死なせてしまった女に贖罪をさせてくれ
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188 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:42:34.40ID:COd6JsKY.net
あかねは どこまで行ってもKなのだな、と思った。
Kに対する嫉妬心が事あるごとに頭を擡げる。
俺もどこまで行ってもKへのコンプレックスから逃れられないんだな、と自嘲気味に思った。
189 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:43:21.51ID:COd6JsKY.net
「実は、たかお君にお願いがあるの」
あかねは言った。
そして これこそが今回の再開の目的であると言わんばかりに。
190 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:44:21.70ID:COd6JsKY.net
「実は、今度、子供の入園にお金がいって、制服もまだ買われへんくてな、こんなこと言うのもあれなんやけど、その、お礼にならへんかも知れんけど、何でもするから…」
俺は察した。金の無心だ。
191 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:45:10.31ID:COd6JsKY.net
「いくら必要なの?」
あかねを遮り、俺は尋ねた。
「3万円くらいあれば助かるんやけど」
192 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:45:55.03ID:COd6JsKY.net
悲しかった。
金の無心をされたからではない。
金の代償として、体を差し出そうとする、あかねのこころの短絡が悲しかった。
あかねの中では他に差し出すものが何もないのだろう。
193 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:46:54.71ID:COd6JsKY.net
そして躊躇なく売春に結論を見いだすほど、心は訓練されてしまっていた。
その訓練には相応の数の反復が観てとれた。
194 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:47:57.73ID:COd6JsKY.net
「今、そこまで手持ちがないから、振り込むよ。口座番号は今わかる?」
「今は分かれへん」
「じゃあ、分かったらメールして。すぐ振り込むから。」
「それと、お金は返さなくていいから。
借りた負い目や返せない負い目、そんなことで人間関係を壊したくないんだ。
渡せなかった、子供の出産祝いだと思って協力させて」
195 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:48:50.61ID:COd6JsKY.net
俺がそういうと あかねは涙声でありがとう、と言った。
かなりの勇気がいっただろう。
穿った見方をすれば、あかねの身の上話も、一回抱かせて5000円のくだりも、全ては金を引き出す為の、お涙頂戴ストーリーなのかも知れない。
196 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:49:52.58ID:COd6JsKY.net
でも、あかねは俺に頼ってくれた。
それで充分だった。
正直に言えば、今この場で金を渡せないわけではない。
手持ちは心もとなかったが、近くのコンビニのATMで降ろしてくれば それで事足りる。
けれども、今この場であかねに金を渡せば あかねを抱かないといけない様な気がした。
197 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:50:28.64ID:COd6JsKY.net
それは、俺にはとても出来なかった。
この女を抱く男は、この女の人生ごと抱きしめる男でなくてはならないし そうであって欲しかった。
でも、俺がその男になるには、あまりに遅すぎた。
198 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:51:03.17ID:COd6JsKY.net
その夜、あかねと別れて、ひとり、酒を飲みに行った。
199 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:52:24.56ID:COd6JsKY.net
俺は、5000円であかねを抱いた、禿げデブ親父のことを考えた。
それから、あかねの上司とあかねとのセックスを考えた。
ヒモ男とあかねのセックス、暴力男とあかねのセックス。
200 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:53:04.96ID:COd6JsKY.net
俺がどんなに望んでも、触れることすら許されなかった存在に、いとも簡単に触れて人生を凌辱していった男達のことを考えた。
203 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:55:41.14ID:COd6JsKY.net
そして、Kのことを考えた。
Kは唯一俺の闇に気付いた男だ。
それが為、親友になった男。
俺がいなければ、あかねは いつかKとの思いをとげられたのだろうか。
Kと俺が親友でなければ、俺とあかねは付き合うことがあったのだろうか。
あかねは あかねであることを損なうことはなかったのではないか。
204 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:57:15.13ID:COd6JsKY.net
Kがいなければ。
俺がKであったなら。
KがKじゃなければ。
205 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:58:56.30ID:COd6JsKY.net
いろんな思いが交錯して、頭がかなり混乱した。
取り出そうと手を伸ばせば伸ばすほど、答えは奥に入り込んで行ってしまう、そんなもどかしさを感じた。
206 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:59:29.62ID:COd6JsKY.net
考えれば考えるほど酒を飲みたくなったし、飲めば飲むほど考えは混乱した。
気が付けば、部屋のベッドに吐いて眠っていた。
どうやって帰ったのかは覚えていない。
207 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:00:07.13ID:COd6JsKY.net
あかねからのメールがやってきたのは数日あとだった。
銀行名と口座番号と氏名、それから、よろしくお願いしますの文字。
最後にまたいつもの文句が添えられていた。
208 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:00:55.21ID:COd6JsKY.net
「K君には絶対に言わんといてな」
209 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:01:38.36ID:COd6JsKY.net
俺は3万円振り込んだあと、かすかな違和感を覚えた。
違和感というより、小さな怒りの炎のようなものかもしれないし、嫉妬の炎かも知れない。
210 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:02:18.19ID:COd6JsKY.net
いつも、Kだ。
そもそも、俺がいちいちKに報告するとでも考えているのだろうか。
だいたい、Kには絶対に知られたくなくて おれには知られても一向に構わないというのだろうか。
211 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:02:52.07ID:COd6JsKY.net
なぜ、毎回、あかねは念を押すのだろうか。
本当はKに話して欲しいのではないか。
だから こうやって連絡してきたのではないか。
あかねのことだ。心配して電話してきたKの声が聞ければそれで幸せなのだろう。
212 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:03:30.61ID:COd6JsKY.net
投げやりに俺はそう思った。
無論、あかねの人生の転落は俺にもKにも責任はない。
ただ、無関係ではないはずだ。
一方の俺は あかねの転落話に心を傷め、一方のKは何も知らないで のほほんと生きている。
そのくせに、あかねの中で いつも特別なのが気に入らなかった。
213 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:04:03.39ID:COd6JsKY.net
俺はKに電話をした。
214 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:04:50.79ID:COd6JsKY.net
数日後、あかねから罵詈雑言の電話がかかってきた。
ほとんどが内容を聞きとれないものだったが、その怒気だけは伝わってきた。
俺の話など挟む余地なく、一方的にまくしあげて、電話を切られた。
215 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:05:41.82ID:COd6JsKY.net
Kがあかねに電話したようだ。
わかってはいた。そう仕向けたのだから。
間を置いてきちんと説明しようと思った。
Kには内緒にして欲しい、その言葉に少し傷ついていることを。
もちろんKには あかねの混みいったことは話していないし、声を聞く機会も作ってやりたかった、と。
216 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:06:28.63ID:COd6JsKY.net
あかねからメールが来た。
「お金はありがとうございました。もう二度と連絡はしません。」
「さよなら」
217 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:07:07.82ID:COd6JsKY.net
俺は すぐあかねに電話をしてみた。繋がらなかった。
メールを送っても未配信になった。
あかねとの繋がりは、俺の過ちで完全に切れた。
218 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:07:45.84ID:COd6JsKY.net
あかねの負った傷の深さを俺は見誤っていた。
219 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:08:16.67ID:COd6JsKY.net
Kから あかねの訃報の電話があったのは その一週間後だった。
死因は分からないとのことだった。
Kの彼女からの情報で直接聞いたわけではない。
通夜も行わず、親族だけの密葬になるそうだ。
けれども俺には、思うところはあった。
220 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:08:46.84ID:COd6JsKY.net
自殺ではないだろうか。
221 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:09:27.07ID:COd6JsKY.net
それを確認する手段は俺にはなかった。
いや、正確に言えば確認しようとしなかった。
卑怯な事だけれども、仮に自殺であったなら それに関与したという事実を認めたくなかった。
俺は意図的に自殺という言葉を避けた。
224 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:10:47.38ID:COd6JsKY.net
自分自身に言い訳をした。
事故かも知れない。病死かも知れない。
譲って、自殺であったとしても、将来を悲観してのことかもしれない。
あかねは どこまで行ってもKなのだな、と思った。
Kに対する嫉妬心が事あるごとに頭を擡げる。
俺もどこまで行ってもKへのコンプレックスから逃れられないんだな、と自嘲気味に思った。
189 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:43:21.51ID:COd6JsKY.net
「実は、たかお君にお願いがあるの」
あかねは言った。
そして これこそが今回の再開の目的であると言わんばかりに。
190 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:44:21.70ID:COd6JsKY.net
「実は、今度、子供の入園にお金がいって、制服もまだ買われへんくてな、こんなこと言うのもあれなんやけど、その、お礼にならへんかも知れんけど、何でもするから…」
俺は察した。金の無心だ。
191 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:45:10.31ID:COd6JsKY.net
「いくら必要なの?」
あかねを遮り、俺は尋ねた。
「3万円くらいあれば助かるんやけど」
192 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:45:55.03ID:COd6JsKY.net
悲しかった。
金の無心をされたからではない。
金の代償として、体を差し出そうとする、あかねのこころの短絡が悲しかった。
あかねの中では他に差し出すものが何もないのだろう。
193 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:46:54.71ID:COd6JsKY.net
そして躊躇なく売春に結論を見いだすほど、心は訓練されてしまっていた。
その訓練には相応の数の反復が観てとれた。
194 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:47:57.73ID:COd6JsKY.net
「今、そこまで手持ちがないから、振り込むよ。口座番号は今わかる?」
「今は分かれへん」
「じゃあ、分かったらメールして。すぐ振り込むから。」
「それと、お金は返さなくていいから。
借りた負い目や返せない負い目、そんなことで人間関係を壊したくないんだ。
渡せなかった、子供の出産祝いだと思って協力させて」
195 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:48:50.61ID:COd6JsKY.net
俺がそういうと あかねは涙声でありがとう、と言った。
かなりの勇気がいっただろう。
穿った見方をすれば、あかねの身の上話も、一回抱かせて5000円のくだりも、全ては金を引き出す為の、お涙頂戴ストーリーなのかも知れない。
196 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:49:52.58ID:COd6JsKY.net
でも、あかねは俺に頼ってくれた。
それで充分だった。
正直に言えば、今この場で金を渡せないわけではない。
手持ちは心もとなかったが、近くのコンビニのATMで降ろしてくれば それで事足りる。
けれども、今この場であかねに金を渡せば あかねを抱かないといけない様な気がした。
197 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:50:28.64ID:COd6JsKY.net
それは、俺にはとても出来なかった。
この女を抱く男は、この女の人生ごと抱きしめる男でなくてはならないし そうであって欲しかった。
でも、俺がその男になるには、あまりに遅すぎた。
198 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:51:03.17ID:COd6JsKY.net
その夜、あかねと別れて、ひとり、酒を飲みに行った。
199 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:52:24.56ID:COd6JsKY.net
俺は、5000円であかねを抱いた、禿げデブ親父のことを考えた。
それから、あかねの上司とあかねとのセックスを考えた。
ヒモ男とあかねのセックス、暴力男とあかねのセックス。
200 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:53:04.96ID:COd6JsKY.net
俺がどんなに望んでも、触れることすら許されなかった存在に、いとも簡単に触れて人生を凌辱していった男達のことを考えた。
203 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:55:41.14ID:COd6JsKY.net
そして、Kのことを考えた。
Kは唯一俺の闇に気付いた男だ。
それが為、親友になった男。
俺がいなければ、あかねは いつかKとの思いをとげられたのだろうか。
Kと俺が親友でなければ、俺とあかねは付き合うことがあったのだろうか。
あかねは あかねであることを損なうことはなかったのではないか。
204 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:57:15.13ID:COd6JsKY.net
Kがいなければ。
俺がKであったなら。
KがKじゃなければ。
205 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:58:56.30ID:COd6JsKY.net
いろんな思いが交錯して、頭がかなり混乱した。
取り出そうと手を伸ばせば伸ばすほど、答えは奥に入り込んで行ってしまう、そんなもどかしさを感じた。
206 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 04:59:29.62ID:COd6JsKY.net
考えれば考えるほど酒を飲みたくなったし、飲めば飲むほど考えは混乱した。
気が付けば、部屋のベッドに吐いて眠っていた。
どうやって帰ったのかは覚えていない。
207 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:00:07.13ID:COd6JsKY.net
あかねからのメールがやってきたのは数日あとだった。
銀行名と口座番号と氏名、それから、よろしくお願いしますの文字。
最後にまたいつもの文句が添えられていた。
208 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:00:55.21ID:COd6JsKY.net
「K君には絶対に言わんといてな」
209 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:01:38.36ID:COd6JsKY.net
俺は3万円振り込んだあと、かすかな違和感を覚えた。
違和感というより、小さな怒りの炎のようなものかもしれないし、嫉妬の炎かも知れない。
210 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:02:18.19ID:COd6JsKY.net
いつも、Kだ。
そもそも、俺がいちいちKに報告するとでも考えているのだろうか。
だいたい、Kには絶対に知られたくなくて おれには知られても一向に構わないというのだろうか。
211 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:02:52.07ID:COd6JsKY.net
なぜ、毎回、あかねは念を押すのだろうか。
本当はKに話して欲しいのではないか。
だから こうやって連絡してきたのではないか。
あかねのことだ。心配して電話してきたKの声が聞ければそれで幸せなのだろう。
212 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:03:30.61ID:COd6JsKY.net
投げやりに俺はそう思った。
無論、あかねの人生の転落は俺にもKにも責任はない。
ただ、無関係ではないはずだ。
一方の俺は あかねの転落話に心を傷め、一方のKは何も知らないで のほほんと生きている。
そのくせに、あかねの中で いつも特別なのが気に入らなかった。
213 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:04:03.39ID:COd6JsKY.net
俺はKに電話をした。
214 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:04:50.79ID:COd6JsKY.net
数日後、あかねから罵詈雑言の電話がかかってきた。
ほとんどが内容を聞きとれないものだったが、その怒気だけは伝わってきた。
俺の話など挟む余地なく、一方的にまくしあげて、電話を切られた。
215 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:05:41.82ID:COd6JsKY.net
Kがあかねに電話したようだ。
わかってはいた。そう仕向けたのだから。
間を置いてきちんと説明しようと思った。
Kには内緒にして欲しい、その言葉に少し傷ついていることを。
もちろんKには あかねの混みいったことは話していないし、声を聞く機会も作ってやりたかった、と。
216 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:06:28.63ID:COd6JsKY.net
あかねからメールが来た。
「お金はありがとうございました。もう二度と連絡はしません。」
「さよなら」
217 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:07:07.82ID:COd6JsKY.net
俺は すぐあかねに電話をしてみた。繋がらなかった。
メールを送っても未配信になった。
あかねとの繋がりは、俺の過ちで完全に切れた。
218 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:07:45.84ID:COd6JsKY.net
あかねの負った傷の深さを俺は見誤っていた。
219 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:08:16.67ID:COd6JsKY.net
Kから あかねの訃報の電話があったのは その一週間後だった。
死因は分からないとのことだった。
Kの彼女からの情報で直接聞いたわけではない。
通夜も行わず、親族だけの密葬になるそうだ。
けれども俺には、思うところはあった。
220 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:08:46.84ID:COd6JsKY.net
自殺ではないだろうか。
221 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:09:27.07ID:COd6JsKY.net
それを確認する手段は俺にはなかった。
いや、正確に言えば確認しようとしなかった。
卑怯な事だけれども、仮に自殺であったなら それに関与したという事実を認めたくなかった。
俺は意図的に自殺という言葉を避けた。
224 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2017/05/10(水) 05:10:47.38ID:COd6JsKY.net
自分自身に言い訳をした。
事故かも知れない。病死かも知れない。
譲って、自殺であったとしても、将来を悲観してのことかもしれない。
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