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「娘さん下さい!」って言いに行くww
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45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:25:08.40 ID:4QDc0c6v0
週一で通っていた彼女の通塾日と俺の固定シフトがたまたま合ったのもあるだろうけど、それ以上に他の講師が彼女の授業に入りたくなかったのだと思う。
手間がかかる。反応をあまり見せない。なんてのがその理由だと思う。
大抵のバイト講師なんて適当に教えてりゃーいいだろって考えの人が多いと思う。かくいう俺も最初はそうだったしな。
だから、ダリーなぁ・・とも思いながらも最初の内は彼女の授業をこなしてい。
でもな、その内に筆談にも慣れ、他の小学生の生徒よりも飲み込みが早くてやる気があるその子を見るのが楽しくなってきたんだよなw
彼女は宿題も与えられた以上にこなしてきて七月に入るまでに六年生のテキストに突入した。
当初と比べるとやる気が違った。
そんなんだから傍から見れば難聴者の授業なんて面倒だと思うかもしれないけれど俺にとっては めちゃくちゃ楽なものになってた。
なによりも授業の終わりには決まって映画の話が楽しかった。
俺より詳しいと本気で凹んだなw
でも楽しそうにノートに映画の内容を書く彼女を見ていると愛らしくて気持ちが和んだ。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:29:09.57 ID:4QDc0c6v0
しばらく彼女の授業を担当していると先輩講師が「よく嫌がらずに面倒みてるなw」なんて同情してきやがった。
バイトといえどサービス・接客業に近い塾講師をやっているのにも関わらず髪は明るいし服装はだらしないし香水はきついし・・。
「いやー、楽しいですよw」
てめーみたいな野郎に教えられている生徒が可哀相だわwと思いながら その場はかわした。
時折、講師間で交わされるユウの話。馬鹿にしたようなその会話に反吐が出る。こんな空気の悪いバイト先辞めようかと思った。
でもそれを思いとどまらせてくれたのはユウだった。
週一で通っていた彼女の通塾日と俺の固定シフトがたまたま合ったのもあるだろうけど、それ以上に他の講師が彼女の授業に入りたくなかったのだと思う。
手間がかかる。反応をあまり見せない。なんてのがその理由だと思う。
大抵のバイト講師なんて適当に教えてりゃーいいだろって考えの人が多いと思う。かくいう俺も最初はそうだったしな。
だから、ダリーなぁ・・とも思いながらも最初の内は彼女の授業をこなしてい。
でもな、その内に筆談にも慣れ、他の小学生の生徒よりも飲み込みが早くてやる気があるその子を見るのが楽しくなってきたんだよなw
彼女は宿題も与えられた以上にこなしてきて七月に入るまでに六年生のテキストに突入した。
当初と比べるとやる気が違った。
そんなんだから傍から見れば難聴者の授業なんて面倒だと思うかもしれないけれど俺にとっては めちゃくちゃ楽なものになってた。
なによりも授業の終わりには決まって映画の話が楽しかった。
俺より詳しいと本気で凹んだなw
でも楽しそうにノートに映画の内容を書く彼女を見ていると愛らしくて気持ちが和んだ。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:29:09.57 ID:4QDc0c6v0
しばらく彼女の授業を担当していると先輩講師が「よく嫌がらずに面倒みてるなw」なんて同情してきやがった。
バイトといえどサービス・接客業に近い塾講師をやっているのにも関わらず髪は明るいし服装はだらしないし香水はきついし・・。
「いやー、楽しいですよw」
てめーみたいな野郎に教えられている生徒が可哀相だわwと思いながら その場はかわした。
時折、講師間で交わされるユウの話。馬鹿にしたようなその会話に反吐が出る。こんな空気の悪いバイト先辞めようかと思った。
でもそれを思いとどまらせてくれたのはユウだった。
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:31:52.99 ID:4QDc0c6v0
辞めようか悩んで突入した夏休み。
夏期講習なるものがあったが彼女は通常授業のみの参加。
俺もサークルなんかで忙しくて夏の間は一度も彼女と会わなかった。
その間にも他のバイト先をサークル内の人に教えてもらったりしてた。辞めてもっと割りのいいバイトにしようと思った。
んで夏休み明け。
授業が終わったら「大学が忙しいので辞めます」って教室長に言おうと決めていた。
担当表を確認。そこには一人彼女の名前があった。
久々だなーと思いながら彼女の下へ。
「久しぶりだねーw」ってノートに書くとユウは急ぐように それへの返答をペンで書く。
「先生の授業うれしい^^」って書いて それを指でさす。
そして言葉で「やった」って言った。
そして またリンツのチョコレートをくれた。
俺はバイト規則なんぞお構いなしに その場で口に入れた。
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:32:37.26 ID:4QDc0c6v0
「しー」
俺は人差し指を口元に持っていきそう言った。
ユウもコソコソとそれを ほお張って「しー」と同じ動作をして笑った。
海かどこかに言ったのだろうか小麦色に焼けた彼女が一瞬可愛いと思ってしまった。
もちろんロリに興味はなかった。
そういう性的な意味じゃなくて、自意識過剰なのかもしれないけれど、自分が少しでも誰かに必要とされていることが嬉しかったんだと思う。
ホントすっげー嬉しそうに笑うの。
中学・高校と共学だったにも関わらず浮いた話は一切なかったし、大学デビュー!と思ってもサークルでは地味な存在だったしね。
俺が隣に来るだけで喜んでくれる彼女を見てるとなんか無性に嬉しかった。
もちろん辞めようなんて既に思わなくなっていた。
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:38:13.28 ID:4QDc0c6v0
それから半年ずっとユウの授業を見ていた。
成績は概ね良好。
冬の頃には学校の授業の先取り、応用もこなすようになっていた。
俺も俺で授業に関係のない算数パズルみたいなもんを持ってきては解かせていた。
彼女も悩みながらも楽しそうに解いていたよ。
それに なによりもユウと筆談、それに会話をする機会も増えた。
教室長にも言われたが俺以外の先生とは ほとんど筆談すらもしないのに俺には心を開いてくれていると。なんかなーwと思ったが悪い気はしなかった。
俺から彼女についての話を聞くことは少なかったが彼女から俺の大学での話なんかを良く尋ねられていたな。
後、変わらず映画の話もね。
そして三月。
いつも通りの授業だが彼女にとっては最後の授業だった。
事前に教室長に知らされていた俺は若干の寂しさはあったが新たな旅立ちを祝う気持ちの方が勝っていた。
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:39:09.06 ID:4QDc0c6v0
最後の授業は中学校の準備講座だった。
文字と式辺りまでをサクサクと終わらせて いつもの雑談。
「せんせ、わたし、きょうてじゅくやめるの」
珍しく雑談で言葉を発してきた。
「知っているよ。中学校でも元気で頑張ってな」
俺は いつものようにノートに書き込む。
「せんせはまたいるの?」
「いるよー。たまには顔出してな」
またノートに。
「せんせ!」
なんか声が尖ってる。
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:41:16.54 ID:4QDc0c6v0
ついつい「どうした?」って言葉を発する。
「いま、しゃべってるの」
ああ、なるほど。彼女が読唇術を少し身につけていることを知っていた。
俺は口を大きく開けてゆっくりと会話をした。
「ごめんね」
「せんせ、わたしのじゅぎょたいへんたったてしょ?」
「ぜんぜん」
「めいわくをかけてごめんなさい」
「馬鹿wなんで○○ちゃんが謝るんだよ」
突拍子もないこと言うから早口になってしまった。
(関係ない話だけど早口は当然理解しにくい。それに区切りすぎるのも良くない。大きく口を開けて。なるべく短い文で話すのがよろし)
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:42:24.39 ID:4QDc0c6v0
彼女の表情は???ってなった。
「あやまらないで」
「うん」
彼女が席を立つ。
出口で彼女が口を開ける。
「せんせ、つくえのなかみてね」
周囲の視線が気になった。
いつもそうだったんだが、彼女の独特な喋り方は他の生徒、講師からの好奇な目を浴びてしまう。こっちみてねーで授業に集中しろ!と毎度毎度思っていた。
「わすれもの?」
彼女は首を振る。
俺は おkサインを出して彼女を見送った。
その日は彼女の授業で最後だったので机の掃除をしながら引き出しの中を覗く。
そこには二つ折りになった紙が入っていた。
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:43:59.60 ID:4QDc0c6v0
「俺先生〜、○○ちゃんが呼んでる」
教室長に呼ばれた。
俺は紙をポケットに入れて出口に行くと彼女が立っていた。
その後ろには彼女の母親も立っていた。
母親に会釈をして彼女の顔を見る。
「どうした?」
「しゃしん」
今では あまり手にすることのない使い捨てカメラを手にしていた。
「ん?」
「いっしょにとって」
顔を赤らめて言う彼女。ませてるなーなんて思いながらも快諾。
教室長にツーショットを撮ってもらった。
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/04(木) 14:45:32.34 ID:4QDc0c6v0
「娘がお世話になりました」
深々と挨拶をする母親。
「いえいえ、僕も楽しかったです」
「ありがとうございました」
もう一度頭を下げると母親は彼女を連れて帰っていった。彼女が車に乗り込み、見えなくなるまで俺は手を振った。
んで戻って帰宅。
家に帰ってスーツをハンガーに掛けていた時に例の紙の事を思い出した。
ポケットを探り取り出す。
開くと そこには彼女の綺麗な字で
『一年間ありがとうございました。先生の授業とても楽しかったです』
と書かれていた。
可愛らしい絵も添えられていた。
彼女は絵が得意だった。よくノートに書いていたよ。
俺は その紙を閉じて財布に入れた。
そして冷蔵庫からビールを取り出す。
その日のビールは少ししょっぱかった気がするんだぜw
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