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数年前、自殺しようとしてた俺が未だに生きてる話
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362 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 10:38:49.76 ID:uGHuDPhd.net
「黙るってことは、あなたも頭では わかってるってことよ」
すると、レイはそう言った。
「けど、感情との折り合いがつかない」
「だから、怒っているのね」
「違う、そうじゃない」
けど、俺は しつこく言った。
「問題は親が遠回しすぎることなんだ。それがなかったら、俺だって少しは・・・・・・」
「少しは、何?」「建設的な関係を築ける?」
「・・・・・・そう思う」
「そうかしら」
しかし、レイは素っ気なく言った。
363 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 10:44:26.54 ID:uGHuDPhd.net
「あなたは親が遠回しに意見を伝えるのを嫌がってる」
「でも、あなたは?」
「・・・・・・俺?」
「そう」
「あなた」
「あなたは どうやって親に意見を伝えているの?」
「俺が? なんで俺が・・・・・・」
「伝えたいことがない、というのは、なし」
「他人に求めてることを、たまには自分に置き換えてみて」
「それが どんな要求か、よくわかるから」
「黙るってことは、あなたも頭では わかってるってことよ」
すると、レイはそう言った。
「けど、感情との折り合いがつかない」
「だから、怒っているのね」
「違う、そうじゃない」
けど、俺は しつこく言った。
「問題は親が遠回しすぎることなんだ。それがなかったら、俺だって少しは・・・・・・」
「少しは、何?」「建設的な関係を築ける?」
「・・・・・・そう思う」
「そうかしら」
しかし、レイは素っ気なく言った。
363 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 10:44:26.54 ID:uGHuDPhd.net
「あなたは親が遠回しに意見を伝えるのを嫌がってる」
「でも、あなたは?」
「・・・・・・俺?」
「そう」
「あなた」
「あなたは どうやって親に意見を伝えているの?」
「俺が? なんで俺が・・・・・・」
「伝えたいことがない、というのは、なし」
「他人に求めてることを、たまには自分に置き換えてみて」
「それが どんな要求か、よくわかるから」
364 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 10:50:06.96 ID:uGHuDPhd.net
他人への要求を自分に置き換えてみる?
「それはつまり、親も俺のことを遠回しな人間だと思ってるってこと?」
「はっきり要求を言えばいいのに、って思ってるって??」
「そう」「違う?」
「そんなことない」
俺はよく考えずに否定した。
「だって、俺はいつも・・・・・・」
あれ?
そこで俺は思った。
○○をして欲しい、だなんてはっきり親に言ったことってあったっけ。
365 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 10:58:19.33 ID:uGHuDPhd.net
「自分がしていないことを、他人に求めるなとは言わない」
「それが一方的な要求になるという認識さえあれば」
「けど、それもなしに要求が通らないと騒ぐのは間違い」
「他人はあなたの勝手な要求を飲む義理はないのだから」
「でも・・・・・・」
そう言われてもなお、俺は不服だった。
「相手は他人じゃなくて親なんだし・・・・・・」
「親でも人間関係であることに変わりはない」
「多少許容される範囲が広いだけ」
身も蓋もない言い方に、俺は少しむっとした。
366 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:01:29.63 ID:uGHuDPhd.net
「じゃあさ」
俺はふてくされて言った。
「俺も親の要求を呑む義理はないよな」
「だって、親の勝手な要求なんだから」
それはレイに対する皮肉のつもりだった。
親の言うことは絶対だ、そんな考えを俺は持ってたんだと思う。
しかし、俺の皮肉はすっぽ抜けた。
「ええ」
「聞かなくてもいいんじゃない?」
レイはこう答えたのだ。
367 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:13:47.71 ID:uGHuDPhd.net
「え、なんでだよ」
自分の言い出したことだというのに、俺は焦った。
「だって、親の言うことだぞ? 聞いた方が・・・・・・」
「あなたは本当に言うことが ころころ変わるのね」
今度はレイが皮肉を言った。
「親を批判しながら、今度はその言葉を聞くべきだというの?」
「それはだって・・・・・・」
「教えてあげる」
すると、レイはよくわからないことを言った。
368 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:22:58.71 ID:uGHuDPhd.net
「あなたは、誰の言うことも聞く必要はない」
「誰かの言葉通りに生きる必要もない」
「・・・・・・という、私の言葉さえ、本当は聞く必要はないの」
「わかる?」
「えっと・・・・・・わからない」
本音だった。
だって、親の言うことは聞くべきだ。
先生や、友達の言うことにも、耳を貸すべきだ。
誰もが そう口を揃えるし、そうでなかったら、実際どうするべきか わからないこともある。
「私は何も、すべて一人でやれと言ってるわけじゃない」
すると、レイは言った。
「あなたは他人の言葉に惑わされる必要はないって言ってるのよ」
369 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:27:38.73 ID:uGHuDPhd.net
「惑わされる?」
「ええ」
レイはうなずいた。
「だって、新聞の切り抜き一つで、あなたはどれだけ消耗した?」
「どれだけの時間を無駄にしたの?」
「それは、惑わされているからでしょう?」
「でも、それは・・・・・・」
「そんなものは無視することよ」
「直接、目を見て罵られたのなら怒るのもわかるけれど」
「新聞の切り抜きは、新聞の切り抜きで、それ以上のものじゃない」
「つまらない憶測で、自分を傷つけるのは無駄」
370 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:39:52.04 ID:uGHuDPhd.net
「でも、俺の親は こんな感じなんだ。だから、俺が思ったのは憶測なんかじゃなくて・・・・・・」
「それでも、よ」
レイの言葉は、静かだけれど力強かった。
「他人が何を考えてるかなんて、どうだっていいことなの」
「見えないし、聞こえない」
「馬鹿正直に憶測して傷つくことなんてない」
「あなたは、トゲが刺さると知りながら、目についたイガ栗を全部素手で拾おうとしてるの」
「他の人は、それを避けて歩いているのに」
「あなただけが、自分から拾ったイガ栗のトゲが痛いと嘆いてるのよ」
「そんなもの、拾わなければいいだけなのに」
>>次のページへ続く
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