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「機械と少年」
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53 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/19(木) 14:41:54.14 ID:bsu6rqm7P
勇「なんだ・・・?なぜあんなに早く機体を動かせるんだ・・・?」

ヴァルゴのヴィントはまだ何も装備を使っていない
あれでは普通のヴィントと変わらない筈だ
それなのに俺の攻撃を簡単に回避している

ヴァルゴ「まだまだだな。勢いはあるが技術がない」

勇「くそ・・・!!」

俺のヴィントを変形させ急加速
ウィングを展開してさっきの何倍ものスピードで突進する
それすらヴァルゴは簡単に回避する
だが今度はヴァルゴの動きが見えた
ヴィントの重い後方を振り回すように回転して
まるで闘牛士のように突進をよけていたのだ

勇「ヴィントを熟知しているからこそ出来る芸当だな・・・」

だかもうその手は使えない
こちらは既に空に飛び上がっている





54 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/19(木) 14:52:10.90 ID:bsu6rqm7P
移動速度はさっきまでの数倍になっている
一層歓声が大きくなる
すると・・・

ヴァルゴ「俺も使ってみるか!」

なんだ・・・?
ヴァルゴのヴィントがガトリングを撃ちながら
俺のヴィントに向かって加速して来た

勇「その速度ではっ!」

一気に加速して回避する
その時・・・!
目の前に何かが刺さった

勇「ワイヤー・・・?」

それが何をするものなのか一瞬考えが遅かった
ヴァルゴのヴィントが急に向きを変えて俺のヴィントに迫る
この動き・・・いつかの雲型機械兵と同じだ





55 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/19(木) 15:01:01.21 ID:bsu6rqm7P
コンデンサの電力は残り35%
再び空に逃げたが
ガンッ!!

勇「なんだ!?」

ヴィントが捕まった
ヴァルゴのヴィントからワイヤーが放たれ
俺のヴィントをガッチリ捕まえている
ワイヤーを巻き取る力は尋常ではなかった
逃げようと吹かしたスラスターの推力を
物ともせずにワイヤーが俺のヴィントを地面に引きずり戻した
地面についた途端2本、3本とワイヤーが
噛み付いてさらにヴィントをガチガチに固めた

勇「くそっ・・・!」

カッターでワイヤーを切ろうとするが・・・
ギャギャギャギャ!!!
歯が立たない・・・!

ヴァルゴ「終わりだな」

振り向くと俺のヴィントを捉えていた
ヴァルゴのヴィントの鼻先が4つに割れるように開いて
中には銃口が見えた

ヴァルゴ「小型電子レーザー砲だ」

つまりこの状況で撃たれれば俺は死ぬということだ
俺はハンドルからてを離しホールドアップの体勢をとった

勇「・・・降参だ」

一番大きな歓声が上がった







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59 :名も無き被検体774号+:2013/09/20(金) 20:46:12.50 ID:rEQfbFBpP
軍人「これから私室へ案内する」

勇「俺のか?俺は仮眠室で充分だ。別に長居するつもりもないしな」

軍人「と・・・いうより君の連れ人が君を連れて来いとうるさくてね・・・」

連れ人・・・リートか

勇「申し訳ない・・・」

軍人「嫁かい?」

勇「違います」

軍人「即答だね」

そんな会話をしているうちに一つの部屋に案内された
スティーアでの私室とほぼ同じだ

リート「なんで置いて行くんですかぁ!!」

俺の姿に気がついたリートが掴みかかってきた

勇「ついて来ても面白いものなんてないぞ」

軍人「いや、充分面白かったですよ」

リート「ずぅぅぅるぅぅぅいぃぃぃ!!!」

うるせぇ〜





60 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/20(金) 20:56:07.16 ID:rEQfbFBpP
勇「お前だってこんなところに居ないで街に出ればいいだろ」

リート「もしそこでいきなり知らない人に襲われたらどうするんですか!」

軍人「治安には自信がある!」

勇「ほら、大丈夫だろ」

リート「街に出たってすること無いですし・・・」

勇「そうか・・・ならば俺は行ってこよう。色々見たいものもあるしな」

リート「え・・・?」

勇「しばらく辺境の地に閉じ込められてたからな。久々に都会の空気を吸ってくる」

軍人「作戦まで随分時間がありますしね。それがいいです」

リート「あ、だったら私も・・・」

勇「することないんだろ?」

あえて意地悪してみる

リート「うぅ・・・」

勇「ノーマルジープでも借りれるか?」

軍人「手配します」

勇「よろしく」






61 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/20(金) 21:00:16.88 ID:rEQfbFBpP
リート「・・・んなさい・・・」ボソッ

勇「ん?」

リート「わがまま言ってすみませんでしたぁ!!」

勇「よろしい。お前も任務の最中なんだ・・・最低の自覚は持って欲しい」

リート「はい・・・」

勇「それでは行くぞ」

リート「はい!」

軍人「なんだ・・・親子か」

勇「だから違うって」

しばらくして一人と一機を乗せたジープが街へ走って行った







66 :名も無き被検体774号+:2013/09/22(日) 00:36:18.76 ID:k6pgEacnP
出る際に渡されたここの基地のパス
これが無かったらまためんどくさい帰還をすることになる

勇「警戒態勢だというのにここの住民は呑気だな」

すぐそこに敵が来ているにもかかわらず
そこには普段と同じ日常を送る人々ばかりだ

リート「私達だってこうやって遊びに来てるじゃないですか」

勇「そうだな」

行く当ても無ければ行きたいところも無かったので
しばらく街を散策していた

勇「こんなに発展した街ももう少ないよな・・・」

リート「あれ?そうなんですか?」

勇「俺の産まれる前・・・って言ってもお前が作られた後か」





>>次のページへ続く
 
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