不思議な友人と暮らしたひと夏の想い出をぽつぽつ語る
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165 :M子 :2018/08/23(木) 19:53:35.31 ID:Ho539xn7p.net
ご飯の時間だよ(´・ω・`)
もぐもぐしてくるよ(´・ω・`)
166 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 20:11:36.27 ID:AARq72+ea.net
いってらっさい
待ってるよー
168 :M子 :2018/08/23(木) 21:32:03.45 ID:Ho539xn7p.net
もう何度目かわからないイチとツチノコの電話。
相変わらずわたしの横に転がって、幸せそうにというか、馬鹿みたいに笑ってるツチノコ。
やあこんばんは、わたしM子。ってな具合に乱入してやろうかとも思う…そんな事をしたらとんでもない修羅場が待ってるのはわかってるけどさ。
楽しそうに話す彼らの声を聞くのが、あの日以来非常に憂鬱になってるのも確かで。
″俺も好きだよ″。
″彼に会うの、彼の家で″。
………何かが、崩れる音がした。
ツチノコ「マジかよ、あんま無理すんなよー……ん?」
イチ「どうかしたの?つーくん。」
気が付いたら彼の手首を掴んで人差し指の先を口に含んでいた。ゆっくり根元から先端まで唇を滑らせて、挑発的に視線を流す。触れて欲しい時、彼にする合図と同じ所作。ただし、音は立てないように細心の注意を払う。
驚いた表情のツチノコを尻目に、何も知らないフリをしてただひたすらに指先を愛でていく。優しく舌を這わせ指の間をくすぐって、また指先へ。
ご飯の時間だよ(´・ω・`)
もぐもぐしてくるよ(´・ω・`)
166 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 20:11:36.27 ID:AARq72+ea.net
いってらっさい
待ってるよー
168 :M子 :2018/08/23(木) 21:32:03.45 ID:Ho539xn7p.net
もう何度目かわからないイチとツチノコの電話。
相変わらずわたしの横に転がって、幸せそうにというか、馬鹿みたいに笑ってるツチノコ。
やあこんばんは、わたしM子。ってな具合に乱入してやろうかとも思う…そんな事をしたらとんでもない修羅場が待ってるのはわかってるけどさ。
楽しそうに話す彼らの声を聞くのが、あの日以来非常に憂鬱になってるのも確かで。
″俺も好きだよ″。
″彼に会うの、彼の家で″。
………何かが、崩れる音がした。
ツチノコ「マジかよ、あんま無理すんなよー……ん?」
イチ「どうかしたの?つーくん。」
気が付いたら彼の手首を掴んで人差し指の先を口に含んでいた。ゆっくり根元から先端まで唇を滑らせて、挑発的に視線を流す。触れて欲しい時、彼にする合図と同じ所作。ただし、音は立てないように細心の注意を払う。
驚いた表情のツチノコを尻目に、何も知らないフリをしてただひたすらに指先を愛でていく。優しく舌を這わせ指の間をくすぐって、また指先へ。
170 :M子 :2018/08/23(木) 21:32:48.57 ID:Ho539xn7p.net
何分そうしていただろう。わたし自身そうしている事に酔っていたのかも知れない。
ツチノコ「…ごめん、ちょっと待ってて。」
それを合図に、急にツチノコの体がわたしの上に覆い被さる。両手がベッドに縫い付けられるのと同時に、唇が塞がれる。ちゅ、と一度、音を立てて離れていった。
お互いキスをしない約束をした、って訳じゃない。でも、これまでなんとなく、しようともしなかった。
のに………。
もう一度重なった唇は、戯れに何度も啄んでは離れてを繰り返す。…こんなに心地良いキスを、わたしは今まで知らなかった。
少し遠くに聞こえていたイチの声が、終話の音と同時に途切れる。
余裕のないツチノコの表情。シーツの擦れる音。
周りなんて何もかもどうでもよかった。彼がわたしを求めている。
それだけがすべてだった。
171 :M子 :2018/08/23(木) 21:35:49.46 ID:Ho539xn7p.net
ただいまです(´・ω・`)
ぽつぽつしていくよ。
思い出って綺麗に残したいって
つい思ってしまうよね。なにゆえ。
172 :M子 :2018/08/23(木) 21:38:04.39 ID:Ho539xn7p.net
問題の週末が迫るなか、中々本人に事を聞けなかった。
どう切り出そうとか、なんて言おうとか、ドラ子が知ってるかとか、いろいろなことが頭を回ってた。
いくら考えてもうまい言い回しなんか何も出てこない。…諦めよう。
M子「ねえ、ドラ子。イチから聞いたんだけどツチノコってさ、イチと会うの?」
ドラ子「そうよー、あれ。ツチノコ言うとらんかったと?たしか今週末会うんよなぁイチちゃん。」
M子「そっか、じゃあ一旦実家に帰らなきゃなぁ。」
ドラ子「なぁー。ほんま急に予定いれるんよあいつ。Mことちゃんおらんの寂しいなぁ。M子ちゃんの荷物は上手いこと隠すけん、またその日の夜帰って来たらよか。」
にこにこと嬉しそうに洗い物をするわたしに抱きついて来るドラ子。
たまーにこうして家事をしてると抱きついて来る、本人曰く邪魔してるつもりらしい。マジ天使かな?
ドラ子には「ああ、好かれてるな」って思うことがすごく多い。もちろん友人として。
……ツチノコは、どうなんだろう。好かれてるとか好かれてないとか、そんなこと考えたことなかった。利害が一致すれば、それで良いじゃないか。
ひとつ無理矢理答えを出して、風呂に入りたいとわたしの服を脱がせに掛かるドラ子を…ドラ子?ちょっと、何してんの、やめなさい勝手にパンツ脱がさないで。入るから、風呂入るからねえ!待って!
ほんの少しもやもやする、いつも通りの夜でした。
174 :M子 :2018/08/23(木) 21:50:16.73 ID:Ho539xn7p.net
M子「それじゃ、日曜の夜また帰ってくるから。楽しんでね。」
ドラ子「ありがとうM子ちゃん、気を付けてなぁ?」
彼女の家を後にして、長い長い週末がやって来た。
たまには彼に連絡を取ろうかとも思ったけど、休みの日が忙しい彼に土日の予定を聞くのは野暮も良いところだ。
………何をして、過ごしてたっけ。
いざ一人になるとわからない。前までは一人が大好きで、早く家に帰って部屋に閉じこもりたいとか思ってたのに。
今頃、2人は何してるんだろう。
わたしがいた部屋で、わたしと見たテレビを見て。わたしと入ったお風呂に一緒に入って。私と、寝た。ベッドで。
そこまで考えて、やめた。結局2日間何をして過ごしたかなんて、覚えてない。でも、二人のことを頭から消せた瞬間なんて、無かったんじゃないかと思う。
おまけに、こんな時に限って見なくても良いものを見てしまう。眺めたのはイチが日頃文字を綴っているサイト。
″背中をみてるのが、すごく好き″。
何気ない呟きだった。けど、それだけでわたしには十分だった。何らかの形で彼女に嫉妬をしてるのを、ようやく自覚した瞬間。
ただ、その感情の正体がわたしにはどうしてもわからなかった。わかるはずもない。自分の手で隠したものを、見る手段なんてないのだから。
175 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 21:59:05.80 ID:Ho539xn7p.net
ねむねむが加速してる…
続きは明日かな、もうすぐおしまいの予感。
176 :M子 :2018/08/23(木) 22:01:43.90 ID:Ho539xn7p.net
作り話だったらもっと上手いこと言ってたんだろうなぁ。
しみじみ(´・ω・`)
お久しぶりの質問コーナーしつつ
おやすみない。
179 :M子 :2018/08/24(金) 06:43:11.80 ID:SY+9SeAEp.net
おはよう(´・ω・`)
今日も少しずつぽつぽつするよ。
181 :M子 :2018/08/24(金) 07:33:26.24 ID:SY+9SeAEp.net
日曜の夜。歩道橋を越えた先のマンションの2階。通い慣れた彼らの家の前にいた。
会えない間随分と思い悩んでいた。
ツチノコにとってもドラ子にとっても、常に誰かがいる空間はあまり望ましくないのかもしれない。
おまけにわたし自身、彼らに依存し過ぎている。彼らがいないと生きていけなくなる感覚が怖い。これ以上加速したら本当にどうにもならないんじゃないか。
加えてイチへの罪悪感。
もう会わない、って選択肢もあった。
けど、結局こうして戻って来てしまった。と言うよりは、足が勝手に向かっていた。電車に乗る位置、降りる駅。体が無意識に自分の家だと認識しているらしい。
『依存』の二文字が暗く影を落とす。
182 :M子 :2018/08/24(金) 07:58:32.57 ID:SY+9SeAEp.net
久し振りに訪れた部屋の中には、恐らくイチが持ってきたであろう、和菓子やらキャラクターの小物が各所に置かれていた。ドラ子とツチノコの好きなもの。……落ち着かない。
彼らの部屋にそれがある事自体に、どうにももやもやする。本音を言えば、二人の話なんて聞きたくなかったけれど、聞かないのは不自然にもほどがある。
よし、どんな現実も受け入れよう。
部屋に散らかったままのテーブルを片付けているツチノコに声を掛ける。
M子「で、どうだった?イチ、可愛かったでしょ。」
ツチノコ「ああ、うん。背は俺よりはるかにデカいけど、仕草とかする事が可愛いよな。アイツ人見知りだから、駅で会った時なかなか出てこなくてさ。かくれんぼ状態だったよ。」
――おいおい、隠れんぼのつもりかよ。
スーツ姿で、わたしに電話を掛ける冬の日の彼を思い出した。あの日、ふざけて物陰に隠れたわたしと、イチの姿が重なる。
M子「あはは、イチらしいや。それで、どっか出掛けたの?」
ツチノコ「その日は夜だったし、特には。翌日カラオケに引っ張ってかれたけど。アイツ歌うまいよな。」
わたしの方が…!喉元から出かけた言葉は、寸出のところで飲み込んだ。何をムキに競ってるんだか。
ただ、それには理由があって。元々このコミュニティには歌が好きな人が集まってる。あまり自分の自慢話はしたくなかったから話題は避けてたけど、その中でも実力が認められてる方だったと思う。
だから、イチが舎弟って言うのは、歌唱力を慕われてたから。
でも、イチにはわたしにないものがある、表現力。独特な声の質。おまけに背が高くて中性的な顔立ち。愛されるキャラクター。
いつの間にかいろんな部分でイチに劣等感を感じてたのかもしれない。今文字を綴っててわかった。
>>次のページへ続く
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