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中学時代の仲間でかけがえのない人が出来た話
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962 :846:05/03/06 02:22:10 ID:pQZKIt7G
家に帰るって寝ようとしても、胸がどきどきしてなかなか寝付けなかった。

ウィスキーを少しだけ飲んで、寝酒をしたがかえって逆効果だった。

どんどん頭の中と、心の中に直美ちゃんが入り込んできた。

どうにもならず、机の角に思いっきり頭をぶつけた。2回か3回ぶつけた。


その後は よく覚えてないが、大きな音に気付いた姉が部屋にやってきて自分を見つけたそうだ。

額が割れて、そこから激しく出血していたらしい。すぐに、病院に連れて行かれた。

今、思えば本当に恥ずかしい話しだ。


つづく



963 :846:05/03/06 02:26:46 ID:pQZKIt7G
もっと書いておこうと思いましたが、疲れてもうダメです・・・。


額を切った所は3カ所で、そのうち1カ所は4針縫いました。

後は残らなかったものの、馬鹿な事をしたと今でも思います・・・。

姉、自暴自棄にならないで悩みがあったら相談しなさい!と泣かれて大変困ったのを覚えていますw


おやすみなさい。


--------------------

110 :846:05/03/07 23:45:32 ID:glKh1k16
前スレ>>962のつづき

お晩です。続き書かせて頂きます。


一週間くらいたった土曜日の午前に、直美ちゃんから電話が鳴った。今日は早いな、と思いつつ電話に出た。


「ねぇ、もし良かったら今から仕事場の方にいってもいい?」


何のことだ?と思い、もう一度聞き直した。

「サボテン探してホームセンターとか、花屋さん行ったんだけど まともなの無くて・・・」

勿論OKした。

すぐに、机のまわりに散らばっていた書類を、書類棚にたたき込んで床も掃いた、それとコーヒーも用意した。

しばらくして、バイクのエンジン音が聞こえてきた。直美ちゃんが来たようだ。

「暑かっただろ?中入ってよ」と、誘った。

「あっつー、もう顔ムレムレ!」

顔が真っ赤だった。とても健康的で可愛く見えた。

「早速だけど、サボテン見せて」と、言われサボテンと多肉植物の温室を案内した。

「うわーーっ、何?こんなにあるの!?」

何か気持ち悪い物を見たような顔で言った。

「おすすめはどれ?あ、これはなんかグロテスクな形がいいね」

かなり気に入ってくれたようだった。あまりにマニアックな商品が多いから引くかと思ったけど、そうでもなかった。



111 :846:05/03/07 23:48:06 ID:glKh1k16
逆に、マニアックな形の物を好んでいたようだった。

「ねぇ、これ全部で幾ら?」

え?と思った。お金をもらうとは考えていなかったから、ちょっととまどった。

「え〜、じゃぁ、そうだなぁ」

とか、適当に濁して500円にした。

「ちょっと安すぎない?気使ってるでしょ?」

と、言われたけど「生産者直販ですのでw」と笑って答えた。直美ちゃんへのせめてものプレプレゼントのつもりだった。


そして、昼までだらだらとおしゃべりして、彼女は帰っていった。

至福の一時だった。直美ちゃんと、あんなに近くで言葉を交わしたのは、この前ぶりだった。

とにかく嬉しくて嬉しくて、仕事を放ってバイクで出かけた。車が通らないのを確認して峠を攻めた。


その日はバイクが軽く感じて、とても楽しかった。

まるで子供のようにはしゃいだ。バイクに乗りながら、「俺最強!!」とか叫んだり、「あーーーっ!!」と大声で叫んだりした。

帰ると、そんな楽しかった事はすっかり忘れて、またブルーになった。

直美ちゃんがに思いを伝えたとしても、それが叶うものなのか?話もしてくれなくなったらどうしようか?そんなネガティブな思いだけが、どんどん重なっていった。

つづく



112 :846:05/03/08 00:10:58 ID:mCefqdJF
決めた。

今日の夜に直美ちゃんに思いをぶつけてみよう。

そう思うと、怖くなってきた。

段々と、体に冷たい汗が流れ出るのを感じた。

気持ち悪くなり、思わず温室の中で吐いた。とても苦しかった。ただ気持ち悪くて苦しいのではなく、何か胸の中につっかえているような感じだった。


今、あきらめてまた今度にすれば気分の悪さはすぐに無くなる。けど、そうするとダラダラと長引くだけだ。


電話した、「今晩、二人だけで会いたいんだけど、大丈夫?」

なんだか寒くなり、背筋がブルッとした。足の震えが止まらず、その震えは声も震えさせた。

「うん、いいよ〜」

意外に明るい声で返事が返ってきた。

何とか約束は取り付けた、後は心の準備をするだけだ。

仕事は早めに切り上げて、昼寝した。

あまり寝付けずに、すぐに目が覚めてしまった。

仕方なく、買ってそのままだった油温計を取り付けることにした。

いざ、やろうと思ったがなんだか集中出来ずにやめた。また部屋に戻り、ごろ寝した。


そうこうしているうちに、夕方になった。

風呂に入り、やはり念入りに体を磨いて、臭いもチェックした。

つけることのない香水を少しだけかけてみた。が、なんだかバカ臭くなってタオルでぬぐってしまった。

つづく

ちょっと、晩ご飯食べて風呂入って来ます。



117 :846:05/03/08 01:46:29 ID:mCefqdJF
つづき

いつもの場所に、約束した時間の20分前を狙って出かけた。実際は、もっと早く着いた。

ヘルメットを脱ぐと顔から滝のような汗が流れていた。グローブの中も汗でぐしゃぐしゃになっていた。

じっとしていると、どうにかなりそうだったので煙草を吸った。今日に限ってはとても不味くて吸えたものでは無かった。

その辺をぶらぶら歩いたり、燃料タンクのフタを開けて覗いてみたりした。

そして、遠くから直美ちゃんのバイクのエンジン音が近づいてきた。その時、緊張でもう足が震えだしていた。

あの時の緊張は どんな時よりも緊張していたと思う。立っていられなくなりそうでバイクに跨った。


チカチカとウィンカーを付けて直美ちゃんが入ってきた。

彼女は、俺のすぐ近くにバイクを停めた。

「今日、バイク洗ってきたよ〜。何か綺麗でしょ?」

元気いっぱいの笑顔だった。

今日、その元気いっぱいの笑顔を俺は持続させることが出来るのだろうか?自分も笑顔で笑いかけるなかそう思った。

「なぁ・・・。実はさぁ、話があるんだけどいい?」

直美ちゃんはキョトンとして、黙って頷いた。


「俺さ、直美の事好きなんだ。

最近になって もう我慢できなくなって・・・。

それで今こうして話してるんだ」


言ってしまった。もう後には戻ることは出来なくなった。

「え?ちょ・・・」

直美ちゃんは明らかに困惑していた。

「大好きなんだ」

更に言った。


更に困惑してる様子だった。

何分くらいだったろうか、そこで会話は途切れてしまい、二人とも沈黙してるだけだった。

しかし、沈黙は打ち破られた。

「あのね、実は最近のあんたの様子ちょっとおかしいってことだけは気付いてたよ・・・」

直美ちゃんは、ちょっと悲しそうな顔で言った。うつむいていた。俺は ただそこで足を震わせながら聞いた。

「なんだか、いつも話してる時と違って緊張した感じだったし」

確かにそうだ。直美ちゃんと話すと、何を話していいのか迷ったりすることが多々あった。

「それは私とつき合いたいってことなのかな?」

話は突然方向が変わった。

「できれば、そうしたいんだけど どうかな?」

頑張ってこれだけしか言うことが出来なかった。グローブを握った手から汗がしたたるのがはっきりと分かった。

つづく



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, すっきりした話,
 


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