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三十路の喪女に彼氏ができたときのお話
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214 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:44:26.63 ID:LZSY7jKs.net
「ねえ、そもそもだよ?どうして私にカウンセリング受けてるって伝えたいと思ったの?」
「謝りたかったから」
「なにを?どうして?」
「色々迷惑かけたし、ちゃんと報告しておいたほうがいいかなって…………………
ごめん違う。声聞きたかっただけ」
最後の一言は、早口でボソっと、吐き捨てるようでした。
だけどそれ聞いた瞬間、私は「うあああ!」みたいな声あげて泣きだしてしまった。
ほんと、それはそれは ものすごく突然の涙腺大爆発で自分でもわけわからないまま、携帯握りしめてわんわん泣いた。
215 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:44:59.51 ID:LZSY7jKs.net
「えっ、ごめん、どうした、ごめん」
うろたえたM君の「ごめん」攻撃。本当によく謝る人だ。
「………聞きたかった〜〜〜」
「え?え?なに?」
「私もM君の声、聞きたかった〜〜〜」
「ああ、そっか………いままでごめんな」
いやあ〜、文章にすると異様にこっぱずかしいね!
まあ、心の声なんて言っちゃうと、なんだかクサすぎちゃうけど。
でもこのとき、たったこれだけの会話だったのに ちゃんとそれ以上の気持ちが伝わった、という満ち足りた感覚があった。
たぶん、私たちがお互いに本音をぶつけた初めての瞬間だったんだと思う。
言葉は少なくても、いまだに心に残っている思い出深い会話だ。
217 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:45:27.32 ID:LZSY7jKs.net
私の涙は、わりとすぐ気が済んで引っ込んだ。
「あ〜、声聞けたから、今度はM君の顔が見たくなった〜。
ねえ、これからそっち行ってもいい?」
「それはだめ」
「…なんでまた即答なんだよー。まさか、いま君んちの前なんだ、とか?」
「え?………あー、気が利きませんで」
「じゃあ、今の全部ドッキリ?」
「…だとしたら、仕掛けられたのは俺だろ」
「だったらなんでよ?」
「話の展開が急すぎるんだよ…どの面下げて会えばいいのか、わからない」
………なんだよ!そんなことかよ!!
「そんなの、M君の面ならなんでもいいよ!」
「ねえ、そもそもだよ?どうして私にカウンセリング受けてるって伝えたいと思ったの?」
「謝りたかったから」
「なにを?どうして?」
「色々迷惑かけたし、ちゃんと報告しておいたほうがいいかなって…………………
ごめん違う。声聞きたかっただけ」
最後の一言は、早口でボソっと、吐き捨てるようでした。
だけどそれ聞いた瞬間、私は「うあああ!」みたいな声あげて泣きだしてしまった。
ほんと、それはそれは ものすごく突然の涙腺大爆発で自分でもわけわからないまま、携帯握りしめてわんわん泣いた。
215 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:44:59.51 ID:LZSY7jKs.net
「えっ、ごめん、どうした、ごめん」
うろたえたM君の「ごめん」攻撃。本当によく謝る人だ。
「………聞きたかった〜〜〜」
「え?え?なに?」
「私もM君の声、聞きたかった〜〜〜」
「ああ、そっか………いままでごめんな」
いやあ〜、文章にすると異様にこっぱずかしいね!
まあ、心の声なんて言っちゃうと、なんだかクサすぎちゃうけど。
でもこのとき、たったこれだけの会話だったのに ちゃんとそれ以上の気持ちが伝わった、という満ち足りた感覚があった。
たぶん、私たちがお互いに本音をぶつけた初めての瞬間だったんだと思う。
言葉は少なくても、いまだに心に残っている思い出深い会話だ。
217 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:45:27.32 ID:LZSY7jKs.net
私の涙は、わりとすぐ気が済んで引っ込んだ。
「あ〜、声聞けたから、今度はM君の顔が見たくなった〜。
ねえ、これからそっち行ってもいい?」
「それはだめ」
「…なんでまた即答なんだよー。まさか、いま君んちの前なんだ、とか?」
「え?………あー、気が利きませんで」
「じゃあ、今の全部ドッキリ?」
「…だとしたら、仕掛けられたのは俺だろ」
「だったらなんでよ?」
「話の展開が急すぎるんだよ…どの面下げて会えばいいのか、わからない」
………なんだよ!そんなことかよ!!
「そんなの、M君の面ならなんでもいいよ!」
218 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:46:02.50 ID:LZSY7jKs.net
てなことで、無理矢理押しきってM君のアパートへ向かったわけですけども。
道すがら、顔合わせたら一発目に何て言おう?と悩んで
やっぱり普通に、久しぶり〜とかにしよう!と思ってたのに。
アパートに着いて、出迎えてくれたM君の顔見た瞬間、思わず言ってしまった。
「……痩せた?」
「貧相ですいませんね… だからまだ会いたくなかったんだよ…」
もともと瘦せ型のM君が、一層ゲッソリとやつれていた。
219 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:46:24.84 ID:LZSY7jKs.net
いろんな思いがこみ上げてきて、そのままじっと見つめていたら
「はい、照れる照れる」とギュッとハグしてくれた。
やったー、M君だー! ちょっと骨当たるけどー!
なんて思ってたら、いきなりM君が「ぶふっ」と噴いた。
「………いま、笑った?」
「いえ、笑ってません」
「いま笑ったよね?なんで笑った?」
「いや…本当にスルメ食ってたんだな、と思って…」
なんで私たちには、こうも色気ってもんがないのかね…。
221 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:47:28.65 ID:LZSY7jKs.net
それからは たくさん話し合って
最終的に、私はM君がかかってるカウンセラーさんのお世話になることにした。共依存の問題は、そのまんまあるわけだし。
カウンセリング受けることには、全く抵抗がなかったわけじゃあないんだけども なんだろうなあ、仕事しながら健康診断受ける、みたいなもんでさ。
まあ、私たちを見守ってくれる誰かがいたっていーんじゃないの?と、私は軽く考えた。
222 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:47:59.41 ID:LZSY7jKs.net
でもM君は、私がカウンセリングを受けることについては、かなり難色を示した。
理由は、彼はカウンセリングを受けても、楽になったわけではなかったから。
むしろカウンセリングによって、それまで目を背けてきたものにも向き合わなければならなくなって ものすごいストレスに晒される羽目になっていた。
それが彼の激ヤセの理由。
それってカウンセリング受け始めた人には よくあることらしいけど M君は実にM君らしく、そこをこじらせて劇症化させていて 自分と付き合うために、私にこんな苦しい思いをさせてはいけない、と思ったそうだ。
どういうわけか彼は、誰もが自分と同じようになるわけじゃない、とは気づいてなかった。
223 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:48:54.96 ID:LZSY7jKs.net
だけど、そんな症状が出てしまうような体験を、私はしていないわけでさ。
一回一回のカウンセリングで、泣いたり吠えたり笑ったりして終了。
つまり、次回に持ち越してしまうような問題が、私にはなかったのね。
カウンセリングのあとはすっきりケロリンパ〜としている私に対して そのころの彼は、はっきり言って、ちょっとヤバイ人と化していた。
見た目は夏場のキタキツネみたいに、なんだろ、全体的にパサパサしてた。
あと、思考が そのまま口から出てくるみたいに、独り言が止まらなかった。
会話が途中から支離滅裂になることもときどきあったし 夜は眠れない、眠ればうなされる、食欲に関しては言わずもがな。
そんな七転八倒状態で、それでも本人は頑張るつもりでいたら「この状態のままカウンセリングを続けても無駄」とカウンセラーに言われてしまい
あのとき目の前に崖があったら、絶望のあまり飛び下りてたと後に本人は語ったw
224 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:49:48.06 ID:LZSY7jKs.net
そんなふうに書いちゃうと、カウンセラーから見捨てられたようだけど実際は そこからがカウンセリングの本番だったそうだ。
彼の「カウンセリングを受けたい」という気持ちは、いつの間にか「カウンセリングを受けなければ」という強迫観念にすり替わっていた。
そんなでは、どんなにカウンセリングを重ねてもよい結果にはならないわけで まずはその意識をひっくり返すとこからだったらしい。
そのころ、あまりにも様子がおかしいM君に不安になってカウンセラーさんに相談したら、「いまの彼は内部分裂中だから」と言われた。
226 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:50:12.34 ID:LZSY7jKs.net
自分を変えるために行動を起こそうとするM君と、親に忠誠を誓って、変わるまいとするM君。
その両者の戦いが、あの七転八倒状態を生み出していたわけだけど どちらの自分になるかを選べるのは、ご本人様ただ一人。
周りの人にできるのは、例えカウンセラーであっても、ただ見守るのみ。
M君は、あのころを乗り切れたのは私のお陰だと言ってくれるけど そこまでにたどり着けるかどうかは、やっぱり本人次第なわけだし
正直なとこ、私だってカウンセラーのアドバイスがなければ あのころのM君とは付き合えてなかったと思う。
227 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:50:48.37 ID:LZSY7jKs.net
カウンセリングの初日、私はカウンセラーさんから
「ここは問題解決の場ではありません。問題に向き合う自分を見つめる場です」
と言われた。
私はそれを「M君との恋愛相談は受け付けません」と捉えた。
たしかに、カウンセリング中の主人公は私。M君は私の人生の一登場人物でしかない。
カウンセリング受けるきっかけがきっかけなのでネタフリとして どうしてもM君の登場頻度は高くなる。
だけど、M君について話し合うわけじゃない。M君をきっかけに私の気持ちがどう動いたかとか、そんなのが中心。
だけど、カウンセラーってプロだよねえ。
当たり前なんだろうけど、M君の具体的な情報はピクリとも漏らさないんだ。
ただ、私の疑問を解くためにしてくれたお話がとても印象的だったので、最後にまとめて書いておきます。
228 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:51:20.40 ID:LZSY7jKs.net
M君は、本来とても素直で、かなり意志が強い人。
彼の両親は彼を放置していたようでいて、そんな彼をよく知っている。だからこそ、それを逆手にとって、親への忠誠心を育てあげた。
そして その二つがあったから、彼は自分で自分をより強力に束縛してしまった。
彼が日常生活で無気力なのは、自分を束縛することで力を使い果たしてたから。
普通ならリラックスするようなときでも、彼は自分を縛ることに全精力を注いでいる。
だから無気力なようでいて、本当は ものすごいエネルギッシュな人だと言える。
束縛が減っていけば、そこに集中させていた力を他の部分へ回せる。
そのパワーは、普通に生活していれば使う必要がないものなので誰もが持っているもの、というわけではない。
だからカウンセリングが進むうちに、思いもよらない才能が出てくる人もいる。
彼自身、彼の親、彼の生い立ち、彼がすごしてきた時間の全てが彼に力を与えてきた。
そんなふうに、彼の人生には無駄なものなんて何一つない。
…とのこと。
>>次のページへ続く
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