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なにかと縁のあるバレンタインデー
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「あはは、そうだったね〜」
こんな話をしていたと思う。
俺達は、バレンタインになると いつもこのことを思い出しては、話す。
そして佳織から貰うものは、決まってあのチョコだ。
・・・今は子供が手伝うので、綺麗な四角ではないが。
「おまえなあ、もうちょっと綺麗に切れよ!」
「だって包丁こわいんだもん!!」
「はぁ〜っ!?こわいっておまえ、おかーさんのほうが よっぽどこわいだろうが・・・・あだっ!!!」
バスケットボールを俺に投げつけたのは、娘ではなく佳織だった。
「お父さん!」
「す、すいません・・・」
「わ〜、パパ怒られてる〜」
「お前らは黙ってろ!!」
『お前ら』っていうのは、俺達は2つの命を授かったからだ。2卵生双生児で、男と女が1人ずつ。
娘のほうは佳織によく似て生意気で強く、顔も昔の佳織にそっくりだ。息子は俺によく似ている、と、佳織は言う。
まあ、多分、娘は佳織に似て料理が好きだし、良い嫁さんになってくれることだろう。子供2人ともバスケが大好きで、休日といえば俺達4人でバスケをしに出かけた。
・・・少し話しが飛んだが、結婚式をあげたのはバレンタインデーで、そして子供が生まれたのはなんと翌年のバレンタインデー・・・
俺達はよっぽど縁がある日なのかもしれない。
結婚してすぐ、『まだ たまに吉村さんを見かけるのでキモチワルイ』と佳織は言うし、それに いつまでも同棲してるのに2部屋あるのもおかしいだろう、ということで俺達は地元に戻って、佳織のおじいさんの代からある、使っていない荒地を頂いて、一軒家を建てたのだ。
金銭的にまだまだ厳しい部分もあるが、俺と佳織は同じ会社に就職し、一生懸命働いている。
ある日の兄妹喧嘩・・・
「お母さん!!こんな奴よりもっと優しい妹が欲しい!!」
「お母さん!!こんな奴よりもっと強い弟がほしいよ!!」
俺達は、腹をかかえて笑った。
こいつらも今度から小学生、そろそろ・・3人目か?なんて、思ったりする。
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