出会いはネットの某アプリ。
ちなみに緑のじゃなくて。
最初はただ単に、仕事のストレスやらを発散するために若い人と絡みたいがためにしていた。
だから設定も高校生にしていた。
顔写真載せれるアプリだったから、顔も自分のをハッキリわからない程度に載せた。
横顔だったけど、プロフとか適当に書いていたら女子高生が結構話しかけてきた。
それで優越感に浸ってた。
適当に絡んでて飽きたら ぶちり、また違う子と絡んで飽きたら ぶちり、の繰り返し。
ただその中に、一人だけブチらず絡み続けていた子がいた。
その子が後に彼女になる子だった。
その子とは何故か連絡が続いた。
写真載せていたけど、小さくてよくわからなかったし特別かわいいわけじゃなかった。
でも毎日続いた。
その子と同じ県で、高校二年生でサッカー部キャプテンという嘘の設定をしていた。
だから自然と会話も続いた。
高校生っていう設定してしまったものだから、仕事中も先輩社員の目を盗んではメールをできるだけ返すようにしていた。
それが1ヶ月間続いた。
ある日、彼女から疑われるようになった。
おれは県内の○○高校に通っているという嘘をついていた。
ある日 彼女から○○高校のサッカー部のキャプテンっていうの本当なの?
知り合いが その高校なんだけど××(おれの名前)くんなんて名前の子、二年生にいないっていってたよ。と言われた。
その時は、
ごめんごめん!嘘だよ!おれ○○高校じゃないんだよねー!
とうまくかわして難を逃れた。
その後も疑われ続けた。
土日どこへ行ったかと聞かれ地図を開き適当に地名をいうと、そこなにもないのに よく行ったねと言われたり、
学校の話になり 今授業で どんなことしてるのと聞かれた際も、数年前の記憶に頼ってはみたものの、それ中学生で習わなかったっけ?と突っ込まれる始末。
完全に嘘がばれてしまったと思ったし、彼女もわかっていたと思う。
母さんの影響で吉田拓郎が好きだった。
たまたま吉田拓郎のつま恋ライブの映像をYouTubeで見ていた。
吉田拓郎のライブに中島みゆきがサプライズゲストとして登場し、永遠の嘘をついてくれを歌っていた。
永遠のうそをついて、このままネットだけの関係で付き合っていくか。
または、本当のことをいって さようならをするか。
おれは葛藤した。彼女を失いたくなかったから。毎日この動画を見ては泣いていた。
そんなある日、とうとう彼女から ぶっこまれた。
××くんて大人っぽいよね。こんな高校生いない気がする。それに地名も間違えるし○○高校のサッカー部キャプテンっていってたのも、本当はうそなんでしょ?全部わかってたよ。笑 と。
彼女に嘘をついていたことに対する後悔と同時に、彼女を失うことの悲しさで頭が真っ白になった。
なあ拓郎、なあみゆき、永遠の嘘をつくべきなのか?それとも種明かしをするべきなのか?愛ゆえのことだったと本当のことをいうべきなのか?
毎日毎日悩んだ。
優越感に浸ることができたから何の後悔もないし、アプリも辞めようと思い、悩んだ結果、本当のことを言うことにした。
△△、おれ高校二年生じゃないんだよね。○○高校のサッカー部キャプテンでもない。本当は23歳の社会人一年目。
ごめんなさい嘘をついて。ただ、アプリを通して若い人とからみたかっただけなんだ。
今までありがとう。楽しかったよ。△△のことすきだよ!△△もこんなおれをすきになってくれてありがとう。バイバイ
そうメールした。
何もかもが終わった。
ほんの少しだけ高校生活に戻れただけで満足だった。