変わり果ててしまった妻
(5ページ目) 最初から読む >>
\ シェアする /
「あなたのお蔭で、私の家庭は無茶苦茶だ」
すると彼女は足を止める。
「もう許して下さい」
「もう許せ?もうって、恵理さんは俺に何の償いをした。妻の相手の名前を教えただけで罪を逃れたつもりか」
彼女はその場で女将に電話し、私の指示通りに助手席に乗ってきた。
「どこへ?」
「色々聞きたい事がある」
私は彼女への欲望を満たそうとしていたが、いざとなると罪悪感で苦しんだ。
それで罪悪感に負けないように、あえて妻が青山と行ったラブホテルに入る。
「いや!私帰ります!」
「誰にも聞かれない所で話を聞きたいだけだ。ここが駄目なら、恵理さんのアパートで話そうか?母親が何をしてお金を作ったか、娘さんには分かってしまうだろうが」
私は彼女をベッドに押し倒し、無理やりキスをしようとしていた。
「嫌です!やめて下さい!」
「暴れるな!どうせ誰にでも抱かせる身体だろ!青山にも散々抱かせた身体だろ!」
私は妻や青山と同じ所まで落ちようとしていた。無理やり犯そうとしているのだから、それ以上なのかも知れないが。
「抱かれてなんかいません。やめて下さい!」
私は服の上から、彼女の大きな乳房を掴む。
「嘘を吐け!あんな真っ赤な下着なんか着けやがって」
「あれは青山さんに指示されただけです。派手な下着であなたを誘惑しろと、お金を渡されて指示されただけ」
私は乳房を掴んでいた手は離したが、彼女が逃げないように覆い被さったままだった。
「本当に青山とは関係ないのか?」
「別れた主人以外とは、誰とも付き合った事はありません」
「青山に、何を頼まれた?」
私が彼女から降りて椅子に座ると、彼女は衣服の乱れを直してベッドに座る。
「最初は200万で柴田さんに抱かれろと言われました。
私がそのような事は出来ないと断わったら、抱かれなくてもいいから誘惑してくれと・・・・
娘の事を女将さんに相談していたから、それを聞いて知っていた青山さんは100万払うと言って」
「小料理屋で?でも女将は青山の・・・・・」
青山にとって人妻を落すのはただの遊びで、女将も何も言わなかったらしい。
これまでにも青山は、店が終わる頃に友人を連れてやって来ては、落とした人妻の自慢をしていた。
「それだけの事に、100万も200万も使うのか」
青山は、昔は一晩に200万も300万使う遊びをしていたと自慢していたらしい。苦しくなった今でも、私達とは金銭感覚が違うのだろう。
「青山から100万もらって、俺を誘ったという訳か」
「お金は友人の方が・・・・・・・」
「その友人というのは今中か?」
「どうしてそれを?まさか奥様も・・・・・・・」
今までにも、何度もこのような事を話していた事があったと言う。
ダンディーな青山が人妻を落とし、お世辞にも格好良いとは言えない今中が その間の資金を出して、あとで その女を回してもらう。
彼女は立ち上がると、服のボタンを外し始めた。
「ごめんなさい・・・・・・今夜だけで許して下さい」
しかし、私は それどころではなかった。
青山の存在が大き過ぎて、今中の事を忘れていた。
ただ青山の誘いに乗っただけで、今中には それ程の悪意は無いと思っていたが、この話が本当ならば今中の責任も大きい。
何より気になったのが今中の会社は、今中精器で、妻が勤め始めた会社の社名は佐藤精器なのだ。
私は青山の事を気にするあまり、今中の事をすっかり忘れてしまっていたが、そこが取引関係にある会社だとすれば、ただの偶然だとは考え難い。
彼女は下着だけの姿になると、急いでベッドの布団に潜り込む。
私が近付いて掛け布団を剥ぐと、彼女は恥ずかしそうに前を隠した。
「もういいから服を着てくれ。その代わり、もっと妻の事を教えてくれないか」
妻の事が気掛かりで、そのような気分ではなかったのもあったが、彼女が娼婦のような派手な下着を着けていたなら、そのまま覆い被さっていただろう。
しかし、彼女は、綿の白い下着を着けていた。
「何をお聞きになりたいのですか?」
「全てだ。恵理さんが知っていること全て」
彼女は下を向いて黙り込む。
「小料理屋で聞いた事。女将が話していた事など何でもいい。妻のことなら何でも知りたいんだ」
「気持ちは分かります。でも知れば知るほど苦しくなります。私がそうだったから」
彼女の離婚原因は、別れたご主人の浮気だったと言う。それが分かった時、彼女は全てを知りたいと思った。
いつ、どこで、どのように相手の女を抱いていたのか。その時どのような言葉を囁き、相手は どのような反応を示したのか。
それはご主人だけに止まらず、相手の女とも何度も会って問い質した。
「自分で自分の首を絞めてしまいました。どれだけ聞いても満足出来ない。聞けば更に嫉妬が増して、それ以上の事を知りたくなってしまう。地獄でした。その地獄から逃れたくて離婚を」
彼女はご主人を愛していたのだろう。絶対に許せなくて離婚したが、おそらく今でも愛している。
「このままでも地獄だ」
彼女は一度頷くと、ぽつりぽつりと話し出す。
「青山さんは何年も前から奥様を狙っていて、何度誘っても上手く逃げられてしまうが、簡単に落ちる女よりも このように真面目な女の方が、落ちた時の反応が面白いと言っていたのを覚えています」
パートから正社員にしたのも、より身近に置くためだったに違いない。
「その間、彼らは他の奥さんも狙っていましたが、落ちると何度か青山さんが抱いてから、その後 今中さんに」
「今中は いつも青山の・・・・・・・・後で?」
私は お下がりという言葉を使おうとしたが、妻も同じ状態なので使えない。
「笑い話のように話していた事があります。昔、青山さんが落とした奥さんを騙して、最初から今中さんに抱かせた事があって、その時は、婦女暴行で訴えられる寸前までいったそうです。それに懲りて、何度か青山さんが関係を持ってから今中さんが関係を持つように」
彼らは ずる賢く、散々不倫を繰り返した後では、世間にその事を知られるのが嫌で、泣き寝入りしてしまうと言っていたそうだ。
それに、初めて旦那以外の男に抱かれる相手が、全く違う男だったというショックを考えれば、散々不倫を繰り返して堕落してしまった後の方が、ショックも少ないので、遥かに愚図る事も少ないと。
確かに例え訴え出たとしても、それでは同情などしてもらえずに、被害者と言うよりも尻の軽いふしだらな不倫女と見られてしまう。
「妻と青山の事で何か聞いていないか?つまり・・・二人のセックスの・・・・」
彼女はまた俯いてしまう。
「恵理さん!」
「最初に奥様が抱かれた時、自棄になってホテルの部屋までは行ってしまいましたが、いざとなると思い直して随分抵抗されたそうです。
貞操を守ろうと嫌がる女ほど辱める甲斐があると言っていました。
快感に負けて屈服した時のギャップも堪らなかったと」
「青山は何をしたのだ」
「そこまでは・・・・・・」
「妻は私が浮気していると思っただけで、自棄になって身体を許してしまったのだろうか」
「それは分かりません。ただ青山さんは仕事に託けて二人きりになる時間を作っては、しつこく奥様を口説いていたようです。一人の男しか知らない人生で良いのかと」
彼女は、妻が青山に言い続けられた事で、私以外の男にも興味を持った事が根底にあると言いたいのだ。
しかし、それは責められない。なぜなら私も、妻以外の女性に興味が無い訳ではないのだから。
「青山さんは、奥様は柴田さんを愛していると言っていました。
だから柴田さんが奥様を裏切っていると思わせれば、逆に落し易いと考えたようです。
それと・・・・・旦那を愛している人妻の方が・・・・虐め甲斐があるとも」
現に妻は落ちた。全て青山と今中の思惑通りに。
「妻には当然 罪悪感があると思う。しかし妻は未だに謝らないんだ」
すると彼女の顔が更に曇る。
「主人と同じです。主人も最後まで謝らなかった。絶対に離婚はしたくないと言っていましたが、それでも謝らなかった」
ご主人は真面目が服を着ている様な人で、浮気の証拠が出てからも信じられなかったと言う。
「最初の頃は謝らない主人に腹を立て、何度も謝らせようとしました。しかし、主人は言ったのです。謝ってしまって非を認めたら、俺が俺ではなくなってしまうと」
彼女は思った。ご主人の真面目さが謝る事を拒否していると。非を認めてしまっては、ご主人は壊れてしまうと。
言い換えれば、それだけ自分のやってしまった事を悔いている。それだけ罪の重さを分かっている。
自分がそのような男だと認めた瞬間、何もかも壊れてしまうほどに。
しかし、彼女は許せなかった。それでは裏切られた方の心は どうなるのか。裏切られた方は壊れてしまっても良いのかと。
妻も同じなのかも知れない。壊れてしまいそうなほど罪の意識に苦しんでいるのかも。
そうだとすると、妻が佐藤精器に就職したのは単なる偶然だと思った。
「あのー・・・・先日お店で眠ってしまった時、あの後 何かありました?」
「・・・・・いや・・・・なぜだ?」
「柴田さんを奥の部屋に寝かせてから帰る途中、今中さんの車が通り過ぎて行きました。おそらく青山さんも乗っていたと」
--------------------
妻を もう一度信じようと思った矢先に、このような事を聞かされて、翌日の土曜日に私の足は妻の職場に向かっていた。
そこは小さな町工場で、道を挟んだ前にある空き地には妻の車が止まっていた。
そして看板に書かれた小さな文字を見た私は唖然とする。
『今中精器株式会社協力工場』
窓から中を覗くと5人の工員が働いていたが、みんな年配の人ばかりで妻の姿もなく、事務所のドアを開けると作業服の下にネクタイをした社長らしき男と、妻と同い年ぐらいの事務員が私を見る。
「柴田と申します。いつも妻がお世話になっております」
それを聞いた社長らしき男は立ち上がり、事務員は慌てて電卓のキーを押す。
「あっ、ああ、柴田さんのご主人。柴田さんには銀行まで行ってもらっていますが何か?」
「銀行ですか?今日は土曜日なのに?」
事務員の手が一瞬止まる。
彼女は立ち上がると、服のボタンを外し始めた。
「ごめんなさい・・・・・・今夜だけで許して下さい」
しかし、私は それどころではなかった。
青山の存在が大き過ぎて、今中の事を忘れていた。
ただ青山の誘いに乗っただけで、今中には それ程の悪意は無いと思っていたが、この話が本当ならば今中の責任も大きい。
何より気になったのが今中の会社は、今中精器で、妻が勤め始めた会社の社名は佐藤精器なのだ。
私は青山の事を気にするあまり、今中の事をすっかり忘れてしまっていたが、そこが取引関係にある会社だとすれば、ただの偶然だとは考え難い。
彼女は下着だけの姿になると、急いでベッドの布団に潜り込む。
私が近付いて掛け布団を剥ぐと、彼女は恥ずかしそうに前を隠した。
「もういいから服を着てくれ。その代わり、もっと妻の事を教えてくれないか」
妻の事が気掛かりで、そのような気分ではなかったのもあったが、彼女が娼婦のような派手な下着を着けていたなら、そのまま覆い被さっていただろう。
しかし、彼女は、綿の白い下着を着けていた。
「何をお聞きになりたいのですか?」
「全てだ。恵理さんが知っていること全て」
彼女は下を向いて黙り込む。
「小料理屋で聞いた事。女将が話していた事など何でもいい。妻のことなら何でも知りたいんだ」
「気持ちは分かります。でも知れば知るほど苦しくなります。私がそうだったから」
彼女の離婚原因は、別れたご主人の浮気だったと言う。それが分かった時、彼女は全てを知りたいと思った。
いつ、どこで、どのように相手の女を抱いていたのか。その時どのような言葉を囁き、相手は どのような反応を示したのか。
それはご主人だけに止まらず、相手の女とも何度も会って問い質した。
「自分で自分の首を絞めてしまいました。どれだけ聞いても満足出来ない。聞けば更に嫉妬が増して、それ以上の事を知りたくなってしまう。地獄でした。その地獄から逃れたくて離婚を」
彼女はご主人を愛していたのだろう。絶対に許せなくて離婚したが、おそらく今でも愛している。
「このままでも地獄だ」
彼女は一度頷くと、ぽつりぽつりと話し出す。
「青山さんは何年も前から奥様を狙っていて、何度誘っても上手く逃げられてしまうが、簡単に落ちる女よりも このように真面目な女の方が、落ちた時の反応が面白いと言っていたのを覚えています」
パートから正社員にしたのも、より身近に置くためだったに違いない。
「その間、彼らは他の奥さんも狙っていましたが、落ちると何度か青山さんが抱いてから、その後 今中さんに」
「今中は いつも青山の・・・・・・・・後で?」
私は お下がりという言葉を使おうとしたが、妻も同じ状態なので使えない。
「笑い話のように話していた事があります。昔、青山さんが落とした奥さんを騙して、最初から今中さんに抱かせた事があって、その時は、婦女暴行で訴えられる寸前までいったそうです。それに懲りて、何度か青山さんが関係を持ってから今中さんが関係を持つように」
彼らは ずる賢く、散々不倫を繰り返した後では、世間にその事を知られるのが嫌で、泣き寝入りしてしまうと言っていたそうだ。
それに、初めて旦那以外の男に抱かれる相手が、全く違う男だったというショックを考えれば、散々不倫を繰り返して堕落してしまった後の方が、ショックも少ないので、遥かに愚図る事も少ないと。
確かに例え訴え出たとしても、それでは同情などしてもらえずに、被害者と言うよりも尻の軽いふしだらな不倫女と見られてしまう。
「妻と青山の事で何か聞いていないか?つまり・・・二人のセックスの・・・・」
彼女はまた俯いてしまう。
「恵理さん!」
「最初に奥様が抱かれた時、自棄になってホテルの部屋までは行ってしまいましたが、いざとなると思い直して随分抵抗されたそうです。
貞操を守ろうと嫌がる女ほど辱める甲斐があると言っていました。
快感に負けて屈服した時のギャップも堪らなかったと」
「青山は何をしたのだ」
「そこまでは・・・・・・」
「妻は私が浮気していると思っただけで、自棄になって身体を許してしまったのだろうか」
「それは分かりません。ただ青山さんは仕事に託けて二人きりになる時間を作っては、しつこく奥様を口説いていたようです。一人の男しか知らない人生で良いのかと」
彼女は、妻が青山に言い続けられた事で、私以外の男にも興味を持った事が根底にあると言いたいのだ。
しかし、それは責められない。なぜなら私も、妻以外の女性に興味が無い訳ではないのだから。
「青山さんは、奥様は柴田さんを愛していると言っていました。
だから柴田さんが奥様を裏切っていると思わせれば、逆に落し易いと考えたようです。
それと・・・・・旦那を愛している人妻の方が・・・・虐め甲斐があるとも」
現に妻は落ちた。全て青山と今中の思惑通りに。
「妻には当然 罪悪感があると思う。しかし妻は未だに謝らないんだ」
すると彼女の顔が更に曇る。
「主人と同じです。主人も最後まで謝らなかった。絶対に離婚はしたくないと言っていましたが、それでも謝らなかった」
ご主人は真面目が服を着ている様な人で、浮気の証拠が出てからも信じられなかったと言う。
「最初の頃は謝らない主人に腹を立て、何度も謝らせようとしました。しかし、主人は言ったのです。謝ってしまって非を認めたら、俺が俺ではなくなってしまうと」
彼女は思った。ご主人の真面目さが謝る事を拒否していると。非を認めてしまっては、ご主人は壊れてしまうと。
言い換えれば、それだけ自分のやってしまった事を悔いている。それだけ罪の重さを分かっている。
自分がそのような男だと認めた瞬間、何もかも壊れてしまうほどに。
しかし、彼女は許せなかった。それでは裏切られた方の心は どうなるのか。裏切られた方は壊れてしまっても良いのかと。
妻も同じなのかも知れない。壊れてしまいそうなほど罪の意識に苦しんでいるのかも。
そうだとすると、妻が佐藤精器に就職したのは単なる偶然だと思った。
「あのー・・・・先日お店で眠ってしまった時、あの後 何かありました?」
「・・・・・いや・・・・なぜだ?」
「柴田さんを奥の部屋に寝かせてから帰る途中、今中さんの車が通り過ぎて行きました。おそらく青山さんも乗っていたと」
--------------------
妻を もう一度信じようと思った矢先に、このような事を聞かされて、翌日の土曜日に私の足は妻の職場に向かっていた。
そこは小さな町工場で、道を挟んだ前にある空き地には妻の車が止まっていた。
そして看板に書かれた小さな文字を見た私は唖然とする。
『今中精器株式会社協力工場』
窓から中を覗くと5人の工員が働いていたが、みんな年配の人ばかりで妻の姿もなく、事務所のドアを開けると作業服の下にネクタイをした社長らしき男と、妻と同い年ぐらいの事務員が私を見る。
「柴田と申します。いつも妻がお世話になっております」
それを聞いた社長らしき男は立ち上がり、事務員は慌てて電卓のキーを押す。
「あっ、ああ、柴田さんのご主人。柴田さんには銀行まで行ってもらっていますが何か?」
「銀行ですか?今日は土曜日なのに?」
事務員の手が一瞬止まる。
「えっ?そうです。ATMで済む用なので」
男は落ち着かず、明らかに焦りが分かる。
「それなら外で待たせてもらいます。お仕事中申し訳ございませんでした」
私がドアの所でお辞儀をし、頭を上げた時には男の手に携帯が握られていたのを見て、妻は今中と出掛けている事を確信した。
すぐに妻に電話したが、呼んではいても妻は出ない。
妻は携帯が聞こえないほど、大きな声を出しているのか。携帯に出られないほど、感じさせられてしまっているのか。
30分待っても帰って来ないので、もう一度 事務所のドアを開けると、今中の携帯にも繋がらないのか、社長は携帯を耳に当てながら貧乏揺すりをしている。
「どこの銀行まで行きました?」
「いや、帰りに他の用も頼んだもので」
「そうですか。ところで今中にも繋がりませんか?」
社長と事務員が一斉に私の顔を見る。
結局、妻が帰って来たのは、4時前だった。それも今中の車の助手席に乗って。
「佐藤社長、悪かったな」
私は写真で見て知っていたが、今中は電話で話しただけで、私の顔を知らないはずなのに、やはり小料理屋で眠ってしまった時に私を見たのか、入って来るなり固まった。
「ご主人?」
今中の後ろを恥ずかしそうに俯きながら入って来た妻も、その言葉で顔を上げる。
「あなた!」
「これは違うんだ。あの時 奥さんに迷惑を掛けたから、お詫びに食事をご馳走して」
私の手には、机の上にあったカッターナイフが握られていた。
「何をする気だ!警察を呼ぶぞ!」
「呼べよ。警察が来る前に殺してやる」
その時、妻が今仲の前に出て間に入る。
「あなたやめて!犯罪者になってしまう」
妻は私を人殺しにはしたくなかったのかも知れないが、私の目には今中を庇おうとしているとしか映らない。
こんな下衆な野郎でも、身体の関係を持つと情が移ってしまうのか。
私が一歩前に出た時、カッターを持つ手を掴みにきた妻の指から血が出た。
それを見た今中は外に飛び出し、慌てて車を走らせる。
私は呆然と立ち尽くし、事務員に手当てを受けている妻を見ていた。
「二度と帰って来るな!」
本当は今中との事を詳しく聞きたかった。なぜ また私を裏切ったのかも聞きたかった。
しかし、他人を前にして、妻を寝取られた夫が多少でもプライドを維持出来るのは この言葉しかない。
妻は私から1時間ほど遅れて帰って来た。
「この家にいさせて下さい」
「無理に決まっているだろ!いったい何を考えているんだ!」
「写真を撮られていたから・・・・・・」
私は立っていられない。妻の内蔵まで見られ、喘ぎ声まで聞かれたと思っただけでもショックなのに、誰にも見せられないような写真まで持たれている。
「離婚しよう」
私から怒りが消えていく。この苦しみから逃れるには、妻を私の中から追い出すしか方法がない。
「長い間世話になった。今まで本当に楽しかった」
これは素直な気持ちだった。全てから逃げ出したい私の、正直な気持ちだった。
私から怒りが消えた事で、妻は今までに無い反応を見せる。
「言わないで。そんな事言わないで。怒って。もっと私を責めて」
「いや。本当に幸せだった。こんな事になったが、千里と結婚した事は後悔していない。千里の心が他に向いたのも、俺にも悪いところがあったからだろう」
「そんな事を言ったら嫌。あなたは悪くない。これだって、何か理由があると分かっていた」
妻がバッグから出してテーブルに置いた写真は、裸の私に逆さ向きで重なって、性器を咥えている全裸の女将の姿だった。
「認めさせないで。わたしは悪い女だと認めさせないで。私が淫乱な女だと認めさせないで」
妻は堰を切ったように泣き出し、それは一晩続いた。
--------------------
しかし、夜が開ける頃になると泣き止んで、その後は、魂が抜けてしまったかのような状態で喜怒哀楽を表さない。
「落ち着いたか?それなら これにサインしてくれ」
以前 貰ってきてあった妻の手が震えて、書けなかった離婚届を出すと、妻は躊躇せずにペンを握って書き始める。
「実家に帰るか?」
妻は無表情で首を振る。
「落ち着き先が見付かるまで ここにいるか?」
妻は ゆっくりとお辞儀をした。
その後、の妻は感情の無いロボットのように、炊事、洗濯、掃除などの家事をこなす。
「何があったのか聞かないけれど、もうお母さんを許してあげて。このままでは お母さんは」
心配した娘達に言われたが、今の私には返事が出来無い。
--------------------
このような生活が一週間も続き、妻は相変わらず喜怒哀楽を表さずに今までやって来た事だけを淡々とこなし、家を出て行く気配も無かったので話し合おうと寝室に呼ぶ。
「いつまで このような事を続けるつもりだ」
しかし、妻は返事もしないで、私の前に跪くとベルトを外した。
「何をしている!」
やはり妻は何も話さず、現れた私の性器を口に含む。
見た事もない妻の姿に驚きを隠せず、したいようにさせておくと 顔を下げて睾丸まで含み、手は性器を握って器用に動かす。
今まで妻に対して性欲が起こらなかった私も、これには流石に反応を示したが、これは まだ提出していなくても離婚届を書いた事で、他人になったような気楽さがあったからかも知れない。
私の反応を見た妻は また性器を口に含み、無表情で今度は激しく頭を前後させる。
次に妻はベッドに上がり、立ち上がると衣服を脱ぎ出す。
それは まるで舞台に上がったストリッパーのようで、全て脱ぎ去ると、うつ伏せになり、お尻だけを高く上げると、 両手を後ろに回して性器を開く。
「千里!」
最初、私は、この家から出て行かなくても良いように私に媚を売っているのだと思ったが、これは無意識にやっているのだと気付く。
家事も同じで何をして良いか分からない妻は、何も考えずに長年していた事をこなしていたのだ。
そうだとすれば、妻が今やっていることは青山や今中にさせられていた事なのか。
このような事をすれば男は喜ぶと、無意識の内にしてしまっているのか。
妻を見ると今度は性器を片手で開き、もう一方の手の指で擦っていた。
私は妻を惨めに思った。
男の前で最も恥ずかしい場所を自らの指で開かされ、自らの指で擦らなければならない妻を。
私の脳裏に、事故を起こした夜の妻の姿が浮かぶ。
>>次のページへ続く
男は落ち着かず、明らかに焦りが分かる。
「それなら外で待たせてもらいます。お仕事中申し訳ございませんでした」
私がドアの所でお辞儀をし、頭を上げた時には男の手に携帯が握られていたのを見て、妻は今中と出掛けている事を確信した。
すぐに妻に電話したが、呼んではいても妻は出ない。
妻は携帯が聞こえないほど、大きな声を出しているのか。携帯に出られないほど、感じさせられてしまっているのか。
30分待っても帰って来ないので、もう一度 事務所のドアを開けると、今中の携帯にも繋がらないのか、社長は携帯を耳に当てながら貧乏揺すりをしている。
「どこの銀行まで行きました?」
「いや、帰りに他の用も頼んだもので」
「そうですか。ところで今中にも繋がりませんか?」
社長と事務員が一斉に私の顔を見る。
結局、妻が帰って来たのは、4時前だった。それも今中の車の助手席に乗って。
「佐藤社長、悪かったな」
私は写真で見て知っていたが、今中は電話で話しただけで、私の顔を知らないはずなのに、やはり小料理屋で眠ってしまった時に私を見たのか、入って来るなり固まった。
「ご主人?」
今中の後ろを恥ずかしそうに俯きながら入って来た妻も、その言葉で顔を上げる。
「あなた!」
「これは違うんだ。あの時 奥さんに迷惑を掛けたから、お詫びに食事をご馳走して」
私の手には、机の上にあったカッターナイフが握られていた。
「何をする気だ!警察を呼ぶぞ!」
「呼べよ。警察が来る前に殺してやる」
その時、妻が今仲の前に出て間に入る。
「あなたやめて!犯罪者になってしまう」
妻は私を人殺しにはしたくなかったのかも知れないが、私の目には今中を庇おうとしているとしか映らない。
こんな下衆な野郎でも、身体の関係を持つと情が移ってしまうのか。
私が一歩前に出た時、カッターを持つ手を掴みにきた妻の指から血が出た。
それを見た今中は外に飛び出し、慌てて車を走らせる。
私は呆然と立ち尽くし、事務員に手当てを受けている妻を見ていた。
「二度と帰って来るな!」
本当は今中との事を詳しく聞きたかった。なぜ また私を裏切ったのかも聞きたかった。
しかし、他人を前にして、妻を寝取られた夫が多少でもプライドを維持出来るのは この言葉しかない。
妻は私から1時間ほど遅れて帰って来た。
「この家にいさせて下さい」
「無理に決まっているだろ!いったい何を考えているんだ!」
「写真を撮られていたから・・・・・・」
私は立っていられない。妻の内蔵まで見られ、喘ぎ声まで聞かれたと思っただけでもショックなのに、誰にも見せられないような写真まで持たれている。
「離婚しよう」
私から怒りが消えていく。この苦しみから逃れるには、妻を私の中から追い出すしか方法がない。
「長い間世話になった。今まで本当に楽しかった」
これは素直な気持ちだった。全てから逃げ出したい私の、正直な気持ちだった。
私から怒りが消えた事で、妻は今までに無い反応を見せる。
「言わないで。そんな事言わないで。怒って。もっと私を責めて」
「いや。本当に幸せだった。こんな事になったが、千里と結婚した事は後悔していない。千里の心が他に向いたのも、俺にも悪いところがあったからだろう」
「そんな事を言ったら嫌。あなたは悪くない。これだって、何か理由があると分かっていた」
妻がバッグから出してテーブルに置いた写真は、裸の私に逆さ向きで重なって、性器を咥えている全裸の女将の姿だった。
「認めさせないで。わたしは悪い女だと認めさせないで。私が淫乱な女だと認めさせないで」
妻は堰を切ったように泣き出し、それは一晩続いた。
--------------------
しかし、夜が開ける頃になると泣き止んで、その後は、魂が抜けてしまったかのような状態で喜怒哀楽を表さない。
「落ち着いたか?それなら これにサインしてくれ」
以前 貰ってきてあった妻の手が震えて、書けなかった離婚届を出すと、妻は躊躇せずにペンを握って書き始める。
「実家に帰るか?」
妻は無表情で首を振る。
「落ち着き先が見付かるまで ここにいるか?」
妻は ゆっくりとお辞儀をした。
その後、の妻は感情の無いロボットのように、炊事、洗濯、掃除などの家事をこなす。
「何があったのか聞かないけれど、もうお母さんを許してあげて。このままでは お母さんは」
心配した娘達に言われたが、今の私には返事が出来無い。
--------------------
このような生活が一週間も続き、妻は相変わらず喜怒哀楽を表さずに今までやって来た事だけを淡々とこなし、家を出て行く気配も無かったので話し合おうと寝室に呼ぶ。
「いつまで このような事を続けるつもりだ」
しかし、妻は返事もしないで、私の前に跪くとベルトを外した。
「何をしている!」
やはり妻は何も話さず、現れた私の性器を口に含む。
見た事もない妻の姿に驚きを隠せず、したいようにさせておくと 顔を下げて睾丸まで含み、手は性器を握って器用に動かす。
今まで妻に対して性欲が起こらなかった私も、これには流石に反応を示したが、これは まだ提出していなくても離婚届を書いた事で、他人になったような気楽さがあったからかも知れない。
私の反応を見た妻は また性器を口に含み、無表情で今度は激しく頭を前後させる。
次に妻はベッドに上がり、立ち上がると衣服を脱ぎ出す。
それは まるで舞台に上がったストリッパーのようで、全て脱ぎ去ると、うつ伏せになり、お尻だけを高く上げると、 両手を後ろに回して性器を開く。
「千里!」
最初、私は、この家から出て行かなくても良いように私に媚を売っているのだと思ったが、これは無意識にやっているのだと気付く。
家事も同じで何をして良いか分からない妻は、何も考えずに長年していた事をこなしていたのだ。
そうだとすれば、妻が今やっていることは青山や今中にさせられていた事なのか。
このような事をすれば男は喜ぶと、無意識の内にしてしまっているのか。
妻を見ると今度は性器を片手で開き、もう一方の手の指で擦っていた。
私は妻を惨めに思った。
男の前で最も恥ずかしい場所を自らの指で開かされ、自らの指で擦らなければならない妻を。
私の脳裏に、事故を起こした夜の妻の姿が浮かぶ。
>>次のページへ続く
\ シェアする /
関連記事
easterEgg記事特集ページ
