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妻が隠れて喫煙するようになった理由
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由香里「だからね、確証は無いらしいんだけど、麻美さん、栗本以外にも付き合っていた人がいたらしいの。」


私「・・何で、お姉さんが知ってるの。」

由香里「その人、お姉ちゃん達の会社の人らしいから。」


私「誰だそいつ。」


私は何時しか、由香里に対する口調が荒々しくなっていました。

確証は無いにしろ、私にして見れば一度ならずも二度までもという感じで、妻に対する怒りを由香里にぶつけていました。


由香里の話を要約すれば、妻の会社に妻と同期の阿部という男性社員がいる、その男とは私も何度か面識があった。

妻が過去に一度出産と育児のため会社辞めた時期に、由香里の姉がその阿部と付き合っていた時期が有ったらしい。

妻が再雇用された時期に、何度か妻と阿部が二人きりでスキーやハイキングと称して出かけた事が有ったというのである。

その頃には、由香里の姉も阿部とは付き合いを止めていたので、とがめる事が出来ずにいたらしい。

とは言っても、過去に付き合いのあった男ですから、由香里の姉としても多少の嫉妬心からか、忠告の意味も含めて、阿部に対して人妻と関係してはいけないと言うと、阿部は肉体関係を否定したらしいが。。

由香里の姉の目には、二人の関係が同僚以上に見えて仕方なかったらしい。


その話を聞いたときの私は、茫然自失、徐々に妻に対しての怒りが頭の中を支配しました。

由香里「やっぱり、話さなければ良かったかな。ご免ね。」

私「・・・いや、ありがとう。」

由香里「大丈夫、本当にごめんね。」


私の頭の中では、妻に対しての詰問の数々が渦巻いていました。

私は一人起き上がると身支度を始めました。

由香里「帰るの。」

私「あぁ。」


由香里「さっきの話、確証は無いんだからね。私から聞いたなんて言わないでね。」

私「解ってるよ、大丈夫。」


-------------------------

由香里の部屋を出て、家に着いたのは11時近くだった。

私は何故か駆け込むように家へ入り、二階の寝室へ上がった。

ドアを開けると、妻がベッドに横たわりガラムを吸いながらこっちを見ていました。


ドア閉めバックを机の脇に置き、クローゼットの前に立った私は、さっきの話をどうやって妻に切り出そうか考えながら、気持ちを落ち着かせる為大きく息を吸いました。

部屋の空気は、ガラムとアルコールの匂いが混じりあった独特の匂いがしました。


妻「遅かったのね。また、彼女のところ。」

私「あぁ。だったらどうした。」


妻「別に何も。」

私「また、栗本から教えてもらったガラム吸ってるのか。」


妻「タバコくらい良いでしょ。別に浮気してる訳じゃないんだから。」


酒の力も手伝ってか、妻の口調も少し棘があるように思えました。


私「そうやって、ガラム吸っているのも、まだ、栗本の事を忘れられないからじゃないのか。」


妻「あの人の事はもう関係ないわ。そんなに言うなら止めれば良いんでしょ。」


妻の口調は段々荒くなっていきました。


私「まあいい、お前に確認しておきたい事がある。」

妻「何を。」


私「栗本のことはもう解ったが、それ以外に、俺に隠している事は無いか。」

妻「何のこと、タバコだってこうやって貴方の前ですってるし。」


私「そんな事を聞いてるんじゃない。」

妻「他に何も無いわよ。」


私「本当に心当たりは無いんだな。」


妻の顔が青ざめていくのが、ハッキリと解りました。

妻は自ら話始めました。


妻「誰から聞いたの。」

私「誰だっていいだろ。」


妻「阿部さんのこと・・・」

私「ああ、そうだ。」


妻「隠すつもりは無かったの。貴方に話そうと思ったけど、栗本の件で、これ以上話したら誤解されると思ったから。」


私「誤解って何をだ。」
妻「・・・浮気していたと思われるのが嫌だった。」


私「浮気してたんじゃないのか。」

妻「違います、貴方も知っている様に、同期の人だから、友達の感覚で遊びに行ったりしただけ。」


私「そんなこと俺は知らなかったぞ。何で俺に黙って、二人きりで行くんだ。」

妻「・・・言えば貴方が嫌な思いをすると思って。」


私「俺に隠す時点で、やましい気持ちがあったんだろ。友達だなんて、子供だましは止めろよ。」

妻「・・・本当に友達としてしか・・・」


私「寝たのか。」

妻「それはしてません、絶対に。」


私「信じられないな。」

妻「・・・ごめんなさい。それだけは信じてください。」


私「お前は、何時からそんな女に成ってしまったんだ。栗本の時と同じように、添乗の仕事と言って俺を騙していたのか。」

妻「・・・」


私「麻美、答えてくれよ・・・」


私の目からは大粒の涙が止めどなく流れ、どうしようも有りませんでした。

言葉を発しない私の顔を見た妻は、私の涙に気づき大きな声で泣きき始めました。思えば妻の前でこんな自分を見せたことは無かった様に思う。

私は涙を拭うこともせず妻に近寄り話しかけました。


私「麻美、本当のことを言ってくれ。」

妻「・・・これ以上のことは何もありません、本当です、信じてください。」


私「阿部とは何で、一緒に出かけるようになったんだ。」

妻「貴方に内緒にしたのは、本当に悪かったです。何故そうしたのか、私にもよく解らない。寂しかったと言ったら嘘になる。でも、家や仕事以外の楽しみが欲しかった。」


私「結局、俺はお前にとって何だったんだろうな。」

妻「貴方ごめんなさい、今更何を言ってもしょうが無いのは解ってます。でも貴方と別れたくない。貴方を他の人にとられたくない。私の我儘(わがまま)だってこと解ってる、でも・・・」


人は時として、過ちを犯します。

それは私も例外では有りません、しかし、その過ちを理解し許すことは、並大抵のことではありません。

私は、それを持ち合わせている人間ではありませんでした。

同時に、包容力の無さに自らを卑下し、男として妻を守りきれなかった自分に情けなさを感じました。

その時私は、妻をきつく抱きしめていました。

私「麻美、お前を守って遣れなかった。お前を攻めることしか出来ない。許して欲しい。」

妻「・・・」


私「もう、こんなこと終わりにしようよ。」

妻「終わりって。」


私「・・・」

妻「嫌だー。」


私は、泣き叫ぶ妻を胸の中で受け止めて遣るしか出来ませんでした。

不倫の代償は大きいものです、すべてのケースがそうとは言いません。

私達の場合は、余りにもその代償が高く付いたケースでしょう。


>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:浮気・不倫, 寝取られ,
 


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