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「機械と少年」
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68 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/22(日) 00:49:14.61 ID:k6pgEacnP
勇「30年前にな・・・世界各地で大規模な戦闘があったんだ」

勇「世界の情勢がまだ不安定だったらしい。なにせ今まで戦ってた
国同士が『もう仲直りしましょ』って言わざる負えない状況になったんだ。
混乱は避けられない」

勇「その不安定な時期に一気に攻め込まれたんだ・・・人類はな」

リート「それで・・・?」

勇「世界の主要都市の大多数が壊滅。
  残ったのはここ、エアーホルンと
  人類軍最大拠点にして最大都市のユートフィットだ」

リート「私の記録ではユートフィットってそんなに大きな都市では
    無かったはず・・・」

勇「生き残った人が必死に立て直したんだ。
  それでこのエアーホルンもユートフィットも今では大都市だ」

リート「壊滅した街の人達は・・・?」

勇「・・・生き残ろうがそこで死のうがどの道助からなかった・・・
  全てが消えたんだからな」

勇「ほんの一部・・・平均してそれぞれの町の人口のほんの一握りが生き延びた。
  俺の両親もその一握りだ」

勇「残りは死んだか機械軍に味方するかのどっちかだ」

リート「勇さんの両親はどうやって・・・?」

勇「二人とも軍人だったんだ。
  それで運良く生き残って俺の産まれた小さな街に」

リート「へぇ〜」

勇「結局二人とももういないけどな」

リート「亡くなったんですか?」






69 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/22(日) 01:00:55.37 ID:k6pgEacnP
勇「親父はそのあとの戦闘で戦死。母さんは流行病でその数年後に。
  結局身寄りを無くした俺は生きて行くために軍人に志願した」

勇「必死に毎日毎日訓練でな・・・気がついたらアカデミーに推薦されてた。」

リート「寂しく・・・なかったんですか?」

勇「寂しかったのかもな・・・だから仲間が出来て
  すごい安心したのを覚えている。」

そこからリートに随分長い話をした
アカデミーでの事
猿ことイズールの武勇伝
アカデミー3年の時のジープ大爆発事件
それを話すうちに猿達が死んだ悲しみがこみ上げてきた

勇「結局・・・俺だけになってしまったけどな・・・」

リート「そんなことないですよ。」

リート「私はずっとあなた側に居ますから・・・」

勇「リート・・・」

リート「あ、いやっ・・・!
    ウェルスさんとかミーラさん達もそうですよ!」

勇「そうだな・・・あいつらならきっと・・・」

リート「あ!もう夕ご飯時ですよ!」






70 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/22(日) 01:08:33.59 ID:k6pgEacnP
勇「今俺かなり感動してたのに・・・」

リート「でも折角街にでたんですから何か食べて行きましょうよ!」

勇「お前は食わないだろ」

リート「私の事は気にせずに〜」

勇「いや、俺は基地の食堂で・・・」

リート「そのことなんですけど・・・」

勇「なんだ?」

リート「勇さん話に夢中で多分基地に戻るの随分かかりそうですけど?」

マップを見ると基地からかなり離れている

勇「やばい!定時までに帰れない!!」

リート「ど、どうするんですか!?」

勇「なんで気がついたときに教えなかったんだよ!!」

リート「だって勇さん久しぶりに楽しそうだったし!」

勇「くっそぉ〜!このジープには急加速モードないのか!!」

リート「と、とにかく急いで戻らないと!」

結局定時には間に合わず食事も抜きになった








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83 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/23(月) 20:49:46.63 ID:VkVWmbCrP
勇「俺は待機なのか?」

ヴァルゴ「お前は何かあった時の保険だ。
    出来ることなら出番がない方がいい」

今回の作戦は敵軍の進行出来るルートを潰す作戦だ
もしかしたらそこで会敵して戦闘になるかもしれないが
基本は作業をとっとと終わらせて戻るだけだ
ルートは2箇所
それぞれに作業班と俺たち戦闘班が同時に向かう

勇「分かった。移動は?」

ヴァルゴ「作業班はジープとシュトローム。
     お前は輸送ヘリで上空待機だ」

勇「出番は無い可能性が高いんだな?」

ヴァルゴ「油断は大敵だが・・・多分大丈夫だろう」

ヴィントをヘリに移動して固定する
他にも3機のヴィントが収容された

ヴィント兵「よろしくな」

勇「ああ、よろしく」

ヴィント兵「メンバーの一人が訓練で怪我してな・・・3人じゃ心細かったんだ」

勇「出番はないかも知れないが・・・」

ヴィント兵「モチベーションだよ。モチベーション」

よくわからない





84 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/23(月) 20:54:03.49 ID:VkVWmbCrP
勇「このヘリは撃ち落とされないんだろうな?」

ヴィント兵「大丈夫だ。あるのはこちらの対空設備だけだし、
      このヘリは旋回力が化け物みたいに凄いんだ。
      追尾型ミサイルだって上手くやればよけられる」

勇「すごいな。さすが超大規模基地」

ヴィント兵「お前のヴィントだって凄いじゃないか」

勇「色々あって俺のところに回ってきたんだ。」

ヴィント兵「そういやぁ隊長も同じような奴もらってたな・・・いいなぁ〜」

勇「そのうち量産されるらしい。」

ヴィント兵「それまで死ねないなw」

そんな雑談をしているうちに作戦の開始時間がきた






95 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/25(水) 00:27:52.29 ID:LTBbzajN0
ヘリ操縦士「行きます。」

勇「了解」

ヘリが飛び上がりその眼下でジープやシュトロームが走って行く

ヴィント兵「天霧は降下作戦とかはやるのか?」

勇「いや、ヴィントでの降下は数えるくらいしかない」

ヴィント兵「いいか?降下の際に重要なのはスラスターの角度だ。
      もしヴィントが空中でひっくり返ったりしたら・・・」

勇「制御を失って即死だな」

ヴィント兵「そこでさらに気をつけるのはホバーの出力を・・・」

長々と降下のイロハを叩き込まれているうちにもポイントに到着する
作業員がわらわらと出て来て各所に爆薬を設置する
山道と言ってもほぼ崖の上の道だ
落とすだけなら難しくない
ボンッ!!ボンッ!!
各所に設置された爆薬が点火され次々と山道が崩れて行く





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