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中学時代の仲間でかけがえのない人が出来た話
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424 :846:05/03/16 01:52:49 ID:psWiZQPg
外へ出ると、数組の男女が何かを語り合っていた。

邪魔かな、と思い坂道を登って景色のよく見えるところへ行った。

ゆっくりと柵に腰を下ろして吐き気を耐えた。


少しして吐き気がおさまった。

またロッジに入ると、酔いつぶれた人や眠くて寝てる人が、場所を占拠して足の踏み場が無かった。

一人座って、ウーロン茶を飲んでいた。


肩を叩かれた。直美ちゃんが後ろに立っていた。

顔が真っ赤になっていた。

「ねぇ、ビール飲まないの?美味しいよ」と言われたが、苦笑いして断った。

かなり酔っているらしく、目がうつろだった。

「ウーロン茶!?子供の飲み物だよそれ!」と言われたが、飲まなかった。

直美ちゃんは早くも、コップ4杯目を空けようとしていた。

「飲み過ぎだって。あまり無理したらダメだって」と、なだめたりしたが無視してゴクゴクと音を立てて飲んでいた。

こういうのを見ると美味そうに見えるけど、飲んだ後の事を考えるとやはり、飲めない。

「ちょ、外行こう外!」そして、無理矢理俺の手を引っ張って外に連れ出した。

中で話をしていた連中が、俺をからかった。

「いいチャンスだと思って、変な気起こすなよ!」

そんなことは とうてい出来ない。


「ほら!ほら!橋見えるよ橋!」そう言って、夜景を指さして一人笑っていた。

俺は と言うと、それに合わせてただ頷くだけだった。

「ねぇ、あんたアルコール入ってないよね?」

そう言うと、俺の胸ポケットに手を突っ込んで車のキーを取り出した。

「その辺ちょっと回ってこよう!ぐるぐる」

そう言われて、無理矢理車まで連れて行かれた。

つづく



469 :846:05/03/19 01:49:53 ID:EVa4GWzY
>>424からの続き

取りあえず車に乗り、その辺をドライブした。

高志という存在がありながら、こんなことをしていいのだろうか?と考えた。

けど、別に俺から誘った訳ではないから、別にいいだろうと、自分を納得させた。


「あんまり遠くには行かないで戻るから」と、一応断ったが、「私がいいって言うまで」と一刀された。


「ねぇ、まだ気にしてる?」と、聞かれた。

思い当たる節が色々ありすぎて、何のことだか分からなかった。

「何のこと?」と聞くと、直美ちゃんは少し笑って答えた。

「私にふられたこと」

まさか、そんなことを聞かれるとは思わなかったので、びっくりした。


「当然と言えば、当然の結果だったと思うけど、自分の心の中では ちょっとだけ自信があったよ。けど、そんな自信持ってた事が すごく情けなかったけど・・・。」


素直に思っていたことを話したが、直美ちゃんは、「そっかぁ・・・。」と一言だけ言って、黙ってしまった。


緊張で喉が渇いてきた。自動販売機の脇に車を止めた。

「何か飲む?」と聞いても返事は無かった。寝ていた。

起こさずに、お茶を二つ買ってまた車を走らせた。



「私寝てた!?」と、直美ちゃんは突然叫んだ。

「ちょっと、車どこかに止めて。風にあたりたい・・」

飲み過ぎのツケが回ってきたようだった。

少し先に、広い路側帯があるのを知っていたので、そこに車を止めた。

「はぁ、飲み過ぎた」そう、言いながら直美ちゃんは外へ出た。

つづく



470 :846:05/03/19 02:12:30 ID:EVa4GWzY
俺は何となく、ガードレールに寄りかかって、下にある川を見ていた。

特に何かを思って、川を見たわけではなくて間を持たせるために、わざと川に何かあるかのように見ていた。

後ろから、直美ちゃんが抱きついてきてガードレールの外へ落ちそうになった。

「おい、ちょっと・・・」と言ったが、咄嗟だったから、体が硬直してしまった。

「ねぇ、高志より あんたのこと好きになっちゃった・・・」

そんなことを言われても、まともに答えを返せるわけが無かった。

「高志とは別れたのか?」

そそう言いながら、直美ちゃんの腕を解いて後ろを向いた。

「別れてない」

そう言うと、しゃがみ込んでしまった。

「だったら、俺にこんなことしないほうがいいと思うけど・・・」


なんだか、悲しさと怒りが入り交じったような気持になり、すぐにこの場から逃げたくなっていた。

「高志のことは嫌いじゃないけど、私はやっぱりあんたのことのほうが好き」

俺は、自分の顔が何故か怒りに歪んでいるのに気付いて、直美ちゃんに背を向けた。

「そんなこと言われても・・・」

なるべく、怒っていないかのように喋った。

はっきり言って、嬉しくなかったが恥ずかしいことに、少しだけ嬉しかった。

「ねぇ、だめ? 」

しゃがみ込んだまま、話を続けようとしていた。


「飲み過ぎだって。早く酔い覚ませよ」と、言いながら直美ちゃんを立たせて車に乗せた。

そして、そのままロッジに着くまで寝ていた。


ロッジの中では、また復活した連中が酒盛りを始めていた。

高志は他の連中らと、下のダムに肝試しをしに行ったらしい。

彼がいなくて本当に良かった・・・。そう思いつつ、直美ちゃんを背負って二階のベットのあるところに寝かせてきた。

つづく



471 :846:05/03/19 02:14:27 ID:EVa4GWzY
複雑な気持になり、とても同窓会を楽しむところではなかった。

他の連中に気付かれないように、こっそりと帰った。

何から先に考えていいのか分からなかった。

やっと、みんなの中が戻りかけていた矢先の事だったから、ショックも大きかった。


家に帰り、夜中にもかかわらず音楽をガンガン流した。

「うるさい!静かにして!」

姉が部屋に突然入ってきて注意された。

「ごめん・・・」いつもなら、憎まれ口の一言や二言は当然だったが、その日はそんな気力も無かった。

ボリュームを絞ると、姉がイスにどっかと座った。

「ラリーカールトンだっけ?曲名なんて言うの?」

CDのケースを取ってそう言った。

「ルーム335・・・」

姉は解説を読んでいた。

「用がないなら出てって」

そう言うと、俺は布団に入ろうとした。

「何かあるなら話した方が楽になると思わない?」


姉は気遣って、言ってくれたのだろうが、とても話せるような状態ではなかった。

とにかく、一人になりたかった。

つづく



472 :846:05/03/19 02:19:37 ID:EVa4GWzY
今日はここまでです。


>>427
そう言ってもらえると嬉しいです。

>>428
ちゃんと最後まで書きますので おつき合い願います。

仕事が忙しくなってきたので、また間を空けるかもしれませんが、気長に待っていてもらえれば・・・。

ちなみに、昨晩オールナイトニッポンエバーグリーンというラジオ番組を聴きながら仕事をしていたら、話に出てくるラリーカールトンのルーム335が流れてきて、かなり鬱になりました。トラウマになってしまったようです・・・。





>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, すっきりした話,
 


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