次の日からはトレーナーと顔を合わせても、鬼トレーナーの雰囲気はなく気さくなオジサンだったみたい。
そして金曜日の夜に部長と飲みに行って記憶がなくなったらしい…。気がついたらベッドで半裸にされて部長が上に乗ってたらしい。
フラッシュが焚かれた記憶だけが残り朝方に服を着させられて部長に家まで送られた…そう。
部長は車を運転しながら「君が誘ったんだよ」と繰り返していたそう。
土曜日、日曜日と泣きじゃくったとの記述。
俺とのデートもキャンセルしたと書いてあった。
俺の気持ちは重かった…。彼女が苦しんでいた頃は何も知らずにいたんだし…
次の月曜日が怖かったらしいが、何事もなく過ぎたらしい…。
三日経ち、何事もなかったので気持ちが落ち着いてきた時に部長が誘いをかけてきたらしい。
その時はきっぱり断り、週末に俺にすべてを話して許してもらえなくても仕方がない、みたいな事が書いてあった。
次の日(木曜日)部長が封筒を彼女に渡したらしい。
そこにはポラとメモがあり…
「もう一度だけ逢って欲しい、週末の金曜日に。ポラも全部渡すから」
みたいな内容だったそう…。
結局ホテルに取りに行ったら…
例のビデオになるのだが…男Bはトレーナーだったそう。
二人に朝までレイプされてたらしい。
俺の頭は沸点に達していた。
俺はメモからポケベルの番号を控え、名前を胸に刻んだ。
日記に戻ると後悔ばかりが綴られていた。
そして破かれた最後のページにはビデオと袋とベルが入った紙袋を渡されたとの事。
ビデオは見てないが、脅されているとあった。
残りのスペースには死にたいとか…
会社を辞めても脅されるような気がする、と書いてあった。
俺に言い出せないから遺書で謝るしかない…。
丁度、一週間前の事だった。
破かれたページはそこで終わっていた。
俺は元の位置に置くと日記の残りを開いた。
そこには破かれたページを読んでいなければわからないが、事務的にだが幼馴染みに電話した…
とか、おばあちゃんの声を聞いた…
とかが書いてあった。
そして日記のポケットから遺書の下書きらしきモノを見つけた。
重いよ・・・
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俺は時計に目をやり時間を確認するとメモを財布にしまい、部屋にいた痕跡を消して階下に降りた。
居間の電気を点け、震える手でタバコに火をつけた。
落ち着け!落ち着け!落ち着け!
2本目のタバコが灰になった頃に車が家の前に着いた。
彼女は慌てて戻ってくると俺にありがとう、ごめんね…といい、状況説明をしながら荷造りをしていた。
俺は車の向きを変え彼女が来るのを待っていた。