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俺と犬と女の子の話
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35 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:00:11.22 ID:cJd8/Z8B0
ごめん、パンツはいた
36 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:02:18.46 ID:mav3knV20
恵「私、高校生の時に彼氏がいたんだけど、デート中に交通事故に巻き込まれて亡くなったの。」
もうこの時点で何話したら良いか分からなかった。
恵「私だけ助かったのが申し訳なくて、辛くて、悲しくて、しばらく学校には行けなかった。」
恵「それでも2ヶ月くらいしてから学校に行った。そうしたら知らないうちに私が彼を殺したってことになってたの。」
恵「彼のことを好きだった子が流した話だったんだけど、彼女はそもそも私のことを嫌っていたみたいで友達も多かったせいか、気付いたら私の居場所は無かった。」
恵「私は誤解を解こうとしたけど、思い込みからスタートしてるんだからそんなのが通用する相手じゃなかった。そもそも私もそこまでできるだけの余裕が無かった。」
恵「結局私は留年してから卒業したの。」
38 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:07:46.30 ID:mav3knV20
恵
「高校を卒業する時になっても進学は考えなかった。でも何か仕事をと思っても何も無い。」
恵
「それくらい当時は追い詰められてた。そんな時に犬の訓練士のことを知ったの。」
恵
「もともと犬は好きだったから、住み込みで働かせてもらうことになった。」
恵
「お給料なんてお小遣い程度だったけど、犬と一緒にいられるのは楽しかった。でもそれもすぐに潰えた。」
恵
「所長は私のことを凄い可愛がってくれた(変な意味では無く)。でもそれが先輩たちには気に食わなかったのね。」
恵
「所長の見てないところで色々嫌がらせをされた。レイプ紛いのことも、された。」
ごめん、パンツはいた
36 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:02:18.46 ID:mav3knV20
恵「私、高校生の時に彼氏がいたんだけど、デート中に交通事故に巻き込まれて亡くなったの。」
もうこの時点で何話したら良いか分からなかった。
恵「私だけ助かったのが申し訳なくて、辛くて、悲しくて、しばらく学校には行けなかった。」
恵「それでも2ヶ月くらいしてから学校に行った。そうしたら知らないうちに私が彼を殺したってことになってたの。」
恵「彼のことを好きだった子が流した話だったんだけど、彼女はそもそも私のことを嫌っていたみたいで友達も多かったせいか、気付いたら私の居場所は無かった。」
恵「私は誤解を解こうとしたけど、思い込みからスタートしてるんだからそんなのが通用する相手じゃなかった。そもそも私もそこまでできるだけの余裕が無かった。」
恵「結局私は留年してから卒業したの。」
38 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:07:46.30 ID:mav3knV20
恵
「高校を卒業する時になっても進学は考えなかった。でも何か仕事をと思っても何も無い。」
恵
「それくらい当時は追い詰められてた。そんな時に犬の訓練士のことを知ったの。」
恵
「もともと犬は好きだったから、住み込みで働かせてもらうことになった。」
恵
「お給料なんてお小遣い程度だったけど、犬と一緒にいられるのは楽しかった。でもそれもすぐに潰えた。」
恵
「所長は私のことを凄い可愛がってくれた(変な意味では無く)。でもそれが先輩たちには気に食わなかったのね。」
恵
「所長の見てないところで色々嫌がらせをされた。レイプ紛いのことも、された。」
39 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:10:49.25 ID:mav3knV20
恵
「ある時、1頭の犬を任されたの。でもそれは普通の見習いが任されるより早かった。」
恵
「所長は『恵には期待してるから』と言ってくれたけど、周りはそうじゃ無かった。」
恵
「所長に色目を使ったとか色々言われた。それでも私はトレーニングをして、その犬を競技会に出したの。」
恵
「それがたまたま好成績でね。これがまた先輩たちは気に食わなかったみたい。」
恵
「だから所長に『もう出ません』と言うと、これもまた気に食わなかったみたい。もうどうしたら良いか分からなかった。」
恵
「そんな時にお母さんが亡くなったの。未練が無かったと言えば嘘になるけど、その時に私は訓練士になることを諦めた。」
40 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:18:43.29 ID:mav3knV20
恵
「>>1はまだ若いし、本当ならこの世界に求められるだけの力もあると思う。でも、それだけじゃないんだよね。」
恵
「この世界は表に出ないだけで物凄くどす黒い世界だと思う。それはある程度のレベルにならないときっと分からない。」
恵
「でもきっと>>1はそれを知ってしまう時が来る。それだけ>>1はできると私は思ってるし、実際そうだと思う。」
恵
「その時に周りに屈するか、己を貫けるかは人次第なんだろうけど、>>1には貫いて欲しい。」
恵
「きっと自分ができなかったことを押しつけてるだけなんだろうけど、>>1には今のままの>>1でいて欲しい。」
大体こんな感じのことを言われた。
翌日メールが来た。
「昨日は暗いこと言ってごめんなさい。でも私は>>1のこと応援してるからね。一度も>>1の競技見たことないけど(笑)>>1の一番のファンだと思ってます。」
41 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:25:04.63 ID:mav3knV20
それからしばらくして俺とライリックは北海道に向かった。
ライリックは初めての船でめちゃくちゃテンション上がってたw
それでも前日には着いて、場慣らしをしてその日は就寝、翌日に備えた。
競技会当日、万全とは言い難かったけどそれなりにライリックは動いてくれた。
点数も上々で成績発表が終わった時点ではトップだった(この競技会は決勝戦が無かった)。
が、俺は致命的なミスを犯していた。
競技会の規定ではポケット等に何も入れてはいけないとなっている。だから普段は携帯も財布も全て出していたのが、この日に限って誤ってボールを入れっぱなしにしていた。
気付いたのは競技終了後。
「やべーwww」と言って周りと笑ってたけど、最終成績が出てからクレームが出た。
後で聞いた話だと、クレームを付けたのは2位だったペアー。関東からの遠征組だった。
審査員も俺を守ってくれようとしたけど、これは規定上仕方ないことなんで受け入れた。
結局俺は失格という扱いになった。
少しだけ恵の言葉を思い出した。
44 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:32:18.94 ID:fcQV27Qn0
ボダコ飼いたいよボダコ
いつかボダコでディスクやるんだ
46 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:41:08.44 ID:mav3knV20
>>44
獣医として言わせてもらえば、皿投げは止めとけ
歯悪くするし、後ろ足にトラブル抱える子が多い
整形外科を専門にしてる獣医にとっては良いお客さんになるけどね
45 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:32:44.14 ID:LOevEpO7O
出る杭は打たれるってやつか
まあ規定に書いてあるなら仕方ないのかもしれないけど
46 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:41:08.44 ID:mav3knV20
>>45
この時は完全に俺が悪かったと思う
でも同じようなことが前にもあったらしい
その時は2位だった人がトップだったせいか、何も言わずに終わったらしい
結局自分が勝ちたいだけかと思ったのは正直なところ
47 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:44:01.65 ID:mav3knV20
この1件があって以来、俺の目標は完全に秋の本部競技会に定まった。
恵もばつの悪そうな顔をしながら「仕方ないよね」と言っていた。
そんなこんなで迎えた秋の本部競技会。
前日入りして少し練習したけど、その日は強風だったのもあって指示が届かずイマイチな感じ。
翌日に少し不安を残しながらその夜は寝た。
48 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:46:58.34 ID:mav3knV20
翌日、前日とは打って変わって好天だった。むしろ秋にしては暑いくらいだったと思う。
その中で迎えた競技会、残念ながら動きはイマイチ。
今までは犬任せでやっていたのもあったけど、この頃には自分で犬をコントロールする術もある程度覚えていた。
なるべく減点にならない程度のレベルで犬を動かした。
それでも点数は97.9点。今回もダメか……
自分の成績が出た時点では一応トップだったけど、さすがにこの点数では自信が無かった。
恵にメールを送ると「全部出てからまた連絡して」とだけ返ってきた。
49 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:53:54.06 ID:mav3knV20
それから数時間後、全ての結果が出揃った。
この時は7つのグループに分かれていて、俺がいたのはFグループ。
97.9点を超えているペアーはいなかった。
ややパニックになりながら恵に電話をした。
俺「なんか決勝戦残ったんやけど。」
恵「良かったじゃんwww」
俺「でも動きがイマイチ過ぎて自信ねー。」
そのあと少し間を置いてから恵が続けた。
恵「あのさ、昔私が「信頼してるから犬を動かせる」って言ったの覚えてる?」
50 :名も無き被検体774号+:2012/03/22(木) 22:55:13.06 ID:mav3knV20
当然覚えていた。
俺の中では犬を信頼しているから動かせるんだと自己解決していた言葉だった。
恵
「あれからしばらく>>1と練習してて、>>1は2つは信頼してると思ったの。」
俺「2つ?」
そもそも信頼してるのって1つじゃないのか?という疑問がよぎった。
恵
「そう2つ。>>1に訓練を教えてくれた先生、それと>>1に着いてきてくれたライリック。この2つ。」
恵
「でも>>1は最後の1つを信頼してなかった。今度はそれを信頼しなさい。」
俺
「最後の1つって何?」
恵
「訓練を教えてくれた先生、着いてきてくれたライリック。最後に信頼するのは、ここまで来れた自分自身よ。自信持ってやりなさい。」
電話を切ってから、一目に触れないように少し泣いた。
それだけ信頼してくれる恵が、それだけ俺を見てくれている恵のことが嬉しかった。
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