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「機械と少年」
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365 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/01(日) 00:28:07.79 ID:v32tD184P
本部基地攻略戦から半年が過ぎた

ザー・・・

雨が滝にように降っている

勇「っ・・・!」

カッターを構えて敵機を睨む
たった一機の敵機・・・ハーキュリー
ここは以前リートが不調を起こした渓谷の近くだ

ハーキュリー「諦めなよ。君の大事なヴィントはもう無いんだよ?」

そう、俺のヴィント・・・
VT2は既に撃破されていた
今だ視界の隅で炎上するヴィント・・・
俺の相棒・・・

そしてこちらに銃口を向けるハーキュリーの腕には
ぐったり動かなくなったリートが・・・


勇「リートを・・・返せっ!!」



ことの始まりは一週間前に遡る




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366 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/01(日) 00:44:39.92 ID:v32tD184P
一週間前

本部基地

クロム「あなたリートを以前砂漠で拾ったって言ってたわね」

勇「ん?・・・ああ、砂漠で拾った」

クロム「そう・・・」

勇「どうした?」

クロム「リートのプログラムって凄いと思わない?」

リートのプログラム・・・?

勇「まぁ・・・いくら旧型とはいえボディを新調して
  いろいろ弾道補正システムとか加えたし・・・」

クロム「それ自体が異常じゃない」

勇「はぁ・・?」

クロム「リートのプログラムはそこまでの大改造に耐えた・・・
    いや、応えたことに驚きよ」

確かに旧型のリートのプログラムがなぜここまで進化出来たのか・・・?

クロム「度々あの子には驚かされるけどそろそろあたしだって気がつくわよ。」

クロム「あの子は普通じゃない」

勇「まぁ・・・ロボだし」

クロム「あなた・・・分かってないわねぇ・・・」

さっぱりなんのことだか・・・



367 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/01(日) 00:49:14.38 ID:v32tD184P
リート「勇さーん!もう出るらしいですよぉー!!」

輸送機から顔を出すリート
あの輸送機はスティーアまで飛ぶ

勇「おっと、今行く!」

ヴィントは既に輸送機に載せてある

勇「なんでいきなりそんな事を言い出すんだ?」

クロム「・・・まぁあんたらは何も知らずに
    うふふきゃっきゃしてる方が良いのかもね」

勇「・・・は?」

クロム「早く行きなさいよ。置いてけぼりくらうわよ」

勇「そうだった。・・・またな」

クロム「お疲れ」



368 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/01(日) 00:55:41.53 ID:v32tD184P
クロムは数ヶ月前、その技術を買われて本部へ異動となっていた
今回俺たちチームブラウが本部基地にいた理由
それははクロムに呼び出され色々と試験?のような物を受けさせられたからだ

クロム「やっぱり似てるのよねぇ・・・」

クロムは手元の端末を操作して資料を呼び出す

クロム「リート・・・あなたは一体なんなの・・・?」

リートの適応能力の高さは現代の最新のロボでも
再現不可能なレベルに達していた
リートを検査することも今回チームブラウを呼び出した理由の一つでもあった




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369 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/01(日) 01:04:27.40 ID:v32tD184P
輸送機内

ウェルス「てっきり本部に呼び出されたときは表彰とかそういうもんだと思ったのによぉ〜」

ミーラ「なんで本部に反逆しておいて表彰されんのよ。お咎めなしなだけラッキーなのよ」

ウェルス「あぁーあ・・・頑張ったのになぁ」

勇「もう半年も前の事だ。既に忘れた奴らもいるかもな」

ウェルス「あーあ・・・結局いい思いしたのはあのオカマ技術主任だけだったな」

ガイウス「彼はその能力が認められただけだ。本部に行きたければ俺たちも戦果をあげればいい」

ウェルス「別に本部に行きたいわけじゃねーよ・・・」

勇「なぁリート・・・」

リート「なんですか?」

勇「・・・お前なんか陰で努力とかしてるのか?」

リート「え?」

勇「いや・・・」

勇「・・・気にするな。なんでもない」

リート「努力ならしてますよ」

勇「例えば?」

リート「日々料理を勉強してます!
    勇さん飽きっぽいからメニューにもなるべくたくさんのバリエーションが
    あった方がいいかなっておもっていろいろ」



370 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/01(日) 01:07:56.71 ID:v32tD184P
勇「いや、もういい。お前の努力は分かった・・・。」

リート「それでですね!この間見つけたレシピなんですけど!」


リートが止まらなくなった
陰で努力なんて機械がしてもスペックが上がる訳ではない
一体俺はなにを思ってこんな事を聞いたのか・・・


リート「で!柿にマヨネーズを和えて」

いや、スペックは上がらなくとも努力は無駄でな無いのか・・・な?
そうこうしているうちにスティーア基地に到着した



371 :光属性A級男子生徒「守護科」:2013/12/01(日) 01:09:11.36 ID:5x99hwyF0
面白い



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372 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/01(日) 01:20:13.05 ID:v32tD184P
リートが特別・・・
そんな風に考えた事なかったなぁ・・・
日頃戦っている機械兵は新型のロボだ
しかし旧型のはずのリートの方が
戦闘力以外ではほぼ全ての面で優っている
そのことを基地に戻ってドレッドに相談してみた



ドレッド「俺も気になっていたんだ。」

勇「やはり変なのか?」

ドレッド「リートの製造は50年前だ。だがリートは今でも新型に負けない能力を持っている」

勇「クロムもそれは不思議だと言っていた」

ドレッド「ただリートは意思を持ったロボだって事が大きいのかもな」

勇「意思を持った・・・」

ドレッド「今まで意思を持ったロボってのは人間を驚かせてきた。
     その一番大きい例が始まりのロボだな」

勇「あのADAMか?」

ドレッド「本当か嘘かは分からんがADAMも意思を持ったロボだろ?
     奴は進化することで人間に敵対した。ってことはだ。
     リートももしかしたら進化してんのかもな」

勇「・・・なるほど」





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