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中学時代の仲間でかけがえのない人が出来た話
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154 :前々スレ846:2005/04/13(水) 23:58:18 ID:ZurQZAdk
寝ていると、ふいに電話が鳴り出して飛び起きた。

「今日はゆっくり休んでくれ。朝まで働かせて悪いな」

それを聞いて安心した。時刻は出勤予定の12時を回っていたからだ。


高志が新しい彼女とつき合うことに関しては、ベッドの中でゆっくりと考えて結論を出していた。

彼自身の事だから余計な詮索はしないことにして、これからも彼と友人としてつき合っていこう。そう思った。


予定にない休みだったから、何をするわけでもなくテレビを呆然と見ているだけだった。

冷蔵庫から、見たこともないような怪しいコーラを取り出して飲んだ。あまり美味くなかった。

飲み慣れた日本のコーラと味が違うからか、それとも高志の事が引っかかって美味しくないのかよく分からなかった。

とにかく、それを全部飲んで、出かけることにした。


文房具屋に立ち寄ってみた。何となく消しゴムを買おうと思い消しゴム2コを手に取り、レジに行こうとしたら、ピーターラビットのしおりが目にとまった。

直美ちゃんに送ろうと思い、違うものを2枚買った。

つづく

ちょっと、商品発送のトラックきたみたいなのでもう少ししたらまた書きます。



155 :774RR:2005/04/14(木) 00:00:19 ID:tGfy5xFv
GJ!




159 :前々スレ846:2005/04/14(木) 00:29:05 ID:jzbQL6Lk
直美ちゃんから手紙が届いた。

内容は、いつも通りに最近の出来事や、面白かった本の話だった。

俺が知らないことを必死になって伝えてくれてるような節がいくつかあった。

俺のことを気に留めていてくれてるんだなぁ、と思い一人で笑ってしまった。


そしてまた、俺も机から筆記用具と封筒と便せんを取り出して手紙を書いた。

もちろんピーターラビットのしおりも同封しておいた。


ミカちゃんや久志からも手紙が数通届くようになった。

返事を返すのが大変だったが、その大変さがまた心地いいものだった。

もちろん高志からも、相変わらず汚い読みづらい文字で手紙が届いていた。

便せんと封筒をいくつも使うので、文房具屋に行く回数も増えた。

文房具屋のお姉さんが、不審そうな顔で

「いつも買ってもらって本当にありがたいんだけど、そんなに何に使うの?」と聞かれるようになってしまった。

いつも買ってもらってるお礼よ、とボールベントノートを一冊もらった。

つづく



304 :前々スレ846:2005/04/19(火) 00:09:14 ID:SMF86GO4
>>159からの続き

手紙のやりとりは まさに生活の一部となり、普通の事になっていた。


イギリスに来てから2年目の春頃、いつものように直美ちゃんから手紙が届いていた。

日本では段々と春めいてきて暖かくなってきたことが書いてあった。

そして後半のあたに、夏にでもイギリスに行きたいと書いてあった。

最初は冗談だろうなと思い、返事にイギリスに来たら色々案内するよと書いておいた。


それから数日後、部屋で昼ご飯を食べてるとき部屋の電話が鳴った。

アパートにいて電話が鳴るときは仕事の電話の確率が高いから あまり出たくなかった。

電話に出ると直美ちゃんだっだ。国際電話でわざわざ電話してくれた。

イギリスに来てから直美ちゃんと電話するのは初めてだった。


「久しぶり、元気?手紙毎回楽しみに見てる」

ちょっと疲れたような声で直美ちゃんはしゃべり出した。

俺はびっくりして、何をしゃべればいいのか分からず、ちょっと考えてしまった。

「俺は元気だよ。今、こっちは雨降ってるよ。そっちは いま夜の9時頃?」

取りあえず、コンマ数秒の間に考えた。もうちょっと気の利く言葉はなかったのだろうか。

「今度夏あたりに そっちに行きたいんだけど だめかな?」

いきなり聞かれてびっくりした。

「いいよ、待ってるから。色々案内するからおいで」

素っ気なかったかもしれないが、それしか答えられなかった。

国際電話であまり長話するのも悪いので、少し喋って電話を置いた。

つづく



305 :前々スレ846:2005/04/19(火) 00:26:48 ID:SMF86GO4
まさか日本から遠く離れたイギリスで会えるとは思ってもいなかった。

電話を置いてから、心臓がドキドキと音をたてて脈打っていた。

おもむろに机の引きだしから、ガイドブックを取り出して案内できそうな場所を早速探した。

イギリスに来てから あらかたの場所は知っていたから、適当にピックアップしてみた。

バッキンガム宮殿で衛兵の交替でも見ようか、テムズ川沿いを散歩もいいかも。

そんな妄想に似た想像は止まらなかった。

名所を巡るより直美ちゃんに会えると考えるとそれだけで嬉しかった。


そして その日がやってきた。

ヒースロー空港の3番ターミナルで直美ちゃんを待った。

新聞を読みながら暇を潰していたが、いつも読める英字も緊張で落ち着いて読めなかった。


そして待つこと1時間半、直美ちゃんがやってきた。

前より髪が長くなっていて後ろで一本にまとめられていた。

いつもと違った直美ちゃんを目の前にして緊張した。

「久しぶり!変ってないね」

満面の笑顔で直美ちゃんが喋った。

「久しぶり、時差ぼけ大丈夫??」

直美ちゃんの笑顔には時差ぼけの様子は無く、元気そのものだった。



306 :前々スレ846:2005/04/19(火) 00:36:40 ID:SMF86GO4
その日はアパートでゆっくり休んで、次の日からロンドンを回ることにした。

直美ちゃんは おみやげをたくさん持ってきてくれた。バイクの雑誌は本当に嬉しかった。米や醤油まで持ってきてくれたのも本当に嬉しかった。


話は はずみ、酒もすすんだ。

俺はあまり飲めなかったが、直美ちゃんはグイグイとビールを飲んでいた。

「ねぇ、私と会えて嬉しい?」

いきなり聞かれて背中がしんと冷えた。

「嬉しくないわけないだろ。こんな遠くまで会いに来てくれたんだから」

いつになく まじめな顔で答えていたと思う。

直美ちゃんは下を向いて少し笑いながら言った。

「そう、イギリスまで来てよかった・・・」

しんみりとした空気になり、話しかけづらくなった。


直美ちゃんは そのまま横になり寝てしまった。

起こそうとして肩を叩こうとして肩に触れたら、パシッと手を払われてしまった。

仕方なく無理矢理抱き起こしてベッドに寝かせた。

直美ちゃんを抱き上げるととても軽かった。手に骨の感触が伝わった。

スリムと言うよりは痩せすぎていたような感じだったと思う。


直美ちゃんが寝たのを確認してから机に向い、日記を書き始めた。

書き始めて30分くらいだったろうか。

直美ちゃんが突然「うーーん゛!」と唸った。ビクりとした。

結構酒に酔うと乱れるんだな・・・。

そう思いクスッと笑い、それも日記に書き留めておいた。

つづく




322 :前々スレ846:2005/04/20(水) 01:18:25 ID:23gHgjyV
>>306から

取りあえずもう一度起こした。

「シャワー浴びない?」

声をかけただけでは起きなかった。

肩を揺すって見ると目をパチリと開いた。

「シャワー浴びる?」ともう一度聞くと、キョロキョロして不思議そうな顔をしていた。

「ここってイギリスだっけ?」

寝ぼけてるようだった。


「間違いなくイギリスだよ。ロンドン。シャワー浴びる?」

はぁっ、っとため息をついて直美ちゃんは また布団に潜り込んでしまった。

「シャワー浴びてから入った方が気持ちよく寝られるよ」

そう言うと直美ちゃんは めんどくさそうに起きた。

「じゃ、シャワー借りるね」そう言うと、バスルームに入っていった。


直美ちゃんがシャワーを浴びてる間にまた日記を書いた。

何とも口寂しくなり煙草を吸ってみた。

やはり煙草は苦手らしく すぐに消してコーヒーを淹れて飲んだ。

今まで直美ちゃんと二人きりになることは結構あったが、二人とも明るく話しながら二人きりになることは少なかった。

だから、少しだけ緊張していた。

そんな緊張を忘れるために日記を書いてるようなものだった。


少しして直美ちゃんがバスから出てきた。

「あぁー、やっぱスッキリした」

濡れた髪をタオルでぬぐいながら出てくる直美ちゃんに、不謹慎ながらドキッとした。

そんな嫌らしい事を考えている自分が情けなかった。

「何か冷たいの飲む?ビールはやめておいた方がいいと思うけど」

冗談を飛ばしてみると、直美ちゃんはケラケラ笑いながらタオルで優しく俺を引っぱたいた。

「じゃ、リンゴジュースにする?ノンアルコールだけど」

直美ちゃんは笑いながらイスに座った。

「じゃ、ノンアルコールのリンゴジュースちょうだい」

そんなどうでもいい会話がとても心地よかった。


しばらくリンゴジュースを飲みながらバイクの話をして直美ちゃんは またベッドに入った。

俺が「おやすみ」と言ったときは もう寝ていた。

日記の続きを書いて、自分もシャワーを浴びて寝た。

が、どうにも隣に直美ちゃんがいると緊張して眠れなかった。

つづく



324 :774RR:2005/04/20(水) 01:28:54 ID:RoHXraH+
>>322
_  ∩
( ゚∀゚)彡 それからっ!どした!

⊂彡


325 :前々スレ846:2005/04/20(水) 01:29:54 ID:23gHgjyV
外からはパトカーのサイレンが聞こえてくる。誰かが廊下で笑いながら話をしている。全てが気になりまったく眠れなかった。

仕方なく電気スタンドをつけて本を読んだ。

直美ちゃんが寝返りしたり、布団を引っ張ったりする音にいちいち反応してしまい読書も ままならなかった。

腕時計を見ると、既に1時を回っていた。

そして本を読みながら結局は寝てしまっていた。


起きると朝の5時だった。毎日朝5時に起きるように習慣が付いていたが、さすがに眠かった。

仕事は前もって休みをもらっていたから もっと寝ようと思えば、寝ていられたが、どうせまた緊張して眠られそうにない。

テレビをつけて天気予報を見たりする。

そして朝食を作った。立派な朝食を作ろうとしたが、無理そうなので無難なものを作った。


そうこうしてると直美ちゃんも起き出してきた。

髪が爆発していて すごいことになっていた。

それを見て笑うと、「こういう髪型もよくない?」と朝から かなり明るかった。


テレビを見ながら朝食を食べた。

食べながら考え事をしていた。

いつかこうして毎日二人で朝食を食べることができるかな?そう考えると、自分が妙にバカっぽくなりテレビを見て忘れようとした。

「こんな英語だらけのテレビ見てわかる?」

直美ちゃんが難しそうな顔をしてテレビを見つめていた。

「慣れれば普通に日本語のテレビ見てるのと変らないよ」

少しだけ得意げに話してみた。

「じゃ後で英語教えてよ 外に出たとき使えるようなやつね。難しくないヤツ」

そう言うと直美ちゃんは、チャンネルをいろいろと変えてテレビに見入っていた。

つづく






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カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, すっきりした話,
 

 
 
 
 

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