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小学生の時から知ってる女の子のこと想い過ぎたら大変なことになった
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50 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)00:48:08 ID:PDj(主)
死ぬ前に綾子の墓をみたいと思った。場所は友達から既に聞いていた。

残りわずかな貯金を引き出し、1日をかけて身なりを整えた。

散髪。

礼服の購入。

彼女の墓がある場所までの移動手段の購入。




俺は、ついにやってきた。

目の前には綾子のお墓がある。

真っ黒な墓石に彼女の名前が彫ってあり、その墓地の周りには静けさが漂っていた。

バケツに水を汲み、持ってきたハンドタオルで彼女の墓を綺麗にしてやる。

とにかく必死に綺麗にした。

礼服が汚れても関係ない。

十分に綺麗になったところで、線香を添える。

そして、手を合わせ目を閉じた。



綾子、会いに来たぞ。

何年振りだろうな。大きくなっただろ、俺。

本当ならもっと早く会いに行けばよかったんだけどな。

結局、お前に追いつくことができなかったよ。

ごめんな。

約束、果たすの遅れてごめんな。







52 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)00:50:02 ID:PDj(主)
俺は全力で泣いた。

大人がここまで泣いていいのかというぐらい、泣いた。


俺はお前との思い出もない。

俺はお前の姿すらよく思い出せない。

俺はお前の声がわからない。

俺はお前の身長もわからない。

俺はお前の・・・全てを俺はわかっていない。

悔しくて、悲しくて、何もなくて、愛しくて。

叫ぶように泣いた。

全てを失った。

もう俺には何も残っていない。








56 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)00:56:50 ID:PDj(主)
それからの記憶はあまりない。

泣いているときに誰かがきて、ひたすら俺を慰めてくれた。やさしい老人だった。

近くのベンチに俺を連れて行き、座らせる。

老人「話せば落ち着く」

おじいさんはそういって俺が何故悲しんでいるのか聞いてくれた。

綾子を想い続けた俺の狂った人生を全て聞いてくれた。

すべて話し終わって、おじいさんはやさしく笑って俺に言葉を放つ。

老人「綾子っていう娘さん、幸せじゃよ」







59 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)00:58:36 ID:PDj(主)
たったそれだけの言葉だった。

何時間も話して、老人が言ったのはそれだけ。

それだけなのに、俺には十分すぎた。


少しでも綾子の為になれたのかもしれない。俺は。

自分では気付くことができなかった、ちょっとしたこと。

ずっと一人で苦しんでいた男にはわかるはずもない他人の気持ち。

半年振りに、生き返ったような気分になった。





61 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)01:03:13 ID:PDj(主)
おじいさんも1年前に最愛の人をなくしたらしい。すごく悲しんだ。

毎日一緒にいた人がいなくなるということがどういうことなのか、教えてくれた。



それでもおじいさんは生き続けると語る。

死後の世界でもし会えたなら、少しでも長く生きた分、思い出話を聞かせてやれる。

だから長生きするのだと。



人生の大先輩はそれを伝えると、そろそろ帰ると言って重い腰を上げた。

老人「若いの、失ってからが人生の本番。取り返すも内に秘めるも自由」

難しい言葉を残して、おじいさんは去っていった。







62 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)01:04:47 ID:PDj(主)
結果として、俺は生きている。

俺は内に秘めていこうと思う。

誰も知らない。

本人も知らないままで終わったくだらない俺の恋愛。

日本社会はいかに傷ついて倒れていようと、病んでとまっていても容赦はなかった。

半年間なにもしなかった分のつけが回ってくる。

就職しようにも仕事がみつからず、貯金だって残っていない。

あるのは人と人のつながりだけだった。










63 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)01:05:23 ID:PDj(主)
家族、友人、元同僚、元上司、お店の店員。

いろんな人が俺のことを知っている。

俺は恥をしのんで、その人達に頭を下げ続けた。

仕事をください。チャンスをください。

何度も何度も頭を下げて、元会社の課長からとある職場を紹介された。

それが今の職業である、飛行機の製造工場員。



日本は高い品質が世界で評価されており、飛行機の部品も数多く日本で製造している。そんな会社を紹介してもらった。

無事に採用してもらい、日々物造りを頑張っている。

整備経験が買われたのか、今度アメリカに出張しにいくことになった。



人生大変だが、俺は必死に生きている。

失って気付いたことは、人の温かさ。

最近はお金をためて海外旅行とかいきまくっている。

相手はいない、一人旅だ。

なぜかっていうと、おじいさんのように思い出をいっぱい作っておこうかなと思って。

ロシアいったときに殺されそうになったことや、イタリアで美人な姉さんとワンナイトラブしかけたのはいい思い出だろう。







66 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)01:07:51 ID:PDj(主)
長くなったけど、俺の話はここまで。

最近、機会があって綾子の両親に会って話をきかせてもらってきた。

中学生のときに綾子はよく俺の話をしてくれていたらしい。

そこで綾子の思い出話を聞いたら、話したくなった。

だから勝手ながら掲示板を使わせてもらいました。



最後まで付き合ってくれた人、ありがとう。


質問は気が向いたら返すと思う。

それじゃあ、みんなも人の想い過ぎるときは覚悟しておけなー








70 :名無し :2015/09/29(火)01:33:59 ID:b0U






71 :名無しさん@おーぷん :2015/09/29(火)01:34:39 ID:3WW
俺も綾子みたいな女と出会いたかった

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カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 純愛,
 

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