思い出の懐中時計
(5ページ目) 最初から読む >>
\ シェアする /
「何でそれ・・・・・・」
「放課後5:00に屋上に来い。金をもってな」
それから放課後までの時間がとても長く感じた。
うまくいくだろうか。全ては雪村しだい。
時間より15分前に屋上へ行った。雫と小林は物陰に隠れて待機。様子を見守るように言ってる。
懐中時計を見つめる。夕日に照らされて竜の彫刻の目の部分がピカッと光った気がした。
やがて時間が来た。
屋上のドアがゆっくりと開く。面と向かって会うのは初めてだ。
「あなたは・・・・・・・・!?」
俺の顔を見て不思議そうな顔をしている。
「たどり着いた先にお前は何を見た?北村」
「あなたが・・・・あなたが・・・・・??」
「ああ。俺が脅迫電話の主。3年の時任だ。金は持ってきたんだろうな」
「おばあちゃん、あんまり持ってなくて・・・・・・・4万しか・・・・・・」
「それは写真をばら撒いてくださいって意味か?」
「ちがう!!本当に用意できなかったの・・・・・・これで許してください・・・・・・・」
「お前終わりだよ。せいぜい残りの高校生活楽しめよ。ていうか、お前が今度いじめられるんじゃね?」
心にもない台詞を言うと心が痛い。雪村、指示通り見てるだろうか。
その時だった。
「やめてください!!」
雪村だった。その目には強い意志が感じられた。
「雪村・・・・・・?」
北村の呆然とした顔。状況が分かっていない。
「北村さんを それ以上脅迫しないでください!!可愛そうじゃないですか!!」
「貴様ァ雪村!!そいつは お前をいじめてたヤツだろう!!そんなヤツかばうな!!人間の屑だ!!」
「こんなに震えてるじゃないですか!!ひどいですよ お金を取る気だったんでしょう!!」
「ああそうだ。こんな女生きる価値ねえよ!!」
「・・・・・私も正直辛かったけど・・・・でもこんなに怯えてる北村さん見ちゃったら あたしもう・・・
憎めない・・・・・・憎めないよ」
俺は空を見上げた。夕日がまぶしい。
少し目が潤んできた気がした。
「おい。北村聞いたか?」
「・・・・・雪村・・・・・あたし・・・・」
「お前がいじめてたヤツがお前の事心配してくれてるんだぞ?お前の気持ちを正直に言え。今まで雪村にしてきた事どう思ってる?」
北村の瞳から大粒の涙が流れた。
「ごめん雪村・・・・・!!本当にごめんなさい!!あたし・・・・・手首のリストカットの写真見て初めて自分のしてきた事の重大さに気がついたの・・・・・ごめん・・・・ごめん・・・・!!」
北村は大粒の涙を流しながら頭を地面にこすりつけていた。
思わず貰い泣きしそうになった俺は、慌てて顔を背けた。
「北村さん・・・・・・・」
「雪村・・・・・・」
「許してあげる」
「ええ?」
「もういじめないでね?」
「ごめん・・・・・・・」
雪村は やっぱりこういう人間だった。自分が弱いからこそ、相手の心を気使ってあげる優しさ。
それが例え、イジメのリーダーの北村であっても。
誰にもできることじゃない。
でも雪村は北村を許した。
それが全てだ。
北村がそっと雪村の手首の袖をまくる。
「ごめんね雪村・・・・・これ一生消えないよね?ごめん・・・・・・ごめんね・・・・・?」
「うん」
雪村は小さくそう答えただけだった。
「兄さん」
「先輩」
「おう。もう出てきていいぞ」
「兄さん泣いてる」
「雫も」
物陰から様子を見ていた雫と小林が出てきた。
キョトンとした雪村と北村の顔。
俺は静かに言った。
「北村。今回の事全部な、本気じゃなかったんだ」
「どう言う事?」
「ほら。写真のネガ。これお前に渡す。金もいらない。おばあちゃんの財布にちゃんと返しとけ」
「貰っていいの脅迫のネタでしょ・・・・」
「最初に聞いただろ。北村。お前はイジメをやってたどり着いた先に何を見た?」
「・・・・あたし・・・・・・」
「後悔だろう?特に雪村の自殺未遂聞いたとき」
「・・・うん。怖かった・・・・」
「俺はお前に弱者の気持ちを知って欲しかっただけだ」
「あなた・・・・・・・最初からそれだけが目的だったの?」
「ああ。お前は今弱者の気持ちを知ったはずだ。だからこそこれからは、人に優しくできるだろう?」
「ええ・・・・」
「もうイジメはしないな?」
「誓うわ」
「そうか・・・・じゃあ一つプレゼントをやろう」
雫を見る。
雫は小さく頷いた。
「・・・・・私も正直辛かったけど・・・・でもこんなに怯えてる北村さん見ちゃったら あたしもう・・・
憎めない・・・・・・憎めないよ」
俺は空を見上げた。夕日がまぶしい。
少し目が潤んできた気がした。
「おい。北村聞いたか?」
「・・・・・雪村・・・・・あたし・・・・」
「お前がいじめてたヤツがお前の事心配してくれてるんだぞ?お前の気持ちを正直に言え。今まで雪村にしてきた事どう思ってる?」
北村の瞳から大粒の涙が流れた。
「ごめん雪村・・・・・!!本当にごめんなさい!!あたし・・・・・手首のリストカットの写真見て初めて自分のしてきた事の重大さに気がついたの・・・・・ごめん・・・・ごめん・・・・!!」
北村は大粒の涙を流しながら頭を地面にこすりつけていた。
思わず貰い泣きしそうになった俺は、慌てて顔を背けた。
「北村さん・・・・・・・」
「雪村・・・・・・」
「許してあげる」
「ええ?」
「もういじめないでね?」
「ごめん・・・・・・・」
雪村は やっぱりこういう人間だった。自分が弱いからこそ、相手の心を気使ってあげる優しさ。
それが例え、イジメのリーダーの北村であっても。
誰にもできることじゃない。
でも雪村は北村を許した。
それが全てだ。
北村がそっと雪村の手首の袖をまくる。
「ごめんね雪村・・・・・これ一生消えないよね?ごめん・・・・・・ごめんね・・・・・?」
「うん」
雪村は小さくそう答えただけだった。
「兄さん」
「先輩」
「おう。もう出てきていいぞ」
「兄さん泣いてる」
「雫も」
物陰から様子を見ていた雫と小林が出てきた。
キョトンとした雪村と北村の顔。
俺は静かに言った。
「北村。今回の事全部な、本気じゃなかったんだ」
「どう言う事?」
「ほら。写真のネガ。これお前に渡す。金もいらない。おばあちゃんの財布にちゃんと返しとけ」
「貰っていいの脅迫のネタでしょ・・・・」
「最初に聞いただろ。北村。お前はイジメをやってたどり着いた先に何を見た?」
「・・・・あたし・・・・・・」
「後悔だろう?特に雪村の自殺未遂聞いたとき」
「・・・うん。怖かった・・・・」
「俺はお前に弱者の気持ちを知って欲しかっただけだ」
「あなた・・・・・・・最初からそれだけが目的だったの?」
「ああ。お前は今弱者の気持ちを知ったはずだ。だからこそこれからは、人に優しくできるだろう?」
「ええ・・・・」
「もうイジメはしないな?」
「誓うわ」
「そうか・・・・じゃあ一つプレゼントをやろう」
雫を見る。
雫は小さく頷いた。
「何?」
「北村、お姉さんに会いたくないか?」
「ええ!?し、知ってるの?どこにいるのか」
「ああ。ほら、住所。行ってみろ」
「ありがとう・・・・・わたし、ずっと探してて・・・・・・」
「母親からの暴力から助けてくれた優しい姉さんなんだろ?」
「何で知ってるの?」
「すまん。それは俺も分からん」
雫を横目で見る。顔を横に振る雫。
俺は深いため息をついた。
「ほら、北村。この懐中時計見てみろ」
「これは父の・・・・・」
「やっぱ、お前の親父の作品か。俺さ、小学生の頃、美原時計店で これお前の姉さんに貰ったんだ。俺の宝物だ」
「懐かしい・・・・・」
「なあ、北村。良かったらいつかまたさ、お姉さんに会わせてくれよ。お礼言いたんだ」
「ええ。でも私が先」
「ああ。頼む」
「大切にしてくれてんだ・・・・・・ありがとう。お姉ちゃんに言っとくよ」
側でじっと聞いていた雪村を見る。
「雪村、北村と友達になれそうか?」
「もう友達だよ。北村さんの弱いとこいっぱい見ちゃったし。北村さんかえろっか」
「うん・・・・」
「帰りにマック寄ってこ」
「うん!」
そういうと2人は屋上をゆっくり後にした。
扉の前で2人は小さく頭を下げた。
「はあ~どっと疲れた・・・・・」
「兄さんお疲れ」
「先輩さすがです!!」
「そうか?ちょっとベタだった感じがしなくもない」
「兄さんが言ってた、最後感動させて2人を親友にってヤツ。こういう筋書きだったんだね」
「ふっふっふ!!俺の計画に狂いはないさ!!」
「兄さん本当は内心ビクビク」
「そんな事ないぞ!!」
「あ、先輩眉毛ピクピクしてます!!」
「兄さん分かりやすい」
「うるせえ!」
俺は夕日に懐中時計を照らしてみた。俺の宝物。
絶対大切にしよう。
「じゃ、帰るぞ俺達も」
「兄さんおんぶ」
「おんぶじゃねえよ!!」
「先輩カレー食べて帰りましょ!!」
「しらんしらん!!今日は直帰じゃ!!」
「今度はカードが使える学食をですね・・・・」
「学食でカードが使えるわけねえだろうが!!」
「え!?」
「兄さん本音暴露」
「あ!!」
「あじゃないよ兄さん・・・・」
「学食はカードつかえないんですかあ!!」
「小銭だ小銭。小銭を持て」
「小銭は2年近く見てません」
「さ、帰ろうか雫」
「ええ。兄さん」
「待ってくださいよ~!」
俺は屋上を後にしながら小さくつぶやいた。
「計画通り!!」
「北村、お姉さんに会いたくないか?」
「ええ!?し、知ってるの?どこにいるのか」
「ああ。ほら、住所。行ってみろ」
「ありがとう・・・・・わたし、ずっと探してて・・・・・・」
「母親からの暴力から助けてくれた優しい姉さんなんだろ?」
「何で知ってるの?」
「すまん。それは俺も分からん」
雫を横目で見る。顔を横に振る雫。
俺は深いため息をついた。
「ほら、北村。この懐中時計見てみろ」
「これは父の・・・・・」
「やっぱ、お前の親父の作品か。俺さ、小学生の頃、美原時計店で これお前の姉さんに貰ったんだ。俺の宝物だ」
「懐かしい・・・・・」
「なあ、北村。良かったらいつかまたさ、お姉さんに会わせてくれよ。お礼言いたんだ」
「ええ。でも私が先」
「ああ。頼む」
「大切にしてくれてんだ・・・・・・ありがとう。お姉ちゃんに言っとくよ」
側でじっと聞いていた雪村を見る。
「雪村、北村と友達になれそうか?」
「もう友達だよ。北村さんの弱いとこいっぱい見ちゃったし。北村さんかえろっか」
「うん・・・・」
「帰りにマック寄ってこ」
「うん!」
そういうと2人は屋上をゆっくり後にした。
扉の前で2人は小さく頭を下げた。
「はあ~どっと疲れた・・・・・」
「兄さんお疲れ」
「先輩さすがです!!」
「そうか?ちょっとベタだった感じがしなくもない」
「兄さんが言ってた、最後感動させて2人を親友にってヤツ。こういう筋書きだったんだね」
「ふっふっふ!!俺の計画に狂いはないさ!!」
「兄さん本当は内心ビクビク」
「そんな事ないぞ!!」
「あ、先輩眉毛ピクピクしてます!!」
「兄さん分かりやすい」
「うるせえ!」
俺は夕日に懐中時計を照らしてみた。俺の宝物。
絶対大切にしよう。
「じゃ、帰るぞ俺達も」
「兄さんおんぶ」
「おんぶじゃねえよ!!」
「先輩カレー食べて帰りましょ!!」
「しらんしらん!!今日は直帰じゃ!!」
「今度はカードが使える学食をですね・・・・」
「学食でカードが使えるわけねえだろうが!!」
「え!?」
「兄さん本音暴露」
「あ!!」
「あじゃないよ兄さん・・・・」
「学食はカードつかえないんですかあ!!」
「小銭だ小銭。小銭を持て」
「小銭は2年近く見てません」
「さ、帰ろうか雫」
「ええ。兄さん」
「待ってくださいよ~!」
俺は屋上を後にしながら小さくつぶやいた。
「計画通り!!」
\ シェアする /
関連記事
easterEgg記事特集ページ
