戦い
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「家には上がって頂けませんが、この先にファミリーレストランが有ります。私もこの機会に聞いて頂きたい事が有りますから、そこで待っていて貰えないですか?」
ファミリーレストランへ行くと、食事の時間から外れているせいか、客は数組しかいなかったので、1番離れた席に座ると、少しして美代子さんが来ました。
「お待たせしました。お話って何ですか?」
「いいえ、美代子さんからどうぞ。」
「そうですか。実は・・・・・・・私・・・再婚する事になったのです。」
相手は野田だと思い、その様な時に、妻と関係を持った事に怒りは増しましたが、感情を隠し、
「おめでとうございます。元の鞘に納まった訳だ。」
「元の鞘と言うか、何と言うか。
ただ手放しでは喜べませんでした。
余りに歳が違うので、お母様に大反対され、やっと許してはくれたのですが、一緒には暮らしたく無いと言われ、私の家で暮らす事になりました。
でも反対されて当然ですね。
私は四十過ぎの子持ち。彼は若くて初婚。」
「えっ。相手は野田さんでは無いのですか?もしかして先生?」
「あら嫌だ。私言いませんでしたね。どおりで元の鞘なんて、皮肉な言い方をされると思っていました。そうです。」
美代子さんが、若い格好をしている訳が分かりました。
「でもあの時は、まだ野田さんの事を・・・・・・。」
「はい。彼には悪いのですが、野田に未練が無いと言えば嘘になります。でも決めました。
お正月に神社で偶然会い、これも神様が引き合わせてくれたのかも知れないと言って、あれからも私だけを想い、誰とも付き合わずにいた事を打ち明けてくれました。
それからお付き合いする様になり、私も決めました。
このまま生活していても何も変わらない。私だけを見ていてくれた、彼の一途な愛に応え様と。」
「この事を野田さんは知っているのですか?」
「はい。4月の初めに彼と ここで食事をしていたら、私の所に来るつもりだった野田が、偶然ここに来たらしいのです。
彼の話が面白くて、夢中になって聞いていた私達は、野田に全く気付きませんでした。
その夜 電話が有り、どういうつもりだと凄い剣幕で怒っていたので、正直に話して謝りました。
しかし、野田は怒ってばかりで私の話など聞いてくれず、つい私も、もう他人なのだから干渉しないで、いつまでも夫面しないでと、きつく言ってしまいました。」
「私達と言う事は、2人だけでは無かったのですか?お子さん達も?」
「はい、子供達も一緒でした。それが何か?」
私は、入り口を見ると、その時の野田の姿がはっきりと見えました。
別れたと言っても、まだ愛している美代子さんや、子供達にこれから会える。その前に食事をしようとファミリーレストランに入った。
すると、これから会おうと思っていた美代子さんや、子供達が楽しそうに食事をしている。
しかし、もう一度自分が座りたいと、思い焦がれていた席には他の男が座り、それもその男は自分達の家庭を壊した憎い男。
家族全てを横取りされた気がして、寂しさで立ち尽くしていたが、子供達までもが楽しそうに笑っていて、誰も自分の存在に気が付かない。
寂しくて どうにも成らなくなり、その場を立ち去ると 今度は怒りが込み上げて来た。
夜電話すると、あの憎い男と再婚して、美代子さんや子供達との思い出が、いっぱい詰まった家で暮らすと言われた。
今まで自分がいた空間を、出来るなら、また自分が埋めたいと思っていた空間を、憎いあの男が埋める。
自分が築き上げた物全てを あの男に奪われる。何もかも、子供達まで。
どうにかしたいが正式に離婚している以上、法的にはどうする事も出来ない。
私には野田の怒り、寂しさが、手に取るように分かりました。
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5月10日(月)の3
一瞬、野田に同情してしまいましたが、同情出来る相手では有りません。
野田は離婚した奥さんと私の妻の2人共を、自分の物にしようとしていた男です。
私の妻を、今でも狙っている男です。
同情などしていると、今度は私の席を野田に盗られてしまいます。
「野田は最後に、
“教育委員会へ行って今までの事を全て話してやる。
あんな奴が教育者で良いのかと抗議してやる。
お前達だけ幸せにはさせない。”
そう言って電話を切ってしまいました。
ただの脅しだと思っていましたが、本当に抗議しに行ったらしく、後日 彼は、教育委員会に呼ばれました。
しかし、生徒の親と不倫関係になった事は遺憾だが、過去の事で、すでに法的責任も取っている。
ましてや、今回の結婚は、お互いに独身なので、何の問題も発生しないという判断をしてくれた様です。
野田も そう言われているはずで、もう諦めがついたのか、その後、今まで何も言ってきません。」
美代子さんは何も分かっていないと思いました。そんな簡単に諦められる事では有りません。
「前を向いて歩いていく事に決めました。そういう訳で、言い難いのですが、もう私の所へ来るのは、今回で最後にして頂きたいと・・・・・・・。過去は忘れて、前だけ見て生きて行きたいので・・・・・・・・・。」
美代子さんは、勝手だと思いましたが、彼女の人生に口出しできる立場ではなく。
「分かりました。幸せになってください。」
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新幹線の中で考えていて初めに思ったのが、昨年の様に妻が同情して、また関係を持ってしまったのではないかという事でした。
しかし、この場合、私に知られて急に怖くなって保身に走ったとしても、同情している野田を、犯罪者にしてまで自分を庇うでしょうか?
やはり、自棄になっていた野田は、本来なら美代子さんに向くはずの、どうする事も出来ない感情が目の前にいる妻に向き、また自分の物に出来れば、少しでも楽になれると思ってしまった。
その為には、多少犯罪行為になろうとも、身体の関係さえ持ってしまえば、妻の身体は野田を思い出して、また離れられなくなると考えた。
しかし、いくら犯罪行為になっても良いと思っていても、ずる賢い野田は、出来れば犯罪行為が立証され難い方法は、無いかと考えて実行に及んだ、と考える方が自然では無いかと思えました。
そうだとすれば、自棄になっているはずなのに、あの冷静な話し方は、逆に今までに無い怖さが有ります。
最初に感じた、ストーカーの様な陰湿な怖さを思い出しました。
野田が少し酔っている時に言った、 “離婚してくれないか”という言葉が、今では“別れさせて奪ってやる”と言われた様に思えます。
妻に多く向けられていた疑いは、これで大きく野田に傾きました。
アパートに着いて1人になると、私の不安は大きくなり、妻を連れて来なかった事を悔やみ、家に電話すると、妻は帰って来ていたので少し安心しました。
「野田はどうだった?何か言われたり、されたりしなかったか?」
私の心配を他所に、妻は明るい元気な声で。
「いいえ、何も。今日はずっと課長を睨み付けていました。私と目が合いそうになると、下を向いて目を合わさないのです。
今度2人になった時は、私を脅した事や、嘘をついている事を、強く抗議してやります。罪を償えと言ってやります。」
私は不思議でした。いくら脅される事はもう無いと思っていても、野田は男で妻は女です。妻は怖くないのか不思議でした。
「もうお前は あいつに関わるな。
それに2人になる事が有るのか?
あんな事が有ってもお前は2人になれるのか?
例え仕事でも、2人にだけになる様な事があるのなら会社を辞めろ。
俺が嫌な事は知っているだろ?本当に無理やりされたのか?」
「ごめんなさい。つい調子に乗って言ってしまいました。
課長と2人だけには、絶対になりません。
約束します。ごめんなさい。」
仕事を辞めるか辞めないかは別にして、明日にでもこちらに来させるつもりで電話しましたが、私の事を気遣い、わざと明るく振る舞っている様には聞こえず、妻への疑いも完全には消える事が無く、そのまま電話を切りました。
私は、この時、今までに無いぐらい、会社を辞めさせたいと思いました。
昨年から今までに何度も考えた事ですが、自分に色々理由を付けて、初めから決めていたように思います。
お金の問題も有りましたが、それは二の次で、仕事を辞めさせても、妻の心が変わらなければ同じだとか、野田から逃げる事に私のちっぽけなプライドが許さないという理由が、1番だと思っていました。
勿論それらの理由も有りますが、冷静に考えると、それは自分に対する見栄で、お金の問題が1番だったのではないかと思えて来ます。
私の育った家は、とても私を大学に行かせる事の出来る経済状態ではなかったのですが、父は1つ返事で笑って許してくれました。
しかし、家に帰る度、父も母も、いつも同じ服を着ており、私は下宿代や食費などは勿論ですが、アルバイト学費の一部も出し、月末にはバイト代が入るまで、酒瓶を拾い集めてパンに代えてもらい、食い繋いだ事も有りました。
しかし、それは、苦労したとは思っていませんし、今では良い思い出だと思っているのですが、やはり子供達にはさせたくないのが本心です。
特に息子の入った学部は学費も高く、4年で卒業出来ません。
回りにはバイトもしないで、高級外車を乗り回している者が何人もいるそうです。
上を見れば桐が無く、とてもその様な生活は させられませんが、学費とアパート代くらいは、出してやりたいと思ってしまいます。
子供達は、私が何も言わなくても、家に帰る間が無いほどバイトをしてくれ、食費などの生活費は、自分で稼いでくれています。
レベルは違っても、自分の学生時代を思い出し、これ以上は言い難いのが正直な気持ちです。
夫婦が壊れるかも知れない時に、くだらない親の見栄かも知れません。
家のローンと今後の生活を考えれば、2人の退職金も当てにならず、バブルの時代に、どうして大きな家を買ってしまったのかと悔やみます。
自分の甲斐性の無さ、不甲斐無さが嫌になります。
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5月11日(火)
出社すると、昨日休んだのが響き、仕事が山積みになっていて、アパートに戻れたのは11時でしたが、それでも仕事は片付かず、何日かはこの状態が続きそうです。
今朝は、寝坊をしてしまい、昼も どうにか食事が出来る時間しか無い状態だったので、今日は1回も妻に連絡が出来ませんでした。
妻からは今帰ったと7時にメールが入って来ましたが、返事も出せませんでした。
帰ってすぐに電話をしましたが、それは妻にでは有りません。
「もう寝ていたのか?お前はいいな。された俺はなかなか眠れない。」
「いや、まだ起きていた。そんな言い方をしないでくれよ。本当に私も反省している。」
「まあいい。少し聞きたい事が有るのだが。
お前は妻の中に出していたそうだな。妊娠したらどうするつもりだった?美鈴の身体に傷を付けるつもりか?
いい加減にしろよ。もう、どちらが嘘をついているかなんて、どうでもいい。
何もかも嫌になって来た。お前だけは絶対に許さん。」
中に出していた事を聞きたい思いも、怒りも有りましたが、この様な言い方をしたのには、それ以外にある考えが有りました。
「すまん、許してくれ。
確かに最初の日と生理前の2日間は誘惑に負けてしまった。
言い訳になるが、美鈴さんが途中で止めるのを嫌がって望んだ事だ。
いや、言い訳にならんな。誘惑に負けて、我慢出来なかった俺が悪い。
生理が来てくれて良かった。
その3日だけで、あとは必ず外に出していた。本当だ。」
昨年の野田なら得意になって、もっと私が悔しがる様な言い方をしたでしょう。
下手に出て謝るような態度が、美代子さんの話を聞いた後の私には、余計不気味に感じました。
「あとは外に?スキンを付けた事は無いのか?」
「すまん。美鈴さんに聞けば、ばれる事だから正直に話すが、いつもそのまま・・・・・。」
妻に私以外の男の物が入れられるのは、耐え難い事です。
ましてや、何も付けずに入れられるという事は、性器と性器が直に触れ合い、悔しさも違ってきます。
その上、中に出される行為は、私が中に出した時に、征服感を感じるのと逆に、妻を征服された様でとても許せる行為では有りません。
また、同じ中に出されたとしても、安全な時期かそうで無いかでは、大きな違いが有ります。
たとえ妊娠しなくても、妻の中で妻と私以外の男が結び付こうとするのです。
新しい命を作ろうとするのです。
それは何より許せる事では有りません。
妻の話では、最初に犯された日、妻が野田に跨る体位の時、野田はスキンを付けてその中に出し、あとは外に出したと言っていましたが、野田に途中で付けるだけの配慮があるとは思えません。
また、快感に負けてしまっていた妻が、途中で止めるように強く言ったとは思えず、ましてや、両方がある程度の歳だと、妊娠し難いと思っているとしたら、途中で止めないで欲しいと、頼んだ可能性も有ります。
私に言ったのと同じ様に
“お願い、止めないで。美鈴はもうすぐなの。そのまま、そのまま中に出して。”
とお願いしたかも知れません。
最初の日、中に出されたのは間違い無いと思いました。
「それ以外は、本当に中に出していないだろうな?あとは何処に出していた?」
「お尻やお腹の上にも出したが、ほとんど・・・・・口に・・・・・。」
「飲ませたのか?」
「すまん。以前に関係があった時は、飲めと言って飲ましてしまった事は有ったが、今回は違う。
何も言わなくても、口に出すと飲んでくれた。
他に出した時も、自分から吸い付いてきて、残りを飲んでくれたりもした。
俺からは何も言っていない。本当だ。
・・・・・・言い訳にならないな。君にしたら大した違いは無いな。本当に悪かった。」
私は唖然としました。
不倫していた時、度々野田に言われて、飲まされていた事は聞いて知っていました。
飲まされる行為は、中に出されるのとは違っていても、何故か同じくらい嫌な物です。
野田の話を信用している訳では無いのですが、自分から進んで飲んだと聞き、飲まされたのとは比べられないほどの、怒りや寂しさを感じました。
その話が本当なら、その行為には妻の野田への愛しさ、野田の物への愛着を感じてしまうからです。
私が野田に電話をして、今までなら悔しくて野田に聞けないような事を聞いたのも、野田の話を信じて、野田のペースに嵌った振りをするためなのに、危うく引き込まれてしまうところでした。
「お前は、美鈴に何をした?
美鈴が その様な事をしたのは、何かされたからに違いない。くそー。
あんな奴、俺から捨ててやる。
いや、離婚はしない。
別れないでこのまま飼い殺しにしてやる。
やはり着の身着のままで放り出した方が楽になれそうだ。
違う、離婚だけはしない。」
そう言って一方的に電話を切りました。
野田が嘘をついているとすれば、それはただ犯罪行為を誤魔化したいだけでは無く、美鈴を自分の物にする為に、私の気持ちを揺さぶり、私を追い詰める事が目的だと思い、その作戦にわざと乗り、精神的に追い詰められている振りをしようと思ったのです。
今の言動で、もう一歩だと思ってくれれば、何らかの行動を興すはずです。
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5月13日(木)
昨日は、流石にメールではなくて、携帯とアパートに電話して来ましたが、私が出なかったので、留守電に
“どんなに遅くてもいいので、電話して来て下さい。”と入れて有りました。
子供染みた考えですが、何か私の様子が変だと思わせ、妻に心配させたくて、色々聞きたい思いを我慢して電話に出ませんでした。
ただこれは、妻がまだ私の事を心配してくれれば、の話しですが・・・・・・・。
今日も留守電に入っていて、口だけかも知れませんが、かなり心配している様子だったので、電話しましたが、妻が話す前に。
「美鈴、どうして嘘をつく。最初の日にも中に出されていただろ?
お前の全てが信用出来なくなった。そんな小さな事をと思っているのか?
お前には哀訴が尽きた。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。言えませんでした。無理やりされて、その上・・・・・・。自分が惨めで、言えませんでした。」
私に圧倒されたのか、その事はすぐに認めました。
「どうして正直に言わない?まだ隠している事が有るだろ?
生理前に、中に出された事は話せたのに不自然だ。
>>次のページへ続く
「もう寝ていたのか?お前はいいな。された俺はなかなか眠れない。」
「いや、まだ起きていた。そんな言い方をしないでくれよ。本当に私も反省している。」
「まあいい。少し聞きたい事が有るのだが。
お前は妻の中に出していたそうだな。妊娠したらどうするつもりだった?美鈴の身体に傷を付けるつもりか?
いい加減にしろよ。もう、どちらが嘘をついているかなんて、どうでもいい。
何もかも嫌になって来た。お前だけは絶対に許さん。」
中に出していた事を聞きたい思いも、怒りも有りましたが、この様な言い方をしたのには、それ以外にある考えが有りました。
「すまん、許してくれ。
確かに最初の日と生理前の2日間は誘惑に負けてしまった。
言い訳になるが、美鈴さんが途中で止めるのを嫌がって望んだ事だ。
いや、言い訳にならんな。誘惑に負けて、我慢出来なかった俺が悪い。
生理が来てくれて良かった。
その3日だけで、あとは必ず外に出していた。本当だ。」
昨年の野田なら得意になって、もっと私が悔しがる様な言い方をしたでしょう。
下手に出て謝るような態度が、美代子さんの話を聞いた後の私には、余計不気味に感じました。
「あとは外に?スキンを付けた事は無いのか?」
「すまん。美鈴さんに聞けば、ばれる事だから正直に話すが、いつもそのまま・・・・・。」
妻に私以外の男の物が入れられるのは、耐え難い事です。
ましてや、何も付けずに入れられるという事は、性器と性器が直に触れ合い、悔しさも違ってきます。
その上、中に出される行為は、私が中に出した時に、征服感を感じるのと逆に、妻を征服された様でとても許せる行為では有りません。
また、同じ中に出されたとしても、安全な時期かそうで無いかでは、大きな違いが有ります。
たとえ妊娠しなくても、妻の中で妻と私以外の男が結び付こうとするのです。
新しい命を作ろうとするのです。
それは何より許せる事では有りません。
妻の話では、最初に犯された日、妻が野田に跨る体位の時、野田はスキンを付けてその中に出し、あとは外に出したと言っていましたが、野田に途中で付けるだけの配慮があるとは思えません。
また、快感に負けてしまっていた妻が、途中で止めるように強く言ったとは思えず、ましてや、両方がある程度の歳だと、妊娠し難いと思っているとしたら、途中で止めないで欲しいと、頼んだ可能性も有ります。
私に言ったのと同じ様に
“お願い、止めないで。美鈴はもうすぐなの。そのまま、そのまま中に出して。”
とお願いしたかも知れません。
最初の日、中に出されたのは間違い無いと思いました。
「それ以外は、本当に中に出していないだろうな?あとは何処に出していた?」
「お尻やお腹の上にも出したが、ほとんど・・・・・口に・・・・・。」
「飲ませたのか?」
「すまん。以前に関係があった時は、飲めと言って飲ましてしまった事は有ったが、今回は違う。
何も言わなくても、口に出すと飲んでくれた。
他に出した時も、自分から吸い付いてきて、残りを飲んでくれたりもした。
俺からは何も言っていない。本当だ。
・・・・・・言い訳にならないな。君にしたら大した違いは無いな。本当に悪かった。」
私は唖然としました。
不倫していた時、度々野田に言われて、飲まされていた事は聞いて知っていました。
飲まされる行為は、中に出されるのとは違っていても、何故か同じくらい嫌な物です。
野田の話を信用している訳では無いのですが、自分から進んで飲んだと聞き、飲まされたのとは比べられないほどの、怒りや寂しさを感じました。
その話が本当なら、その行為には妻の野田への愛しさ、野田の物への愛着を感じてしまうからです。
私が野田に電話をして、今までなら悔しくて野田に聞けないような事を聞いたのも、野田の話を信じて、野田のペースに嵌った振りをするためなのに、危うく引き込まれてしまうところでした。
「お前は、美鈴に何をした?
美鈴が その様な事をしたのは、何かされたからに違いない。くそー。
あんな奴、俺から捨ててやる。
いや、離婚はしない。
別れないでこのまま飼い殺しにしてやる。
やはり着の身着のままで放り出した方が楽になれそうだ。
違う、離婚だけはしない。」
そう言って一方的に電話を切りました。
野田が嘘をついているとすれば、それはただ犯罪行為を誤魔化したいだけでは無く、美鈴を自分の物にする為に、私の気持ちを揺さぶり、私を追い詰める事が目的だと思い、その作戦にわざと乗り、精神的に追い詰められている振りをしようと思ったのです。
今の言動で、もう一歩だと思ってくれれば、何らかの行動を興すはずです。
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5月13日(木)
昨日は、流石にメールではなくて、携帯とアパートに電話して来ましたが、私が出なかったので、留守電に
“どんなに遅くてもいいので、電話して来て下さい。”と入れて有りました。
子供染みた考えですが、何か私の様子が変だと思わせ、妻に心配させたくて、色々聞きたい思いを我慢して電話に出ませんでした。
ただこれは、妻がまだ私の事を心配してくれれば、の話しですが・・・・・・・。
今日も留守電に入っていて、口だけかも知れませんが、かなり心配している様子だったので、電話しましたが、妻が話す前に。
「美鈴、どうして嘘をつく。最初の日にも中に出されていただろ?
お前の全てが信用出来なくなった。そんな小さな事をと思っているのか?
お前には哀訴が尽きた。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。言えませんでした。無理やりされて、その上・・・・・・。自分が惨めで、言えませんでした。」
私に圧倒されたのか、その事はすぐに認めました。
「どうして正直に言わない?まだ隠している事が有るだろ?
生理前に、中に出された事は話せたのに不自然だ。
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