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私「随分早かったな、栗本は何て言ってた。」
妻「掛けなおすそうです。」
妻の電話の内容から不倫の発覚を察知した栗本は、その場を取り繕い、会社の事務所からまた電話すると言い残し電話を切ったそうで
す。
時間も夜の10時を過ぎていたでしょうか、栗本から電話がある間、私は妻を攻め始めました。
私「やっぱり、おまえ達は確信犯だな。あんな約束事まで二人の間にはあったのか?」
妻「・・・ごめんなさい。」
私「結局、栗本にお前の方から電話して誘ってたと言うことか。」
妻「違う、私から誘ったりしてない。」
私「どう違うんだ。」
妻「夜ポケベルに彼から連絡があったときに、私から電話してたけど、何も無い時は私から電話はしていない。」
私「どっちにしろ、連絡に応答していること自体が誘いに応じているという事だろ。」
妻「そういう事になるかも知れません。」
私「なるかも知れないじゃないだろ、自己弁護するなよ。」
妻「はい、すみません。」
私「そのうちお前は、みんな栗本が悪いとでも言い出しそうだな。」
妻「・・・」
妻がまた黙り込むと、我に戻った私はふと気付きました。もう直ぐ掛かってくる栗本の電話に対して、私自身なんの準備もしていないことに。
どう切り出すのか、何から話すのか、どういう態度口調で望むのか、そんなことを考えているうちに電話がなりました。
私に視線を合わせた妻に対して、無言のまま電話に出るよう、顎を動かし指示しました。
妻は電話に向かい、一度深呼吸して気持ちを落ち着けるようにゆっくりと受話器を取った。
妻「はい○○です、」
栗本「・・・」
妻「私、麻美です。」
栗本「・・・」
妻「主人に替わります・」
栗本「・・・」
妻「でも、私は言えない。」
栗本「・・・」
妻「とにかく話をして下さい、お願いします。」
受話器の向こうで栗本が何を言っているのか、私には想像もつきません。
ただ妻が受話器に向かい、泣きながら栗本に私と話をするように頼む姿が見えるだけでした。
私に電話を替わるでもなく、状況に変化の起きない事に腹を立てた私は、妻を怒鳴りつけた。
私「何をウジウジ話してる。」
受話器を手で覆いながら、私の方を向きながら妻が言うには、日を改めてご主人とは話をすると栗本が言っているとの事。
私は我を忘れ妻に駆け寄り、奪うように受話器を取った。
私「おい、日を改めるとは、どういう事だ。」
栗本「・・・」
私「おい、聴いているのか。」
栗本「聞いてる。」
私「聞いてるなら、きちんと答えろ。」
栗本「今日は、お遅いし日を改めて・・・」
私「お前も、こいつも(妻)今日は遅いの何だの、お前たちのした事が解っててそんな事を言ってるのか。」
栗本「・・・」
私「今からそこに行く、どこに居るんだ。」
栗本「明日にして貰えないですか。」
私「だから、何で今じゃ駄目なんだ。」
栗本「・・・直ぐ戻ると、女房に言ってきたし・・・」
私「何言ってんだ、お前の奥さんも呼べはいいだろ、何れ解るんだ。」
栗本「それだけは、勘弁して下さい。」
栗本という男は、私よりも5歳ほど年上でしたが、私の恫喝に近い口調に年齢が逆転したような言葉遣いになっていくのが、私には手に取るように解りました。
私「とにかく今から行く、事務所に居るのか。」
栗本「はい。」
私「奥さんも呼んでおけ。」
私に視線を合わせた妻に対して、無言のまま電話に出るよう、顎を動かし指示しました。
妻は電話に向かい、一度深呼吸して気持ちを落ち着けるようにゆっくりと受話器を取った。
妻「はい○○です、」
栗本「・・・」
妻「私、麻美です。」
栗本「・・・」
妻「主人に替わります・」
栗本「・・・」
妻「でも、私は言えない。」
栗本「・・・」
妻「とにかく話をして下さい、お願いします。」
受話器の向こうで栗本が何を言っているのか、私には想像もつきません。
ただ妻が受話器に向かい、泣きながら栗本に私と話をするように頼む姿が見えるだけでした。
私に電話を替わるでもなく、状況に変化の起きない事に腹を立てた私は、妻を怒鳴りつけた。
私「何をウジウジ話してる。」
受話器を手で覆いながら、私の方を向きながら妻が言うには、日を改めてご主人とは話をすると栗本が言っているとの事。
私は我を忘れ妻に駆け寄り、奪うように受話器を取った。
私「おい、日を改めるとは、どういう事だ。」
栗本「・・・」
私「おい、聴いているのか。」
栗本「聞いてる。」
私「聞いてるなら、きちんと答えろ。」
栗本「今日は、お遅いし日を改めて・・・」
私「お前も、こいつも(妻)今日は遅いの何だの、お前たちのした事が解っててそんな事を言ってるのか。」
栗本「・・・」
私「今からそこに行く、どこに居るんだ。」
栗本「明日にして貰えないですか。」
私「だから、何で今じゃ駄目なんだ。」
栗本「・・・直ぐ戻ると、女房に言ってきたし・・・」
私「何言ってんだ、お前の奥さんも呼べはいいだろ、何れ解るんだ。」
栗本「それだけは、勘弁して下さい。」
栗本という男は、私よりも5歳ほど年上でしたが、私の恫喝に近い口調に年齢が逆転したような言葉遣いになっていくのが、私には手に取るように解りました。
私「とにかく今から行く、事務所に居るのか。」
栗本「はい。」
私「奥さんも呼んでおけ。」
栗本「・・・」
私「解ったのか、とにかく行くからそこで待ってろ。」
私は、一方的に電話を切り、隣に立っていた妻の袖を掴むと、寝室を後にした。
-------------------------
栗本の会社の事務所は、車で10分ほどのところに有ります。
事務所の前に車を止めると、中から栗本らしい男が出てきて、こちらに向かい頭を下げています。
車から降りると栗本が無言でドアを開けたまま事務所に入っていった。
事務所に入ると、応接室の前で栗本がこちらへどうぞ、賓客を招くかのように、深々と頭を下げた。
私の後ろに隠れるようについて来る妻は終始俯いたままです。
私は促されるままにソファーに座ると妻が私の隣に座ろうとしたので、お前はそっちだと、栗本の隣に座るように指示しました。
私に隣に座ることを否定された妻は、声を上げて泣き出した。
妻がソファーに腰を下ろすと、栗本が立ち上がり炊事場の方に行こうとするのを静止し、私は話し始めた。
私「お茶ならいらない、奥さんは。」
栗本「すみません。」
ソファーに腰を降ろしながら栗本がそう言った。
過去に面識の有った栗本の印象は、年下の人間を上から見下すような言動を取る男という印象があったためか、目の前にいる栗本はまるで別人のように思えた。
おどおどして眼が泳ぎ、まがりなりにも企業の専務と言った感じには到底見えなかった。
私「奥さん呼べと言ったよな。」
栗本「すみません。」
私「すみませんじゃないだろ、奥さんを呼べよ、今すぐ。」
栗本「・・・」
私「返事をしろよ。」
栗本「女房にだけは・・・お願いします。」
私「他人の家をめちゃくちゃにしておいて、自分の家は守りたいのか、むしが良すぎないか。」
栗本「すみません、何でもしますから。」
私「馬鹿野郎、そんなに家が大事なら最初からこんなことするなよ。」
栗本「もう奥さんとは会いません、私の出来ることは何でもします。」
私「もう会わない、それで済む問題じゃ無いだろ、その程度の気持ちでお前ら遣ってたのか。」
私は栗本に対して、社会的な立場を認識させる意味も込めてあえて栗本を専務で呼んだ。
私「専務さん、これからどうする気なの、俺の家はもう終わりだよ。」
妻「貴方、私が悪かった許して下さい。」
私の怒りが治まりそうも無いことを認識した栗本は、自己保身の言い訳をし始めた。
栗本「○○さん、私も○○さんと同じで婿養子です、妻や儀父母にこのことが知れると、私はこの会社にも居られなくなりのす。」
栗本が婿養子であるということは初耳でした、しかしその身勝手な言い分に私の怒りは増すばかりでした。このことが私の口から出る言葉に辛辣さを増して行きました。
私「お前ら、セックスがしたいだけで、後のことは何も考えてなかったのか。」
栗本「・・・」
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私「解ったのか、とにかく行くからそこで待ってろ。」
私は、一方的に電話を切り、隣に立っていた妻の袖を掴むと、寝室を後にした。
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栗本の会社の事務所は、車で10分ほどのところに有ります。
事務所の前に車を止めると、中から栗本らしい男が出てきて、こちらに向かい頭を下げています。
車から降りると栗本が無言でドアを開けたまま事務所に入っていった。
事務所に入ると、応接室の前で栗本がこちらへどうぞ、賓客を招くかのように、深々と頭を下げた。
私の後ろに隠れるようについて来る妻は終始俯いたままです。
私は促されるままにソファーに座ると妻が私の隣に座ろうとしたので、お前はそっちだと、栗本の隣に座るように指示しました。
私に隣に座ることを否定された妻は、声を上げて泣き出した。
妻がソファーに腰を下ろすと、栗本が立ち上がり炊事場の方に行こうとするのを静止し、私は話し始めた。
私「お茶ならいらない、奥さんは。」
栗本「すみません。」
ソファーに腰を降ろしながら栗本がそう言った。
過去に面識の有った栗本の印象は、年下の人間を上から見下すような言動を取る男という印象があったためか、目の前にいる栗本はまるで別人のように思えた。
おどおどして眼が泳ぎ、まがりなりにも企業の専務と言った感じには到底見えなかった。
私「奥さん呼べと言ったよな。」
栗本「すみません。」
私「すみませんじゃないだろ、奥さんを呼べよ、今すぐ。」
栗本「・・・」
私「返事をしろよ。」
栗本「女房にだけは・・・お願いします。」
私「他人の家をめちゃくちゃにしておいて、自分の家は守りたいのか、むしが良すぎないか。」
栗本「すみません、何でもしますから。」
私「馬鹿野郎、そんなに家が大事なら最初からこんなことするなよ。」
栗本「もう奥さんとは会いません、私の出来ることは何でもします。」
私「もう会わない、それで済む問題じゃ無いだろ、その程度の気持ちでお前ら遣ってたのか。」
私は栗本に対して、社会的な立場を認識させる意味も込めてあえて栗本を専務で呼んだ。
私「専務さん、これからどうする気なの、俺の家はもう終わりだよ。」
妻「貴方、私が悪かった許して下さい。」
私の怒りが治まりそうも無いことを認識した栗本は、自己保身の言い訳をし始めた。
栗本「○○さん、私も○○さんと同じで婿養子です、妻や儀父母にこのことが知れると、私はこの会社にも居られなくなりのす。」
栗本が婿養子であるということは初耳でした、しかしその身勝手な言い分に私の怒りは増すばかりでした。このことが私の口から出る言葉に辛辣さを増して行きました。
私「お前ら、セックスがしたいだけで、後のことは何も考えてなかったのか。」
栗本「・・・」
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