じいちゃんのはなし
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51 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:23:26.07 ID:TNlNTXhF0
学校から帰ると浮かない顔のお母さんがそこにはいました。
「どーしたと?」と聞くと「じいちゃんが病気でねー」とぽつぽつ話し始めました。
じいちゃんの病気は肺気腫でした。
最初は胸が苦しいとお母さんを呼び内科に行ったそうでした。
ですが その内科では あまりきちんと見てもらえず、看護師さんに呼吸器科で見てもらった方がいいといわれ 近所のやり手と言われる病院にいくと すぐに持ち歩き式と置き型の酸素を支給されまさた。
これがじいちゃんの闘病生活の始まりでした。
当時私は中3になった頃でした。
52 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:28:46.98 ID:TNlNTXhF0
そんな中お母さんの弟であるおじさんが結婚することになり結納についていくことになりました。
じいちゃんはあまり浮かない顔。その理由はすぐにわかりました。
結納の挨拶の時に話した一言でした。
「私は足も悪く、酸素も引きずりまともな体ではありません。」
そう申し訳なさそうに話すじいちゃん。
その一言は私の心に深く突き刺さりました。
別にじいちゃんはじいちゃんで足が悪いのが何でそんなに負い目なのか全くわかりませんでした。
53 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:31:58.08 ID:TNlNTXhF0
じいちゃんが今まで私を育ててくれた中でほかのじいちゃんに比べて私を1度だって不自由させた事なんてないのに何故そんなに申し訳なく話すのかと思いました。
きっとじいちゃんは世間体を気にしたんだろうなと思いました。
なんだか心がどんよりと曇りました。そんなに比べなくていいのに。
別にじいちゃんはじいちゃんで足が不自由だなんて気にすることないのに、と。
54 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:36:06.59 ID:TNlNTXhF0
おじさんが正式に結婚して じいちゃんちにくらすことになると じいちゃんはみるみる間に痩せていきました。理由は簡単です
お嫁さんのご飯が美味しくなかった。
今までじいちゃんが作ってきた ご飯と 今までお母さんの作ったご飯を食べるだけの生活をしていたお嫁さん。
どっちのご飯が美味しいかなんて一目瞭然でした。
学校から帰ると浮かない顔のお母さんがそこにはいました。
「どーしたと?」と聞くと「じいちゃんが病気でねー」とぽつぽつ話し始めました。
じいちゃんの病気は肺気腫でした。
最初は胸が苦しいとお母さんを呼び内科に行ったそうでした。
ですが その内科では あまりきちんと見てもらえず、看護師さんに呼吸器科で見てもらった方がいいといわれ 近所のやり手と言われる病院にいくと すぐに持ち歩き式と置き型の酸素を支給されまさた。
これがじいちゃんの闘病生活の始まりでした。
当時私は中3になった頃でした。
52 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:28:46.98 ID:TNlNTXhF0
そんな中お母さんの弟であるおじさんが結婚することになり結納についていくことになりました。
じいちゃんはあまり浮かない顔。その理由はすぐにわかりました。
結納の挨拶の時に話した一言でした。
「私は足も悪く、酸素も引きずりまともな体ではありません。」
そう申し訳なさそうに話すじいちゃん。
その一言は私の心に深く突き刺さりました。
別にじいちゃんはじいちゃんで足が悪いのが何でそんなに負い目なのか全くわかりませんでした。
53 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:31:58.08 ID:TNlNTXhF0
じいちゃんが今まで私を育ててくれた中でほかのじいちゃんに比べて私を1度だって不自由させた事なんてないのに何故そんなに申し訳なく話すのかと思いました。
きっとじいちゃんは世間体を気にしたんだろうなと思いました。
なんだか心がどんよりと曇りました。そんなに比べなくていいのに。
別にじいちゃんはじいちゃんで足が不自由だなんて気にすることないのに、と。
54 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:36:06.59 ID:TNlNTXhF0
おじさんが正式に結婚して じいちゃんちにくらすことになると じいちゃんはみるみる間に痩せていきました。理由は簡単です
お嫁さんのご飯が美味しくなかった。
今までじいちゃんが作ってきた ご飯と 今までお母さんの作ったご飯を食べるだけの生活をしていたお嫁さん。
どっちのご飯が美味しいかなんて一目瞭然でした。
55 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:41:22.08 ID:TNlNTXhF0
たまに私が顔を出すと
「マックドナルドば食おうか」と話してきました。
マックと言わないじいちゃんはとっても可愛いのです。笑
私はじいちゃんがくれたお金を握りマックに走っていきました。
買って帰ると これが1番手っ取り早く太れるといいます。
そのご飯食べてよかよと言われ皿を見ると彩綺麗なご飯とおかず。一口食べるとなんの味もしません
卵焼き一つきちんと作れない人なんだとがっくりしてじいちゃんが痩せた理由もわかりました。
56 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 09:44:59.50 ID:TNlNTXhF0
そして、じいちゃんは どんどん痩せてお母さんと病院にいくと大きな病院に入院となりました。
じいちゃんの入院生活がはじまると学校から帰りじいちゃんの病院に顔を出すのが日課でした。
「病院飯もうまくなかな」と笑うじいちゃんはいつもお母さんに梅干しやらなんやらと持ってきてもらっていました。
57 :名も無き被検体774号+:2013/10/04(金) 10:57:58.45 ID:t4R2DutTP
ふむふむ
61 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 11:40:08.97 ID:TNlNTXhF0
お母さんや私はちょくちょく大体二日に一回くらいは顔を出していましたが おじさんは全くでした。
そうこうしてるうちに じいちゃんちを建て替えることになりました。
家を解体するのを見ていると沢山の思い出があったじいちゃんちがなくなって行くのが たまらなく寂しく感じました。
62 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 11:49:10.35 ID:TNlNTXhF0
じいちゃんちにあったじいちゃんのものは殆どなくなりました。
せめてものとのことで じいちゃんがメジロの大会で賞をとったときの額?みたいなのだけはお母さんがひきとりました。
新しくたった家はじいちゃんには優しくない家でした。
段差もあるし なんだか寂しい気持ちになりました。
63 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 12:33:02.69 ID:TNlNTXhF0
じいちゃんは壊される家も見ないまま次に退院して家に帰ると小さい座敷に住むことになりました。
その頃にはじいちゃんは一人でトイレに行くことはもうできずにいました。
部屋には簡易トイレ、ポータブルトイレがありました。
でも強がりで私たちに弱いところを見せたくないことは嫌でもわかりました。
65 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 12:58:24.83 ID:TNlNTXhF0
また家に帰ると美味しくないご飯。
その頃になると じいちゃんはベッドの上で暮らすことが多くなってきていました。
私も高校生になっていました。
その時の写真にはじいちゃんは写っていませんでした。
昔はよく一緒に写ってくれていたのに、なんて思いました。
66 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 13:01:14.37 ID:TNlNTXhF0
自宅に帰ったのもつかの間
すぐにまた病状が良くなく前の病院より少し小さい病院に入院になってしまいました。
変わらずお母さんと一緒によく顔を出しに行っていました。
じいちゃんは どんどんと痩せていき もう喋ることも笑う事も辛そうで仕方ありませんでした。
書いてておもいだして涙が止まらなくなってしまいました。すいません。
67 :名も無き被検体774号+:2013/10/04(金) 13:05:27.91 ID:hS1wjmH80
ゆっくり見てるから気長にいきましょうー
68 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 13:05:34.22 ID:TNlNTXhF0
それから春夏秋とすぎ冬がやってきて12月になりました。
じいちゃんは既に体重が35キロほどしかなく昔のようにしっかりした体ではなく骨と皮だけのひょろひょろになってしまいました。
12月はじいちゃんの誕生日です。
その頃になると親戚や家族は誕生日までもつかしら?なんて話が良く出るようになりました。
69 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 14:04:23.71 ID:TNlNTXhF0
12月に入ってからは じいちゃんの容態はよくなることはなく悪くなる一方でした。
それから数日してからお母さんの携帯はなりました。
じいちゃんがもう長くない。よかったら病院に来て欲しい。
丁度その日は お母さんの上司の年賀状を作るのでお母さんの会社でデザインの打ち合わせなどをしている最中のことでした。
70 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 14:07:29.38 ID:TNlNTXhF0
お母さんは きりがいいとこまでしてから言っても遅くないから。そう言っている中電話がなりました。
おじさんからでした。
そろそろ行こうか。
そう言って車を少し走らせた頃 そんなときに電話が再度なりました。
ほんとはその電話の意味が少しわかっていた気がしました。
病院まであと五分もかからないのに そのあと少しが間に合わず お母さんはじいちゃんの死に目に合うことができませんでした。
71 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 14:11:31.37 ID:TNlNTXhF0
申し訳ない気持ちで一杯でした。
もし私がもう少し早く終わらせていたら間に合ったかもしれないのにと沢山自分を責めましたが責めても どうにもなりませんでした。
お母さんは涙を流しながら
「苦しかったんだろうね、手と足には沢山の包帯がまいてベッド柵に巻き付けてあったからね...」
と小さく小さく話しました。
私が見たじいちゃんは もう綺麗にエンゼルケアが終わったあとでした。
72 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 14:16:08.31 ID:TNlNTXhF0
きっと苦しかったんでしょう
口はどんなに頑張っても少しあいていました。
じいちゃんの顔はもう血の気もなく生きた人間の色ではありません。
職業柄、何人ものご遺体を見ることがありましたが じいちゃんは綺麗かと言われれば少し苦しげだったと思います。
でもそれは、じいちゃんの最期まで頑張った証なんだと思います。
73 :いち ◆arn6MXmW.Y :2013/10/04(金) 14:19:33.37 ID:TNlNTXhF0
それから、お通夜 葬式 火葬
納骨堂に遺骨を納めるまでは あっという間にに過ぎ去りました。
たくさんたくさん泣いたけど思い出すのは笑ってるじいちゃん。
ほんとは じいちゃんに私の子供の顔だって見せたかったし成人式の振袖も見せたかった
結婚してウェディングドレスだってみせたかったし、旦那さんも見せたかったのに そんなじいちゃんは もうこの世にはいなくなってしまいました。
>>次のページへ続く
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