「娘さん下さい!」って言いに行くww
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227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:40:34.45 ID:4QDc0c6v0
「せんせ」
ユウはいつも俺より早く到着している。
「どうしたの?」
「しんろのことてそうたんがあるの」
ユウがそう言うと近くに座っていた他の客が数名俺達の方を見るのが分かった。
「だいがくに、すすむのか?」
「よねんせいはむり」
「どうして?」
「はやくしゅうしょくしておかあさんをらくに」
就職・・。痛い響きだった。
それ以上に気になったのが周りの視線。
構わず続けた。
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:41:16.48 ID:4QDc0c6v0
「たんき?」
ユウは頷く。
「どんなしごとに、つきたい?」
「えいご」
「えいご?」
「かいがいえほんのほんやくかに・・」
俺はユウの話を最後まで聞かずに立ち上がった。
俺の正面の席のカップルがコソコソとこちらを見ながら話していたのだ。
驚くユウの手を取りカップルに向かっていった。
「見てんじゃねーよ!バカップル!!」
俺は振り返らずに店を後にした。
むかつく。
心底腹がたった。
ユウは見世物じゃない。
「せんせ」
ユウはいつも俺より早く到着している。
「どうしたの?」
「しんろのことてそうたんがあるの」
ユウがそう言うと近くに座っていた他の客が数名俺達の方を見るのが分かった。
「だいがくに、すすむのか?」
「よねんせいはむり」
「どうして?」
「はやくしゅうしょくしておかあさんをらくに」
就職・・。痛い響きだった。
それ以上に気になったのが周りの視線。
構わず続けた。
228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:41:16.48 ID:4QDc0c6v0
「たんき?」
ユウは頷く。
「どんなしごとに、つきたい?」
「えいご」
「えいご?」
「かいがいえほんのほんやくかに・・」
俺はユウの話を最後まで聞かずに立ち上がった。
俺の正面の席のカップルがコソコソとこちらを見ながら話していたのだ。
驚くユウの手を取りカップルに向かっていった。
「見てんじゃねーよ!バカップル!!」
俺は振り返らずに店を後にした。
むかつく。
心底腹がたった。
ユウは見世物じゃない。
229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:42:21.28 ID:4QDc0c6v0
「せんせ?」
「おれのいえではなそう」
その店は俺の家の傍であったから。下心なんかで呼んだわけじゃないぞw
俺は怒りから何も話さずに ずんずん突き進む。ユウの腕を掴んでいるのも忘れて。
気づいたのはユウの手が上に上に移動して俺の手を握り締めたからだ。
小さくて柔らかい手が俺の手を包んだ。
しかし思わず振り払ってしまった・・。
「いや、その・・」
俺は てんぱった・・、さすがに今の態度はどうかしている・・。
「へへ」
ユウが恥ずかしそうに、ちょっと切なそうに笑った。
今でもあの日のことは謝ってない、本当に悪かったと思う。
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:45:55.37 ID:4QDc0c6v0
家に上げるとユウは驚いた表情を見せた。
「きたない」
おうおう・・。ちょっとは遠慮してモノを言えと思った。言うほど汚いとは思わないけれどなw
俺はテーブルに置かれたパソコンを立ち上げて『絵本翻訳家』をググッた。
その間のユウの行動がおかしい。
チラチラと部屋を見渡している。
「どうした?」
と尋ねる。
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:49:59.27 ID:4QDc0c6v0
「そうじしないの?」
「あのな・・」
面倒なので筆談に変えた。
「一人暮らしなんて こんなもんだぞ」
ユウもすぐにペンを走らせる。
「食事も ちゃんと採ってるの?」
「とってる」
ここは言葉。
「彼女さんを家に呼んだりはしないの?」
「よばねーよ」
「先生だらしないよ」
「うるさい。ちょっと黙ってろ!!」
殴り書きをした。
図星なことを言われてキレるとかwくそったれですw
ユウは何も言わずに隣に正座をしていた。
なんで正座wと思ったが反省の意をこめているのだろうとほっておく。
俺は構わず調べた。
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:51:25.44 ID:4QDc0c6v0
どうやら短期の英語科を出て翻訳家(絵本ではない)になった人はいるよう。
そして絵本翻訳家は少子化の影響から絵本自体が少なくなっているために相当なるのが難しい職業のようで・・。
淡々とメモ書きをしていると肩を叩かれた。
「なに?」
ユウはペンをとってこう書いた。
「掃除していい?」
・・・。
是非!と即答したかったが何か癪に障ったので「好きにして」と書いた。
ユウはパッと立ち上がり掃除をしだした。
「すてていい?」「これはどこ?」
なんて聞きながらテキパキと掃除をしていくユウを見ていい奥さんになるわな・・なんて思ってた。
ものの数十分で見違えるほど綺麗になった俺の部屋。
ほんのり汗をかいていたユウに「ありがとう」と告げメモを手渡す。
「せんせ、ありがとう」ユウもお辞儀をしてきた。
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:53:25.55 ID:VneAmMgQ0
良い子だ
253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 16:55:10.09 ID:4QDc0c6v0
「せんせ、すごいね」
「ネットつかえば、できる」
パソコンを指差す。
首を振るユウ。
「わたし、せんせをそんけいしてる」
「ん?」
俺が???な顔をしていると紙に書く。
「尊敬」
そして俺を指差す。
尊敬ね・・、どこにそんな要素があるw
「先生は私を普通の子と見てくれる」
「だって、普通じゃん」
「ありがとう」
俺は「うん」と言い、続けて今日はもう帰りなとユウに言うと素直に帰っていった。
帰った後に『色々悩んで一番の道を選んで下さい』とプーの俺は偉そうにメールを送った。
『先生も頑張ってね』と返ってきた。
俺は再びパソコンに向かう。
彼女の気持ちに答えるのは無理。
でも彼女が俺に抱いている綺麗過ぎる幻想を保つことは出来るのではないかと。
先ずは仕事を探そう。
人並みに ちゃんとしようと思った。
>>次のページへ続く
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