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嫁童貞の自分がビッチと出会って恋をした
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56 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 21:35:41.64 0
かおりさんの連絡先は知っていた。電話番号だけ。
知った理由は、自分の結婚式に出てほしいと電話するため。
自分が結婚式を挙げる時期、かおりさんは諸事情により長期間、会社を休んでいた。
でも、電話をかけようとは思わない。会社にいるときに、たくさん話をすればいいんだと思っていた。
社内にある唯一の給湯室。そこに誰が入っていくかは、かおりさんの席からは丸見えだ。
だから、自分がコーヒーでも飲もうと給湯室に行くとかおりさんが必ずやってきた。
そこでする会話なんて、他愛もないものだった。
昨日、子供がなにしたとか、旦那がこんなこと言ったの酷くないとか、この服買ってきたんだ〜かわいいでしょ?みたいな、これまでとそんなに変わらない会話だった。
57 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 21:39:45.66 0
でも、ひとつだけこれまでと変わったところがあった。
会話も終わりに差し掛かると、かおりさんはあの潤んだ瞳でこちらを微笑みながら見てくる。
自分も、かおりさんの顔を微笑みながら見る。
数秒ほど見つめあい、最後に満面の笑みを見せてかおりさんが言う。
「・・・それじゃ、仕事に戻ろっか☆」
『そうっすねwww』
「またね・・・」
『ういっす!』
お決まりの別れの会話。そして現実に戻る。
たったこれだけで、本当に幸せだった。
58 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 21:47:06.59 0
・・・回想
高校はクラス全員男子で、女の子とつながりなんてなかった。
部活と勉強に打ち込み、地元から離れた大学に行った。
地元から離れて、知っている人間なんていなかった。
もさい高校生活と比べて、大学生活は周りにたくさんの女の子がいた。
女性経験などない自分であったが、もともとおしゃべりであったこともあってサークルなどでもすぐに打ち解けた。
嫁さんとはサークルの同級生で、大学に入ってすぐに付き合った。
紆余曲折を経て、大学卒業後ちょっとしてから嫁さんと結婚した。
その間、いろいろな女の子と遊んだ。でも、遊んだだけでそれ以上の関係にはならなかった。
見た目は肉食系だったが、周りからは嫁さん(当時は彼女)に飼いならされていると思われていたため、向こうも何も思ってこなかった。
今思えば、何も思ってこなかったと思っていたのは自分だけだったのだが。
かおりさんの連絡先は知っていた。電話番号だけ。
知った理由は、自分の結婚式に出てほしいと電話するため。
自分が結婚式を挙げる時期、かおりさんは諸事情により長期間、会社を休んでいた。
でも、電話をかけようとは思わない。会社にいるときに、たくさん話をすればいいんだと思っていた。
社内にある唯一の給湯室。そこに誰が入っていくかは、かおりさんの席からは丸見えだ。
だから、自分がコーヒーでも飲もうと給湯室に行くとかおりさんが必ずやってきた。
そこでする会話なんて、他愛もないものだった。
昨日、子供がなにしたとか、旦那がこんなこと言ったの酷くないとか、この服買ってきたんだ〜かわいいでしょ?みたいな、これまでとそんなに変わらない会話だった。
57 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 21:39:45.66 0
でも、ひとつだけこれまでと変わったところがあった。
会話も終わりに差し掛かると、かおりさんはあの潤んだ瞳でこちらを微笑みながら見てくる。
自分も、かおりさんの顔を微笑みながら見る。
数秒ほど見つめあい、最後に満面の笑みを見せてかおりさんが言う。
「・・・それじゃ、仕事に戻ろっか☆」
『そうっすねwww』
「またね・・・」
『ういっす!』
お決まりの別れの会話。そして現実に戻る。
たったこれだけで、本当に幸せだった。
58 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 21:47:06.59 0
・・・回想
高校はクラス全員男子で、女の子とつながりなんてなかった。
部活と勉強に打ち込み、地元から離れた大学に行った。
地元から離れて、知っている人間なんていなかった。
もさい高校生活と比べて、大学生活は周りにたくさんの女の子がいた。
女性経験などない自分であったが、もともとおしゃべりであったこともあってサークルなどでもすぐに打ち解けた。
嫁さんとはサークルの同級生で、大学に入ってすぐに付き合った。
紆余曲折を経て、大学卒業後ちょっとしてから嫁さんと結婚した。
その間、いろいろな女の子と遊んだ。でも、遊んだだけでそれ以上の関係にはならなかった。
見た目は肉食系だったが、周りからは嫁さん(当時は彼女)に飼いならされていると思われていたため、向こうも何も思ってこなかった。
今思えば、何も思ってこなかったと思っていたのは自分だけだったのだが。
59 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 21:55:36.27 0
時はちょっとだけ進む。
2月、繁忙期、くそ忙しい毎日。
そんな中、会社の所属する協会活動のイベントがあった。
今年はうちの会社の当番であったため、受付や司会、会場設定等の仕事が山のようにあった。
社長にこの大役を任されたのは、司会がうまい上司、コンピュータ系に詳しい先輩、何でも屋の自分と、会社でも受付嬢をしている かおりさんだった。
割り振りを社長と上司が決める。
受付と会場案内は自分とかおりさんになった。
イベントには、懇親会もある。
毎回懇親会の後は、社長や上司はじめ、偉い人たちはお酒を飲んで、そのまま夜の街へと接待で消えていく。
会場も会社から離れているため、社員も各自の移動手段で解散となる。
60 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 22:01:48.20 0
懇親会では、参加費用を徴収する。
そのため、受付と経理も担当するかおりさんは会社に戻ってこなくてはいけない。
これは、2人きりになるチャンスかもしれない。
本能は理性を凌駕し、良くも悪くも都合のいい方向へと思考させる。
イベントまでの間、自分は根回しする。できるだけ、みんな直帰するように促す。平日のど真ん中であるため、みんな簡単に了承する。
あとは、会場に一緒に行く先輩をどうするか。その一点のみだった。
そうこうするうちに、イベント当日を迎える。
61 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 22:10:04.90 0
イベント当日。
スーツでビシッと決めた自分を、またポ〜っと顔を赤らめてみるかおりさん。恋する乙女ってのは、やっぱかわいい。
しかし、トラブルが発生する。
上司が「これだけの人数では準備が大変だろうから」と、余計な気を回し後輩を急きょ一人準備係に追加したのだ。人生はうまくいかない。
しかも、確率論なんて無視して悪いことは重なってゆく。このときは、わからなかった。
62 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 22:14:27.02 0
会社の1BOXに荷物を積み込み、さあ行きましょうと声をかける。
先輩と後輩は、なぜか後部座席に座った。必然。
助手席には、かおりさんが座った。
近い。とにかく近い。かおりさんの匂いがする。なぜにこうも女の人ってのはいい匂いがするものなのか。
お互い落ち着かず、運転席と助手席の2人では会話が続かない。
かおりさんが、後ろの2人に話を振る。でも、あまりにも不自然。だって、わざわざ後部座席に振り返って話をしているのだから。
しかも、自分とは逆・・・つまり左側を向いて。
普通なら座りながら、あるいは真ん中のシートとシートの間から顔を出して話をするもんだろうwwwこの人も動揺してるな・・・ちょっと笑ってしまった。
63 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 22:21:29.69 0
そんなドキマギした車は、イベント会場に到着する。
すでに社長たちは来賓の方とラウンジでコーヒーをすすりながら打ち合わせしていた。
イベントが始まる。
受付なんて、イベントが始まってしまえば荷物の番くらいしかやることはない。
会場の配慮でコーヒーが出された。
かおりさんとズズっとすすりながら、会話をする。
本来、写真撮影の係も兼ねていた自分は、急きょ追加された後輩に全てを任せ受付にいた。
かおりさんと会話をいても、考えることがただ一つ。いかにして、先輩を帰らせるかだった。
64 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 22:27:58.77 0
・・・懇親会も終わりに近づく。
『先輩!社長たちをお願いしますよ!あの人ら、次の日会社来ないくらい 飲むんだからwww』
本音は、とにかくどこでもいいから飲みに消えてくれ、だった。
今考えれば、不自然極まりない。明らかに先輩は排除対象であったし、自分は全力で排除しようと動いていた。
結局、先輩は折れず会社までかおりさんと3人で帰ることになった。
朝の後輩の急きょの追加、先輩の排除失敗。悪いことってのは、重なるね。
悲劇のヒーローのような気持ちで帰路につく3人。
しかし、かおりさんが突然こう言いだした。
「○○さん(先輩のこと)!今から代行呼んでおけば、すぐに帰れるよ☆」
・・・え?自分はそのかおりさんの策士っぷりに脱帽した。
そうだね、と言い先輩は代行を呼ぶ。会社に到着し、荷物を降ろしていると代行が来た。薄情な先輩は、代行来たから帰るわ!と消えていった。
いまさら消えんなよ・・・。
そして気づいた。これで、僕らは2人きりだということに。
65 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 22:33:28.66 0
荷物を降ろし終える。別にやることなんてない。このまま帰ってもいい。
時刻は21時前だった。
しかし、お互いに帰らない。いや、帰れない。
給湯室で何かをしているかおりさん。
無駄にテレビを見る自分。
「・・・ビールでも飲もうか?」
『ええと、会社の冷蔵庫にありましたっけ?』
「ちょっと待って・・・う、ないや・・・」
『う〜ん、どうしましょwww』
「おし!ち、近くの居酒屋行こう!ね☆?」
歩いて居酒屋に向かう。酒を飲んでも、やはり会話はあまり弾まない。
しかし、雰囲気は悪くない。
今日のイベントの反省や、かおりさんの旅行の話など。
ところどころ話が切れるものの、それでも悪くない。
2人でいれることが、こんなにも居心地がいいとは思わなかった。
66 :名無しさんといつまでも一緒:2013/10/27(日) 22:40:03.24 0
1時間くらい飲んだだろうか。
かおりさんが、そろそろ出ようかと言ってきた。
お会計を済ませ、店を出る。
『かおりさん、代行でしょ?呼ばなくていいんすか?』
「うん、そうだけど・・・会社に戻ってから呼ぼうかな☆」
なんで会社に戻ってから呼ぶのかな?自分でフラグを立てておいて、相手のフラグには全く気付かない。
とある小説や漫画に出てくる、右手に類まれなる力を宿しているツンツン頭の主人公ばりの鈍感力。
かおりさんはトイレに行くといって会社に入る。自分も会社に入ったものの、なぜか電気はつけようとしなかった。
ここらへんも、本能的に何が起こるか期待して、悟っていたんだろうな、と思う。
>>次のページへ続く
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