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俺のある夏の思い出を話そうと思う
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73 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:05:42.05 ID:gQbeS8/c0
気づいたら俺はあの公園の前にいた。ブランコには、夏美の姿があった。
「お兄ちゃん・・・」
「夏美・・・か?」
「お兄ちゃん!!」
「久しぶりだなぁ・・」
「なんでいなくなっちゃったの?!どうして?!夏美のこと嫌いになったの?!」
「いや、そういうわけじゃないよ・・・」
「じゃあなんで?!」
「ごめんな・・・」
74 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:06:58.70 ID:gQbeS8/c0
「お兄ちゃんに褒めてもらいたくて、いっぱい練習したんだよ!!
バスケ部の事とか!学校の事とか!全部話したかったんだから!!」
夏美は震えていた。ずっと俺を待っていたんだろうか。冷たい夏美の体を抱きしめた。涙がシャツを濡らした。ただ謝ることしかできなかった。
「夏美ね!・・・・夏美、お兄ちゃんの事が好き。ずっと会いたかった。」
「そうか・・・」
「これからは会えるよね?またこの公園に来てくれるよね?」
「・・・・・いや」
75 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:07:23.22 ID:4DyRknJT0
「なんで?まだバスケ教えてほしいよ!まだ夏美下手だもん!」
「もう夏美は十分うまくなったよ。強くなった」
「まだだもん!お兄ちゃんがいないとだめだもん!!」
「そんなことないよ」
「そうだもん!!お兄ちゃんは夏美のこと嫌いなの?!」
「そんなわけないじゃないか」
「じゃあどうして?・・・」
「・・・・・・・」
「もう会えないの?」
「・・・・・かもしれない・・・」
「いやだあああ!!!!!」
「泣かないでくれ・・・・」
気づいたら俺はあの公園の前にいた。ブランコには、夏美の姿があった。
「お兄ちゃん・・・」
「夏美・・・か?」
「お兄ちゃん!!」
「久しぶりだなぁ・・」
「なんでいなくなっちゃったの?!どうして?!夏美のこと嫌いになったの?!」
「いや、そういうわけじゃないよ・・・」
「じゃあなんで?!」
「ごめんな・・・」
74 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:06:58.70 ID:gQbeS8/c0
「お兄ちゃんに褒めてもらいたくて、いっぱい練習したんだよ!!
バスケ部の事とか!学校の事とか!全部話したかったんだから!!」
夏美は震えていた。ずっと俺を待っていたんだろうか。冷たい夏美の体を抱きしめた。涙がシャツを濡らした。ただ謝ることしかできなかった。
「夏美ね!・・・・夏美、お兄ちゃんの事が好き。ずっと会いたかった。」
「そうか・・・」
「これからは会えるよね?またこの公園に来てくれるよね?」
「・・・・・いや」
75 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:07:23.22 ID:4DyRknJT0
「なんで?まだバスケ教えてほしいよ!まだ夏美下手だもん!」
「もう夏美は十分うまくなったよ。強くなった」
「まだだもん!お兄ちゃんがいないとだめだもん!!」
「そんなことないよ」
「そうだもん!!お兄ちゃんは夏美のこと嫌いなの?!」
「そんなわけないじゃないか」
「じゃあどうして?・・・」
「・・・・・・・」
「もう会えないの?」
「・・・・・かもしれない・・・」
「いやだあああ!!!!!」
「泣かないでくれ・・・・」
76 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:08:49.94 ID:4DyRknJT0
夏美がこんなにも俺の事を思ってくれていたなんて。
俺には計り知れないくらい、夏美の中での俺は大きい存在だったなんて。
でも、だからこそ、このままではいけなかった。お別れをしなくては行けなかった。
77 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:09:24.69 ID:4DyRknJT0
「夏美。聞いてくれ。俺はもうこの公園には来れない。
この街を出てくことになると思う。夏美と一緒に遊ぶのはすごく楽しかった。
夏美は強くなった。これからは、学校の仲間と一緒にやっていくんだ」
「・・・・お兄ちゃんじゃなきゃ・・・いやだ・・・」
「俺はもう行かなくちゃならないんだ・・・・分かってくれ」
「お別れしなくちゃいけないんなら分かりたくないよ!!」
「夏美・・・」
「いやだ!・・・行かないでよ!!」
「夏美!」
78 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:10:07.98 ID:4DyRknJT0
そっと夏美の唇に口をつけた。一瞬。
俺にとっても夏美との別れは辛かった。
でも、俺の気持ちは夏美のそれとは違うものだったし、こっちの事情に夏美を巻き込むわけにも行けない。
驚いた夏美の瞳を見つめて、俺はこう告げた。
「じゃあな。夏美。元気でな」
俺は夏美を置いて走り出した。気づいたら俺も泣いていた。
79 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:11:36.47 ID:4DyRknJT0
「あれからずっと探し続けたんですからね」
大きくなって、綺麗になった夏美はブランコに揺られている。
「だよなあ・・・悪かった」
「もう、謝らないでくださいよ」
「・・・・・・」
「高校も同じとこ受けて。先生に聞いたら退学したって聞くし。もともと自分の事はあんまり話してくれなかったから全然見つからなかったんですからね」
「スマン・・・」
「もう!・・・でも、会えてうれしいです。こんなにうれしいことってないです」
81 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:13:06.16 ID:4DyRknJT0
「そうか・・・」
「嬉しくないんですか?」
「いや、うれしいよ・・・でも俺は変わったぞ。あの時みたいに夏美に何か言えるような人間じゃない」
「それでもいいんです!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんですから」
「そうか、ありがとな」
「・・・・一つだけ教えてください。あの時お兄ちゃんは夏美の事好きでしたか?」
83 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:14:57.40 ID:4DyRknJT0
「・・・好きだったけど・・・・妹みたいなもんだったからな」
「嫌ってたわけではないんですね?」
「そうだよ」
「ならよかった!」
「よかったんだ?」
「そうですよ!・・・・・・じゃあこれからは」
「これからは?」
「また会えますよね?・・・もう夏美の前からいなくならないですよね?」
「え?・・・あ、あー・・・」
「約束してくれますよね?」
「・・・・・うん、約束するよ」
夏美は泣いていたし、俺も泣いていたと思う。
あの時とは違う涙を流しながら、俺は夏美にキスをした。
85 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:15:33.50 ID:4DyRknJT0
あれから4度目の夏が訪れた頃に俺は夏美にプロポーズした。
最近、夏美の実家にお邪魔したら、夏美の当時の日記が出てきた。
夏美は えらく恥ずかしがってたけど、俺にとってもそれは大事なことなわけで。
だから、書きとめておこうと思う。いつか子供が大きくなったら話してあげよう。
美しい夏の思い出を。
87 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:17:20.21 ID:4DyRknJT0
と言うことで長々と書いてすみません
これで一応終わりです
もともとスレに載せるために書いてたわけではなかったんで分かりずらい書き方してますね、ごめんなさい
と言うことで質問あれば
88 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:18:01.49 ID:Gpy0TcQg0
今の状況kwsk
92 :名も無き被検体774号+:2012/03/07(水) 00:20:02.96 ID:4DyRknJT0
夏美は身ごもっています
俺は夢であった自営業をやっています
飲食で2年半たって最近ようやく軌道に乗り始めました
現在は2人でマンション暮らしです
>>次のページへ続く
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