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ささやかなこの人生
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地味な存在な彼女の転校は学校内でもたいした話題になりませんでした。
ドラマみたいな感動的なシーンもなく、誰にもサヨナラも言わずH子は転校して行きました。
自分にはお別れに来てくれるだろう’と期待していたのですが・・。
無人になったH子の家の前を通ってみたり、神社へ行ってみては この町から彼女がいなくなった事を改めて実感していました。
バレンタインディの二日後、H子から小さな荷物が届きました。
シワシワの紙袋の中に、駄菓子屋で売っている普通のチョコがたくさん入っていて、大学ノートの切れ端にエンピツ書きで
「W君、すごくありがとう たくさん好きです H・F」
・・・すべてが彼女らしく、みすぼらしくて貧しく、それでいて心のこもったプレゼントでした。
・・・・・僕は東京に出て働く様になり、その後H子が何処で何をしているか、まったく分りません。
今年で40歳、きっと幸せに暮らしている事だと思います。
たまに僕の事を思い出してくれてたら嬉しいです。
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