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「機械と少年」
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131 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/28(土) 01:58:44.82 ID:ImE7OiAMP
勇「スティーアには呼びも含めて3機しかない」

クロム「本国にはこの2倍あるっていうわね」

勇「こんなにあっても使わないだろ」

整備兵「出撃よりもオーバーホールの方が回数多いからな」

クロム「ここの街には千数百万人もの人が暮らしてるのよ。
    守る為ならやりすぎなんてないわ」

勇「そうか・・・」

クロム「そのためにも、私達が倒れることなんて許されないわ。あなたもね」

ソルダードの格納庫を後にして自分のヴィントの出発前の整備に取り掛かる
すると・・・

「それ、君の?」

声をかけられた
そこにいたのは若い整備兵だ
年は俺と変わらないくらいだ

勇「あんたは?」





132 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/28(土) 02:02:08.37 ID:ImE7OiAMP
レイト「俺はレイト。このヴィントってここの基地のじゃないよな?」

勇「ああ、スティーア基地のものだ」

レイト「君もそこの兵士なのか?」

勇「そうだ」

レイト「いい機体だな」

勇「ああ」

レイト「勿体無いくらいだ・・・」ボソ

勇「え?」

レイト「いや、なんでもない。ほら!さっさと作業に戻ろうぜ!」

お前が戻れよ。
と言い返そうとする前にさっさと何処かへ行ってしまった

勇「変なやつ・・・」

出発は翌日にすることにした






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133 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/28(土) 02:06:04.89 ID:ImE7OiAMP
翌日の朝

まだほとんど人の居ない格納庫からエマージェンシーが出された

クロム「どうした!?何があった!!」

いつもの女言葉ではなく荒々しいクロム

整備兵「ヴィントが・・・!VT2が何者かに奪取されました!!」

クロム「なんだと!?」

俺はそこにたまたま駆け込んだ

勇「どうしたんだ!?」

クロム「VT2が奪われた!」

VT2が・・・?
しかし自分のヴィントはそこにある
残るは・・・

勇「ヴァルゴのヴィントか!」

既に格納庫から飛び出した赤いヴィントは
その姿が見えない程にまで離れていた
それでも・・・!





134 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/28(土) 02:10:39.96 ID:ImE7OiAMP
勇「俺のヴィントなら追い付ける!」

ヴィントに乗り込んで電源を入れる
・・・・

勇「なんだ?」

再び電源を入れるが・・・ヴィントが起動しない

クロム「これだ!」

俺のヴィントの主要ケーブルが雑に切断されていた
恐らくこのヴィントを奪おうとしたが
所属が違う為ロックをかけていたおかげで奪われなかった
一方ヴァルゴのヴィントは基地での整備中だったので
自由に動かせてしまったのだ
このヴィントでの追撃を恐れて念入りに無力化してまで

クロム「くそっ!!」

整備兵「他のヴィントで追わせます!」

クロム「VT2には追いつけねぇ!!・・・完全に逃げられた・・・」

最新鋭のヴィントが奪われた・・・
それは人類軍にとって大きな打撃になった






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141 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/29(日) 01:05:39.78 ID:d3TNxs3NP
その後 全作戦行動チームが集まりミーティングが開かれた
俺は もうこの基地を出て行くということで参加しなかった
犯人が映っている監視カメラの画像がその後に送られてきた

勇「こいつは・・・」

あの時声をかけてきた・・・レイトとかいう奴だ

リート「知り合い・・・なんですか?」

勇「んなわけないだろ・・・」

機械軍の手先・・・なのだろう

勇「・・・」

自分のせいではないと思ってはいるが
なぜか責任を感じてしまう

勇「リート・・・少し出発は待ってくれ」

リート「いつまでも待ちますよ〜」

勇「・・・行ってくる」

向かうは司令室
その間にも通信機でゴートに今自分がしようとしている事を伝える





142 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/29(日) 01:11:40.19 ID:d3TNxs3NP
ゴート『そうか・・・。』

勇「多分ここで行動しなくては俺はずっと後悔します。・・・許可を」

ゴート『・・・なにか勘違いしているようだが』
ゴート『今はチームブラウなんて無い。
    お前がそこを出た後は自分の責任で動け。
    その代わり援護はないぞ』

勇「大丈夫です。俺には優秀な相棒がいるので」

通信は終わった
そして司令室

ホルン司令「どうした?天霧」

勇「今からここを出ます」

ホルン司令「そうか・・・いろいろとご苦労だったな」

勇「最後に一つ・・・奪われたVT2についての情報を
  自分にも与えて頂けませんか?」

ホルン司令「VT2の情報・・・?」

流石に穏やかなホルン司令も表情が厳しくなる





143 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/09/29(日) 01:17:18.28 ID:d3TNxs3NP
ホルン司令「それを聞いてどうするつもりだ?」

勇「自分もVT2を追います」

ホルン司令「君が犯人と接触した事は聞いている。
      君には何の責任もないのだぞ?」

勇「責任とかそういう事ではありません」

ホルン司令「・・・?」

勇「あいつは敢えて自分に声をかけたんです・・・!
  その時確かにこう言いました・・・」

レイト『君のおもちゃにしておくには勿体無いくらいだ・・・』

ホルン司令「貶されて頭にきた・・・ということか?」

勇「はい」

ホルン司令「・・・若いな」

勇「・・・は?」

ホルン司令「いいだろう。君にもVT2の情報を託す。」

勇「ありがとうございます」

ホルン司令「最悪VT2は破壊しても構わん。
      その悔しさ・・・ぶつけてやれ」

勇「はい!」






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