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幼馴染で婚約者の秘密を知ってしまった
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416 :えっちな21禁さん:04/04/21 20:42 ID:1my7cryD
俺と彼女は小学校の頃からの幼馴染だった。
いや、それ以上の、何て言うか兄妹みたいな感じだった。
お互いの家族も生まれた時から顔見知り。
高校を出る頃には既成事実ではないけど、『貴志君と恵理が結婚するのが楽しみだわ…』なんて、彼女の母親がのたまうほど親密な関係だった。
…って言ってもHは無し。キスはしてたけど。
初めてHしたのは大学二年の冬。
一緒にスキーへ言った時。
二人だけで行きたかったのに両家族まで付いて来て。ちょっとした家族旅行だった。
俺も彼女も一人っ子で、親馬鹿なんだろうか…。
三部屋予約取って、俺は恵理と一緒の部屋だから と宣言すると、俺と彼女の母親に冷やかされた。
今となっては何と言うか…いい思い出。
で、彼らの期待に応えて?初めて結ばれた。
正確には、三泊四日の旅行の、三泊目の夜なんだけど。
一日目、二日目は全然入らなくて、彼女もすごく痛がってて…血は出なかったけど初めてだった。俺はそう信じてる。
それに その頃の彼女は、俺に嘘をつける程 器用な女じゃなかったから。
417 :えっちな21禁さん:04/04/21 20:53 ID:1my7cryD
俺と彼女は別々の大学で、俺は三流大学の経済学部、彼女は中堅所で仏文学を専攻していた。
ちなみに俺よりも彼女の方が頭が良かった…。
当然 就職でも差が付いた。
俺は小さな機械製作所の営業兼事務として、彼女はネットベンチャーと呼ばれる企業へ。
就活で腐り切ってた俺に彼女は優しく言ってくれた。
『しばらく働いたら、何か資格でも取ればいい』って。
さえないサラリーマンになった俺と、美人で頭もいい彼女…釣り合わないなァ、なんて自分でも思ってた。
彼女と幼馴染で一緒にいる時間が彼女の親の次に長かった存在だから、こんな俺と付き合ってくれて好きになってくれたんだ。そう信じてた。
俺は絶対 彼女を幸せにする、誰よりも…本気でそう心に誓ってた。
大切な彼女だから、Hも恐る恐る い、いいかなー?なんて お伺い立てて前戯も本当に延々と…みたいな。
とにかく俺は大切にしてた、彼女の事を。
418 :えっちな21禁さん:04/04/21 21:04 ID:1my7cryD
お互い社会人になって五年が過ぎた。
俺も彼女も24歳になってた。
ある日、俺は彼女の父親から居酒屋に誘われた。
初めて俺の携帯に着信が入って、誰だろう 見慣れない番号だな…なんて、出てみると彼女の父親。
知った顔だけど その時は何故か目茶目茶緊張した。
二人だけで飲む酒。味なんて覚えてない。何を食べたのかも覚えていない。
静かな時間が流れたもそんな気がする。
419 :えっちな21禁さん:04/04/21 21:05 ID:1my7cryD
他愛も無い会話の後、彼女の父親は一言、『そろそろ嫁に貰ってくれないか』と言い、そして軽く頭を下げた。
俺は泣いた。恥ずかしいけど鼻をすすり上げていたと思う。
涙が止まらなくて、何度も何度も、絶対幸せにします!なんて言ってた。
その日、俺は家に帰ると両親にこの事を報告して これからも彼女を宜しく、と頭を下げた。
確か親父は『任せろ』、お袋は感動して目が潤んだまま何もいえなかったと思う。
その後、今度は彼女の家に行って改めて挨拶した。先程はどうも、見たいな感じで。
彼女はまだ帰って来てなくて、俺はさっきまで一緒に飲んでた彼女の父親と母親に『恵理と一緒にさせて下さい』みたいな事を言った。
婚約宣言…何か恥ずかしい、今思い出すと。
421 :えっちな21禁さん:04/04/21 21:21 ID:1my7cryD
後ろから親父とお袋もついて来て…いや、まさか後ろから付いてくるとは思ってなかったんだけど家が近過ぎて。いても立ってもいられなかったんだと思う。
三人で彼女の実家に上がり込んで、五人でビールを飲みながら昔話を…いや、ただの羞恥プレイでした。
俺が覚えてない事を次から次へと、コイツら…俺と彼女の秘密の暴露大会を始めやがる。
『実は貴志君と恵理が○○でキスしてるの知ってたの』とか、お袋と彼女の母親が喋る喋る。
俺は、彼女の父親に聞かれたくない話ばかりで、もう何処かへ逃げ出したくて。来るんじゃなかった、と少し後悔したり。
422 :えっちな21禁さん:04/04/21 21:22 ID:1my7cryD
夜中の12時過ぎに、彼女も帰って来て『あれーどうしたの?みんなで』と聞かれたと思う。
席を外して、玄関の所まで連れて来て小声で今までの経緯を話したら、すごく喜んで…
でも、一番最初に私にちゃんと言って欲しかった と言われて、そりゃそうだよなァ…と少し後悔したり。
今更面と向かって言うのも馬鹿と言うか恥ずかしかったけど『結婚しよう』と彼女に言ったよ。
声は上ずってたと思う、間抜けだ俺…。
彼女は『幼稚園の頃から貴志のお嫁さんだったよ…』って。
俺は思い切り抱き締めてた、彼女の事。
…それも全部見られてたけど、皆さんに。
後々まで話の種にされるのが辛い。
423 :えっちな21禁さん:04/04/21 21:37 ID:1my7cryD
俺は その頃が一番幸せでした。本当に幸せだったよ。
月給26万程度、ボーナスカットも当たり前だったけど、彼女と一緒にいられるだけで幸せだった。
何て言うか、彼女の事を考えるだけで楽しくなれて俺は思春期?みたいな。
マリッジブルーの逆バージョン まさにハイな感覚。
どっちの家に住むかとか、新しく借りるか、とか色々考えてた。
その頃、彼女は いつも仕事が長引いて遅かったけど、全然気にしてなかった。
マメにメールはくれるし。
全然怪しい事もなかったんで。
425 :えっちな21禁さん:04/04/21 22:09 ID:1my7cryD
俺が彼女を意識し始めたのは小学校一年から。
意識って言っても、あーいるいるみたいな。存在の認識って言うのかな。
でも、彼女は幼稚園の頃から俺に目を付けていたんだと。
俺と恵理って幼稚園の頃、一緒の組じゃなかったよな?何で俺の事知ってんの?って聞いたら、
俺は全然覚えてないけど 色々俺との思い出とやらがあるらしい。
俺は全く覚えてないから、でも覚えてない、なんて言うと マジ切れされそうな雰囲気だったんで、
ああ、そうだよなーなんて覚えてるフリしてやり過ごしたけど。
そんなに一途に想われてたなんて…
とまあ、少しノロケてみました。
427 :えっちな21禁さん:04/04/21 22:17 ID:1my7cryD
婚約してから安心したのか、少し会う機会の間隔が長くなってて。いや、彼女の仕事が忙しくて。
お互い仕事もあるし、無理に時間作って会わなくてもこの先 嫌って言う程一緒にいなくちゃいけないんだから…みたいな。
俺は安心しきってた。
ちゃんと指輪を渡さないと…なんて考えてて、こっそり宝飾品店巡りしたりしてて。
店員さんと話すと緊張しますね、アレ。もう、話し掛けたら絶対買わないといけないんじゃないか、って。
俺は元々気が弱いんです、ええ。しかも優柔不断だし。
結局 買えなくてマゴマゴしてたんだけどさ。
429 :えっちな21禁さん:04/04/21 22:34 ID:1my7cryD
10月の彼女の誕生日が迫ってた。
俺は まだ指輪すら買えなくて。
もう、いっそ彼女自身に選ばせるか、って腹をくくってた。俺のセンスだとダメっぽいし。一生大切にしてほしいから、彼女の選んだ物で…って。
その時、実は、婚約指輪兼結婚指輪って考えてました。セコイ男でスマソ。
でも別々に二個買うのもなー なんて思ってて。
で、彼女の誕生日。
この日は早く仕事切り上げてくれよな、って言ってあって。ドトールで待ち合わせ。
俺は いつも待たされる。遅っせーとか言いながら。
彼女はゴメーンなんて可愛く謝って。
…馬鹿ップルでした。
彼女がポーチをパカッと開けたんです。
そしたら、少し大きめの水色の紙が見えた。
水色の紙袋が折りたたんで、入れてあったんだと思う。
間違いなくティファニー。
つい聞いちゃったんだよ、ティファニーの袋?って。馬鹿だな俺。
>>次のページへ続く
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