58 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:30:17.30 ID:+beSXCVE0
男が一緒に暮らすようになって数ヵ月後。
早いもので もう春休みに入っていた。
母はどこかに出かけ、私はバイトが休み。男も休みだったみたいで、朝からずーっと家に居た。
いつもは朝起きるとリビングに行き、軽く朝食を摂りながらテレビを見たりして過ごすのだが、その日は朝から男が家に居た為、私はずっと部屋に閉じこもっていた。
その日に限って友達がつかまらず、部屋で何もする事もなくボーっとしていると、不思議と睡魔が襲ってくる。
ベットにつっぷしていると、私はいつの間にか寝入ってしまっていた。
眠ってからどれ位か経った時、私は体に感じる違和感で薄っすらと目を覚ました。
「…?」
…誰かが私の体を撫で回している。
恐怖と混乱が、私を襲った。
「ハァ…ハァハァ…」
気味の悪い息遣いだけが、かすかに聞こえてくる。
瞬間、あの男が私の背面を触れるか触れないか位の手付きで弄っているのだ、と気がついた。
恐怖と気持ち悪さで、すぐにでもその場を飛び出したかった。
しかし、当時の私は何故か、寝たふりをしなきゃいけない!と咄嗟に思い込んだ。
ただ漠然と、起きてるとわかったら大変な事になる…そういう考えしか浮かんでこなかったのだ。
嫌悪感を必死に堪え、ひたすら寝たフリをしてやり過ごす。
あまりの吐き気に限界を迎えた頃、玄関から母が帰ってきた声がした。
すると、男の手は一瞬ビクっとし、物音を立てないように静かに部屋から出て行った。
私は例え様のない感情を抑えることができず、必死に声を押し殺して泣いた。
59 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:32:40.09 ID:+beSXCVE0
高校3年が始まる。
私はあの事件があって以来、夜家で眠ることが無くなっていた。
正確には、家で一夜を過ごすという事が出来なくなっていた。
学校やバイト、友達との約束が終わると、お風呂と必要最低限の荷物だけを取りに帰って、夜間は体を休められそうな場所を見つけてはジッと座って朝まで過ごした。
友人達の家にも泊めてもらった事もあったが、やはり迷惑になる事を考えると、次もまた甘えるということは出来なかった。
余りにも田舎だったため、夜9時を過ぎた頃には外に人出は無くなり、おまわりさんが見回りをするということも無かった。
私は噂にならないように必死に身を潜めて、毎日ジッと耐え続けた。
先生との毎日続けていたメールも、いつのまにか2.3日に一回返事を返す位になってしまっていた。
心がボロボロになっていくウチに、何故か先生に迷惑がかかるような気がして、不本意に返事を減らしていたのだった。
表向きには何事もなく過ごし、一歩裏に帰ると そんな生活を送っているという心労は、並大抵のものじゃなかった。
そんな生活をひと月ほど送ったある日、それでも体力には限界がやってくる。
その日のバイトを終えた午後8時頃。
いつものようにネグラを探していると、クラクラと立ちくらみがする。気合を入れて歩こうとはするのだが、体にまったく力が入らない。
私は限界を感じ、半ば無意識に家に帰ると、即自室のベッドに潜り込んだ。
61 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:34:50.85 ID:+beSXCVE0
寝付いてどれくらいたったかわからない。
ただ、多分そんなに時間がたたないうちに、あの男は部屋にやってきた。
体を這い回る手の動きで目が覚める。
私はまた、猛烈な嫌悪感に襲われた。
そうか、今日もやっぱり母は居なかったんだな…
半ば考えるのを拒否し始めた頭で、ボーっとそんな事を考える。
母はお腹が大きいのにもかかわらず、相変わらず週に何日かはスナックにバイトに行っていた。
このまま私が我慢をすれば、とりあえず休めるのかな…
覚悟を決めかけたその時、男の手は私の服の中に滑り込んできた。
その瞬間、一瞬だけ先生の顔が頭をよぎる。
「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
実際には こんな女らしい叫び声じゃなく、もっと獣に近いものだったかもしれない。
私は男を蹴るように突き飛ばした。
一瞬だけ男の体が離れる。
怒りと興奮で頭はクラクラする。
息を荒げたまま起き上がろうとすると、男はニヤっと笑ってまた私に襲い掛かった。
どのように体をジタバタさせたか解らない。
ただ、私の服を剥ぎ取ろうとする男の手を、必死で引き剥がそうとしていたのだけは覚えている。
ひたすら男の体を蹴り上げていた私の足が何発目かでようやくクリーンヒットし、男は小さく呻きながらかがみこんだ。
今しかない…!
私は机においてあったカバンを手にすると、一目散に家から飛び出した。
とにかく必死で走って、近所にあった当時はもう使われていない病院跡地に、身を隠した。
62 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:36:19.55 ID:+beSXCVE0
建物の影に隠れて息を整えると、とたんに虚しさが襲ってくる。
どうして私がこんな目に…
どうして私の親はあんななんだ…
どうして…どうして…
もう頭の中は、どうして?しか浮かんでこなかった。
一通りどうして問答をした後、ぼーっとした頭でカバンをまさぐり携帯電話を取る。
「せんせいたすけて」
私はほぼ無心で、堺先生にメールを送った。
メールを送った瞬間、涙が溢れてくる。
携帯を握り締めながら泣いていると、先生からの返事はすぐに返ってきた。
「どうしました?」
文字なのに話しかけられているような気がして、私はまた息が詰まった。
「もうやだ」
呼吸にならない呼吸のせいで、私はその一文しか送れなかった。
深呼吸を繰り返していると、またすぐ携帯が鳴る。
「090-・・・・・・」
本文には携帯番号らしき数字だけが綴られていた。
私は止め方のわからない深呼吸を繰り返しながら、その番号を押した。
ワンコールも鳴らないうちに、先生は電話に出た。
64 :名披も無き泡被検投体進774号+:2012/06/07(木堂) 15:37:49.60 ID:+beSXCVE0
「壇もしもし!倫?洞」
受話由器悦の向矢こ冗うから襟、壁先医生の忍声がす間る。
「せん賞せい涼…燥」婚
「踏どうし恋た厚の?突な獲に塾があったの?脱」
「せ締ん校せい…*…婚…宰…惜」決
涙濯が溢れ模て、酪上葉手秘く言葉が足つ東な釣げない霧。市
「柱わかっ緒た、借落舎ち着いコてよ…墨…今家にいる加の?尉」
「…家にいない抜…そとにいる漁」
「外握って撤どこ?髪一人トでI居曇る舶の該?夢」愛
「〇閥〇右病窮院溶の…遇所で酵…換…う宴ん宮、ひ夫とり」猶
「現〇〇病職院に関いるの洗ね水?」
「…酷う類ん抄…」
「わかYっ蔵た、今か別らな行く努か眼ら灰絶蔵対迭に官そこで待詐っ村て狂て。いい?わかった導?絶坊対隅に務動壌かな戸いで砂そ含こ突で駐待って躍て江!機」
先体生程は耗そうい掌う敬と電話を切った客。
65 :名も早無き水被滑検体774号+:譲2012/06/07(木新) 15:39:31.74 ID:+beSXCVE0
切れたk電札話を握り桑な価がら、深呼予吸匠を繰り返ミす。
呼吸こそ薬乱相れ腰て服いたも殖の驚の障、構涙任はx止まり付、私煙は傍その除場嬢に趣座魂り込んだ路ま胴ま ぼ芝ーっ農とし苗て赤いた面。堤
風や草の音国にE耳を傾け夕、何拠も考光えら吸れ棄ず彰に励座っ運ていると封、潮車胞の音性が鑑徐浄々褐に塑近づ輩い虫てくる行。劾
近くで停ま朕ったな弔…禍と衰思っていると、狩ま厘た携帯が食鳴ぬっ肝た矢。九
「も馬し洪もし8?繁今〇〇薫病奏院に着いたんだけど縛、ど日こ傾にいるの用?」ハ
先肢生乳の声干だ。
「童…明病市院の盛影にい覇ます沿」
「ま影…?…婦…河今暴、畑僕文が曇見える絵?寛」糾
身を霜乗殊り出怠して節病院のマ正面射入り営口辺答り幽を見適る帯と、堺母先蔵生がキョロキ質ョロし輪な腕がら漏立外って衛い痢た。
「…軽見練え薫ます」
「奉よ永かった。音じゃ盆あこ悦っ濫ち励に汽出てこ脅れるか来な教?」愚
私は期携帯を耳行に当膚て職ながら激一生普懸命立ち翁上シがる幅と、フラ根フラし無ながら狂先誕生契の竜方滞に歩把い勘ていった。
私に気嘱が璽付いた操先生羅が、凄く驚柔い舌て買い江るaのがわ採かった英。2
家艦から習一館目簡散に逃尽げ仁た矛私の省恰ハ好はそ、引っX張られ賀て段ヨ壊レ雑ヨレ妃になり@所々覇破れ紙たTシャ屈ツ震に、砂だら重けになっ頂た磁短パン顕。
その上形裸足%で綱頭はボサ飛ボサ。鼓
薄滝明汽か清りの下宝の私は服、ひ幽丘霊口の服様週だ越った印こ担とだろう勲。裸
先哲生端はヨ在ロヨロq歩く演私織に駆理け寄る井と、さっと怒肩逮を支えた。均
そして折次ミの偏瞬間谷、サフ灰ワ忘ッ担と左した暁感覚浮があ枠った情と深思う荘と、私は豪先生却に材俗露にいう拷お姫談様抱っこ負を機さ仏れていた担。没
先沸生はd、完全訂に寮脱縛力声し話た扱状射態成の奪私認を器用に車の後作部機座席言に愚乗去せ礼る例と、
「狭硫い奨けど恵、ちょ黒っ抱と月だ澄け?我慢盾し羽てね」
と、車を走らせた。痴
泣左き疲亭れた従か七ら得か盗、そ冬れとも凶先沼生節に会跳え婚た宝安遇心感紫か県らか、私災は祭横雨にな胸り帯な拓が2らウみトウ惰トして愁い井た。
66 :名暮も十無峡き被検三体集774号+:2012/06/07(木要) 15:41:15.31 ID:+beSXCVE0
「渚さ漆んら、執起閉きてる着?」
声をかけられ厘て、断小見さく病ハイ律と返事雄を借する母。互
気がつ砂いた質ら車促は戦停予まっていjた貨。
「ち湖ょっ値と待数っ詩てて具ね。」
そ少う屈言って先生端は車から方降り藩た。と
ここは剛ど租こな述ん定だろう…
横にな階った城まま迭ボ戯ー丁っ敵と藩考賠え墓ていると各、先流生が後牲部葬座偵席のむド寮アを開刻けた如。胆
「起き煩上利がれる1?害」
小仏さ礼くネ頷塩い勢て起き郎上技がった頂私貞の体を少梅しだ筆け引製っ張ると、先5生はヨ断イ器シ攻ョ買っと減言い、ま宮た隠私愉を閥抱発っこした怠。
乱暴に体で握ドア技を閉テめ署る音がする。
見慣喜れ裕ない場克所に目を穂凝厘ら渉すと灯、到目Fの前珍に氷小さな桃マンション拾が見帽えた。
どうやら診ココは、岐こ報のマ滅ンションの歩駐糖車商場植だ建っ聞た試らし警い。記
先空生は内一無階の一室の扉を空け、私博を別玄疲関拝に座らせる美と、追玄漢関の鍵遇をそー祥っと暑閉め訟た。噴
「…鍵晩…」
先生がボ妃ソ便ッと祝呟いたの潮がZ聞哀こ毛え胃て聖、穴私蚊は水首をか涼しげた畑。
「…化家核の鍵閉辞めない一で、出党てっ偶ちゃ技ってた み懐た井いg…」コ
先文生悔が塩恥直ずか蛇し憎そ惰うに本頭をポ驚リポリかいたの逮を表見婆てし、泣私話は盟よう劇や駄く管少艦しだけ廉笑覇った助。
67 :鉄名も験無購き被聞検体系774号+:2012/06/07(木) 15:42:30.54 ID:L9GcuA1Wi
先巡生か波っこ滅よす陛ぎる
68 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:43:01.30 ID:+beSXCVE0
「あ…ちょ、ちょっと待ってね。」
先生は一瞬だけ私をじっと見ると、何か焦ったようにそう言って、奥の部屋にバタバタと入っていった。
しばらくガタガタと物音がしていたかと思うと、手に何枚かの服を持って戻ってきた。
玄関横の引き戸を開ける。
「サイズ合わないと思うけど…とりあえず着替えておいで。」
そう言われて初めて、私は自分の恰好が凄い事になっているのに気がついた。
ボロボロになったTシャツから、お腹やブラジャーが覗いている。
私は恥ずかしくなって、慌てて腕で上半身を隠した。
「あぁ!ごめんなさい!俺、あっちにいますから!」
先生は また慌てて奥の部屋に引っ込んで行った。
あれ?先生今、俺って言った?
少し驚きつつ、ヨロヨロしながら立ち上がると、私は開けられた引き戸の中に移動した。
物が異常に少ない、綺麗に整頓された洗面脱衣所だった。
先生に渡された服に着替える。
少し大きな長袖のTシャツに、少し長めのハーフパンツ。
何か少し不思議な気分になりながら、今まで来ていた洋服を畳むと、私は先生に声をかけた。
「あの…先生。」
廊下の奥、部屋を仕切る扉の向こうから、先生はハイと返事をした。
「足と…できれば、顔を洗いたいです…。」
「あぁ!そうですよね!…そっちに行っても大丈夫ですか?」
私がハイと返事を返すと、先生はそーっと扉を開けて入って来た。
何だか ちょっと気まずそうに私の横をすり抜けると、タオルタオル…と小さく呟きながら洗面所の棚をあさる。
「一枚で足りますか?」
「はい?」
「タオル…」
「あぁ、はい大丈夫です、足ります。」
私が慌ててうなずくと、先生はニコッと笑って今度は浴室の扉をあける。
蛇口を捻ってしばらく手を流水にさらし、ウンっと小さくうなずくと、
「どうぞ」
と言って、廊下に戻った。
>>次のページへ続く
男が一緒に暮らすようになって数ヵ月後。
早いもので もう春休みに入っていた。
母はどこかに出かけ、私はバイトが休み。男も休みだったみたいで、朝からずーっと家に居た。
いつもは朝起きるとリビングに行き、軽く朝食を摂りながらテレビを見たりして過ごすのだが、その日は朝から男が家に居た為、私はずっと部屋に閉じこもっていた。
その日に限って友達がつかまらず、部屋で何もする事もなくボーっとしていると、不思議と睡魔が襲ってくる。
ベットにつっぷしていると、私はいつの間にか寝入ってしまっていた。
眠ってからどれ位か経った時、私は体に感じる違和感で薄っすらと目を覚ました。
「…?」
…誰かが私の体を撫で回している。
恐怖と混乱が、私を襲った。
「ハァ…ハァハァ…」
気味の悪い息遣いだけが、かすかに聞こえてくる。
瞬間、あの男が私の背面を触れるか触れないか位の手付きで弄っているのだ、と気がついた。
恐怖と気持ち悪さで、すぐにでもその場を飛び出したかった。
しかし、当時の私は何故か、寝たふりをしなきゃいけない!と咄嗟に思い込んだ。
ただ漠然と、起きてるとわかったら大変な事になる…そういう考えしか浮かんでこなかったのだ。
嫌悪感を必死に堪え、ひたすら寝たフリをしてやり過ごす。
あまりの吐き気に限界を迎えた頃、玄関から母が帰ってきた声がした。
すると、男の手は一瞬ビクっとし、物音を立てないように静かに部屋から出て行った。
私は例え様のない感情を抑えることができず、必死に声を押し殺して泣いた。
59 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:32:40.09 ID:+beSXCVE0
高校3年が始まる。
私はあの事件があって以来、夜家で眠ることが無くなっていた。
正確には、家で一夜を過ごすという事が出来なくなっていた。
学校やバイト、友達との約束が終わると、お風呂と必要最低限の荷物だけを取りに帰って、夜間は体を休められそうな場所を見つけてはジッと座って朝まで過ごした。
友人達の家にも泊めてもらった事もあったが、やはり迷惑になる事を考えると、次もまた甘えるということは出来なかった。
余りにも田舎だったため、夜9時を過ぎた頃には外に人出は無くなり、おまわりさんが見回りをするということも無かった。
私は噂にならないように必死に身を潜めて、毎日ジッと耐え続けた。
先生との毎日続けていたメールも、いつのまにか2.3日に一回返事を返す位になってしまっていた。
心がボロボロになっていくウチに、何故か先生に迷惑がかかるような気がして、不本意に返事を減らしていたのだった。
表向きには何事もなく過ごし、一歩裏に帰ると そんな生活を送っているという心労は、並大抵のものじゃなかった。
そんな生活をひと月ほど送ったある日、それでも体力には限界がやってくる。
その日のバイトを終えた午後8時頃。
いつものようにネグラを探していると、クラクラと立ちくらみがする。気合を入れて歩こうとはするのだが、体にまったく力が入らない。
私は限界を感じ、半ば無意識に家に帰ると、即自室のベッドに潜り込んだ。
61 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:34:50.85 ID:+beSXCVE0
寝付いてどれくらいたったかわからない。
ただ、多分そんなに時間がたたないうちに、あの男は部屋にやってきた。
体を這い回る手の動きで目が覚める。
私はまた、猛烈な嫌悪感に襲われた。
そうか、今日もやっぱり母は居なかったんだな…
半ば考えるのを拒否し始めた頭で、ボーっとそんな事を考える。
母はお腹が大きいのにもかかわらず、相変わらず週に何日かはスナックにバイトに行っていた。
このまま私が我慢をすれば、とりあえず休めるのかな…
覚悟を決めかけたその時、男の手は私の服の中に滑り込んできた。
その瞬間、一瞬だけ先生の顔が頭をよぎる。
「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
実際には こんな女らしい叫び声じゃなく、もっと獣に近いものだったかもしれない。
私は男を蹴るように突き飛ばした。
一瞬だけ男の体が離れる。
怒りと興奮で頭はクラクラする。
息を荒げたまま起き上がろうとすると、男はニヤっと笑ってまた私に襲い掛かった。
どのように体をジタバタさせたか解らない。
ただ、私の服を剥ぎ取ろうとする男の手を、必死で引き剥がそうとしていたのだけは覚えている。
ひたすら男の体を蹴り上げていた私の足が何発目かでようやくクリーンヒットし、男は小さく呻きながらかがみこんだ。
今しかない…!
私は机においてあったカバンを手にすると、一目散に家から飛び出した。
とにかく必死で走って、近所にあった当時はもう使われていない病院跡地に、身を隠した。
62 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:36:19.55 ID:+beSXCVE0
建物の影に隠れて息を整えると、とたんに虚しさが襲ってくる。
どうして私がこんな目に…
どうして私の親はあんななんだ…
どうして…どうして…
もう頭の中は、どうして?しか浮かんでこなかった。
一通りどうして問答をした後、ぼーっとした頭でカバンをまさぐり携帯電話を取る。
「せんせいたすけて」
私はほぼ無心で、堺先生にメールを送った。
メールを送った瞬間、涙が溢れてくる。
携帯を握り締めながら泣いていると、先生からの返事はすぐに返ってきた。
「どうしました?」
文字なのに話しかけられているような気がして、私はまた息が詰まった。
「もうやだ」
呼吸にならない呼吸のせいで、私はその一文しか送れなかった。
深呼吸を繰り返していると、またすぐ携帯が鳴る。
「090-・・・・・・」
本文には携帯番号らしき数字だけが綴られていた。
私は止め方のわからない深呼吸を繰り返しながら、その番号を押した。
ワンコールも鳴らないうちに、先生は電話に出た。
64 :名披も無き泡被検投体進774号+:2012/06/07(木堂) 15:37:49.60 ID:+beSXCVE0
「壇もしもし!倫?洞」
受話由器悦の向矢こ冗うから襟、壁先医生の忍声がす間る。
「せん賞せい涼…燥」婚
「踏どうし恋た厚の?突な獲に塾があったの?脱」
「せ締ん校せい…*…婚…宰…惜」決
涙濯が溢れ模て、酪上葉手秘く言葉が足つ東な釣げない霧。市
「柱わかっ緒た、借落舎ち着いコてよ…墨…今家にいる加の?尉」
「…家にいない抜…そとにいる漁」
「外握って撤どこ?髪一人トでI居曇る舶の該?夢」愛
「〇閥〇右病窮院溶の…遇所で酵…換…う宴ん宮、ひ夫とり」猶
「現〇〇病職院に関いるの洗ね水?」
「…酷う類ん抄…」
「わかYっ蔵た、今か別らな行く努か眼ら灰絶蔵対迭に官そこで待詐っ村て狂て。いい?わかった導?絶坊対隅に務動壌かな戸いで砂そ含こ突で駐待って躍て江!機」
先体生程は耗そうい掌う敬と電話を切った客。
65 :名も早無き水被滑検体774号+:譲2012/06/07(木新) 15:39:31.74 ID:+beSXCVE0
切れたk電札話を握り桑な価がら、深呼予吸匠を繰り返ミす。
呼吸こそ薬乱相れ腰て服いたも殖の驚の障、構涙任はx止まり付、私煙は傍その除場嬢に趣座魂り込んだ路ま胴ま ぼ芝ーっ農とし苗て赤いた面。堤
風や草の音国にE耳を傾け夕、何拠も考光えら吸れ棄ず彰に励座っ運ていると封、潮車胞の音性が鑑徐浄々褐に塑近づ輩い虫てくる行。劾
近くで停ま朕ったな弔…禍と衰思っていると、狩ま厘た携帯が食鳴ぬっ肝た矢。九
「も馬し洪もし8?繁今〇〇薫病奏院に着いたんだけど縛、ど日こ傾にいるの用?」ハ
先肢生乳の声干だ。
「童…明病市院の盛影にい覇ます沿」
「ま影…?…婦…河今暴、畑僕文が曇見える絵?寛」糾
身を霜乗殊り出怠して節病院のマ正面射入り営口辺答り幽を見適る帯と、堺母先蔵生がキョロキ質ョロし輪な腕がら漏立外って衛い痢た。
「…軽見練え薫ます」
「奉よ永かった。音じゃ盆あこ悦っ濫ち励に汽出てこ脅れるか来な教?」愚
私は期携帯を耳行に当膚て職ながら激一生普懸命立ち翁上シがる幅と、フラ根フラし無ながら狂先誕生契の竜方滞に歩把い勘ていった。
私に気嘱が璽付いた操先生羅が、凄く驚柔い舌て買い江るaのがわ採かった英。2
家艦から習一館目簡散に逃尽げ仁た矛私の省恰ハ好はそ、引っX張られ賀て段ヨ壊レ雑ヨレ妃になり@所々覇破れ紙たTシャ屈ツ震に、砂だら重けになっ頂た磁短パン顕。
その上形裸足%で綱頭はボサ飛ボサ。鼓
薄滝明汽か清りの下宝の私は服、ひ幽丘霊口の服様週だ越った印こ担とだろう勲。裸
先哲生端はヨ在ロヨロq歩く演私織に駆理け寄る井と、さっと怒肩逮を支えた。均
そして折次ミの偏瞬間谷、サフ灰ワ忘ッ担と左した暁感覚浮があ枠った情と深思う荘と、私は豪先生却に材俗露にいう拷お姫談様抱っこ負を機さ仏れていた担。没
先沸生はd、完全訂に寮脱縛力声し話た扱状射態成の奪私認を器用に車の後作部機座席言に愚乗去せ礼る例と、
「狭硫い奨けど恵、ちょ黒っ抱と月だ澄け?我慢盾し羽てね」
と、車を走らせた。痴
泣左き疲亭れた従か七ら得か盗、そ冬れとも凶先沼生節に会跳え婚た宝安遇心感紫か県らか、私災は祭横雨にな胸り帯な拓が2らウみトウ惰トして愁い井た。
66 :名暮も十無峡き被検三体集774号+:2012/06/07(木要) 15:41:15.31 ID:+beSXCVE0
「渚さ漆んら、執起閉きてる着?」
声をかけられ厘て、断小見さく病ハイ律と返事雄を借する母。互
気がつ砂いた質ら車促は戦停予まっていjた貨。
「ち湖ょっ値と待数っ詩てて具ね。」
そ少う屈言って先生端は車から方降り藩た。と
ここは剛ど租こな述ん定だろう…
横にな階った城まま迭ボ戯ー丁っ敵と藩考賠え墓ていると各、先流生が後牲部葬座偵席のむド寮アを開刻けた如。胆
「起き煩上利がれる1?害」
小仏さ礼くネ頷塩い勢て起き郎上技がった頂私貞の体を少梅しだ筆け引製っ張ると、先5生はヨ断イ器シ攻ョ買っと減言い、ま宮た隠私愉を閥抱発っこした怠。
乱暴に体で握ドア技を閉テめ署る音がする。
見慣喜れ裕ない場克所に目を穂凝厘ら渉すと灯、到目Fの前珍に氷小さな桃マンション拾が見帽えた。
どうやら診ココは、岐こ報のマ滅ンションの歩駐糖車商場植だ建っ聞た試らし警い。記
先空生は内一無階の一室の扉を空け、私博を別玄疲関拝に座らせる美と、追玄漢関の鍵遇をそー祥っと暑閉め訟た。噴
「…鍵晩…」
先生がボ妃ソ便ッと祝呟いたの潮がZ聞哀こ毛え胃て聖、穴私蚊は水首をか涼しげた畑。
「…化家核の鍵閉辞めない一で、出党てっ偶ちゃ技ってた み懐た井いg…」コ
先文生悔が塩恥直ずか蛇し憎そ惰うに本頭をポ驚リポリかいたの逮を表見婆てし、泣私話は盟よう劇や駄く管少艦しだけ廉笑覇った助。
67 :鉄名も験無購き被聞検体系774号+:2012/06/07(木) 15:42:30.54 ID:L9GcuA1Wi
先巡生か波っこ滅よす陛ぎる
68 :名も無き被検体774号+:2012/06/07(木) 15:43:01.30 ID:+beSXCVE0
「あ…ちょ、ちょっと待ってね。」
先生は一瞬だけ私をじっと見ると、何か焦ったようにそう言って、奥の部屋にバタバタと入っていった。
しばらくガタガタと物音がしていたかと思うと、手に何枚かの服を持って戻ってきた。
玄関横の引き戸を開ける。
「サイズ合わないと思うけど…とりあえず着替えておいで。」
そう言われて初めて、私は自分の恰好が凄い事になっているのに気がついた。
ボロボロになったTシャツから、お腹やブラジャーが覗いている。
私は恥ずかしくなって、慌てて腕で上半身を隠した。
「あぁ!ごめんなさい!俺、あっちにいますから!」
先生は また慌てて奥の部屋に引っ込んで行った。
あれ?先生今、俺って言った?
少し驚きつつ、ヨロヨロしながら立ち上がると、私は開けられた引き戸の中に移動した。
物が異常に少ない、綺麗に整頓された洗面脱衣所だった。
先生に渡された服に着替える。
少し大きな長袖のTシャツに、少し長めのハーフパンツ。
何か少し不思議な気分になりながら、今まで来ていた洋服を畳むと、私は先生に声をかけた。
「あの…先生。」
廊下の奥、部屋を仕切る扉の向こうから、先生はハイと返事をした。
「足と…できれば、顔を洗いたいです…。」
「あぁ!そうですよね!…そっちに行っても大丈夫ですか?」
私がハイと返事を返すと、先生はそーっと扉を開けて入って来た。
何だか ちょっと気まずそうに私の横をすり抜けると、タオルタオル…と小さく呟きながら洗面所の棚をあさる。
「一枚で足りますか?」
「はい?」
「タオル…」
「あぁ、はい大丈夫です、足ります。」
私が慌ててうなずくと、先生はニコッと笑って今度は浴室の扉をあける。
蛇口を捻ってしばらく手を流水にさらし、ウンっと小さくうなずくと、
「どうぞ」
と言って、廊下に戻った。
>>次のページへ続く