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「機械と少年」
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525 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/24(火) 14:22:22.13 ID:9JDcmkb7P
案内された先には取り出されたVT2のメインユニットが様々な機材に繋がれていた

勇「これは・・・俺のVT2の?」

クロム「そう。じゃ始めて」

ドレッド「あいよ」

ドレッドが何かを操作して・・・

ドレッド「カメラを活性化させた。見えるか?」

『問題ありません。』

勇「・・・VT2が喋った!?」

『あ、お父さん。初めまして』

お父さん・・・?

勇「なんだ?これは?」

クロム「あんたの息子らしいわよ」

勇「はぁ!?」

『まぁ驚いたでしょう。私はVT2のメインユニットに生まれた知能プログラムです』

勇「そ、それでなぜ俺の息子ということになるんだ!?」

『私はお母さん・・・リートとあなたの会話を学習し、
 いつのまにか意識を持つようになったので・・・』

勇「意味がわからん!!」

『お父さん、意外と頭固いですね』

勇「うるさいっ!!」



526 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/24(火) 14:27:39.17 ID:9JDcmkb7P
クロム「調べたらリートがヴィントとリンクした際に
    何かの因子を受け取ってこんな事になったみたいなの」

勇「それって・・・本当に意思が生まれたって事か?」


クロム「信じられないけどね」

『お父さん、一緒にお母さんを助けましょう』

勇「・・・リートは助けるがお前の出番はない」

『そんな事ありません。私もお母さんのようにお父さんのサポートを。
 あ、お母さんみたいにあなたを慰めることは難しいですが・・・』

勇「ドレッド、電源切っておいてくれ」

『そんな!お父さん!親子力を合わせて!』

勇「俺はお前の親ではない!!その呼び方をやめろ!!」

『そうですか・・・では、パパ!』

勇「ドレッド!システムを削除してくれ!」

『パパ!あんまりです!!』

クロム「なんか・・・リートに似てるわね」

ドレッド「お前もそう思うか?」




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530 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/25(水) 19:55:01.12 ID:dX76ROcXP
本部演習場

軍人A「その体でいきなり模擬戦に参加するのか?」

勇「もう傷は大したことない。早く筋力と感覚を元の状態に戻したいんだ」

軍人B「分かった。参加するなら期待するからな。」

勇「了解」

10対10の対人戦闘訓練だ
その中に俺は俺は参加していた

オペレーター『それでは・・・開始!』

両チームが素早く展開し物陰に隠れる

軍人A「動かないな・・・」

敵は全く動きを見せない

軍人B「ならばこちらから仕掛けさせてもらおう」

軍人Aが合図を送り前に進んでいく

軍人B「よし・・・一気に・・・」

ババババッ!!!
銃声だ・・・!
それも左右で挟まれている

軍人A「っ!いつのまに!?」

完全に挟まれ次々にペイント弾が着弾して脱落者が増えていく

『お父さん、後方7mの物陰に避難してください』

咄嗟にその指示に従う

オペレーター『現在チームα7名、チームβ1名』

勇「いきなり俺だけか・・・」

今回の模擬戦は負けだ
この状況からの逆転は不可能だ



532 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/25(水) 20:01:27.65 ID:dX76ROcXP
『いいえ、二人です。お父さんと私がいます』

勇「・・・お前は何なんだ?」

『紛れもなくお父さんの息子です』

勇「紛れもある!」

『名称のことでしたらまだありません』

勇「・・・お前、さっきの指示はどうやって?」

『お父さんの着けているインカムは私のメインシステムと常にリンクしています。』

つまりこれを付けているといつでもこのヴィントが話しかけて来るわけか

勇「お前には位置情報が見えているのか?」

『はい、幸いこの位置からでも演習場はギリギリレーダーの範囲内ですので』

確かに俺のヴィントには高性能レーダーがついていた
そいつがまだ生きていたらしい

『お父さん、私を信じてくれますか?』

勇「・・・お前も随分長いこと一緒に旅した仲間だからな。」

『ありがとうございます。お父さん』

勇「その呼び方はやめろ」

『はい、ダディ』

・・・こいつに何を言っても聴きそうにないな




533 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/25(水) 20:54:45.38 ID:dX76ROcXP
チームα

「残りは一人か・・・」

「あの病み上がりの少年が居ないな」

「あいつはやっぱ無理だったんだろ」

「では作戦終了・・・」

『うわぁぁぁぁ!!!』

通信機から響く味方の悲鳴

「まだやる気なのか!?」

ボンッ!!!

煙幕弾が撃ち込まれ辺りが煙幕で満たされる

「くそっ・・・!」

だが煙幕はもって1分・・・

晴れればこちらが圧倒的優位

ピタッ

首筋になにか冷たいものが・・・

勇「今お前は死んだ」

冷たいもの・・・ナイフだ

「まさか一人で・・・?」

勇「いや、二人だ」

煙幕が晴れると自分と同じくホールドアップの体制をとる味方ばかり

勇「たすかった」

『いえ、ただこれはズルでしたね。』

勇「そうだな。」

『しかし私の有用性もわかって頂けましたか?』

勇「まぁな」





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