書かれていた。


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:49:10.71 ID:4QDc0c6v0
なんだそれwと思いながらも封筒をしまい その日は授業をこなした。

帰宅後思い出したかのように彼女からもらった紙を見た。

そして携帯を手に取る。

アドレスを打ち込む。

本文入力。


でも送信ボタンは押さなかった。

なにかいけないことをやっているんじゃないかという衝動に駆られたんだな。中学生にメールなんてって思った。

万が一トチ狂って犯罪チックな展開になったらどうすると思い結局メールは送らなかった。


そして それ以降彼女が塾に来ることはなかった。

もちろんアドレスの紙もどこかに消えていた。




87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:52:17.07 ID:4QDc0c6v0
月日は流れて大学四年生。

単位も残り4単位、そして就職も無事に決まりフラフラしてた。

そこ頃、大学のサークルの一年後輩の子とも付き合っていた。

どちらが告白したとか、きっかけなんかも今となっては思い出せないほどのなんとなくま付き合い。

でも俺にとっては初めての彼女であり。

初めてのデートであり。初めてのキスであり。初めてのセクロスだった。

正直期待以下だったなと思う。なんだかなー。

たぶん よっぽどの事がなければ この子と結婚するんだろうか、もし振られたら一生独身かもな。

当時はそんな感じで焦燥感に駆られていた。


その頃になるとバイトも再開。

結局塾講師しかバイトしてなかったなぁ、なんて。

なんだか無味乾燥な大学生活だったなと思っていたよ。

そんな感じで大学生活は終了した。


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:54:04.04 ID:4QDc0c6v0
社会人生活一年目。

だいぶ慣れた(仕事的には、でも既に辞めたかった)頃、夏の日。

会社の同僚と上司と飲んだ帰り。

いつもの最寄駅のホームで酔い覚ましにとペットボトルの水を飲んでいた。

なんか上司の愚痴、説教が多い飲みの席だったので俺の気分は悪く 家に帰っても一人なので なんとなくそこにいた。

今では その上司に感謝している。その時、そこにいなければ彼女と再会はしていなかったかもしれないからね。

突然 後ろから声が掛かった。

「せんせ」

振り返ると学生が一人。

すぐに彼女だということは分からなかった。

「おぼえてる?」

たどたどしい喋り。ようやく気づく。

変わらず地味な子ではあったが三年の月日が彼女を大人にした。

制服にも新鮮さを覚えた。考えてみれば高校生の歳になったのか。

小学生のあの子がな・・。完全にオサーンだったw


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:58:47.28 ID:4QDc0c6v0
「○○ちゃんか?」

彼女は笑って頷いた。

そしてノートを取り出すと「暗いから筆談で」と書いた。

おいおい、今はほって置いてくれよなんて思った。でもお構いなし・・。

「仕事の帰りですか?」

変わらず綺麗な字を書くもんだなと感心しているのもつかの間、「お酒臭いよ」と書かれた。

そんな匂うかなと思いながら俺も自分のペンを取り出してノートに書き込む。

「社会に出れば分かる」

「体は大事にしないと」

「言うようになったね」

久しぶりの筆談だった。

パソコンばかり打っていたので文字を書くのも久しぶりだった。




94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:00:43.31 ID:4QDc0c6v0
「それにしても久しぶりだね」

「そうだね」

「でも高校生がこんな遅くに出歩いてていいのかよ」

「遅いってまだ九時だよ」

「十分遅い」

「友達と遊んでたの」

「夜遊びも程ほどにな」

「厳しいよ、先生」

「でも元気そうで何より」

「元気じゃないよ」

「どうして?」

「先生がずっとメールくれなかったから」

彼女の顔を見る。悪戯に笑っていた。


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:01:28.03 ID:4QDc0c6v0
ああ、あの時のことか・・。

「あの紙なくしちゃったんだよ」

バレバレの嘘。文字も焦っていた。

「じゃあ、今日は教えて」

そう書くと彼女は携帯を取り出した。俺は参ったと言わんばかりに携帯を取り出す。そしてお互いに交換する。

当時はいい年こいてアドレスに付き合っていた彼女の名前を入れていたんだが、案の定彼女に突っ込まれた。

「彼女さんの名前?」

「そうだよ」

「先生モテるね」

「どこがだよw」

「私は彼氏の一人も出来ないよ」

「意外と可愛いのに」

ちょっと調子に乗って意地悪を言う。


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:02:33.97 ID:4QDc0c6v0
「じゃあ先生が振られたら彼女にして」

え?俺は思わず彼女を見た。

彼女はペンで何かを書く。

「冗談だよ」

「からかうのはやめろw」

そして彼女はノートを閉まって携帯を指差す。

ボタンを押す仕草。

「わかってるよ」

俺はベンチから腰を上げて彼女と一緒に歩き出し改札を出た。

そして急に立ち止まってバッグを漁ると懐かしいリンツのチョコを出してきた。

どんだけ好きなんだよwと思いながらも ありがたく受け取る。

口の中で溶かしながら食べるそれは口に残るアルコールの味と混ざった。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:感動・泣ける話, 結婚, すっきりした話, 純愛, 胸キュン,
 


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