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数年前、自殺しようとしてた俺が未だに生きてる話
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251 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:03:35.68 ID:s7iJPSG6.net
「俺だって、行ったよ!」
「すげえ一生懸命努力してさ」
「俺、ずっと家の外なんて出たことなかったんだぞ」
「それを、君が待ってるからってさ」
「でも、あなたは現れなかった」
にべもなく、レイは言った。
その思いやりのない言葉に、俺は少しキレた。
「俺だって努力したんだ!」
「実際、公園にも行った!」
「そりゃ、結果的には遅刻したかもしれないけど」
「俺がどれほど大変だったか、少しは考えてくれてもいいんじゃないか?!」
252 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:08:52.16 ID:s7iJPSG6.net
「その努力は私には見えない」
しかし、レイの返事はさらに思いやりのないものだった。
「私にとっての事実は、一つ」
「私は行った。あなたは来なかった」
「それだけ」
「俺の努力は見えない? 努力なんて見えるもんじゃないだろ!」
俺は怒鳴った。・・・・・・怒鳴るような勢いでエンターキーを打ち込んだ。
「俺だって、行ったよ!」
「すげえ一生懸命努力してさ」
「俺、ずっと家の外なんて出たことなかったんだぞ」
「それを、君が待ってるからってさ」
「でも、あなたは現れなかった」
にべもなく、レイは言った。
その思いやりのない言葉に、俺は少しキレた。
「俺だって努力したんだ!」
「実際、公園にも行った!」
「そりゃ、結果的には遅刻したかもしれないけど」
「俺がどれほど大変だったか、少しは考えてくれてもいいんじゃないか?!」
252 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:08:52.16 ID:s7iJPSG6.net
「その努力は私には見えない」
しかし、レイの返事はさらに思いやりのないものだった。
「私にとっての事実は、一つ」
「私は行った。あなたは来なかった」
「それだけ」
「俺の努力は見えない? 努力なんて見えるもんじゃないだろ!」
俺は怒鳴った。・・・・・・怒鳴るような勢いでエンターキーを打ち込んだ。
253 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:19:36.83 ID:s7iJPSG6.net
けど、やはりレイは動じなかった。
「あなたが私の前に現れること」
「それが あなたの努力が可視化したということ」
「どういう意味だよ!」
俺はやはり怒っていた。
しかし、レイはいつもの調子で続けた。
「〈努力をした〉」
「人はその言葉をよく口にする」
「他人に認められたいから」
「その欲求を否定するつもりはない」
「けど、その言葉を聞くたび、私はこう思っている」
「〈努力は申告制〉」
「その本人の感じ方次第」
「日に一時間、何かしたことを〈努力した〉と言う人もいれば」
「十時間やって〈努力した〉と言う人もいる」
「どれだけ集中しているのかもわからない」
「だから、努力は本人の申告制」
「他人である私に、あなたがどれだけ〈努力した〉かを計る術はない」
254 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:27:08.97 ID:s7iJPSG6.net
「〈努力は申告制〉・・・・・・?」
「そうよ」
涼しげなレイの言葉に、俺は ぽかんとした。
〈努力した〉という言葉が他人に受け入れられないなら、それなら、〈努力〉するは無駄なことなのか?
つまり、結果が出なければ、どんなに努力したって無駄だって言いたいのか??
「そうは言っていない」
俺の疑問を、レイは否定した。
255 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:42:24.34 ID:s7iJPSG6.net
「〈努力〉は目標への道のり」
「積極的にするべき」
「けど、そんなのやっぱおかしいよ」
俺は言った。
「だって、君が言ってるのは、結果が出なきゃ〈努力〉を認めないってことだろ? 世の中には結果が出なくても、本当に〈努力〉を人だっているはずだ」
もちろん、それは俺だ!なんて言うつもりはないけど、例えばオリンピックに出たくて努力してる人たちが、全員、そこに出られるわけじゃない。選考から漏れる人が必ずいる。
そして、それは(たぶん)才能とかの差であって、努力の差じゃないはずだ。
でも、出場できなければ、結果は出たことにならない。
レイはそういう人の努力まで否定するつもりだろうか。
256 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:49:07.84 ID:s7iJPSG6.net
「オリンピック選手ね」
レイは俺の質問に答える前に、少し皮肉を言った。
「あなたは もう少し身の丈に合った想像をしたほうがいいと思う」
「すぐにトップの人たちと自分を並べるのは、いいことだとは思わない」
「目指すべき位置に彼らを置くならいいのだけれど」
「・・・・・・どうせ俺は底辺の人間だよ」
「そうやって、自分を貶めるのもあなたの悪い癖」
「トップはいても、底辺はいない」
「私はそう思ってる」
俺の自嘲を、レイは真面目に諭した。
257 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 11:59:54.47 ID:s7iJPSG6.net
「それで、あなたの質問だけど」
レイはすぐに話を戻した。
「結果がすべてだとは思わない」
「努力しても報われないことは多い」
「けど、その努力は認められるべき」
「さっきと言ってることが違うだろ」
俺は顔をしかめた。
「さっきは、結果=努力が可視化した状態って言っただろ。結果が出ない努力は計れないって。その計れない努力を、どうやって認めるんだよ」
「〈自己申告制〉の努力をさ」
258 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 12:15:35.61 ID:s7iJPSG6.net
「努力を計る術はない」「正確には」「それは本人にしかわからないこと」
「じゃ、やっぱり・・・・・・」
「けど、努力には見えるものもある」「他人は、そういうものを指標にするしかない」「受験勉強なら、解き終えた参考書の数」「スポーツなら、練習量」「それが他人に見える努力」「本当に努力をしているなら、必ず記録としてあとに残るもの」
259 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 12:25:07.57 ID:s7iJPSG6.net
「でも、じゃあ俺の努力はどうなるんだよ」
俺は今朝の自分を思い浮かべた。
確かに、約束の時間には間に合わなかった。けど、俺は努力した。
引きこもってた部屋を飛び出して、ほとんどパニックになりながら公園に行った。
「その俺の努力はどうなるんだよ。何の記録も残らないし、結果も出せなかった。なら、俺はなにもしてないってことになるのか? 俺の努力は全部無駄だったのか?」
260 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 12:30:51.82 ID:s7iJPSG6.net
「無駄なはずがないわ」
レイは言った。それは いつになく優しい言い方だった。
でも、俺はそれに反発した。
「何でだよ。君は俺の努力を認めてくれないんだろ? 見えないから」
「ええ」「私はあなたが努力したことを知らない」「あなたは現れなかったから」
「じゃ、やっぱり無駄・・・・・・」
「無駄じゃない」「そう言ってるでしょう」
レイは続けた。
「確かに、私はあなたの努力を知らないかもしれない」
「けど、あなた自身は?」「あなたは誰よりも知っているはず」「自分が努力して、その結果行動が起こせたことを」「その部屋から出たことを」
>>次のページへ続く
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