誤解の代償
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「やっぱり何か有ったのですね。普通にしていなんて言い方、おかしいじゃ有りませんか。私酔ってるから言いますけど、奥様は浮気しているんじゃ有りませんか?」
余りに突然の言葉に、言葉が出ません。
「実は、次長が単身赴任している時に、一度ご自宅に伺った事が有るんです。
確か、近くに行く用事が有るので、奥様に伝える事か何か用事は有りませんかと、電話を差し上げたと思います。
その時は、何も無いと言われましたが、奥様はどんな方だろうと好奇心から御邪魔してしまいました。
その時、奥様は、慌てて服を着てきた様な感じで、髪も乱れていて・・・。
それに玄関には、男物の靴が有ったので、次長が帰っていらしゃるのかと思いました。
そう聞くと、奥様少し動揺された様な感じがしました。確証は有りませんが女の勘で、ぴんと来るものが有りました。
次の日に出張で次長の所へ行ったのですが、その事は言えませんでした。
だって証拠も、何も有りませんし、そんな事は言い辛くて。
だから私、一寸した悪戯をしたんです。
次の日に奥様がいらっしゃるのは知っていましたから、次長の部屋に行って、女の痕跡を残しました。
料理をしない男の人が、余り必要としない物を残したり、ブラシに私の髪の毛を付けたり、それとシーツの目立たない所に、口紅を付けておきました。
私なりの奥様への警告のつもりでした。」
私は唖然とするしか有りません。
「何故そんな事を?どうして・・・・」
「私にも分かりません。・・いや分かっているけど言えません。」
私の目をしっかりと見つめる彼女と、この日を境に距離が接近して行きました。
--------------------
ホテルに戻ると、もう午前1時を過ぎていました。
ベッドに入っても、妻の事や彼女の事が頭に浮かび、なかなか眠れずにいると、携帯に妻からの着信が有りましたが、出るつもりは有りませんでした。
ホテルのベッドは寝辛く熟睡が出来ずに辛い朝でしたが、出社すると休んだ分だけの仕事に追われ、気が付くと もう終業時間になっていました。
まだ仕事が残っていましたが、身体が辛く早めに退社する事にして、帰り仕度をしていると、彼女から前夜の事を気にしているような事を言って来ました。
「酔いすぎてしまって、妙な事を言ったかもしれません。申し訳有りませんでした。あれから ご自宅に帰られたのですか?」
「いやホテルに泊まったよ。今日は帰ろうと思っているけどね。」
何か言いたそうな彼女を、お茶にでも誘おうかと思いましたが、その日は家に帰って、妻と話しをしょうと決めていました。
当分の間 帰らずにいようと思っていましたが、何か逃げている様な感じがして、腹立たしくなっていたのと、頻繁に掛かる妻からの電話に、閉口してしまいました。
いざ帰路に着くと、何を話すべきか何も考えていなかった事が気になります。
『なる様にしかならないさ。俺の気持ちは決まっているんだ。』
玄関の前に立つと、あの日の事を思い出し、やり切れない気持ちになってしまいましたが、そんな事を考えている時では無いと自分に言い聞かせます。
ドアを開けると、妻が飛び出して来ました。
「貴方何処へ行っていたの!何回も携帯に電話したのに出てくれないし。心配したんだから。」
この女は、何を心配したのでしょうか?何故こんなに平然として居られるのか、不思議で仕方が有りません。
「何処に行ってい様と、心配する事は無い。別に疚しい事も無いしな。
お前は何をしていた?また男のマンションに行ってたのか?あそこは交通の便の良い所では無いから、通うのも大変だろう。
この前、お前の車が停まっていたが、路上駐車は止めた方が良いぞ。」
妻の表情が、明かに変わりました。
「余り、俺を舐めるなよ。
まあ、全ては終った事だ。好きにすれば良いさ。
お前は離婚届けに、サインさえしてくれれば良いんだ。もうしてくれているだろう?」
「・・・・いいえ、していません。する気持ちは有りません。」
「お前、何を考えているんだ?勝手な事ばかり言ってると思わないか?好き放題しておいて、自分の思い通りになるなんて、都合の良い事を考えるべきでは無いな。その位は分かるよな?」
「こんな所で話していてもしょうが無いわ。中に入ってよ。」
私がリビングに入って行くと、妻が玄関のドアに鍵を掛ける音が聞こえました。
ソファーに座ると、妻はビールとつまみを用意して来ましたが、私は手を付けませんでした。
キッチンでまだ何かしている様子です。
「何をしているんだ?俺はお前と話しにに来たんだ。飯を食う為に来たんじゃないぞ。」
妻は手を止め、向かいのソファー腰を落としました。
「分かったわ。じゃあ、貴方のしてきた事は何なの?ここ何年か、私を女として見てくれたかしら?私は貴方にとって何なのかしら?」
「何を言いたい?自分のした事を正等化しようとでも思ったか?余り都合の良い事は言うなよ。」
妻の思ってもいなかった反撃が、何を意味するのか分かりませんでした。
「私が貴方を裏切った事を、許してとは言わないわ。でもね、私も女なの。貴方には分からないかも知れないけれど、私は本当に寂しかったのよ・・・」
そう言うと激しく泣き出し、話をするどころでは無くなりましたが、
「泣けば良いと思っても駄目だ。そんな事で済まされる事では無い。
お前が前に言っていた事は全て嘘だ。それに女だからって何だと言うんだ。
俺に何を求める?あの男とお前は まだ続いているのだろう?
俺に求めて得られ無いものが あいつに有るのなら、あいつの所に行けば良い。離婚するそうだからな。
お前も離婚届にサインして自由になれば好きに出来るだろう。」
「・・・あの人とは、もう何も有りません。」
「俺に嘘を言って、あいつのマンションに行っておいて、そんな事信じられると思うか?都合の良い事ばかり言うなよ。」
「あの時は、本当に何も無かったの。信じてもらえないだろうけど、何も無かった。」
「それでは お前が言っていた、浮気の理由が出鱈目だったのは何だ?
奥さんが言っていたが、あいつが別居する原因はお前だったそうだな。
よくもそんな酷い事を。お前とあいつの絆を感じるよ。その絆をもっと強くする方が良いんじゃ無いのか?
色々大変な事も有るだろうが、その方が楽だと思うけどな。」
「・・・そんな事無いわ。そんな事・・・」
より激しく泣き出し、私はこれ以上の話は無理だと思い、ただ天井を見詰める事しか出来ませんでした。
私はホテルに戻ろうかと思いましたが、妻がそれを許してはくれませんでした。
夕食を食べると、やはり馴染んだ味は、外食では味わえないものです。それでも、余り箸は進みません。
そんな時、妻の携帯が鳴りました。
相手を確認して慌てて切った様なので、私は携帯を取り上げ履歴を見てみても、番号だけで誰からかは分かりませんが、見当は付きます。
妻の携帯からリダイヤルしてみると、
「どうして切るんだ?旦那が居るのか?」
やはりあの男でした。
「俺だよ。亭主だよ。こんな時間に掛けてくれば、俺が居るのは当たり前だろう。それとも、出て行って帰らないとでも、聞いていたか?」
私が出た事に驚いたのか、男は何も言わずに切ってしまいました。
「昨日も逢ったのか?こんな時間に電話を掛けて来るのは おかしいじゃないか。俺が居ないと知って居たんだろう?」
「・・・ええ。昨日電話が有って。」
「それで逢ったのか?そうなんだろう?もう何も言わないから、本当の事を言ってくれ。」
男と女が、禁断の愛に心を染めてしまえば、簡単には後戻り出来ない事でしょう。私だって、そんな経験をしてしまえば、どうなるか分かりません。
私達夫婦が元に戻る事は、2度と無いだろうと思いました。
「いいえ、逢ったりしていない。
あの人のマンションに行ったのは、まだ続いているからじゃ無いの。
確かに、何度も電話は有ったわ。もう奥さんと別れるから、一緒にならないかって言われたわ。
あんまり何度も来るから、会ってはっきり断ろうと思って行っただけで何も無かった。
それを貴方が知っていたとは思わなかった。
嘘をついて行ったのは悪かったと思います。
でも、どんな理由が有っても、二人で会うとは言えなかった。
疑われても仕方がないけど・・・。ごめんなさい。」
真剣な表情で訴える妻の言う事は、本当の事なのかも知れませんが、そうで無いのかもしれません。
1年前で有れば、信じる事が出来たのかも知れません。でも今は、鵜呑みには出来なくなっています。
信じ合える事は、夫婦にとって最小限の必要事項で有る筈です。それが崩れてしまった以上、もう夫婦でいる必要は無いのでしょう。
この時、私の中に彼女の存在が有ったのは言うまでも有りません。
それが どんな結末を迎えるのかは、この時は考えてもみませんでした。ただ、夫婦としての歴史よりも、今の平静を求めていました。
--------------------
その夜、妻は私を求めて来ました。
答える気持ちは無かったのですが、このところ女性と関係を持っていなかったので、身体が反応してしまい応じてしまいましたが、それは彼女と そんな関係になった時の予行演習の様なもので、暫らく妻にはした事が無いセックスをしました。
縛ったり、バイブを使ったりはしません。
その代わり、散々焦らしてみました。
妻は思った通りに乱れ、男とのセックスを想像させるものでした。
朝、何か気持ちに変化を感じていました。妻への感情に大きな転機を迎えた様です。
妻の表情が、明かに変わりました。
「余り、俺を舐めるなよ。
まあ、全ては終った事だ。好きにすれば良いさ。
お前は離婚届けに、サインさえしてくれれば良いんだ。もうしてくれているだろう?」
「・・・・いいえ、していません。する気持ちは有りません。」
「お前、何を考えているんだ?勝手な事ばかり言ってると思わないか?好き放題しておいて、自分の思い通りになるなんて、都合の良い事を考えるべきでは無いな。その位は分かるよな?」
「こんな所で話していてもしょうが無いわ。中に入ってよ。」
私がリビングに入って行くと、妻が玄関のドアに鍵を掛ける音が聞こえました。
ソファーに座ると、妻はビールとつまみを用意して来ましたが、私は手を付けませんでした。
キッチンでまだ何かしている様子です。
「何をしているんだ?俺はお前と話しにに来たんだ。飯を食う為に来たんじゃないぞ。」
妻は手を止め、向かいのソファー腰を落としました。
「分かったわ。じゃあ、貴方のしてきた事は何なの?ここ何年か、私を女として見てくれたかしら?私は貴方にとって何なのかしら?」
「何を言いたい?自分のした事を正等化しようとでも思ったか?余り都合の良い事は言うなよ。」
妻の思ってもいなかった反撃が、何を意味するのか分かりませんでした。
「私が貴方を裏切った事を、許してとは言わないわ。でもね、私も女なの。貴方には分からないかも知れないけれど、私は本当に寂しかったのよ・・・」
そう言うと激しく泣き出し、話をするどころでは無くなりましたが、
「泣けば良いと思っても駄目だ。そんな事で済まされる事では無い。
お前が前に言っていた事は全て嘘だ。それに女だからって何だと言うんだ。
俺に何を求める?あの男とお前は まだ続いているのだろう?
俺に求めて得られ無いものが あいつに有るのなら、あいつの所に行けば良い。離婚するそうだからな。
お前も離婚届にサインして自由になれば好きに出来るだろう。」
「・・・あの人とは、もう何も有りません。」
「俺に嘘を言って、あいつのマンションに行っておいて、そんな事信じられると思うか?都合の良い事ばかり言うなよ。」
「あの時は、本当に何も無かったの。信じてもらえないだろうけど、何も無かった。」
「それでは お前が言っていた、浮気の理由が出鱈目だったのは何だ?
奥さんが言っていたが、あいつが別居する原因はお前だったそうだな。
よくもそんな酷い事を。お前とあいつの絆を感じるよ。その絆をもっと強くする方が良いんじゃ無いのか?
色々大変な事も有るだろうが、その方が楽だと思うけどな。」
「・・・そんな事無いわ。そんな事・・・」
より激しく泣き出し、私はこれ以上の話は無理だと思い、ただ天井を見詰める事しか出来ませんでした。
私はホテルに戻ろうかと思いましたが、妻がそれを許してはくれませんでした。
夕食を食べると、やはり馴染んだ味は、外食では味わえないものです。それでも、余り箸は進みません。
そんな時、妻の携帯が鳴りました。
相手を確認して慌てて切った様なので、私は携帯を取り上げ履歴を見てみても、番号だけで誰からかは分かりませんが、見当は付きます。
妻の携帯からリダイヤルしてみると、
「どうして切るんだ?旦那が居るのか?」
やはりあの男でした。
「俺だよ。亭主だよ。こんな時間に掛けてくれば、俺が居るのは当たり前だろう。それとも、出て行って帰らないとでも、聞いていたか?」
私が出た事に驚いたのか、男は何も言わずに切ってしまいました。
「昨日も逢ったのか?こんな時間に電話を掛けて来るのは おかしいじゃないか。俺が居ないと知って居たんだろう?」
「・・・ええ。昨日電話が有って。」
「それで逢ったのか?そうなんだろう?もう何も言わないから、本当の事を言ってくれ。」
男と女が、禁断の愛に心を染めてしまえば、簡単には後戻り出来ない事でしょう。私だって、そんな経験をしてしまえば、どうなるか分かりません。
私達夫婦が元に戻る事は、2度と無いだろうと思いました。
「いいえ、逢ったりしていない。
あの人のマンションに行ったのは、まだ続いているからじゃ無いの。
確かに、何度も電話は有ったわ。もう奥さんと別れるから、一緒にならないかって言われたわ。
あんまり何度も来るから、会ってはっきり断ろうと思って行っただけで何も無かった。
それを貴方が知っていたとは思わなかった。
嘘をついて行ったのは悪かったと思います。
でも、どんな理由が有っても、二人で会うとは言えなかった。
疑われても仕方がないけど・・・。ごめんなさい。」
真剣な表情で訴える妻の言う事は、本当の事なのかも知れませんが、そうで無いのかもしれません。
1年前で有れば、信じる事が出来たのかも知れません。でも今は、鵜呑みには出来なくなっています。
信じ合える事は、夫婦にとって最小限の必要事項で有る筈です。それが崩れてしまった以上、もう夫婦でいる必要は無いのでしょう。
この時、私の中に彼女の存在が有ったのは言うまでも有りません。
それが どんな結末を迎えるのかは、この時は考えてもみませんでした。ただ、夫婦としての歴史よりも、今の平静を求めていました。
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その夜、妻は私を求めて来ました。
答える気持ちは無かったのですが、このところ女性と関係を持っていなかったので、身体が反応してしまい応じてしまいましたが、それは彼女と そんな関係になった時の予行演習の様なもので、暫らく妻にはした事が無いセックスをしました。
縛ったり、バイブを使ったりはしません。
その代わり、散々焦らしてみました。
妻は思った通りに乱れ、男とのセックスを想像させるものでした。
朝、何か気持ちに変化を感じていました。妻への感情に大きな転機を迎えた様です。
昨夜の妻との事には、男の影が付き纏っていました。
今迄感じていた怒りや、嫉妬の様なものは、夫婦としての関係が有ってのもので、解消してしまえば、何も惑わされる事も無くなる筈です。
まあ、そう言っても、直ぐに割り切れるものでは有りませんが、時間と共に気持ちに整理がつくものと、理解出来たつもりになったのは、今回の事で、精神的に少し進歩したからなのかも知れません。
「暫らく離れて暮らそう。その間は、お互いに干渉するのは止めようや。
お前もあいつに逢いたかったら好きにしたら良い。
それで自分の気持ちに正直になった時に、本当の事を話してくれ。
今は、何を聞いても信じる気になれない。」
「私の事を、もう嫌いになった?もう顔を見るのもいや?」
「そんな事も無いけれど、一寸前まで顔を合わせる事も無かった。
今更一緒に居なくても どうって事は無いだろう?
あの時は、お前がそれを望んだ訳だしな。」
「何時まで?」
「分からないな。ただ今回は、お前の気持ちでは無く、俺が決めさせてもらうよ。」
妻は俯いていましたが、何も言いませんでした。
--------------------
職場では、相変わらず何だかんだと仕事に追われ、忙しい思いをしましたが、その方が余計な事を考える余裕も無く、かえって助かりました。
仕事帰りに、彼女を誘って食事がてら一杯飲みに行きましたが、度胸が無く それ以上の事は有りませんでしたが、
何処か手頃な部屋が無いものかと言うと、知り合いに不動産屋がいるとの事で、間も無くマンションが見付かりました。
引っ越す前には、地方の娘に別居する事を伝えましたが、「そうなの。何か有ったの?」と言うだけで、クールなものでしたが、流石に引越しの当日には、家に帰って来ていました。
「お父さん、どうしちゃたの?お母さんと何か有った?このまま、別れるって事は無いよね?また、帰って来るよね?」
娘なりに心配していたのでしょう。
当然ですが、別居の理由は話しませんでした。
少しの荷物をトラックに積み込む間、妻は寝室から出て来ませんでしたが、家を出ようとした時には、玄関に来て、
「私、待ってるから。」
と、一言だけ言いましたが、目には薄っすらと涙を溜めていました。
--------------------
離婚届は まだ出していませんが、事実上は離婚した様なものと思っていました。
色々な事が頭の中を駆け巡り、まだ整理された訳では有りませんが、彼女が ちょくちょく部屋に来て食事の用意をしてくれ、そんな時は、全てを忘れる事が出来ます。
何度かめに来てくれた時に、
「今日は、泊まっていかないか?明日は休みだし、何処かにドライブに行こう。」
私は彼女の気持ちを、分かっていました。
それでも、自分から誘うふんぎりが着かずにいましたが、思い切って誘ってしまいました。
「泊まってもいいんですか?奥様の事は もう忘れられましたか?」
「ごめん。そんなに簡単な事では無い様だ。でも、もう元に戻る事は無いと思っている。」
彼女は寂しそうな瞳を向けていましたが、泊まる決心をした様でした。
まだベッドを買っていなかったので、布団を2枚敷並べてきました。
彼女は抵抗が有るのか、なかなか寝室に行こうとはしません。
「私、次長から離れら無くなってしまう。それでも良いですか?」
「・・・そのつもりでいる。僕も前に進まなければならない。君さえ良かったらの事だけれど。」
私は彼女を抱き寄せ、唇を重ねました。
彼女を抱いてみると、その身体は年齢よりも若く、反応も予想以上に激しいものでした。
この前、妻にやった様に、焦らしたりは出来ませんでしたが、敏感な所に舌を這わせると、腰を浮かせ、シーツを鷲づかみにして、私を求めて来ました。
「もう駄目!お願いだから来て下さい。」
腰を深く沈めると、私の腰に手を回し、しがみ付いて来ました。
「恥ずかしい。恥ずかしい・・・。アーー、いきそう!アーー、もう駄目!いくー、いくー」
その声で、私も限界に達してしまいました。
「凄く感じてしまいました。・・・恥ずかしかった。でも、こうなる事が、私の夢でした。嬉しい。本当に嬉しい。」
彼女のいじらしさに、私は強く抱き締め、また唇を合わせました。
朝、目を覚ますと彼女が朝食の用意をしてくれていましたが、その後姿に私は妻を重ねてしまい、愕然としてしまいました。
思い起こせば彼女には妻に共通する面影が有り、その部分に引かれていた事を思い出します。
このまま彼女と付き合っても、妻の面影を追い求めるだけで、幸せに出来るのかどうか、不安を感じてしまいました。
--------------------
妻からは何度も携帯や職場の電話に連絡が有りましたが、家に帰る事は有りませんでした。
私は何処に住んでいるかも教えていません。
家を出て4ヶ月程経った頃、マンションに帰ると部屋の前に妻が立っていました。
「どうしてここが分かった?」
「うん。この前、貴方をつけちゃた。綺麗な人と一緒だったじゃない。少し妬けたわよ。」
「それはご苦労な事で。それで何か用か?」
「冷たいのね。貴方が言ってた、正直な気持ちを話しに来たのよ。中に入れてくれる?」
彼女が来るか知れないので、中には入れたく有りませんでした。
「何処か違う所で話そう。俺にも都合が有る。」
「あら、彼女でも来るのかしら?私はそれでも良いのよ。どうで有れ、貴方の妻は私ですから。」
「勝手な事を言うな。お前に とやかく言う権利が有るか?
それにしても勝手な女だったんだな。俺は今迄、お前の表面しか見ていなかったのか。
馬鹿な男だったよ。浮気をされてもしょうが無いと言う事か。
まあ、こんな所で話していても変に思われる。中に入れ。」
その時、気付いたのですが、妻が少し大きめのバッグを持っていました。自分の鈍さに呆れるばかりです。
部屋に入った妻は、周りを舐めるように見渡しました。当然ですが彼女の残り香が有ります。
「綺麗にしてるのね。男の一人暮らしとは思えないわ。
結構上手くやってる様ね。それだもの、電話も掛けて来ない筈ね。
でもね、このまま貴方の思う様には行かせないわ。
これから本当の事を話すから聞いてくれる?」
>>次のページへ続く
今迄感じていた怒りや、嫉妬の様なものは、夫婦としての関係が有ってのもので、解消してしまえば、何も惑わされる事も無くなる筈です。
まあ、そう言っても、直ぐに割り切れるものでは有りませんが、時間と共に気持ちに整理がつくものと、理解出来たつもりになったのは、今回の事で、精神的に少し進歩したからなのかも知れません。
「暫らく離れて暮らそう。その間は、お互いに干渉するのは止めようや。
お前もあいつに逢いたかったら好きにしたら良い。
それで自分の気持ちに正直になった時に、本当の事を話してくれ。
今は、何を聞いても信じる気になれない。」
「私の事を、もう嫌いになった?もう顔を見るのもいや?」
「そんな事も無いけれど、一寸前まで顔を合わせる事も無かった。
今更一緒に居なくても どうって事は無いだろう?
あの時は、お前がそれを望んだ訳だしな。」
「何時まで?」
「分からないな。ただ今回は、お前の気持ちでは無く、俺が決めさせてもらうよ。」
妻は俯いていましたが、何も言いませんでした。
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職場では、相変わらず何だかんだと仕事に追われ、忙しい思いをしましたが、その方が余計な事を考える余裕も無く、かえって助かりました。
仕事帰りに、彼女を誘って食事がてら一杯飲みに行きましたが、度胸が無く それ以上の事は有りませんでしたが、
何処か手頃な部屋が無いものかと言うと、知り合いに不動産屋がいるとの事で、間も無くマンションが見付かりました。
引っ越す前には、地方の娘に別居する事を伝えましたが、「そうなの。何か有ったの?」と言うだけで、クールなものでしたが、流石に引越しの当日には、家に帰って来ていました。
「お父さん、どうしちゃたの?お母さんと何か有った?このまま、別れるって事は無いよね?また、帰って来るよね?」
娘なりに心配していたのでしょう。
当然ですが、別居の理由は話しませんでした。
少しの荷物をトラックに積み込む間、妻は寝室から出て来ませんでしたが、家を出ようとした時には、玄関に来て、
「私、待ってるから。」
と、一言だけ言いましたが、目には薄っすらと涙を溜めていました。
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離婚届は まだ出していませんが、事実上は離婚した様なものと思っていました。
色々な事が頭の中を駆け巡り、まだ整理された訳では有りませんが、彼女が ちょくちょく部屋に来て食事の用意をしてくれ、そんな時は、全てを忘れる事が出来ます。
何度かめに来てくれた時に、
「今日は、泊まっていかないか?明日は休みだし、何処かにドライブに行こう。」
私は彼女の気持ちを、分かっていました。
それでも、自分から誘うふんぎりが着かずにいましたが、思い切って誘ってしまいました。
「泊まってもいいんですか?奥様の事は もう忘れられましたか?」
「ごめん。そんなに簡単な事では無い様だ。でも、もう元に戻る事は無いと思っている。」
彼女は寂しそうな瞳を向けていましたが、泊まる決心をした様でした。
まだベッドを買っていなかったので、布団を2枚敷並べてきました。
彼女は抵抗が有るのか、なかなか寝室に行こうとはしません。
「私、次長から離れら無くなってしまう。それでも良いですか?」
「・・・そのつもりでいる。僕も前に進まなければならない。君さえ良かったらの事だけれど。」
私は彼女を抱き寄せ、唇を重ねました。
彼女を抱いてみると、その身体は年齢よりも若く、反応も予想以上に激しいものでした。
この前、妻にやった様に、焦らしたりは出来ませんでしたが、敏感な所に舌を這わせると、腰を浮かせ、シーツを鷲づかみにして、私を求めて来ました。
「もう駄目!お願いだから来て下さい。」
腰を深く沈めると、私の腰に手を回し、しがみ付いて来ました。
「恥ずかしい。恥ずかしい・・・。アーー、いきそう!アーー、もう駄目!いくー、いくー」
その声で、私も限界に達してしまいました。
「凄く感じてしまいました。・・・恥ずかしかった。でも、こうなる事が、私の夢でした。嬉しい。本当に嬉しい。」
彼女のいじらしさに、私は強く抱き締め、また唇を合わせました。
朝、目を覚ますと彼女が朝食の用意をしてくれていましたが、その後姿に私は妻を重ねてしまい、愕然としてしまいました。
思い起こせば彼女には妻に共通する面影が有り、その部分に引かれていた事を思い出します。
このまま彼女と付き合っても、妻の面影を追い求めるだけで、幸せに出来るのかどうか、不安を感じてしまいました。
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妻からは何度も携帯や職場の電話に連絡が有りましたが、家に帰る事は有りませんでした。
私は何処に住んでいるかも教えていません。
家を出て4ヶ月程経った頃、マンションに帰ると部屋の前に妻が立っていました。
「どうしてここが分かった?」
「うん。この前、貴方をつけちゃた。綺麗な人と一緒だったじゃない。少し妬けたわよ。」
「それはご苦労な事で。それで何か用か?」
「冷たいのね。貴方が言ってた、正直な気持ちを話しに来たのよ。中に入れてくれる?」
彼女が来るか知れないので、中には入れたく有りませんでした。
「何処か違う所で話そう。俺にも都合が有る。」
「あら、彼女でも来るのかしら?私はそれでも良いのよ。どうで有れ、貴方の妻は私ですから。」
「勝手な事を言うな。お前に とやかく言う権利が有るか?
それにしても勝手な女だったんだな。俺は今迄、お前の表面しか見ていなかったのか。
馬鹿な男だったよ。浮気をされてもしょうが無いと言う事か。
まあ、こんな所で話していても変に思われる。中に入れ。」
その時、気付いたのですが、妻が少し大きめのバッグを持っていました。自分の鈍さに呆れるばかりです。
部屋に入った妻は、周りを舐めるように見渡しました。当然ですが彼女の残り香が有ります。
「綺麗にしてるのね。男の一人暮らしとは思えないわ。
結構上手くやってる様ね。それだもの、電話も掛けて来ない筈ね。
でもね、このまま貴方の思う様には行かせないわ。
これから本当の事を話すから聞いてくれる?」
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