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「機械と少年」
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85 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/11(金) 00:27:59.96 ID:RvMaYd03P
微かに聞こえるジェットのような噴射音

勇「それも速い・・・この熱量でこの速さ・・・?」

距離がみるみる縮まり・・・
すぐ横にそれらがぴったり並走している

勇「人・・・?」

人だ・・・何にも乗っていない人が
地面を滑るように走っている

「ようこそ!砂漠のルーキー君!」

勇「あんたらは?」

「君があまりにも遅いから周辺を捜索してたんだ」

そのまま基地内へ誘導され俺たちは
ツイッターン基地にツイッターン・・・着いた







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86 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/11(金) 00:34:37.24 ID:RvMaYd03P
ヴィントから飛び降りてさっきの兵士達のところへ走る
吹雪でよく見えなかったが彼らは足に板のようなものを履き
背中に推進スラスターを背負っていた
スラスターの大きさは大きめのリュックサックくらいだ

「よぉ!・・・思ったより若いな!」

勇「天霧勇です」

ルノート「俺はルノートだ」

勇「その装備は・・・?」

ルノート「スキーだよ。知らない?」

スキー・・・聞いたことはあるがスポーツの一種としか・・・

ルノート「スキーってのは今ではスポーツだがな、
     昔から使われている軍用の装備なんだ」

勇「さっき平地で滑ってたのは・・・?」

兵士「こいつだ。このジェットで進行方向とかを調節しながら滑るんだ!」

勇「なるほど・・・」

ルノート「訓練すればヴィントやシュトロームよりこの地形では優位に戦えるんだぜ?」





87 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/11(金) 00:37:55.33 ID:RvMaYd03P
勇「なるほど・・・実際の速度はd・・・」

リート「勇さん!!それより指令さんのお友達に!!」

おっと、本来の任務を忘れていた

ルノート「ほら、後でしっかり教えてやるからよ。先にやること終わして来いよ」

勇「はい」

とにかくここの指令・・・スティーアの元指令の友人に会わなければ








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95 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/12(土) 00:34:59.65 ID:xIAKN6DdP
ターン司令はハゲ頭のグラサンジジイだった

ターン司令「なるほど・・・奴の死にはそのような裏があったのか・・・」

勇「今の本部はかなり危険な状態にあると思います。」

ターン司令「元より本部には色々と気に食わないところもあったしな・・・」

ターン司令「で、君たちは本部に喧嘩を売るつもりかね?」

勇「まだそこまでは・・・と、言いたいところですが
  既に本部から目をつけられているのは事実です。
  先日も本部の特殊部隊に消されかけました」

ターン司令「はっはっは!お前も若いのに大変だな!」

勇「正直面倒なことになった・・・とは思っています」

ターン司令「ではなぜ戦う?」

ターン司令の眼光が鋭くなった






96 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/12(土) 00:43:09.90 ID:xIAKN6DdP
戦う・・・理由か・・・

勇「俺は生まれながらに戦争と共に生きてきました」

考えを必死に整理しながら言葉を紡ぐ

勇「戦争の無い時代も、世界も知りません。
  ・・・いや、もしかしたらないのかもしれません」

ターン司令「ほぉ・・・」

勇「これまで俺は色々な人に会ってきました・・・
  皆戦いなど望んでいなかった」

そしてこの頃考えていたことが頭をよぎる

勇「これは戦争ではなく人類に課せられた試練だと・・・思います」

ターン司令「・・・機械軍に味方する人間、ハイドラと言うらしいが・・・
      彼らも同じような事を言うらしいな」

ハイドラとはターン司令の言ったとおり機械軍に属する人類だ
その数は少なくない
彼らはみな信仰の元で成り立っている

勇「この戦いは神に近づこうとした人類への神罰・・・でしたね」

ターン司令「だが、君は神罰ではなく試練といったな?」





97 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/12(土) 00:52:41.70 ID:xIAKN6DdP
勇「神罰は人間が滅ぶ事を前提に不可避事項として
  その定めを受け入れるしかありません」

勇「しかし自分はこれを人類への試練だと考え、人類ならば乗り越えられる・・・
  いや、乗り越えなければならないと考えます」

ターン司令「試練・・・なるほど、確かにハイドラとは違った考えだな」

勇「人類は間違えた事などしていません。
  新たに生命に限りなく近い意思を持った機械を作った事は
  人類にとってマイナスとして考えたくありません」

ふと、リートの顔が浮かんだ

勇「ロボットは・・・人類の友人になりえる存在です・・・。
  戦うべき相手ではない・・・」

ターン司令「・・・話が脱線し過ぎてしまったな」

勇「・・・いえ」

ターン司令「最後にその試練というものを人類が乗り越えるにはどうする?」

勇「・・・機械軍の根源を断ちます」

ターン司令「始まりのロボット・・・ADAMか・・・」

これは人類軍の推測だが 未だ機械軍の主導権を握り指示しているのは
あの始まりの悪魔のようなロボット
最初の意思を持った機械

それが『ADAM』

こいつが未だに機能しているということだ
ロボットに老いも死もないので
いくらでも生きることはできるだろう





102 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/10/12(土) 20:59:03.21 ID:xIAKN6DdP
格納庫

勇「うわっ・・・寒っ・・・」

格納庫には暖房も何もない
金属の床から寒さが直にくる

ルノート「そりゃそうだろ。そんな薄着じゃ」

勇「薄着・・・か?」

戦闘服は十分厚着の部類に入るはず・・・

兵士「こいつも着な」

渡されたのは厚手のコートだ

勇「ありがたい」

羽織ると・・・確かに暖かい

リート「あー、いいなぁ!」

リートが羨ましそうにコートを引っ張る

勇「お前は寒くないと言っていただろ」

リート「でもかっこいいじゃないですかー!」

兵士「お嬢ちゃんそれで寒くないのかい?」

リート「え?・・・まぁ寒くはないですけど・・・」

勇「・・・こいつ、寒さには強いんだ」

リート「マイナス40度までいけます!」

兵士「す、すげぇな・・・」





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