何者にもなれないお前たちに旦那の遺言を告げる
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153 :嫁:2011/12/03(土) 00:11:27.85 ID:r0aRd0Ri0
あたしは。
「こんな時にメールが来るとか。あー、もうやだ。
なんで電話にせんのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ
メールなんてしてる場合じゃないんだよこっちわぁぁぁぁ
いいかげんにしろぉ」
ほんとにメールがうっとおしかった。
154 :嫁:2011/12/03(土) 00:18:56.53 ID:r0aRd0Ri0
違う病院に行ってた友達も次々到着していた。
あたしの知り合いにちょっと口の悪いやつがいる。
そいつが だんなちゃんの足をバシッと叩いた。
「おい、だんなちゃんなにやっとんだって。
早く起きんかぁ、
おまえ、娘の成人式まで生きとるんじゃなかったんかて。
おいて、起きなかんだろぉ。
寝とる場合じゃないのは自分でわかっとんだろぉ
きいとんのかてぇ」
155 :嫁:2011/12/03(土) 00:24:44.96 ID:r0aRd0Ri0
下の子もまだ小さいだろうか。
今死んだらお前の顔わからんぞ。
もう少し気合入れていきろや」
また あしをバシッて叩いた。
あたしは。
「こんな時にメールが来るとか。あー、もうやだ。
なんで電話にせんのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ
メールなんてしてる場合じゃないんだよこっちわぁぁぁぁ
いいかげんにしろぉ」
ほんとにメールがうっとおしかった。
154 :嫁:2011/12/03(土) 00:18:56.53 ID:r0aRd0Ri0
違う病院に行ってた友達も次々到着していた。
あたしの知り合いにちょっと口の悪いやつがいる。
そいつが だんなちゃんの足をバシッと叩いた。
「おい、だんなちゃんなにやっとんだって。
早く起きんかぁ、
おまえ、娘の成人式まで生きとるんじゃなかったんかて。
おいて、起きなかんだろぉ。
寝とる場合じゃないのは自分でわかっとんだろぉ
きいとんのかてぇ」
155 :嫁:2011/12/03(土) 00:24:44.96 ID:r0aRd0Ri0
下の子もまだ小さいだろうか。
今死んだらお前の顔わからんぞ。
もう少し気合入れていきろや」
また あしをバシッて叩いた。
156 :嫁:2011/12/03(土) 00:31:44.95 ID:r0aRd0Ri0
他の友達も
「また、スノボ行くぞって言ってただろ。
今年スノボシーズンはじまったばっかりだぞ
また、お前の顔面スリップして、半分ゾンビで半分普通の顔ってやつ。アレやってくれよ。
あれは最高だったぞ」
「だんなちゃん、仕事復帰したいって言ってただろ?こんなんじゃ だめだろ?」
みんないろいろな言葉で だんなちゃんをはげましてくれた。
ガンになって、何度も入退院をくりかえして、つらいとこ見せたくないからって 今まで知り合いを誰も呼んだことのないだんなちゃんの周りに今は ほんとに たくさんの友達がいる
157 :嫁:2011/12/03(土) 00:36:16.47 ID:r0aRd0Ri0
あたしはその事が すごくうれしかった。
だんなちゃんは こんなにみんなから慕われて、愛されて。
もう、こんな夜中なのに急いで駆けつけてくれて。
あたしは今まで だんなちゃんの何をみてきたのだろうかって。
もう少し早く、だんなちゃんが まだしゃべれてる間に。あたしは この人たちと だんなちゃんを合わせなかったんだろうかって。
そう思った。
158 :嫁:2011/12/03(土) 00:39:03.71 ID:r0aRd0Ri0
やっぱり、ちょっと無理してでも この人たちのために。だんなちゃんを強引に引っ張ってでも。
計画していた生前葬をやるべきだったと後悔した。
159 :嫁:2011/12/03(土) 00:51:54.67 ID:r0aRd0Ri0
21:43
モニター上波形フラット確認
あたしは だんなちゃんの胸をドンてたたいた。
ピコンて音がした。
また、ドンてむねを叩いた。
ピコンて音がする。
嫁「だんなちゃん?だんなちゃん?だんなちゃん?どうしたの?先生、だんなちゃんの様子がなんかおかしいよ」
あたしは だんなちゃんの胸をドンてたたいた。
主「もうちょっと前から自分で呼吸はしてないです。」
嫁「ど、どうしたらいいの?先生、アレやってよ。
あれ、ドラマとかでやるやつ
とりあえず、呼吸させてよ。」
主「今のだんなちゃんのからだでは とてもたえられません、耐えられなくて あばら骨が折れます」
160 :嫁:2011/12/03(土) 00:57:17.40 ID:r0aRd0Ri0
嫁「それでもやってください」
あたしはやってもらう決心をした。
主「それをやると だんなちゃんの体にいっぱい機材をつけて呼吸をしてもらうことになる。
一度部屋を出てもらわなければならなくなる。
もう、近くで最後のお別れを言うことはできなくなっちゃう。
やったとしても、もう意識は戻りません。」
嫁「どうすれば、どうすればいいんだろ」
161 :嫁:2011/12/03(土) 01:08:54.46 ID:r0aRd0Ri0
あたしは考えた。意外と冷静だったのにびっくりした。
すると、ぽつりぽつりと主治医が話し始めた。
主
「だんなちゃんとも最後の時の話をしていました。
最後どうしてほしいのか?延命治療するのかどうかって」
あたしは話を黙って聞いていた。
主「最後の最後までだんちゃんは悩んで、考えていました。」
嫁「その答えはでましたか?」
主「答えは出ていません。でも、奥さんのことをいつも一番に考えていました。」
162 :嫁:2011/12/03(土) 01:14:50.63 ID:r0aRd0Ri0
こいつめ・・・・
自分が最後の時まで全部わたしに振りやがった。
それは、オレの最後は かあちゃんの好きにしていいよ。ってことじゃねぇかよっ。
あたしの事なんて考えてんじゃねぇよっ
じぶんの最後の時ぐらい自分で決めやがれってんだよ。
そんなこと言ったら、あんた、どうなると思ってんだよっ。
163 :嫁:2011/12/03(土) 01:22:00.11 ID:r0aRd0Ri0
あたしは、あんたの嫁だよ?
そんな風に言われたら あんたのがどうしてほしいのか考えるに決まってんじゃんか。
あんたが最後どんな風に死にたかったか。
他の誰よりもあたしが知ってんだよ。
164 :嫁:2011/12/03(土) 01:22:59.43 ID:r0aRd0Ri0
オレが死ぬ時は
かあちゃんがずっと側にいてくれて。
息がなくなるその時までずっと側にいてくれて。
かあちゃんの側でオレは くるしむことなく眠るように死ぬの。
そうだなぁ。死ぬ前にかあちゃんの作ったおいしいご飯が食べれたら最高だなぁ
165 :嫁:2011/12/03(土) 01:26:28.21 ID:r0aRd0Ri0
あたしは主治医に
「わかりました。もう大丈夫です」
そういった。
166 :嫁:2011/12/03(土) 01:33:58.97 ID:r0aRd0Ri0
23:33
ご家族、ご友人が揃われた為
主治医にて死亡を確認する
主「あと他に だんなちゃんにお別れをいいたい人はきますか?」
主治医の先生がそういった。
だんなちゃんのおかあさんが「あと、弟夫婦がきます。」そういった。
主治医の先生は「では、その弟夫婦が揃うまで待ちましょう」
この時にはもう、みんな泣いていた。
泣いてないのは たぶんあたしだけだったと思う。
うっすら涙は出るが泣けないのだ。
だんなちゃんが、最後まであたしの事を考えてくれてたことがうれしくて。
>>次のページへ続く
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