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「機械と少年」
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10 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/16(月) 19:29:13.09 ID:KtEkzd16P
機械兵とは機械軍(敵の勢力を俺たちはこうよんでいる)
の兵士のことだ
意識を持たない無情の兵士
疲れも知らなければ身体能力は化け物じみている
一般に通常兵士と機械兵の戦闘力差は1:5と言われている

俺たちはそんな化け物と戦っているのだ






11 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/16(月) 20:17:02.81 ID:KtEkzd16P
実弾すら弾く機械兵の装甲は
人間の使う火器では到底太刀打ちできない
そこでこのライフルだ
実弾ももちろん撃てるがメインは電撃銃だ
指向性をもった電撃を打ち出す
その電撃は機械兵の回路を焼き切り中枢を破壊する
さらには電撃が動力のEJに誘電させ爆発させる
そんな特殊なライフルなのだ

勇「珍しいな、EJが満タンだ」

猿「ありがたいじゃんか。使わせてもらおう」

装備をテキパキと準備する

「カッターはもらうわね」

カッターの説明は後ほど






12 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/16(月) 20:18:04.89 ID:KtEkzd16P
この砂漠というフィールドは俺たち人類にとっては
不利なフィールドだ

砂嵐は俺たち視界を遮る
それに対し向こうの機械兵は様々な目を持っている
もうこちらをとらえているはずだ

「見えた・・・!距離300・・・」

望遠ゴーグルを覗いていた奴が叫ぶ

「数は・・・1、2・・・8!」

猿「8機!?」

こっちは10人程度しかいない
そのまま当たっても勝てない

「コマンダーをピンポイントでたたこう」

コマンダーとは文字通り機械兵の指令役だ
普通の機械兵は意思を持たないが
それを統率する意思を持つ機械兵が必ず1体はいる
そいつをつぶせれば部隊は崩壊する

ただ、奴らは言葉での指示を出さないので
どれがコマンダーか分からない
どこかのアニメの角突きみたいに
わかりやすかったらいいのだが






13 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/16(月) 20:20:06.78 ID:KtEkzd16P
猿「奴らはなんでこんなところに・・・」

「しるかよ」

勇「なにかあるのか・・・?このあたりに・・・」

わざわざ敵の領内にまで来たということは
それだけ重要な何かがあるのかもしれない

「とりあえず戦闘準備だ」

それぞれライフルを構える

「距離・・・150・・・」

近づいてきた

「行くぞ!これが俺たちの初陣だ!!」

一斉に輸送機の残骸から飛び出す
途端に銃声が飛び交う
銃声といっても電撃銃なので
こちらの銃声は特殊なものだが
機械兵も手に持ったライフルを撃ってくる
向こうはリニアを使った実弾だ

電撃があたり爆散する機械兵が出た
それと同時にこちらにも銃弾を受け倒れた兵士がいた






14 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/16(月) 20:24:07.19 ID:KtEkzd16P
猿「どいつがコマンダーなんだ!?」

3機目を撃破した時には すでにこちらの人数は半分以下になっていた
アカデミーを出た兵士は俗に言うエリートなわけだが
それでもこの戦力差はどうしようもない

俺がポイントしていた機械兵のライフルが急に使えなくなったようだ
機械兵はライフルを捨て代わりにナイフを抜き
砂の上とは思えない速さで迫ってくる

勇「くそっ・・・この化け物が!!」

至近距離で電撃を浴びせれば自分まで巻き沿いをくうので危険だ
近くで弾を受け息絶えた奴の持っていたカッターをつかむ

この通称カッター

正式には『ゼーゲン』という刀型の武器は刃に細かい刃がついていてそれが
チェーンソーのように高速回転することで
機械兵の装甲を切断できる優れものだ
もちろん動力はEJだ
グリップにあるトリガーを握る
刃が回転し甲高い音を立てる

勇「うおぉぉぉ!!!」

力では決して勝てない機械兵
狙うは機械兵の中枢がある頭部
そこをピンポイントでつぶせれば
爆発させることなく撃破できる






15 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/16(月) 20:30:07.27 ID:KtEkzd16P
ブオンッと勢いよく振り下ろされた機械兵の刃を避け、
素早くカッターを右上からななめ下に振り下ろす

カッターは機械兵の首筋に食い込み刃の回転でどんどん切り進んでいく
オイル管が裂け周りに血しぶきのようにオイルをまき散らす
そして・・・

ドサッ・・・!

首が落ちた
中枢のコンピュータを失った機械兵は
その場に生々しく崩れ落ちる

勇「・・・銃声が止んでいる・・・?」

見ると機械兵たちはコマンダーを失い撤退を始めていた

勇「今のが・・・コマンダーだったのか!」

しかし周りからはなんの応答もない
何も・・・仲間の声すら

勇「・・・」

まわりで死んでいる兵士の数は・・・

勇「そんな・・・」

自分以外・・・全滅
自分がコマンダーの相手をしている間に
ほかの兵士はすでに殺されていた

勇「俺たちは・・・いままで何のために・・・」

たった8機程度の機械兵に負けた
いままでいかにぬるいところにいたのか
思い知らされた
これが・・・

勇「これが・・・戦場・・・」







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19 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/16(月) 23:53:39.17 ID:KtEkzd16P
エアーホルン都市についたのは それから3日後だった

リート「ほぇ〜!大きな街ですねぇ!!」

エアーホルン都市は人類軍の都市の中で
二番目に大きな都市だ
高層ビルが立ち並ぶいわば都会だ
その街をヴィントで走っているのだ
目立つかと思いきや

勇「ずいぶん慌ただしいな・・・」

街のあちこちに軍人の姿やヴィントやシュトローム、
ジープや装甲車などがちらほら見える
街の景観を損なうとかなんとかで
こういう大都市での兵器はあまり見かけないのが普通なのだが

リート「なんか今にも戦闘が始まりそうな感じですね」

勇「一応境界線が近いからな。機械軍領土と」

すると検問所にかかった

軍人「パスを提示して下さい」

勇「分かった」

しかしそこで問題が起こった

リート「私パスなんてないですけど?」

勇「お前は機械だから問題ないだろ?」

軍人「機械・・・?」






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