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「娘さん下さい!」って言いに行くww
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130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:24:12.23 ID:4QDc0c6v0
決してユウのせいなんかじゃない。

自分が弱かったんだと思う。

彼女とのデート後、しばらくしてから俺は仕事を無断欠席することが多くなった。

すぐに会社はクビになった。

そりゃそうだわな。


別にいいし・・なんてふざけた考えをしていた。

貯金は結構あった。

それを崩しながら堕落した生活。

パチンコ、スロット、競馬に、競輪・・。

吸わなかったタバコも吸うようになった。一気に部屋が黄色くなる。


132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:26:33.22 ID:4QDc0c6v0
そして付き合っていた彼女には仕事をやめたことは伝えていなかった。

会うことになるとスーツで向かった。意外にもバレないw

つーか俺に関心がなかったんだわな、この頃既にw

でもユウには気づかれた。というか目撃された。

ユウと遊んでから半年くらい経ってからかな。

ボサボサ頭のスウェット姿でパチンコ屋から出てしばらくすると肩を叩かれた。

その日は負けていて苛立っていたので「ああ?」なんて低い声で振り向いた。

すると少し怯えた様子のユウがそこにはいた。

たぶん俺の表情さえもひどかったんだと思う。

「せんせ、やすみ?」

構うなと思ったが、あの日 遊んだきり会うことも連絡することもなかったユウの手前、邪険には出来なかった。




136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:30:58.72 ID:4QDc0c6v0
「やすみ」

「そんなかっこうでみっともないよ」

カチンときた。ガキに説教される覚えはないと思ったからね。

タバコを取り出して火をつける。

ふとユウを見るとタバコをふかすジェスチャーをする。

しかも驚きと疑問の顔で。

「わるいかよ」

ユウと話すときの癖で大きく口を開けてしまった。

煙が彼女に掛かる。

「す、すまん・・」

ユウは咽ながら首を振る。

「せんせ、しごと・・」

何かを言いたげだった。

「へいじつ、さいきんよくみる」

「え?」

「しごとやめたの?」

俺はユウの顔を見ずにタバコを吸った。何も言えない。

こんなだらしない男に勉強を教えてもらっていたのかと幻滅されてんだろうなって思ってユウを見ることが出来なかった。

俺チキン。


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:32:16.65 ID:4QDc0c6v0
「せんせ」

タバコの火をサンダルの裏で消して彼女を見る。

「べんきょ」(小文字の後の母音発声は今でも困難な模様w)

「は?」

「おしえて」

俺は手を横に振った。嫌だよ。

「えいご」

「は?」

「えいごをおしえて」

彼女はバッグからプリントを取り出した。英語のテキストだった。


139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:35:12.50 ID:4QDc0c6v0
俺はテキストを受け取り中身を見た。

懐かしいな・・、大学受験を思い出す。

「ため?」

ため?ああ・・ダメ?って聞いてるのか。なんかユウの発音に可笑しくなった。

馬鹿にしているわけじゃない。なんかユウと接していると面白いんだわw

俺は人差し指を上に向けて「いっかいだけ」と言った。

ユウは頷いた。

そして数日後、俺は初めてユウの家に出向くことになった。




141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:36:10.33 ID:4QDc0c6v0
別に彼女の家に行くわけでもないのに俺は久しぶりに髪を切ってユウの家に向かった。

地区は同じだが駅を背に反対側に位置する俺とユウの家。

その方面に行くのは何度しかない。

着いた先は四階建てのアパートだった。

俺の住んでいるボロアパートなんかよりは断然マシだが結構年季が入っている。

ユウの家の玄関前に立ちチャイムを鳴らす。

出てきたのは母親だった。

「どうも」

「お忙しいところすいませんね」

変わらず低姿勢なお母さん。

俺は言われるがままに中に通された。

家の中は綺麗に整理されていた。無駄なものが置かれていない。俺の実家とは大違いだ。

ユウはリビングでテレビを見ていた。

違和感を覚える。テレビ?聞こえるの?

画面を見ると英語字幕の映画を鑑賞していたのだ。

すげーwと感心した。


146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:40:29.96 ID:4QDc0c6v0
俺の訪問に気づき

「せんせ」と言うと停止ボタンを押して立ち上がった。

「こっち」

俺はユウに腕をつかまれて彼女の部屋に連れて行かれた。

すぐにユウの母親がお茶を持ってきてくれた。そして出て行く。

女の子の部屋に入るなんて初めてだった。

しかも女子高生の。なんか落ち着かない。

部屋もまた綺麗だった。

映画のポスターがニ枚張ってあった。

違った意味でセンスがいいww

「トレインスポッティング」のポスターだったw

そして隣には「バッファロー66」のポスターww

本当に女子高生かよwと思った。

そのポスターについて触れたのはつい最近。

「すきなんたからしょがないてしょ」(好きなんだからしょうがないでしょ)だってw

好きになる理由はいらないってかw


152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 15:44:35.38 ID:4QDc0c6v0
英語を教えると言っても彼女に教えるところは ほとんどなかった。

だってほぼ満点に近いものだったから。

学校の宿題をただ一緒に解いては見せ合っていくだけ。

俺のほうが間違っているなんてこともある。

俺いる意味あんの?wってくらい。


そしてその日は終わった。

二時間で一万も頂いた。

タダでいいと言ったのだが母親は言って聞かなかった。渋々それを受け取る。

帰り際に玄関先でユウに「せんせ、まいしゅ、おしえて?」と言われた。

絶対言われると思った。

でも『教える』ってのは嫌いじゃないし。ユウと過ごす時間も嫌いじゃない。

俺は「はいはい」といった感じでおkを出した。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:感動・泣ける話, 結婚, すっきりした話, 純愛, 胸キュン,
 


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