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突然の海外赴任
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今まで私は嫉妬心から、妻の稲垣に対する愛をどうしても白状させたかったのです。
しかし、このように告白されると、嘘でも『私は騙されただけだった。』『私を騙し続けた稲垣が憎い。』と言って欲しかったと思いました。
稲垣に対する奥さんの質問を聞いていた時は、奥さんの前では、妻の方を愛しているとは言えるはずは無いので、
そんな質問は愚問だと思っていても、いざ自分の事になると気になり、やはり同じ事を聞いてしまうのです。
「ずっと稲垣が好きだったと言う事か?俺よりも稲垣を愛していたのか?」
「いいえ、あなたを愛していました。私はあなたを1番愛していました。」
やはり愚問でした。私に面と向かっては、私よりも稲垣方を愛しているとは言えない事は分かっています。
仮に妻の言った事が本当だとしても『1番愛していた』では当然納得など出来ません。
1番という事は2番が有るのです。『あなただけを愛している』でないと、私の心は満足しませんでした。
このままでは、今まで妻に愛情を注ぎ、妻も私だけを愛してくれていると信じて来た人生が、稲垣の奥さんが言っていた様に、全て無駄に思えてしまいます。
その時はそうでも、今は私だけを愛していると言う言葉を聞きたくて、止めておけば良いのに、質問を続けてしまいます。
「その時はそうだったのかも知れないが、今回はどうだ?今回は理香の事で騙されていたのだろ?
その事で俺と別れて奴と一緒になろうと思ったのだろ?
それとも、奴を愛していたのか?」
「理香があなたの子供では無いと言われた時はショックでした。
理香の寝顔を見ながら考えていて、私は何を悩んでいるのだろうと思いました。
普通なら あなたに許しを請い、許してもらえなければ あなたと離婚して、私一人で理香を育てて行く事になると思います。
選択は二つに一つしか無いと思います。
しかし、私は彼との再婚も考えている。
彼の事が好きでなければ、この様な事を悩む事自体無いと思いました。
悩むという事は、多少でも彼に対しての愛が有るのだと思いました。
勿論、理香があなたとの子供だと分かっていれば、離婚など考えもしませんでした。
彼よりも あなたへの愛情の方が遥かに大きかった。
でも、理香の事考えると、彼の言う通りにした方が良いと思ってしまいました。」
この話だけでも、かなりショックだったのですが、次の話で私は奈落の底に、突き落とされてしまいます。
「昨日から もう一人の私と話しをしていて、今回も自分を正当化する為に、自分自身に嘘をついていただけで、
本当は彼の事が未だに吹っ切れていなかったのだと思い知らされました。
私は違う世界に行ってしまった様な状態でしたが、最初は彼に裏切られたショックからだと自分を甘やかせていました。
しかし、そうでは無くて、自分に嘘をつきながら自分を庇っていただけで、彼の嘘は切欠に過ぎず、
彼への愛情から、あなたを裏切っていた事が分かり、その事がショックで現実の世界に戻れなかった。
いいえ、戻ろうとしなかったのだと分かりました。
その証拠に、理香があなたの子供では無いと、彼に言われる前から あなたを裏切っていました。
これは彼への恩返だと自分を偽りながら、あなたを裏切っていました。」
何でも正直に、洗い浚い話そうとしている妻には、それがどの様な事かなど、怖くて とても訊けません。私は、この事については軽く流したくて、
「ああ。稲垣から聞いて知っている。
食事を作りに行ったり、掃除洗濯をしに行っていた事だろ?
キスまではしていた事だろ?その事はもういい。」
「えっ?彼とキスはしていません。彼と関係をもってからは有りましたが、それまでは要求されても断わりました。」
「それなら稲垣が嘘をついていたと言う事か?そう言えばキスとは言わずに、キスの様な事と言っていたが、キスの様な事とはキスとは違うのか?」
「キスの様な事?あっ・・・・・・・・・・それを今から話そうと・・・・思っていました。」
これ以上まだ何か有るのかと思うと、もう聞きたくないと思いましたが、妻は私に全て正直に話そうとしていました。
--------------------
妻が稲垣のアパートに行く様になってから、2週間ほど経った日曜日に、掃除と洗濯をする約束をしていた妻がアパートに行き、チャイムを鳴らしても稲垣からの返事は有りませんでした。
当然、妻が来る事は分かっているので、近くにでも行っているのだろうと思い、預かっていた合鍵で開けて入って行くと、
下半身だけ裸の稲垣が椅子に座り、仕切に硬くなった物をしごいていたそうです。
妻は、余りの事に、持っていたバッグを落としてしまい、両手で顔を覆いました。
「すまん、すまん。とんでもない姿を見せてしまったな。誰にも見られたく無い姿を見られてしまった。
午前中に来てくれると言っていたか?私は午後に来てもらえると思い込んでいた。」
そう言いながらも、稲垣は下半身を隠そうともしないので、妻は目のやり場に困り、
「それをしまって下さい。私、帰ります。」
「悪い、悪い。そう言わないでくれ。慌てて隠しては、凄く悪い事をしていたようで、余計に恥ずかしいだろ?
これでも私の、精一杯の照れ隠しなのだ。気を悪くしないで欲しい。」
急に寂しそうな顔をした稲垣はパンツとズボンを穿き、インスタントコーヒーを2人分作って妻に勧め、自分も妻の向かいに座るとコーヒーを飲みながら、
「軽蔑しただろ?当然軽蔑するよな。私自身、自分を軽蔑しているのだから。
こんな歳になって この様な行為をしているじぶんを、この様な行為をしなければならない自分を、情け無く思ってしまうのだから。」
「いいえ、軽蔑するなんて・・・・・・。」
彼の事が好きでなければ、この様な事を悩む事自体無いと思いました。
悩むという事は、多少でも彼に対しての愛が有るのだと思いました。
勿論、理香があなたとの子供だと分かっていれば、離婚など考えもしませんでした。
彼よりも あなたへの愛情の方が遥かに大きかった。
でも、理香の事考えると、彼の言う通りにした方が良いと思ってしまいました。」
この話だけでも、かなりショックだったのですが、次の話で私は奈落の底に、突き落とされてしまいます。
「昨日から もう一人の私と話しをしていて、今回も自分を正当化する為に、自分自身に嘘をついていただけで、
本当は彼の事が未だに吹っ切れていなかったのだと思い知らされました。
私は違う世界に行ってしまった様な状態でしたが、最初は彼に裏切られたショックからだと自分を甘やかせていました。
しかし、そうでは無くて、自分に嘘をつきながら自分を庇っていただけで、彼の嘘は切欠に過ぎず、
彼への愛情から、あなたを裏切っていた事が分かり、その事がショックで現実の世界に戻れなかった。
いいえ、戻ろうとしなかったのだと分かりました。
その証拠に、理香があなたの子供では無いと、彼に言われる前から あなたを裏切っていました。
これは彼への恩返だと自分を偽りながら、あなたを裏切っていました。」
何でも正直に、洗い浚い話そうとしている妻には、それがどの様な事かなど、怖くて とても訊けません。私は、この事については軽く流したくて、
「ああ。稲垣から聞いて知っている。
食事を作りに行ったり、掃除洗濯をしに行っていた事だろ?
キスまではしていた事だろ?その事はもういい。」
「えっ?彼とキスはしていません。彼と関係をもってからは有りましたが、それまでは要求されても断わりました。」
「それなら稲垣が嘘をついていたと言う事か?そう言えばキスとは言わずに、キスの様な事と言っていたが、キスの様な事とはキスとは違うのか?」
「キスの様な事?あっ・・・・・・・・・・それを今から話そうと・・・・思っていました。」
これ以上まだ何か有るのかと思うと、もう聞きたくないと思いましたが、妻は私に全て正直に話そうとしていました。
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妻が稲垣のアパートに行く様になってから、2週間ほど経った日曜日に、掃除と洗濯をする約束をしていた妻がアパートに行き、チャイムを鳴らしても稲垣からの返事は有りませんでした。
当然、妻が来る事は分かっているので、近くにでも行っているのだろうと思い、預かっていた合鍵で開けて入って行くと、
下半身だけ裸の稲垣が椅子に座り、仕切に硬くなった物をしごいていたそうです。
妻は、余りの事に、持っていたバッグを落としてしまい、両手で顔を覆いました。
「すまん、すまん。とんでもない姿を見せてしまったな。誰にも見られたく無い姿を見られてしまった。
午前中に来てくれると言っていたか?私は午後に来てもらえると思い込んでいた。」
そう言いながらも、稲垣は下半身を隠そうともしないので、妻は目のやり場に困り、
「それをしまって下さい。私、帰ります。」
「悪い、悪い。そう言わないでくれ。慌てて隠しては、凄く悪い事をしていたようで、余計に恥ずかしいだろ?
これでも私の、精一杯の照れ隠しなのだ。気を悪くしないで欲しい。」
急に寂しそうな顔をした稲垣はパンツとズボンを穿き、インスタントコーヒーを2人分作って妻に勧め、自分も妻の向かいに座るとコーヒーを飲みながら、
「軽蔑しただろ?当然軽蔑するよな。私自身、自分を軽蔑しているのだから。
こんな歳になって この様な行為をしているじぶんを、この様な行為をしなければならない自分を、情け無く思ってしまうのだから。」
「いいえ、軽蔑するなんて・・・・・・。」
「妻とはもう3年ほど関係をもっていない。完全なセックスレス夫婦という訳だ。
私は妻を抱きたかったが、ずっと妻に拒まれて来た。
妻にすれば、他に男がいたのだから当然だったのだろうが、私にもまだ性欲は有る。
風俗にでも行けば良いのだろうが、お金でその様な事をするのは抵抗が有る。
そうかと言って浮気をする相手も勇気も無い。
結局3年間自分で処理していた訳だ。
いや、智子には嘘をつきたくは無いので 正直に言うが、本当は風俗の店の前まで行った事は有る。それも2度も。
ただ、変なプライドが邪魔をして入る勇気が無かっただけだ。情けない男だろ?どうしようもない男だろ?」
この話で妻の同情をかおうとしているのですが、やはり稲垣は嘘をつくのが上手いと思いました。
この話は勿論 作り話なのですが、嘘の話の中で嘘をついたと白状する。
即ち二重の嘘をついて、この話をいかにも本当の事の様に、信じ込ませようとしているのです。
「自分でするというのは惨めなものだ。終わった後に後悔が残る。
終って冷静になると、自分のしている時の姿を想像してしまい、自分に対して猛烈な嫌悪感を覚える。
そのくせ食欲と同じで、性欲もどうしようもない。溜まってくると知らぬ内に自分の物を握り締めている。
智子も笑えて来るだろ?笑ってもいいぞ。自分でも情けなくて笑えてしまう。」
「笑うだなんて。」
「私の人生は何だったのだろう。これから一生 この様な事をしながら生きて行く。こんな人生ならもう終っても良いと思いながらも、自分で終らせる勇気も無い。」
「お願いですから そんな事を考えないで下さい。何か私に出来る事は無いですか?何か有れば言って下さい。」
妻は、一般的な意味で言ったのですが、稲垣は待っていましたと言わんばかりに、
「実は、智子が来たので途中で終ってしまった。
ただでも出したかったのに、途中で止めてしまったので、情けない事に、今話していても神経は あそこに行ってしまっている。
恥ずかしい話なのだが、男の生理として仕方が無いのだ。
でも一人で惨めに処理するのはもう嫌だ。
はっきりと言うが、協力してくれないか?私を助けると思って手伝ってくれないか?
こんな事は智子にしか頼めない。妻にさえ頼んだ事は無い。お願いだ。」
稲垣は、これが目的で、わざと妻にこの様な行為を見せたのでしょう。
いくら没頭していたとは言っても、狭いアパートの部屋でチャイムが鳴れば、人が来たのを気付かない訳が有りません。
「私には主人がいます。そんな事は出来ません。」
「勘違いしていないか?私もご主人を裏切らせる様な真似はさせたくない。少し手伝ってくれればいい。
手伝ってもらえれば、自分一人で こそこそとやっているのでは無いので、随分気が楽になる。
自分への嫌悪感も少なくなる。頼む、助けてくれ。」
稲垣の頼みは、自分でしている手を、その上から握っていて欲しいというものでした。
こんな頼みは、普通の女性なら決して聞く事は有りません。それどころか怒って帰ってしまい、二度とここを訪れる事もないでしょう。
やはり妻には、稲垣に対する普通ではない思いが有ったのでしょう。
妻は、稲垣の座った椅子の横に座り、目をしっかりと閉じて横を向き、自分の物をしごき続ける稲垣の手を握っていました。
この時は、最後は稲垣が左手に持っていたティッシュで、自分で受け止めましたが、これでは妻が最後まで目を閉じていて面白く無かったのか、次に行った時には、その様子を見なければならない様に、妻にティッシュを持たせて受け止めさせ、終わった後の処理までさせていました。
その後、稲垣の要求は更にエスカレートし、妻もその様な事を何度かさせられている内に、次第に私に対する罪悪感も薄れ、横から、前から、後ろから妻がする様になり、稲垣は何もせずに、ただ快感に浸る様になって行ったそうです。
>>次のページへ続く
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