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それまでの人生で最も綺麗だと思った女性との事
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26 :1:2012/11/09(金) 02:26:02.29 ID:dtfgVW2W0
僕は何だか、徐々に柴咲のことが怖くなってきました。

本当は何を考えているのか分からない。

笑顔も見せるものの、目は笑っていない、というのか。かなりの美人なだけに、余計に怖い。

「顔」を最優先に考えていただけに、それまで完璧だと思えていたのですが、そういう風に感じるようになってから、僕はだんだんと、彼女と距離を置くようになったのです。



28 :1:2012/11/09(金) 02:30:47.94 ID:dtfgVW2W0
「なんで最近あんまり話さないの?」

「ねえ、何か面白い話をして」

「昨日の休みはどこで何をしていたの?」

「学校楽しい?」


柴咲は僕の微妙な気持ちの変化に気づいたのか、かなり話しかけてくるようになりました。ただし、じっと僕の顔を真顔で見つめて、です。

僕も僕で、ちょっと距離置くようにしていたものの、でもやっぱ美人だしな、、、という気持ちはやはり残っていて、ある日、また仕事終わりにご飯に行く事になりました。



29 :1:2012/11/09(金) 02:35:47.78 ID:dtfgVW2W0
その日は、僕の友人がアルバイトをしているバーに行くことにしました。

「おお、久しぶり!」

「働いてるとこ初めてみた、お前ちゃんと仕事できるんだな」

「うるさいわwんで、何飲む?」

みたいなやりとりがあり、僕はジントニックを、柴咲は、グレープフルーツジュース(多分)を頼みました。



30 :1:2012/11/09(金) 02:38:25.91 ID:dtfgVW2W0
友人は けっこう気さくな男で、まあバーで働くくらいなので勿論なんですが、

「めっちゃかわいいコだな〜、どういうつながり?」

「おまえ、ちゃんと俺にも紹介してくれよ〜」とか

柴咲にも かなり話題を振ってくれるのですが、その柴咲といえば、ずっと うつむきながら特に何も話さず、ときどきジュースを飲んでは僕の方をじっと見てくる、そんな感じでした。



31 :1:2012/11/09(金) 02:41:44.38 ID:dtfgVW2W0
何だか気まずくなった僕は、30分程度で「帰ろうか」と店を出ることにしました。

「駅まで送るよ」

僕は自転車通勤でしたが、柴咲は電車通勤だったので彼女を駅まで送ることにしました。

とはいえ、何でこいつ全然話さないんだよ、、、

あー早く帰りたい、とか思いながら、仕方なしについて行ったわけです。



32 :1:2012/11/09(金) 02:44:48.49 ID:dtfgVW2W0
◯◯駅につき、

僕は「じゃあ気をつけてね」と言うと柴咲は僕の目をじっと見つめて

「△△駅までついてきて」と答えました。

なんだこいつ こええ、でもかわいい。

△△駅まで行く事にしました。



33 :1:2012/11/09(金) 02:47:32.14 ID:dtfgVW2W0
道中、全く会話はありませんでした。

△△駅まで徒歩で10分程度でしょうか。

僕たちは ずっと無言でした。

というのも、当時僕は酒が相当弱くて、一杯だけでも まあまあフワフワした感じになる、ということも影響していますが、ともかく柴咲も何も話さず、僕らは、ただ無言のまま、歩き続けました。



34 :1:2012/11/09(金) 02:51:26.70 ID:dtfgVW2W0
そして、△△駅に着きました。

「じゃあ気を」

「☓☓駅までついてきて」

食い気味に柴咲は言います。

さすがに これは面倒だ、帰りたい、、、

「もう無理!また明日!」僕はそう言うと、自転車に乗って帰り道に向かいました。

すると、帰り道の途中、ケイタイに着信があったのです。

もちろん、相手は柴咲から。



46 :1:2012/11/09(金) 09:45:48.16 ID:dtfgVW2W0
「もしもし?」

電話に出ると、柴咲はいつも通り淡々とした口調で、こう言いました。

「1くんのことがすき」



47 :1:2012/11/09(金) 09:48:05.38 ID:dtfgVW2W0
僕は女性から あまり告白されたことが無かったので、本来だったら、これほどの美人に こんなことを言われたら二つ返事でじゃあ付き合おう!と答えるに違いないのですが

僕の口から出た返事は、それはそれは頼りないもので

「は、はあ」

それだけでした。



48 :1:2012/11/09(金) 09:49:20.03 ID:dtfgVW2W0
突然の告白でしたので、驚きもあったのだと思いますが、それ以前に、あまりにも淡々とした口調で言う、まるでロボットの音声のような一本調子の柴咲の告白に何ひとつ、心に響くものが無かったのでしょう。

柴咲は再び言います。

「1くんのことがすき」



49 :1:2012/11/09(金) 09:50:13.37 ID:dtfgVW2W0
「う、うん、、」

そして、沈黙が訪れます。

とはいえ、30秒程度だったでしょう。

すると、

「それだけ、じゃあね」

電話はそれで切れました。


僕は掛け直すこともなく、何だかモヤモヤした気持ちで家に帰りました。



50 :1:2012/11/09(金) 09:50:44.82 ID:dtfgVW2W0
何度も言いますが、柴咲は本当に美人で、そのコから好きだ、と言われたにも関わらず

これだけテンションが上がらないなんて、それはこれまでの自分では考えられないようなことです。



51 :1:2012/11/09(金) 09:51:15.43 ID:dtfgVW2W0
とは言っても、当時の僕は まだ20歳くらい。

なんというか、今よりも明らかに性的な欲も強く、あれだけの美人と、あんなことやこんなことも出来る、、、

そう思うと、このチャンス、逃す手はないんじゃあないか、という気持ちもありました。



52 :1:2012/11/09(金) 09:52:03.87 ID:dtfgVW2W0
実際の自分の気持ちはどうあれ、こんなチャンスは滅多に来ない。

こんな気持ちで人と付き合ったことはないけど、おそらく明日バイトで顔を合わせたら、柴咲はちゃんと告白してくるだろう。

その時は、首を縦にふろう。そう考えました。



53 :1:2012/11/09(金) 09:54:01.13 ID:dtfgVW2W0
翌日。

いつも通り僕はバイト先に向かうと、柴咲はそこにはいませんでした。

店長いわく、今日は風邪で休むらしい、とのこと。

肩をすかされた気分にはなりましたが、どうせ近々会うんだから。そう思いました。



54 :1:2012/11/09(金) 09:54:36.45 ID:dtfgVW2W0
それから、一週間、

お互いのシフトの関係もあり、僕は柴咲とは会うこともなく時間が過ぎていきました。


そして、そんなある日。

僕はバイト先の事務所で、あるものを見たのです。



58 :1:2012/11/09(金) 10:36:51.38 ID:dtfgVW2W0
僕が見たもの、それは携帯電話でした。

今では少なくなってきましたが、それが開いた状態で置いてありました。

今では少なくなってきましたが、その折りたたみ式の携帯電話は、どうやら店長のもののようでした。

何気なく目をやると、

「昨日はいっぱいカウパーでたあ〜」

宛先は、柴咲でした。



59 :名も無き被検体774号+:2012/11/09(金) 12:09:35.78 ID:3qWP9j3xO
急に面白くなってきたな



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:修羅場・人間関係,
 


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