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不思議な友人と暮らしたひと夏の想い出をぽつぽつ語る
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153 :M子 :2018/08/23(木) 18:54:07.26 ID:Ho539xn7p.net
「イチ寂しがりだしね…たぶん相当ツチノコのこと好きなんだと思うよ。」


「だよなぁ…そもそも、俺はネットでしか恋愛できねぇーんだって。本気で惚れられたら困る。たぶん丸ごと全部好きになっちまってるよ、アイツ。俺の体も含めて。ドラ子ごと好きって意味だろそれ。無理だって。

ドラ子の人生はドラ子のものだ、俺が邪魔して良いモノじゃねぇんだよ。」


「…………何でイチと付き合ってんの、もはや。」


「別に嫌いじゃねぇんだから突き放せないだろ簡単に、可愛いな、とは思うし。

特にイチは、俺が突き放したらコミュニティから消えると思う。あーもー…恋愛マジで向いてねぇ、今更過ぎた。」


「ま、まあ、取り敢えず今夜イチに電話してみなよ、久しぶりに声聞いたらなんか変わるかもしれないし。わたし別に気にしないからさ。」


ツチノコがこう言う話をちゃんとするなんて正直驚いた。


あまり言いたくはないけれど、わたしもツチノコも、ついでに姫も。数年前、コミュニティの中で遊び人で名を馳せてしまった事があった。

若気の至りというか。そんな彼がイチの好きをきちんと受け入れて返事をした。それなりに覚悟のある気持ちだったんだろうと思う。

単純に、二人の仲が上手いこと行けばって気持ちと、わたしが邪魔しちゃってたのかって罪悪感とで「電話したらいい」なんて口走ってしまったけれど。この言葉を後悔するのはもう少し後の話。



154 :M子 :2018/08/23(木) 18:55:59.23 ID:Ho539xn7p.net
「まあほら、俺のことは良いんだよ、M子はどうなんだよ、彼氏と。」


「え?ああ、上手くやってるよ。」


そう、わたしには彼氏がいる。少し遠いところにいる彼。

同性愛の気が強かったわたしが、唯一身を委ねられた相手。離れるなんて気はなくて、きっとこの人と結婚して一生を過ごすんだろうとうっすら思ってる。


彼の口から同棲、なんて言葉が出たのは去年の話。

もちろん わたしにとっては嬉しいことだけど…なんとなくこの気ままな生活が愛おしく思えて、好き勝手したかったのかもしれない。

同棲前最後の羽伸ばしで しばらくこうして色々と自分の好きなことをしていた。

ツチノコもわたしもお互い変な関係にならないだろうと思ってたのは、お互いに恋愛に至らないそれなりの理由があったからだ。

タイムリミットは、夏の終わり。

夏が終わるのと一緒に、この不思議な生活は終わる。





155 :M子 :2018/08/23(木) 18:59:57.97 ID:Ho539xn7p.net
その日の夜。

ドラ子が難しい顔でスマホと睨み合っていた。理由なんて聞かなくてもわかる。


「そろそろイチとの電話の約束の時間でしょ?ツチノコどこ行ったの。」


「うーん…わからんけん。なんや出てこんのよなぁ、困った。イチくんから連絡来とるみたいやし…。

というかわたしもう眠いっちゃ、ほんまにこんな時間から電話すると?」


仕事終わりだからかふてくされた様子でそこにはいないツチノコへの不満をぶつけるドラ子。

彼女のスマホにはぴょこんぴょこんとSNSアプリの通知(byイチ)が降って来てるが、一向にツチノコは姿を見せず。


「しゃーない、わたしが電話したら無理にでもツチノコ出てくるやろ。掛けてみよ。」


髪を乾かしてごろごろとスマホゲームに勤しみながらその様子を横目に見ていた。

ドラ子がイヤホンをして、電話を掛ける。

「………おーイチ、久し振りじゃん。仕事終わり?お疲れさん。」


――お見事。

ドラコの狙い通り、電話に出たイチの声を聞いた途端いつものツチノコの声のトーンになってた。


つくづく彼女の人格の入れ替わりは不思議だ。操れるのかと言えばそうでもなさそうだけど、案外と好都合。元を辿れば精神病だからそんなこともあるのかと思うけれど。




156 :M子 :2018/08/23(木) 19:02:18.85 ID:Ho539xn7p.net
イチの声は聞こえないけれど、楽しそうに話すツチノコの声でやっぱ連絡とって正解かな、なんてこちらまで嬉しくなる。


仕事の資料をまとめたりなんだりして、そろそろ寝る時間。電話はどうするのかなぁ…と思ってたところ。

マイクをミュートにしたらしいツチノコに話しかけられる。


「悪い、なんか、このまま電話繋いで寝落ちる流れ…。」


「あれま、たまには良いじゃん。わたしは気にしないけど…朝、気を付けないとわたし話しちゃいそう。」


「それはまずい…いや、朝になったら即切る。ほんとごめん。あーこうなるから嫌だったんだよ…。」


時間は深夜0時近いし、社畜二人にはもう限界の時間。


「いーよいーよ気にしてないしwさて、寝ましょうかね。と言うかわたし聞いてて気まずくない?空気だと思ってくれて良いよwww」


「いや気まずさゼーロー、と言うか俺もすぐ寝そうだし。」


軽口を叩きながらいつも通り二人並んでベッドに入る。

さすがに電話口のイチがミュートの状態を不審に思い始めたらしい、この距離だとツチノコを呼ぶ彼女の声も聞こえる。

″つーくん″って呼ばれてんのこの人…ええ…にやける…。



157 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 19:18:19.80 ID:Ho539xn7p.net
眠りにつこうとツチノコに背を向けて目を閉じた。

…が、聞いちゃいけないとは思いつつ、どうしても耳に声が届く。

「お?トイレ行くのか?よっしゃこれはついにトイレにイチと一緒に…あ、こら、おいミュートにすんな。」

……おい、どんな会話してんだよwwwだから変態のレッテル貼られるんでしょうお兄さんwww

って言う悪ふざけは序盤だけ。眠くなるとさすがに二人ともなんとなーく甘い雰囲気になってきたみたい。

人が誰かに甘え倒して寝るところをわたしは初めて目の当たりにした。いや、見てはないから耳当たり?


「つーくん眠そう、今日も一日お疲れ様、よーしよーし。」


「だー、なんで俺がされてんだ。よしよしは俺の役目だろ。」


「いーの。いつもしてもらってるから、ふふ。たまにはさせて?好きだよ、つーくん。」


とても、恥ずかしい、わたしが。何なのこれwww


変にくすぐったくなってからかってやろうかとツチノコの方へ寝返りを打った。同じタイミングでわたしの体にツチノコの手が伸びてきて抱き寄せられる。

抱き寄…え?なんで?抱き寄せ?

疑問符を頭上に浮かべてる間に暗闇の中でぱちりとツチノコと目があった。


「よーしよし、俺も好きだよ。」


整った顔に穏やかな笑み。わからないのは、その瞳がわたしを捉えて離さないこと。その綺麗な手がわたしの髪を撫でたこと。

イチに重ねて、わたしにそうしたのは、何故?酷く優しい仕草と表情のせいで、胸が苦しくなる。

こんな感覚は、知らない。いや、知りたくない。

戸惑って揺れる表情を見られたくなくて、彼の胸に顔を埋めて眠りに就いた。




158 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 19:31:35.52 ID:Sepz5OsRH.net
これ出版したらそこそこ売れるんじゃないか?



162 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 19:49:44.88 ID:Ho539xn7p.net
>>158
ええ、嬉しいお言葉(´・ω・`)

でもわたしがもし出版するならこんなにネタをぶっ混みません(´・ω・`)

ありのままだからほんとにぐちゃってるw




160 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 19:46:59.08 ID:r93PrhhF0.net
舎弟ちゃん(だよね?)の名前がイチだから1と混ざって一瞬混乱したw

1はM子になったんだわな


164 :名も無き被検体774号+ :2018/08/23(木) 19:51:04.31 ID:Ho539xn7p.net
>>160
そーそーそーなの。

イチは別の子なんです(´・ω・`)

ややこしくてごめんよ(´・ω・`)



161 :M子 :2018/08/23(木) 19:48:36.62 ID:Ho539xn7p.net
イチ「…せっかく電話したのにすぐ寝ちゃうんだよね……ねえ、ちゃんと聞いてる?M姉。」


M子「あ、あーあー聞いてる、聞いてるよ。」


とてつもなく気まずい状況にいます、M子です。

あれ以来、何度か二人の寝落ち電話を耳にしてるんだけど、ついにそれ以来初のイチからの相談電話を受けてる。

M子「あーえっと、仕事が忙しくて話せてもすぐ寝ちゃうから、電話しないほうが良いのかなって話だっけ?」

イチ「うん、わたしは声が聞きたいけど、彼が疲れてるなら無理強いはできないし…。」

M子「あー…ええと、何だろうな。仕事が忙しいとほら、最低限の生活を送る事が限界というか。」

けど、わたしとは毎日一緒に寝る。


M子「忙しい人にとっては夜の一時間だって、頑張って頑張って捻出した一時間だと思うんだよね。」

けど、わたしと出掛けるのは苦じゃないって言う。


あああああ!何なんだ。思えばわたしがいるからイチとツチノコは満足に電話もできないし、この子すげー悩んでる訳で。イチが欲しいものを、わたしが奪ってる…?


イチ「うん、わかってる。わたし、彼のこと好きなんだ。すごく好き。付き合う時に、彼にいつも笑って欲しいって思ったの。

なのに、わたしが苦しめてるのかな。いつから間違っちゃったんだろう。どうしたらいいかわかんないや。」


電話口でイチが困ったように笑う。こんなに健気な子の幸せを、わたしは奪ってるんだろうか。

いやでも、ツチノコが望んでわたしと…いや、望んでるの?転がり込んでるのはわたしじゃないか。


イチ「M姉?」


M子「え?あ、ごめんごめん。その気持ちがあるなら、もう少しだけなんか、彼のこと信じて待ってみようよ。きっと、忙しいだけなんだよ、今はさ。」


心が酷く乱れる。理由が、まったくわからない。


イチ「ありがとうねM姉。きっと苦しめてるってわかってても諦められないから、もう少し歩み寄ってみる。

でも悪いことばかりじゃなくて。今度ね、彼と会うの。彼の家で。

次の週末に泊まらせてもらうんだ。今からもうその日が楽しみなの。えへへ。」


″彼と会うの、彼の家で″。





>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 純愛, メンタル,
 


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