学生時代の謎の寝取られ事件とその黒幕の話
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252 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:33 ID:P9axuk8I
「お前・・・」
さすがに山本も言葉が出なかった。
「ずうずうしいにもほどがあるぞ・・・」
山本はやっとのことでそう口にした。
「分かっている。本当にずうずうしいと思う、でも、お前との友情をこわしたくない。英子とお前の事も心から祝福したい」
「お前・・・なんて奴だ!」
257 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:56 ID:P9axuk8I
「何が祝福だ!」
山本は顔を真っ赤にして怒り出した。
「お前は自分が何をしたか分かってないようだな」
「気に障ったなら勘弁してくれ」
俺はとにかく謝るしかなかった。こびへつらってでも山本との友情は壊したくなかった。
258 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:01 ID:P9axuk8I
「許す許さないの問題じゃないんだよ」
「俺がゼミ生の間でなんて呼ばれているかお前知ってんのかよ」
山本は瞬く間もないくらい早口でまくし立てた。
「負け犬とか寝取られとか捨てられ君とか言われてんだよ」
「皆、別荘での事件を知らないから、俺が村上に捨てられたとしか思われてないんだよ」
どうやら山本は村上に捨てられたと思われているようだった。確かに、事情を知らない奴らから見ると村上が俺に乗り換えたくらいに思えるだろう。
「お前・・・」
さすがに山本も言葉が出なかった。
「ずうずうしいにもほどがあるぞ・・・」
山本はやっとのことでそう口にした。
「分かっている。本当にずうずうしいと思う、でも、お前との友情をこわしたくない。英子とお前の事も心から祝福したい」
「お前・・・なんて奴だ!」
257 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:56 ID:P9axuk8I
「何が祝福だ!」
山本は顔を真っ赤にして怒り出した。
「お前は自分が何をしたか分かってないようだな」
「気に障ったなら勘弁してくれ」
俺はとにかく謝るしかなかった。こびへつらってでも山本との友情は壊したくなかった。
258 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:01 ID:P9axuk8I
「許す許さないの問題じゃないんだよ」
「俺がゼミ生の間でなんて呼ばれているかお前知ってんのかよ」
山本は瞬く間もないくらい早口でまくし立てた。
「負け犬とか寝取られとか捨てられ君とか言われてんだよ」
「皆、別荘での事件を知らないから、俺が村上に捨てられたとしか思われてないんだよ」
どうやら山本は村上に捨てられたと思われているようだった。確かに、事情を知らない奴らから見ると村上が俺に乗り換えたくらいに思えるだろう。
259 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:06 ID:P9axuk8I
俺と山本を比べると成績はどっこいどっこいだけれども、教授受けは俺のほうがいいし
俺の自宅は都内のまぁ、割と高級な部類に入る住宅街だが奴の自宅ははっきり言って郊外は郊外でも本当の田舎だ。いわゆるチバラギ。
容姿も俺のほうが勝っている。
そんな奴が誇れるのは奴のまめまめしく動き回るところと誠実な人柄。
いわゆる「いい人」であった。裏を返せば「毒にも苦にもならない男」。
面白みにはかける。しかし、俺は奴にはいろいろと借りがあった。
これからも奴には世話になりたいと思っている。
260 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:09 ID:P9axuk8I
奴はあらゆる条件で俺にコンプレックスを抱いていたのかもしれない。
今考えてみると、奴も、友人の女遊びのアリバイに使われたり等、やつのプライドを今まで踏みにじってきたのかもしれない。
俺は、そんな自分勝手な自分に嫌気がさした。
「頼む、許して欲しい」
俺は、はじめて屈辱感に満ち満ちて奴に許しを乞った・・・
261 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:16 ID:P9axuk8I
「お前、マジで謝っているのか?」
山本は俺が涙目になって謝っているのを見て少々戸惑っているように見えた。
「お前が俺に何でそんなに謝るんだよ」
奴はだんだんしどろもどろになってきた。物凄く挙動不審に見える。
しかし、俺はかまわず続けた。
「村上との事は本当に申し訳ない」
「お前の気のすむような幕を引くつもりだ」
俺は山本のご機嫌を取るように続けざまに言った。
「お前が気のすむようにする、だから俺たちの関係も元に戻したい。今すぐという訳じゃない。あんなことがあったんだ。時間をかけて元に戻したいと思っている」
263 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:19 ID:P9axuk8I
「お、お前、何で、俺なんかに・・・」
山本は目をきょろきょろさせてせわしなくハンカチで汗を拭いたりめがねのレンズを拭ったりしている。
こいつは何故、急に落ち着きがなくなったのだろうか?
俺には分からなかった。
言葉もどもり気味になってきている。
266 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:23 ID:P9axuk8I
「お、お前の気持ちはわわ分かったよ、そこまで言うならちちちちと考えてみるよ」
いよいよ山本の挙動は不審になってきた。周りの人たちも俺たちのことを訝しそうに見ているのが分かった。
「ととととにかく、これくらいにしてくれよ」
「よかったらどこかでもっと話せないか?」
「お、お前も知ってんだろ。おおお俺の家は遠いんだよ」
「すまん、でも、まだ時間も早いし、いいじゃないか」
「だダメだっつて言ってんだろ」
「しつけぇよ」
山本はそう言うとまだ人もまだらな駅の改札へと消えていった。
267 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:26 ID:P9axuk8I
「あいつ、何をあんなに慌ててんだ?変な奴だな」
「しかし、英子とあいつじゃ釣り合いがとれねぇよな」
「とりあえず、奴を手なずけておけば後は何とかなるだろ」
俺はそんなことをひとりごちていた。
奴が挙動不審になっていくうちに俺は落ち着きを取り戻し、しおらしい気持ちもいつしか失せていた。
再び、山本を使って英子とやり直ししたいと思うようになっていた。
268 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:29 ID:P9axuk8I
俺はマイルドセブンを取り出し一服した。にやりと笑いながら煙をゆっくりと吐き出した。
「話は終わったの?」
後からいきなり肩をたたかれて心臓が止まるほどびっくりした。
後には村上が立っていた。
「今更山本に謝って何してんのよ」
「男には男の事情ってもんがあんだよ。お前には関係ねぇよ」
俺は冷たくそう言った。
「何よーもうー」
村上はじゃれ付くように俺の頭をぽこぽこたたいた。
270 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:33 ID:P9axuk8I
俺と村上はまるで俺の悪巧みを知らない奴が見たら仲のいいほほえましいカップルにしか見えないかもしれない。
俺自身もそう思うくらい感じがよかった。
そこに、同じゼミの奴が来て「お前らこのくそ暑いのにいちゃいちゃすんなよ。見てるこっちが暑くなるよ」とかなんとか言ってからかってい言った。
「おいおい、そんなんじゃねぇよ」
俺はそいつに向かって言った。
271 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:36 ID:P9axuk8I
「いいじゃーん」
そう言うと村上は俺の腕にしがみついた。
「ひゅーひゅー」
やつらはそんなことをいいながら改札に向かっていった。
「じゃーなー」
「おう、じゃ次の発表はお前だからな」
「いちゃつきすぎてレジュメ作れなかったなんて言い訳するなよ」
「うっせーよ、早く帰れよ」俺は奴らに向かってそう言った。
273 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:41 ID:P9axuk8I
「ねぇケンタにでもよってなんか食べていこうよ〜」
「しょうがねぇな、じゃ、行くか」
俺たち2人は誰がどう見ようと完璧に仲のいいカップルのようにしか見えなかった。
大学からの帰り道でこんなことしていれば当然、皆に見られるのは分かっていたはずだった。
しかし、俺は山本を使い英子と仲直り、できれば元鞘に収まる方法を画策していたのでそこまで頭が回らなかった。
>>次のページへ続く
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