仲間内でみんながみんな片思いしあってた思い出話
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82 :アキ:2013/03/24(日) 00:09:29.79 ID:pmN8elV80
ハルと雪が上手くいくことを願いながらも、私は何となく この後の流れを予想していた。
もし夏の言うとおり雪がふられしまったら。
夏は、雪を精一杯慰めるだろう。
もしかしたら その時告白するかもしれない。
でも雪は「断る」と言ってくれた。
ほだされないと、約束してくれた。
だから夏もふられる。
雪の言うように、このまま四人の関係が壊れないなんて、有り得るのだろうか。
言いようのない不安な気持ちに襲われた。
83 :アキ:2013/03/24(日) 00:11:36.30 ID:pmN8elV80
そんなことをぐるぐる考えていると、教室のドアが開いた。
雪が「あれ、夏君もいたんだ」とぎこちなく笑った。
まだ教室にクラスメートが数人いたから、私は雪を引っ張って、カーテンの中に連れ込んだ。
入った途端、雪の両目からぼろぼろと涙がこぼれた。
そして「ダメだったぁ」と呟いたんだ。
「なんで?」と聞いてしまった私に、「好きな人がいるんやって」と嗚咽混じりに答える雪。
「誰か聞いた?」と続けると、首を横に振って一層泣き出してしまった。
雪を抱きしめて撫でてあげることしかできなかった。
84 :アキ:2013/03/24(日) 00:16:32.18 ID:pmN8elV80
少し落ち着いた頃、雪が言った
「ふられるだろうなーって、思ってたんよ」
そうなん?て聞く私に、力無く雪は笑った。
カーテンから出ると、夏が何とも言えない顔でこっちを見てた。
そして「雪ちゃん、帰ろう」って言った。
私なんて夏の眼中に入っていないようだった。
その証拠に夏は言った。
「アキはハルに付いてやって」
ハルと雪が上手くいくことを願いながらも、私は何となく この後の流れを予想していた。
もし夏の言うとおり雪がふられしまったら。
夏は、雪を精一杯慰めるだろう。
もしかしたら その時告白するかもしれない。
でも雪は「断る」と言ってくれた。
ほだされないと、約束してくれた。
だから夏もふられる。
雪の言うように、このまま四人の関係が壊れないなんて、有り得るのだろうか。
言いようのない不安な気持ちに襲われた。
83 :アキ:2013/03/24(日) 00:11:36.30 ID:pmN8elV80
そんなことをぐるぐる考えていると、教室のドアが開いた。
雪が「あれ、夏君もいたんだ」とぎこちなく笑った。
まだ教室にクラスメートが数人いたから、私は雪を引っ張って、カーテンの中に連れ込んだ。
入った途端、雪の両目からぼろぼろと涙がこぼれた。
そして「ダメだったぁ」と呟いたんだ。
「なんで?」と聞いてしまった私に、「好きな人がいるんやって」と嗚咽混じりに答える雪。
「誰か聞いた?」と続けると、首を横に振って一層泣き出してしまった。
雪を抱きしめて撫でてあげることしかできなかった。
84 :アキ:2013/03/24(日) 00:16:32.18 ID:pmN8elV80
少し落ち着いた頃、雪が言った
「ふられるだろうなーって、思ってたんよ」
そうなん?て聞く私に、力無く雪は笑った。
カーテンから出ると、夏が何とも言えない顔でこっちを見てた。
そして「雪ちゃん、帰ろう」って言った。
私なんて夏の眼中に入っていないようだった。
その証拠に夏は言った。
「アキはハルに付いてやって」
85 :アキ:2013/03/24(日) 00:24:05.42 ID:pmN8elV80
ショックだった。
夏は、雪と二人きりになりたいから、こんなこと言うんだ。
そう思った。
けれど雪は一人で教室から出て行った。
私の顔を見ずに。
その後を夏が走って追いかけてった。
私に「ハル頼んだ」と言い残して。
なんだか打ちのめされた気分で、ふらふらしながらハルの教室へ向かった。
今の私のメンタルでハルをフォローできっこないのに、と思いながら。
でもハルは もう教室にはいなかった。
ホッとした。
そして一人でふらふらと帰った。
86 :名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 00:24:50.46 ID:sCcm4Qtb0
これが青春か...
87 :アキ:2013/03/24(日) 00:29:03.15 ID:pmN8elV80
次の日学校へ行くのは気が重かった。
あの後の雪と夏を想像するだけで、ひどく胸が痛んだ。
重たい体を引きずるように教室に入ったら、雪はまだ来ていなかった。
その日雪は学校を休んだ。
昼休みになった。
夏達とご飯を食べる曜日だったけれど、どうすればいいのか解らず悩んでいた。
けれど夏が迎えに来てくれた。
後ろには相変わらずヌボーっとしたハルが立っていた。
いつもと変わらない笑顔で「いくぞ」って夏が言って、なんだかすごくホッとした。
三人で定位置で お弁当広げた時も、気まずさを振り払うように夏が喋った。
でもそれも尽きて、三人に沈黙が走った。
88 :アキ:2013/03/24(日) 00:35:53.86 ID:pmN8elV80
「昨日、あの後、雪どうだった?」
最初に口を開いたのは私だった。
「駅で別れたから、その後は解らんけど、それまでは泣いとった」
夏がぽつりと呟いた。
ハルは黙って箸を進めてた。
そんなハルと夏に、
「ごめん、昨日ハルの教室行ったけど、ハル帰ってた」と謝った。
ハルが「教室、来てくれたん?」って、やっと顔を上げた。
「うん」って答えると、そっかぁって少しハルの表情が和らいだ。
そんなハルを見て、夏が言った。
「今日こそは二人で帰ったら?」
訳が分からなくて、「え、なんで」と聞く私に、「二人お似合いやし」と笑う夏。
あまりに衝撃が大きくて、黙り込んでしまった。
89 :名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 00:42:11.66 ID:UpItWECJ0
これは見事なスクウェアでございますこと
90 :名も無き被検体774号+:2013/03/24(日) 00:42:38.22 ID:ac5WhWIZ0
はよはよ
91 :アキ:2013/03/24(日) 00:44:32.89 ID:pmN8elV80
「な、ハル」と笑う夏に、「いや、二人じゃなくていいよ」と返すハル。
「夏はなんで そういうこと言うん?」
喉カラッカラみたいな声で訊ねた。
「二人が上手くいったらいいなぁーと思うし」
夏が笑顔でそう発した時、もう苦しくてしょうがなかったけど、声を振り絞って言った。
「ハルには好きな人がいるんやろ、勝手なこと言わんでよ」
そして一人で教室に戻った。
やっぱり上手くいかなくなってしまったと、めそめそ嘆きながら。
92 :アキ:2013/03/24(日) 00:46:32.38 ID:pmN8elV80
次の日、雪は登校してきた。
明るく振る舞う雪に、かける言葉が見つからなかった。
そんな雰囲気を察したのか
「もうハル君なんかどうでもいいー」と、雪はニコニコ笑顔で言い放った。
だから今まで通り、四人でやっていこうね
雪は笑顔でそう言った。
「昔みたいに戻れるかな」と聞く私に、「努力する」と笑った雪。
雪は強い子だったね。
97 :アキ:2013/03/24(日) 00:51:49.93 ID:pmN8elV80
そして四人で顔を合わせて、雪が笑顔で場を盛り上げた。
ハルも私もホッとして、ぬるま湯に身を委ねていた。
夏だけは、雪のことを真っ直ぐ見ていた。
それから夏は、より甲斐甲斐しく雪を気遣い始めた。
誰が見ても、夏が雪を好きなのは明確だった。
夏は隠そうともせずに、毎日雪にアタックしていた。
けれど「好き」とは伝えていないようだった。
98 :アキ:2013/03/24(日) 00:56:04.98 ID:pmN8elV80
告白されなきゃ断りようがない、雪が ぽつりとそう呟いた。
確かにその通りで、なかなか変化しない関係性に、私の気持ちは 宙ぶらりんになっていた。
夏が告白したと聞いたらショックだろうけど、夏が告白しなければ夏は雪を諦めない。
何度か告白をけしかけたこともあった。
でも夏は笑ってるだけだった。
クリスマスは四人で過ごした。
カラオケに行って、お世辞でも上手とは言えない夏と雪の歌を聞いて笑ってた。
呑気に笑っていられたのは、この時までだった。
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