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俺の墓場までもっていく秘密となった体験談
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522 :262:2005/06/03(金) 23:32:18 ID:5MbwNKzA0
Sさんは俺の部屋を出て行った。



Iちゃんからの電話で、Sさんが半月仕事を休んだと聞いた。でも、出てきたときには、元気な様子で安心したとも聞いた。また、Sさんが優しくなったとも。

翌年、Sさんの2人の子供は共に一流大学に進学したという。


もう、Sさんに会うことはなかった。

数年後、一度デパートでSさんがご主人と一緒に歩いている姿を見た。

俺は、素早く隠れて彼女とご主人を見つめた。眉が太く、恰幅がよく、男らしいご主人だった。

そして、Sさんはやはり可愛らしかった。

2人はにこやかに買い物をしていた。


何とも言えぬ切なさが俺を襲った。俺にはSさんに幸多かれと祈り、見送るしかなかった。



535 :262:2005/06/04(土) 11:20:03 ID:v/E+QB6O0
Sさんがいなくなった部屋で、俺は一人ぽつんとたたずんでいた。

嵐の日々が終わった。彼女との話の中で、彼女が妊娠していなかったことも解った。

きちんと部屋は片付けられていた。彼女の香水の匂い、体温が未だに部屋に残っていた。

俺を縛り、苦しめていた状況から離れることができて、嬉しかったか? イヤ、そうではなかった。

何ともいえぬ寂しさが、俺を落ち込ませていた。

人間とは、勝手なものだと思う。机の引出しを開け、彼女の整理を見る。几帳面な整理整頓だ。ぶちまけられる前より、余程きれいになっていた。

Sさんと撮った写真が見つからない。俺は無意識に探したが、見つからなかった。

Sさんが持って帰ったのが恐らく写真だったろうことも解った。

写真は数枚しかなかった。一緒に旅行に行ったとか、そんな事はなかったから。

ネガはどこに置いたっけな。



536 :262:2005/06/04(土) 11:28:41 ID:v/E+QB6O0
あれだけ苦しかったSさんとの日々が、快楽はあったけれど、人間として腐りつつある空しさが、もう恋しくなってきている。

Sさんが泣いたとき、俺が彼女の肩に手をかけたとき、優しく抱いてあげれば、彼女は応えてくれただろうし、今もこの部屋に彼女はいただろう。

その時の一瞬の判断が、2人の人生を分けたのだ。

こんな一瞬は、誰にでもあるだろう。どちらを選ぶにせよ、リスクがあり、人が傷つく決断が。

俺は決断を下した。彼女と別れると。

そして、その通りになった。


彼女は家庭に戻るだろう。仮面夫婦かもしれないが、安定した落ち着いた暮らし。2人の子供も、いつもと変わらない生活を送るだろう。

俺とSさんが我慢すれば、それで他の人達は幸福でいられるのだ。

俺はそう結論し、Mちゃんに思いを馳せ、試験勉強を再開しようと決心した。



537 :262:2005/06/04(土) 11:44:06 ID:v/E+QB6O0
俺は研究室にしばらくのご無沙汰を詫び、もう一度仲間に加えていただいた。

道場でも、熱の入った稽古を再開した。身体も頭もこの一月余りにすっかりなまっていた。

道場でMちゃんにも会えて嬉しかった。彼女と久し振りに熱の入った稽古をした。

稽古の時は、彼女は真剣な眼差しで俺に対していたが、帰りの時など、どことなくよそよそしかった。

おかしいなとは思ったが、さして深く考えなかった。

それよりも、勉強のこと、稽古の技術的なことなどが頭を占めていた。

俺はエゴイストになっていた。が、良い意味でのエゴイストになっていたと思う。



541 :262:2005/06/04(土) 18:18:03 ID:v/E+QB6O0
長い間書き込んできたこのスレッドだったが、間も無く終わりに近づいてきた。

俺は今、自室のデスクの上で、ibookを使ってこのコメントを書き込んでいる。外は雷雨だ。

台所では、家内が夕餉の支度をしている。長女は、山のような宿題に四苦八苦し、長男は部活から帰り、腹が減ったと家内に訴えている。

次女、次男、三女はトランプをしている。どこにでもある平凡な家庭。

だが、あの時の勝負に俺がもし勝っていたなら、全く違う人生が開けていただろう。



542 :262:2005/06/04(土) 18:20:56 ID:v/E+QB6O0
結果を先に述べよう。Jとの勝負に俺は負けた。

俺は自爆したのだった。

今、Jは政府機関を辞め、民間企業で働いている。順調に出世しているという。

カナダでは、政府機関を辞めたり、また戻ったりということが頻繁に起きるらしい。Jは日本に造詣が深い。また、政府機関で働き、表舞台にに登場することがあるかもしれない。

彼にはカナダと日本の掛け橋として、大いに働いてもらいたいと思う。それだけの力量のある人物だ。

彼を紹介する文が目に浮かぶ。日本に深い理解を持ち、古武道を修業し、日本人の妻を持つJ氏は・・・・

MちゃんはJの妻となり、今カナダで暮らしている。



543 :262:2005/06/04(土) 18:31:04 ID:v/E+QB6O0
Mちゃんとのことを夢で見ることがある。いつも物悲しい夢に終わる。

目を覚ますと、「夢だったか」と思う。俺の隣には妻が寝ている。

下の2人の子供も、同じ部屋で眠っている。果たしておれは幸福なのだろうか、そうだ、恐らく幸福なのだ。

チルチルミチルの青い鳥ではないが、青い鳥は自宅で飼われているのだ。それに気付かないだけ。

それでも、Mちゃんとの夢を反芻し、どうしようもない切なさ、哀しみを覚えるのを止めることができない。

今、彼女はカナダのどこで何をしているのだろうか。

彼女も、今の俺のように俺のことを思い出すことがあるのだろうか?


Sさんはどうしているだろうか。あれから26年が経っている。

彼女は63歳になっているはずだ。



545 :262:2005/06/04(土) 18:41:09 ID:v/E+QB6O0
俺は再びMちゃんとデートをするようになった。といっても、週に一度会えるかどうかだ。

俺は勉強と稽古に馬力を入れた。時間は幾らあっても足りなかった。

マクドナルドでのバイトを辞めた俺は、バイト料が入ってこなくなっていた。

小遣いはほとんど無い。両親には模擬試験やら、色々迷惑をかけている。その上、弟の通う獣医学部は、弟の学年から大学院修士を出なければならなくなった。金食い虫である。

自然、デートも公園を散歩したり、喫茶店でお喋りをするくらいになっていた。ホテルに行こうという気にはなれなかった。

Sさんと別れて、Mちゃんを大切に思う気持ちが強くなり、そうなると不思議と抱けなくなる。

Mちゃんのご両親とも会った。しっかりしたご家庭で育てられたことがはっきり解った。

家庭環境というのは、確かに大切だ。立派な、常識を弁えたご両親だった。



547 :262:2005/06/04(土) 18:50:59 ID:v/E+QB6O0
Mちゃんについて書かせて欲しい。読み苦しかったら申し訳ない。

彼女は二十歳にしては、大人びた雰囲気を持っていた。

古武道を稽古しようとするところなど、余程普通の子達と違っていた。

彼女は読書家だったので、俺の師匠の書いた本を読んで感銘を受け、入門したのだった。

今は甲野先生などを通じて古武道が見直されているが、当時は「空手馬鹿一代」の時代で、古武道など見向きもされなかった。

それでも、古武道には日本の本質的なものがあると判断した外人など、入門してきていた。

二十歳でこの門を叩くのだから、それだけでも大したものだった。


彼女は可愛かった。入門してきたとき、俺は初心者クラスの指導を行っていた。

彼女を俺の女房にしようと、一目見て俺は心に思ったのだった。



548 :262:2005/06/04(土) 18:57:24 ID:v/E+QB6O0
俺は、あれからずっと同じ道場にいる。途中海外勤務が長かったので、ブランクは大きいが、それでも入門してくる女の子を見ることができる。

俺が見るに、彼女ほどの子、技術ではなく、性格や素直さ、熱心さにおいて彼女ほどの子を未だに見ない。

Jもそれに気付いていた。彼は俺を先輩として立ててくれていたが、恋愛のバトルにおいては平等だと思っていたのだろう。

もちろん、その通りだ。そして、Jは俺とMちゃんの関係は、割り込むことができないものと思っていたらしい。

が、俺にはSさんという弱みがあった。

俺が腐り始めた時期を見て、これならばとMちゃんに言い寄り始めたのだ。

的確な状況判断だ。俺はまんまとしてやられた。



550 :262:2005/06/04(土) 19:07:35 ID:v/E+QB6O0
当時、Mちゃんの心は揺れていたようだ。俺も再び気合が入り始めていたし、Jはカナダ人だ。

肉体関係は、俺とだけだった。

俺は、彼女とJとの仲に、少しづつだが気付きだした。

Mちゃんは以前のように俺に全てをさらけ出すような雰囲気でなくなってきていた。

心にバリヤーがあるというか、たとえば、俺が彼女と肩を組むと、以前は俺の肩に頬をもたれかけてきて、幸福そうにしていたものだったが、そんな事が無くなっていた。


ある時、Mちゃんの口からJとの事を聞いた。そして、迷っているとも聞いた。

Mちゃんが奪われようとしている。おれは、冷静ではいられなかった。

薄々解っていたことだったが、やはり本人の口から聞くのは辛い。

どうしたら良いだろうか。今の俺ならば、マメにマメに連絡を取り、言葉をかけ、話を聞き、心を此方につなぎ止める。

愛情とは、相手のために時間を使い、心を使い、労力を使うことだ。相手を理解し、相手を受け入れることだと思う。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春,
 


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