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中学時代の仲間でかけがえのない人が出来た話
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900 :846:05/03/04 01:32:05 ID:n7xajYXK
今日は ここまでです。読んでい頂いて有り難うございます。


実は、彼らは俺の機嫌を損ねたことを反省するために4人で集まって話し合いをしたそうです。

それと、お詫びに何かプレゼントをしようと言うことで新しいグローブをもらいました。

その時の事は、よく覚えてないので ここには書いていません。

確か、シュウマイを渡した次の次の日だった思います。


いつもボロボロのグローブをしていたので、グローブにしたそうです。

ろくに洗濯しないグローブだったので、また臭いネタかよ・・・。思ったりしたので その点は良く覚えてました。

こに書いてある文は、日記や覚え書きから引用しているものです。簡略化した会話もあるのであしからず。

それでは寝ます。おやすみなさい。


--------------------


943 :846:05/03/05 01:45:05 ID:GGxHjPyy
>>899から

家に帰って、バイクに着いた潮を洗い落とした。

洗っている間に何度ため息をしただろうか。

機嫌が悪いわけでもなく、落ち込んでいると言うわけでも無かった。ただ、本当にため息が漏れてくるだけ。


部屋に入り、何と無しに中学校の時の卒業アルバムを開いてみた。見慣れた面々が写っていた。勿論、自分も写っていた。

ページを見るたびに、直美ちゃんの姿を探す自分がいて恥ずかしかった。

ストーカーかよ・・・。と、思いアルバムを本棚に戻した。


ゴロリと横になっても、浮かんで来るのは彼女、本を読んでも出てくるのは彼女。とにかく、頭から離れなくなっていた。

まるで、病気にでもなったのかと思った。


明日は月曜日だから早く寝なければ、そう思い風呂に入り、布団に入った。眠れるわけもなく、天井を黙って見つめていた。

「直美ちゃんかぁ」と、声を出してみた。

当人が現れるはずもなく、声は扇風機の音にかき消された。


朝起きると、やはり彼女の顔が浮かんでしまう。寝ても覚めても、とはこのことだろう。

とにかく仕事をした。いつも通りに仕事をこなすと、夕方だった。

直美ちゃんに電話してみることにした。

「俺だけど、今は暇?」

少し緊張した声で話した。直美ちゃんに俺の声はどう伝わったのか気になった。

「暇だけど どうした?」

俺は、彼女をいつもの場所に誘おうとしていた。無理だろうな、と思っていた。

「ちょっと、いつもの場所に行ってみようかと思ってたんだけど、行かない?」

直美ちゃんは快く応じてくれた。


出かけるときの恒例行事が始まった。

まずは、風呂に入り体を丹念に洗う。タオルに石けんをこすって泡立てて、一心不乱に体を洗う。土臭さや泥臭さは無い。軽石で磨く、磨く磨く。髪をガリガリと洗う。ブラシで洗う。

そして歯を磨き風呂を出る。髪はセットしなくてもまとまるほど短く刈っているから、セットはしない。

そして、着替えて出かけた。

つづく



944 :846:05/03/05 01:48:34 ID:GGxHjPyy
しばらく待った。

カブトムシがいたので捕まえて遊んでいた。30分くらいは待ったが、バイクどころか車一台通らない。

心配になり電話使用としたがやめた。

うなだれて待っていると、聞いたエンジン音が聞こえてきた。かなり回っている。

直美ちゃんが来た。


ヘルメットを外すとき、髪がふわっと舞った。それを見て、ドキッとした。黒い髪に夕日が透けて見えた。写真にでも撮りたいくらい綺麗だった。

「ごめん!!待った!?待ったよね?」

小走りに俺の所にやってきた。

「待ったけど、これ見てたら時間忘れてたw」


カブトムシを見せると、笑われた。

「男ってカブトムシ好きだよねぇ、どうして?」と、聞かれた。

「あぁ・・。やっぱり強そうなところかな。なんか動きが遅くても かなりトルクありそうだよね?なんか戦車みたいだし。」

そう答えたら、また笑われた。

「あ!実はねぇ、これ作ってて送れました」と、直美ちゃんは紙の包みを差し出した。

「おにぎり握ってきたから食べよう」


こういうときは どう喋ればいいんだっけ?あたまの中でまた会議を開いた。会議はまとまっていなかったが喋った

「おお!ありがたい、まだ飯食べてなかった!」

直美ちゃんは、食べよう食べよう!とベンチに腰掛けた。

とても美味しかった、中身は梅干しだった。と、思う。

「今日は私だけ?」と聞かれドキリとした。

「あ、高志達も呼ぶ?」そう答えたが、直美ちゃんは「いいよいいよ、たまには少人数でやるのもいいでしょ!」明るくそう言った。


嬉しくて、何かお礼に言葉を出そうと考えた。

「おにぎり美味しいよ」

精一杯の褒め言葉だった。現に美味しかったから、この言葉しか出なかった。

「おにぎりなんて、誰が作ったって美味しいって」と、大きな口を開けて、彼女は笑った。

つづく



948 :846:05/03/05 02:01:32 ID:GGxHjPyy
せっかくのチャンスだし、ここで思いを告げて果てよう。そう思い、何度も言おうとしたが出来なかった。

ここまで来てどうして?と、思ったが理由はすぐに出てきた。

自分が弱いからだ・・・。

そう思いつつも、笑顔で話しを聞く自分がいて、辛かった。

「あ!VFR!」と言われ、ハッとした。

VFRが峠を下っていった。

「VFRも なかなか格好いいよね」

とっさの事だったので「白バイのVFRに乗ってみたいなぁ」としかしゃべれなかった。

「確かに白バイって格好いいよねぇ。でも、ヘルメット脱いでサングラス外したら おじさんだったという、前例があるよ」

二人で大笑いした。

「でも、○△(俺)だったら似合うかもね」

嬉しかった。好意を寄せている人から褒められると、こんなにも嬉しいのか。

段々といつもの調子が出てきてその日は楽しく過ごせた。

そして、新たに決意した。


次に会うときは、絶対に思いを伝えよう。ダメだろうと何だろうととにかく、それだけは伝えたかった。

帰り道、グリップを握る手に力がグッと入った。誰も通らない旧道を、ガンガン攻めて帰った。

が、転んだ。

また気を引き締めることが出来た。

つづく



961 :846:05/03/06 02:21:18 ID:pQZKIt7G
>>948から

そして、数日してまた土曜日がやってきた。

案の定 電話が鳴った。

珍しくミカちゃんからだった。

「あぁ・・・。今日は暇?」

勿論、暇だと答えた。


風呂に入り身だしなみを整えて、準備も万端だ。

「あのさぁ、ちょっとみんなに話したいことあるんだけど・・・」

ミカちゃんらしくない不安げな声だった。


とにかく、いつもの場所に向かった。長袖の裾からねっとりとした、夏の熱気が入り込んでくる。

不安げなミカちゃんの声も手伝い、おかしな汗が流れてくる。


いつもの場所に着くと、高志が一人で待っていた。

「ミカちゃんから電話もらった?」と、聞くと久志から電話が着たと言った。

「遅いな、ところで俺のバイクなんだけど、どこかちがくないか?」

何か嬉しそうな表情で、ドゥカティをさすった。ドゥカティを隈無く見たが、いつもと変わらない赤いバイクだった。

「気づいてくれよ!今日、洗ったんだよ」と、嬉しそうにドゥカティを抱きしめた。

「そうか、どうりでピカピカだと思ったよ!ウン、本当にピカピカだ」

半ば、バカにした様な口調で言ったら。高志は、こぉのやろーと言いながらゆっくりと近づいてきた。思いっきり脇を後ろから くすぐられた。

涙を流しながら笑っていると、異なるバイクのエンジン音が聞こえた。直美ちゃんとミカちゃん、久志だった。


ベンチに座って、ミカちゃんから話を聞いた。

「私さぁ、実はねぇ、久志とつき合うことになった」

うまく話が飲み込めず、もう一度聞いた。

「だからぁ、つき合うの久志と」

久志が顔を真っ赤にしながら、口をゆっくりと開いた。

「俺、ミカのことずっと好きだったから、思い切って言った」

直美ちゃんは、終始ニコニコと笑いながら、話を聞いていた。

「いやぁーー、参ったなぁ。まぁ、仲良くな!二人とも」

高志は、二人の方を叩きながら言っていた。

「とにかく、二人とも良かったな。二人ならうまくいくって」ただそれしか言えなかった。

自分の直美ちゃんに対する心境を考えると、俺も!と、強い気持になった。だが、今日勢いで直美ちゃんに伝えても浅はかなだけだと思い、その日はやめた。

自分の、直美ちゃんが好きという気持が最高潮に達して、我慢出来なくなったら 思いっきりそれをぶちまけようと思った。

つづく





>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, すっきりした話,
 


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